尚人とは?

「中学を卒業する時にたまたま競輪選手という職業があるというのを知っていて、高校から始めればスタートはみんな一緒だし、自転車という身近なものを使う職業というのもあったので、自分でも頑張れば何とかなるかなと思って。それで、高校から自転車部に入って競輪選手を目指すようになりました」
競輪選手を目指したきっかけについてこう話すのは荻原尚人。身長188cmという恵まれた体格を誇る大型先行選手だ。荻原は89回生として競輪学校に入学。だが、その89回生には同じ北日本に菊地圭尚(北海道)と明田春喜(北海道)という2人の有望新人がいた。しかし、荻原自身は彼らをライバル視することは無かったという。
「そんな周りばっかり見ていても何かの得になる訳でもないし、あんまり考えても意味がないですから、マイペースに自分は自分でという感じでしたよ。人のことを気にするよりも自分と向き合うことが大切だし、その中で自分のやるべきことをしっかりやっていこうと思ってましたから」
その「やるべきこと」というのが荻原にとっては先行だった。競輪学校の競走訓練でも果敢な先行勝負を見せ、強烈なインパクトを残していた。
「みんなが主導権を取りたがっている中で自分が先行するというのは見た目以上に大変な仕事だと思うし、競輪学校ではそれが出来ていたので自信にはなりましたね。もしかしたら、その頃から先行選手としての自覚みたいなものが芽生えてきていたのかなと、今は思いますね」
「デビュー戦でいきなり決勝に乗れて、その後も何回か決勝に乗っていく中で12月には初優勝(四日市)もして、2期目ではS級の点数を取ることが出来たりと、自分の中ではここまで順調に来るとは思ってなかったので、完全に予定外ですよ(笑)」
そう冗談半分に謙遜してみせるが、今期から上がったS級の舞台は荻原にとって大きな影響を与えているようだ。
「脚力的にはA級の上の方とS級の下の方では同じかなとは思いますけど、気持ちの部分がA級とは全然違いますよね。全員が必死になって勝ちにきているというか。その気迫がA級とは全然比較にならなくて。でも、そういう全員が必死になってきてる中で走るというのは自分にとってもすごく刺激になりますし、自分にもそういう『必死』な気持ちが芽生えることによって精神面でも成長出来るかなと思うので、それはすごく大きな財産にはなってますね」
その結果としてS級シリーズでは何度か優出を経験、4月の西武園GIIIでは準決勝Bまで進む活躍を見せている。
「結果に関しては展開次第というのもありますけど、すんなり先行することさえ出来れば、ゴール前でもいい勝負が出来るかなという自信は付いてきましたね。まあ、最近は1着数が少ないかなとは思いますけど、S級シリーズでも初日特選を走ることが多くなってきたし、そういう中で1着取るというのはなかなか難しいことだと思うので、それほど気にはしてないですよ。まあ、今は結果のことよりも内容の方に重点を置いていると言うか、自分の納得するレースをしようということを心掛けて走っていますから、主導権にはこだわってますね。僕の場合は捲りがあまり得意ではなくて、先行してナンボの選手ですから、これからも徹底先行スタイルで頑張っていきたいなと。それに、今まで先行一本でやってきた経験として、ペース配分とかも色々分かってきてるし、そういったものを今後も生かしていきたいなと思います」
現在の北日本は高松宮記念杯でタイトルホルダーの仲間入りを果たした山崎芳仁(福島・88期)ら若手選手の台頭が目覚ましい福島県を中心にかなりの盛り上がりを見せている。しかし、それは荻原にとっては悔しいことでもあると言う。その悔しさを胸に今後の飛躍を誓う大型先行・荻原から目が離せない。
「盛り上がってるといってもファンの方としてみれば、北日本=福島というイメージが付いてしまっているでしょうし、そういった部分では宮城県自体が福島県に差を付けられてしまって悔しい気持ちもあるので、これからは宮城県全体を盛り上げていきたいなと。今は90期や91期からもいい選手が出てきているので、自分も負けないように頑張りたいですね。
そのためにも、とりあえずはS級シリーズと言えど目の前の一戦一戦を大事に戦って、少しづつでもいいから成長していくことですね。GI競輪に出場したいって言うのは簡単なことですけど、それは結果を出した人が言うことであって、結果を出してない人が言っても何の説得力も無いですから。だから、まずはS級シリーズで結果を出して自分の言葉に説得力を持たせてから、目標を考えていきたいなと思います。これからも先行一本で頑張っていきますので、応援よろしくお願いします」
昭和58年10月19日生。市立仙台商業高校卒。身長 188cm、体重85kg。血液型A。最近の練習は同期や、7月にデビューしたばかりの91期らとともバイク誘導を中心とした練習を宮城野にあるバンクで行い、その他にも街道練習やウエイトなどもこなし総合力のアップを図っているという。

[ 53] ニュースター・インタビュー 荻原尚人
[引用サイト]  http://keirin.jp/pc/dfw/portal/guest/column/bk_number/2006/nsi/nsi_363.html



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