インフルエンザとは?

普通のかぜとインフルエンザを混同してはいませんか。普通のかぜの症状は、のどの痛み、鼻汁、くしゃみや咳(せき)などが中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することはほとんどありません。
一方、インフルエンザの場合は38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が強く、あわせて普通のかぜと同様の、のどの痛み、鼻汁などの症状も見られます。さらに、気管支炎、肺炎、小児では中耳炎、熱性けいれんなどを併発し、重症化することがあるのもインフルエンザの特徴です(医療従事者向けのQ1〜Q3を参照)。
高齢者や、呼吸器や心臓などに慢性の病気を持つ人は重症化することが多いので、十分注意する必要があります。最悪の場合は死に至ることもあります。近年、小児がインフルエンザにかかると、まれに急性脳症を起こして死亡するといった問題も指摘されています(医療従事者向けのQ34を参照)。
また、インフルエンザは基本的に流行性疾患で、我が国では例年11月〜4月に流行しますが、一旦流行が始まると、短期間に乳幼児から高齢者まで膨大な数の人を巻き込むという点や、インフルエンザが流行した年には、高齢者の冬季の死亡率が普段の年より高くなるという点からも、普通のかぜとは異なります(医療従事者向けのQ13を参照)。
インフルエンザには原因となっているウイルスの抗原性の違いから、A型、B型、C型に大きく分類されます。A型はさらに、ウイルスの表面にある赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という、2つの糖蛋白の抗原性の違いにより亜型に分類されます。いわゆるA/ソ連型、A/香港型というのは、この亜型のことです。歴史的にA型が大きな流行を起していますが、B型もヒトに感染し流行を起こします。C型もヒトに感染しますが、大きな流行は起こさないとされています。現在、ヒトの世界で広く流行しているのは、A/ソ連型ウイルス(H1N1亜型)、A/香港型ウイルス(H3N2亜型)、B型ウイルスの3種類ですが、症状や治療、予防法には大きな違いはありません(治療薬は型により異なることがありますので、医療従事者向けQ4〜Q5を参照してください)。インフルエンザの発症を防げるかどうかは、それぞれの人のからだがそれぞれのウイルスの種類に対して、防御のための抗体を持っているかどうかが鍵(かぎ)を握っています。
また、このように抗原性の違う2種類のA型インフルエンザとB型インフルエンザのウイルスが、同じシーズンの中で複数流行することが多いので、A型インフルエンザにかかったあとB型インフルエンザにかかったりすることがおこります。
予防の基本は、流行前にワクチン接種を受けることで、これは欧米では一般的な方法です。わが国でも年々ワクチンを受ける方の割合が増えてきています。インフルエンザにかかった場合の重症化防止の方法として有効と報告されています(医療従事者向けQ18参照)。インフルエンザは、インフルエンザにかかった人の咳(せき)、くしゃみ、つばなどの飛沫と共に放出されたウイルスを、鼻腔や気管など気道に吸入することによって感染します(飛沫感染と呼ばれています)。インフルエンザが流行してきたら、特に高齢者や慢性疾患を持っている人や、疲れていたり、睡眠不足の人は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。
空気が乾燥すると、インフルエンザにかかりやすくなります。のどの粘膜の防御機能が低下するためですので、外出時にはマスクを利用したり、室内では加湿器などを使って適度な湿度(50〜60%)を保ちましょう。十分に休養をとり、体力や免疫力を高め、常日ごろからバランスよく栄養をとることも大切です。帰宅時のうがい、手洗いも、一般的な感染症の予防としておすすめします。また、インフルエンザにかかって、咳(せき)などの症状のある方は特に、周りの方へうつさないために、マスクの着用が勧められます。
なお、症状が出る前から抗インフルエンザウイルス薬を飲むことによる、インフルエンザの症状を予防する効果については、まだ国内での調査研究が十分に行われておらず、現在のところ推奨されていません。(医療従事者向けQ7参照)
どの病気でも共通して言えることですが、早めに治療し、体を休めることは、自分のからだを守るだけでなく、他の人にインフルエンザをうつさないという意味でも大変重要なことです。一般的には以下のような点に注意しましょう。
インフルエンザウイルス治療薬としての抗ウイルス薬は、医療機関で診察の上で使用できます(医療従事者向けQ5参照)。インフルエンザには抗生剤(抗菌薬)は効きません。しかし、インフルエンザにかかったことにより、他の細菌にも感染しやすくなり、このような細菌の感染による肺炎や気管支炎などの合併症に対する治療として、抗生剤(抗菌薬)が使用されます。それぞれの薬の効果は、ひとりひとりの症状や体調によっても異なり、正しい飲み方、飲んではいけない場合、副作用への注意などがありますので、医療機関できちんと説明を受けてください。また、使用する、しないは医師の判断となりますので、十分に医師に相談することが重要です。
なお、いわゆる「かぜ薬」と言われるものは、発熱や鼻汁、鼻づまりなどの症状をやわらげることはできますが、インフルエンザウイルスや細菌に直接効くものではありません。
解熱剤には多くの種類があります。その中で、インフルエンザに罹っているときには使用を避けなければならないものがあります。代表的なものが、アスピリンなどのサリチル酸解熱鎮痛薬、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸です。別の人に処方された薬はもちろん、当人用のものであっても別の受診時に処方されて使い残したものを使用することは避けるべきです。また、市販の解熱鎮痛薬の一部にはアスピリンなどのサリチル酸系の解熱鎮痛成分を含んだものもありますので、自己判断せず、使用時にはかかりつけの医師によく相談してください。詳細は医療従事者向けQ6をご参照ください。
一般的にインフルエンザウイルスに感染して、症状がでてから3〜7日間はウイルスを排出すると言われています。健康な成人では、インフルエンザは通常2〜3日で熱が下がりますので、熱が下がっても一両日はうつす可能性が残ることになります。したがって、症状がでてから3〜7日間は他の人へうつす可能性が高いので、人の多く集まるところは避けた方が良いでしょう。学校や職場に行く場合はマスクをするなど、周囲の人へうつさないように配慮してください。
学校保健法では、「解熱した後2日を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としておりますが、「ただし、病状により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めたときは、この限りではない」となっており、医師の裁量が認められております。また、職場復帰の目安については決まったものがありません。
インフルエンザ罹患後には体力等の低下もありますので、以上のような点を考慮の上、いずれの場合も無理をせず、十分に体力が回復してから復帰するのがよいと考えられます。また、咳(せき)などの症状が続いている時に人の集まるところへ出て行く場合には、咳(せき)やくしゃみをする際には必ずハンカチやティッシュで口元を覆う、あるいはマスクをするなど、周囲への配慮(レスピラトリー・エチケット)が望まれます。
インフルエンザにかかった人が部屋の中にいた場合、その人の咳やくしゃみ(飛沫)の中にインフルエンザウイルスがいる可能性がありますが、飛沫というのは1〜2メートル以上は飛びませんし、マスクをしていれば飛沫の発生は最小限に抑えることができます。また、手や指先を介した感染もありますので、手洗いは重要です。狭くて換気の悪い部屋などでは、比較的長くウイルスが浮遊することもありますので、時々空気の入れ換えをすることや、部屋の湿度を適度に保つことなどが大切です。インフルエンザウイルスはほとんどの消毒薬に弱いので、目に見えるような、痰(たん)やつば、くしゃみで飛んだ分泌物などによる汚れがある場合には、通常の消毒薬により消毒しておくほうがよいでしょう。しかし、部屋などは通常の掃除だけで十分だと考えられます。
インフルエンザにかかっている時に着用した衣服には、ウイルスが付着していることが予想されますが、これから感染を起こすことはまれだと考えられています。通常の洗濯をして日なたに干す、あるいはアイロンをかけるなどしておけば、インフルエンザに限らず、多くのウイルスの感染性はなくなってしまいます。
インフルエンザワクチンの接種を行うことで、インフルエンザによる重篤な合併症や死亡を予防し、健康被害を最小限にとどめることが期待できます。このワクチンの効果は、年齢、本人の体調、そのシーズンのインフルエンザの流行株とワクチンに含まれている株の合致状況によっても変わります。ワクチンの接種を受けないでインフルエンザにかかった65歳以上の健常な高齢者について、もし接種していたら約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったと報告されています。特に65歳以上の方や基礎疾患がある方(気管支喘息等の呼吸器疾患、慢性心不全、先天性心疾患等の循環器疾患、糖尿病、腎不全、免疫不全症(免疫抑制剤による免疫低下も含む)など)では、インフルエンザが重症化しやすいので、かかりつけの医師とよく相談のうえ、接種を受けられることをお勧めします。
わが国のインフルエンザワクチンは、WHOが推奨したウイルス株を基本にして、日本の流行状況や流行前の健康な人が持っている免疫の状況などから予測して作られています。現在のインフルエンザワクチンには、A型2種類およびB型1種類が含まれており、A/ソ連(H1N1)、A/香港(H3N2)、B型のいずれの型にも効果があります。また、ワクチン接種による免疫の防御に有効なレベルの持続期間はおよそ5ヵ月となっていますので、毎年流行シーズンの前に接種することをお勧めします(Q9および医療従事者向けQ18〜Q20)。
なお、当然のことですが、インフルエンザワクチンの接種ではSARSはもちろん、他のウイルスによる「かぜ」(かぜ症候群)にも効果はありません。
インフルエンザに対するワクチンは、個人差はありますが、その効果が現れるまでに通常約2週間程度かかり、約5ヶ月間その効果が持続するとされています。また、過去に同じ型のインフルエンザにかかっているか、ワクチン接種歴が有るか無いかにより、ワクチンの効果が現れるまでに差があると考えられています。多少地域差はありますが、日本でのインフルエンザの流行は12月下旬から3月上旬が中心になりますので、12月上旬までには接種をすまされることをお勧めします。
2回接種の場合は、2回目は1回目から1〜4週間あけて接種しますので、1回目をさらに早めに接種しましょう。最も免疫を獲得する効果が高いのは、1回目の接種と2回目の接種間隔がおよそ4週間の場合とされていますが、体調不良などで1回目と2回目の期間が4週間以上あいたとしても、ワクチン接種の効果はありますので1回目からやり直す必要はありません。2回接種が必要な方は接種が可能になった時点で2回目の接種を受けておきましょう。また、逆に流行が始まっていて、2回接種を急いで行う必要がある場合には、不活化ワクチンですので、1週間以上あいていれば2回目の接種が可能です。
インフルエンザの流行には地域性がありますので、全国的なインフルエンザの流行が始まっていても、地域によってはまだ流行していない場合もありますし、その逆に、全国に先駆けて流行する場合もあります。インフルエンザワクチンは接種してから免疫が出来るまでに約2週間かかることを考慮して、お住まいの地域で流行がピークになるまでに間に合うか間に合わないかを、地域の流行の状況をよく見て判断し、かかりつけの医師とご相談して接種をしてください。なお、インフルエンザは1シーズンに2種類以上の型が流行することがありますので、今流行している型には間に合わなくても、その後別の型が流行する場合はその型の予防を期待して接種をしておくのもよいと考えられます(医療従事者向けQ11、Q13、Q15、Q18-Q20を参照)。
予防接種法に基づく定期接種では、接種医療機関が限られている場合もあり、各市区町村で接種の期間や費用の点でも異なることがありますので、それぞれの住民登録をしている地域の保健所、医療機関、かかりつけ医などに問い合わせていただくようお願いします(Q20参照)。また、ワクチン接種の奨励事業などの地域での取り組みについては、詳細は各市区町村の保健所、医療機関、かかりつけ医などにお問い合わせください。
定期予防接種の対象者(65歳以上の方及び60歳以上64歳以下の方で心臓やじん臓、呼吸器等に重い病気のある方)以外の方は、任意接種となりますが、接種期間に制限はなく、地域の医療機関、かかりつけ医などでインフルエンザワクチンを受けることが可能です。ただし医療機関によってワクチンの準備などのために、予約を必要とする場合もありますので、前もって接種を受ける医療機関に直接問い合わせて確認していただくようお願いします。なお、任意接種の費用は、法律により一定の価格の設定が禁じられているため医療機関により異なりますが、接種する国内生産のワクチンの効果および安全性には大きな違いはありません(Q20参照)。
Q11:インフルエンザワクチンの接種の対象となるのはどのような人でしょうか?定期接種の場合と、任意接種の場合に分けて説明してください。
予防接種法による定期接種では、重症化と死亡の報告が多い65歳以上の高齢者の方と、60〜64歳の基礎疾患(気管支喘息等の呼吸器疾患、慢性心不全、先天性心疾患等の循環器疾患、糖尿病、腎不全、免疫不全症など一定の基準があります)がある方に接種が勧奨されています。
任意接種では、医学的に接種が不適当と考えられた場合を除けば、基本的にはインフルエンザの発症と重症化を防ぎたい方すべてが対象となります(医療従事者向けQ18、Q22参照)。
特に、基礎疾患がある方(気管支喘息等の呼吸器疾患、慢性心不全、先天性心疾患等の循環器疾患、糖尿病、腎不全、免疫不全症(免疫抑制剤による免疫低下も含む)など)は、ワクチン接種を考慮すると良いと考えられます。
小児については、平成16年11月に日本小児科学会より、「1歳以上6歳未満の乳児については、インフルエンザによる合併症のリスクを鑑み、有効率20〜30%であることを説明したうえで任意接種としてワクチン接種を推奨することが現段階で適切な方向であると考える」との見解が出されています。根拠としては、1歳未満児については対象数が少なく、有効性を示す確証は認められなかったこと、1歳以上6才未満児については、発熱を指標とした有効率は20〜30%となり、接種の意義が認められたことがあげられています(医療従事者向けQ18参照)。
小児において気管支喘息等の呼吸器疾患、慢性心不全、先天性心疾患等の循環器疾患、糖尿病、腎不全、免疫不全症(免疫抑制剤による免疫低下も含む)などの基礎疾患を有している場合、6ヶ月から18歳の小児で長期間アスピリンを服用している場合(インフルエンザによってライ症候群に進行する危険があるため)、集団生活に入っている場合なども、インフルエンザに罹患した場合に重症化や合併症のリスクが高くなるため、接種を考慮しても良いと考えられます。
またこれらの方と身近で接する機会の多い方も、「インフルエンザをうつさない」という考え方からワクチンの接種を考慮しても良いと考えます。
なお欧米では、6ヵ月から24ヵ月未満の乳幼児もインフルエンザの重症化率が高いと報告されており、ワクチン接種による予防が望ましいと考えられ、米国などでは接種を勧めています(医療従事者向けQ18、22参照)。
Q12:インフルエンザワクチン接種を受けることが適当でない人や受けるときに注意が必要な人はありますか?
1)予防接種法に基づいたインフルエンザワクチンの定期接種が、不適当と考えられる方は、予防接種実施規則に以下のように示されています。任意接種については自分の意思で決めることですが、医学的な立場からいえば、定期接種に準じて、十分な説明を受けて判断する必要があるといえます。
また、既往などから、接種の判断を行うに際して注意を必要とする方(接種要注意者)がおられますが、この方々は接種禁忌者ではありません。接種を受ける方の健康状態及び体質を良く考えたうえで、医師によって接種の可否が判断されます。接種を行う際には改めて十分に効果や副反応などについて説明をうけて、十分に理解した上で、接種を希望するかどうか決めてください。詳しくは、医療従事者向けQ23を参照してください。
2)インフルエンザワクチン接種の適応に関しては、年齢の下限はありませんが、通常生後6ヶ月未満の乳児にはワクチンを接種しません。
3)インフルエンザワクチンは病原性をなくした不活化ワクチンと言う種類で、胎児に影響を与えるとは考えられていないため、妊婦は接種不適当者には含まれていません。しかし、妊婦又は妊娠している可能性の高い女性に対するインフルエンザワクチン接種に関しては、国内での調査成績がまだ十分に集積されていないので、現段階ではワクチンによって得られる利益が不明の危険性を上回るという認識が得られた場合にワクチンを接種するとされています。また、妊娠初期はいろいろな理由で自然流産する可能性の高い時期なので、一般的に予防接種は避けた方がよいと考えられています。一方、インフルエンザワクチンを接種しても胎児に異常の出る確率が高くなったというデータも無いことから、予防接種直後に妊娠が判明しても人工妊娠中絶をする必要はないと考えられています。主治医によく相談をして判断してください。
参考までに米国では、「予防接種の実施に関する諮問委員会(Advisory Committee on immunization Practices)」の提言により、妊娠期間がインフルエンザシーズンと重なる女性は、インフルエンザシーズンの前にワクチン接種行うのが望ましいとされています(MMWR 2004; 53(RR-6)参照)。
4)熱性けいれんの既往がある方に対するワクチンの接種に関しては、日本小児神経学会の見解(平成15年5月)では、「現行の予防接種はすべて行って差し支えないが、保護者に対して接種の有用性、副反応などについての十分な説明をして同意を得ることに加え、具体的な発熱時の対策(けいれん予防を中心に)や、万一けいれんが出現した際時の対策を指導すること」となっています。このようなお子さんにワクチンを接種する際には、流行が始まる前に接種をすませておかれることをお勧めいたします。詳細については、医療従事者向けQ23を参照してください。
5)てんかんの既往がある方に対しては、発熱で容易に痙攣重積発作を起こす場合もあるので、てんかんを治療している主治医あるいはその依頼に基づき、事例ごとに検討して、ワクチンを接種するか、しないかを決めるのが望ましいと考えられます(医療従事者向けQ23参照)。
卵アレルギーの程度にもよりますが、ほとんどの場合問題なく接種できます。インフルエンザワクチンは、その製造過程に発育鶏卵を使うために、ごくわずかながら鶏卵由来成分がワクチンの中に残って、それによるアレルギー症状がまれに起こることもありえます。しかし、近年は高度に精製されてワクチンにはほとんど残っていませんので、軽い卵アレルギーはほとんど問題にはなりません。
しかしながら、重篤な卵アレルギーのある方、例えば鶏卵を食べてひどい蕁麻疹(じんましん)や発疹(ほっしん)を生じたり、口の中がしびれたりする方や、卵成分でアナフィラキシーショックを起こしたことがある方は、ワクチン接種を避けるか、インフルエンザにかかるリスクとワクチン接種に伴う副反応のリスクとを考慮して、接種前にかかりつけの医師とよく相談のうえ、十分に注意して接種をうけることを勧めます。
また、ワクチンに安定剤として含まれていたゼラチンに対するアレルギー反応(アナフィラキシーショック)が報告されていましたが、現在、インフルエンザワクチンを生産している4社からの製品にはいずれも、ゼラチンはふくまれていません。詳しくは、医療従事者向けQ24を参照してください。
授乳婦はインフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンというタイプで、ウイルスの病原性を無くしてありますので、体内で増えることもありませんし、母乳を通してお子さんに影響を与えることもありません。一方、母親がワクチンを接種したことによって、乳児に直接のインフルエンザ感染の予防効果を期待することはできません(医療従事者向けQ25参照)。また、ワクチン接種による精子への影響もありませんので、妊娠を希望しているカップルの男性の接種に問題はありません。
授乳期間中にインフルエンザウイルスに感染した場合も、このウイルスは血液中に存在することは極めてまれで、存在した場合でも非常にわずかであると言われています。したがって、母乳中にインフルエンザウイルスが含まれ、母乳を介して乳児に感染を起こすことはほとんど無いと考えられます。
しかしながら、母親と乳児は日常から極めて濃厚に接触しておりますので、飛沫で感染するインフルエンザ罹患中は、乳児に感染するのではないかという不安の声も聞かれます。濃厚接触によってインフルエンザ感染の危険性が増加するというのは事実ですし、また母乳が乳児にとって極めて重要であるというのも事実です。また一方では、インフルエンザ患者は発症前からウイルスを排出しておりますので、母親が体調の異常に気付いたときには、すでに感染しているかもしれません。もちろん発症後の方がウイルス量は多いので、感染の危険は増加するという指摘もあります。こういったことを認識して、個々の状況に応じて現実的に対応することが必要でしょう。少なくとも、手洗い、マスクなどにより可能な限りの予防策をとることは合理的な方法でしょう。なお、抗インフルエンザ薬を使用した場合は、薬剤が母乳中に移行すると言われており投与中に母乳を与えることは避けることとなっています(医療従事者向けQ5を参照)。
Q15:はしかや、水ぼうそうにかかっていたり、定期予防接種の時期と重なった場合にはどうすればよいですか?
はしか(麻疹)や水ぼうそう(水痘)などに感染してしまった場合には、一般的には完全に治ってから4週間はインフルエンザワクチンの接種をひかえた方がよいとされています。これらの疾患に罹患すると、免疫能が低下していることがあるため、ワクチン接種の効果を得るには期間をあけ、免疫能の回復を待つ必要があると考えるためです。
小児の定期予防接種と日程が重なった場合は、基本的には定期の予防接種を優先しますが、地域でのその疾患の流行状況やインフルエンザの流行の状況からインフルエンザワクチンの接種を優先する場合もありますので、かかりつけの医師と十分ご相談のうえ判断して下さい。
定期予防接種のうち生ワクチン(ポリオ、麻疹、風疹、BCG)であれば4週間以上、不活化ワクチンやトキソイドワクチン(DPT、DT、日本脳炎)であれば1週間以上間隔をおけば、インフルエンザワクチンは接種可能となります。
またインフルエンザワクチンは不活化ワクチンですので、接種後は1週以上間隔をおけば他のワクチン(生ワクチン、不活化ワクチンとも)接種が可能となります(医療従事者向けQ26)。
現在、日本で行われているインフルエンザワクチン接種に使用するインフルエンザHAワクチンについては、平成12年7月から薬事法上の用法・用量が以下のようになりました。
ただし、65歳以上の高齢者に対しては1回の接種でも効果があり、2回接種による免疫の強化に関する効果についての評価は定まっていませんので、現在は1回接種が推奨されています。これは、厚生科学研究費による研究「インフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者:神谷 齊(ひとし)(国立療養所三重病院))」において、高齢者(65歳以上)に対するインフルエンザワクチン1回接種法による有効性の評価を行った結果、接種を行った後の抗体価の上昇は良好であり、重症化は十分に阻止する事が可能であったという報告に基づいています。また、これらの高齢者に接種した際の重篤な全身反応はなく、局所反応も軽微でした。
なお、予防接種法により、「65歳以上の方」、「60歳から64歳までの方で、心臓、じん臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の周りの生活を極度に制限される方、又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方」については、年1回、予防接種法による定期接種を受けることができ、万が一予防接種によると考えられる著しい健康被害にあった場合には、その1回の接種については、予防接種法による救済制度が適用されます。詳しくは医療従事者Q&Aの「予防接種法関係」をご覧下さい。
13歳以上64歳以下の方でも、近年確実にインフルエンザに罹患していたり、昨年インフルエンザの予防接種を受けている方は、1回接種でも追加免疫による十分な効果が得られると考えられます。2回接種をしたほうがより抗体価は上昇するという報告もあり、接種回数が1回か2回かの最終的判断は、被接種者の意志と接種する医師の判断によりますので、接種の際には最近インフルエンザにかかったことがあるかどうか、最近ワクチン接種を受けたことがあるかどうかとその時期、そして現在の体調などを担当医師に十分伝え、よく相談して下さい。
なお欧米諸国では、新しい型のインフルエンザウイルスが出現しない限り、年少児を除いて、ほとんどの人がインフルエンザウイルスに対する基礎免疫を獲得しているので、1回の接種で追加免疫の効果があるとしているところがほとんどです。
一般的に副反応は軽く、10〜20%でワクチンを接種した場所の発赤、腫れ、痛みなどをおこすことがありますが、2〜3日で消失します。全身性の反応としては、5〜10%で発熱、頭痛、さむけ、体のだるさなどがみられますが、やはり2〜3日で消失します。ワクチンに対するアレルギー反応として湿疹、じんましん、発赤とかゆみなどが数日見られることもまれにあります。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンですので、ウイルス自体は化学的に処理され病原性はありませんから、その接種によってインフルエンザになることはありません。ワクチンの接種後に発熱した場合も、インフルエンザ以外の冬季に見られる呼吸器疾患にかかった可能性もあり、必ずしもワクチンの副作用とは限りません。
卵アレルギーについてはQ13を参照してください。その他にギランバレー症候群(GBS)、急性脳症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、けいれん、肝機能障害、喘息発作、紫斑などの報告がまれにありますが、ワクチン接種との直接的関連については明らかになっていません。参考までに、米国ではこれまでにギランバレー症候群を発症したことがある人においてはインフルエンザワクチンを接種しない様に指導されています。
極めてまれですが、死亡の届け出もあります。日本では、昭和51年から平成6年までの、主に小児に対して接種が行われていた頃の統計では、インフルエンザワクチン接種により引き起こされたことが完全には否定できないとして、救済対象と認定された死亡事故は約2,500万接種あたり1件でした。詳しくは医療従事者向けQ29を参照してください。
予防接種法による定期接種の場合、予防接種をうけたことによる健康被害であると厚生労働大臣が認定すると、予防接種法に基づく健康被害の救済措置の対象となります。詳しくは医療従事者向けQ34をご参照ください。
また、予防接種法の定期接種によらない任意接種によって健康被害が生じた場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法による被害救済の対象となります。健康被害の内容、程度等に応じて、薬事・食品衛生審議会(副作用被害判定部会)での審議を経た後、医療費、医療手当、障害年金、遺族年金、遺族一時金などが支給されます。詳細な内容は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(TEL:03-3506-9411)にご照会ください(医療従事者向けQ30、Q34を参照)。
予防接種については、病気ではないため健康保険が適用されません。原則的として全額自己負担となります。
ただし、65歳以上の方及び60歳以上65歳未満の方で心臓やじん臓、呼吸器等に重い病気のある方などは、予防接種法による定期の予防接種の対象となりますので詳しくは医療従事者向けQ34、35、37をご参照ください(60歳以上65歳未満の方で、対象となるかどうかわからない場合は、市区町村にお尋ね下さい)。市区町村により予防接種期間や、自己負担額が異なりますので、個別の情報については、それぞれのお住まいの市区町村へお問い合わせください。
また、そのほかの方の接種は従来どおりの任意接種で、ご本人と医療機関との契約により行うこととなりますので、接種費用は全額自己負担となります。接種費用は私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律により一定の価格の設定が禁じられており、医療機関により算定方法が違うため、医療機関により異なりますので、接種を受ける予定の医療機関へ直接お問い合わせください(医療従事者向けQ31を参照)。使用されるワクチンはすべて、厚生労働省の決定したワクチン株を使用し、検定を受けていますので、ワクチンの品質に差はありません。
最近は毎年、A/ソ連型とA/香港型の2種類のA型インフルエンザとB型インフルエンザの3種類の型のウイルスが、一緒に流行してきました。2003/2004シーズンは、ほとんどが前シーズンと同じ福建株のA/H3N2(香港)型が12月初旬から流行し始め、1月末にピークがみられました。山形系統株が主体のB型も同時に流行しましたが、その数はA/H3N2(香港)型比べて非常に少なく(約5%)、3月中旬に流行は終息しました。
インフルエンザは、ヒトの免疫のシステムを逃れて生きのびるために、抗原性の変異(医療従事者向けQ12参照)を繰り返すので、正確にどの株が流行するかを予測することはとても難しいとされていますが、患者分離株の分析と、南半球での流行状況も考慮して、2004/2005シーズンはA型については昨シーズンと同じ種類の株が、B型は異なる系統株が流行する可能性が高いと判断され、今年のワクチンには、A/H1N1(ソ連)型のニューカレドニア株、A/H3N2(香港)型として福建株に対応できるワイオミング株、B型の上海株(山形系統株に対応できる)を混合したものが用意されました(医療従事者向けQ15、Q17、Q19参照)。
全国の流行や検出の現状は、地域の感染症情報センター、保健所や国立感染症研究所のホームページで知ることができます。
インフルエンザの流行の歴史をみると、スペインインフルエンザ(A/H1N1亜型)が現れたときは、大規模な流行と甚大な数の死者を出しました。新型インフルエンザが流行した場合、これに対して免疫を持っている人はいませんし、また事前に接種された予防接種の効果は余り期待できないため、かなりの数の罹患者と死亡者がでることが予想されます。アメリカでは8〜20万人の死者が出ると予測されており、わが国では3〜4万人の死者が出ることが懸念されます。
最近、ヒトにも病原性の高い鳥型のインフルエンザウイルスがヒト社会に定着し、近い将来にヒトからヒトへ感染するようになり、新型インフルエンザとなることが懸念されています。1997年に香港で発生した、鳥型インフルエンザ(A/H5N1亜型)ウイルスによる患者報告では、入院加療を受けた18症例中6例が肺炎の合併などにより死亡し、香港政府は1997年12月末、140万羽のニワトリを殺処分しました。このウイルスは、ヒトからヒトに感染したものではなく、恐らく感染しているニワトリからヒトに感染したものと考えられています(IASR Vol.18 No.9)。2003年には、中国で感染が報告されており、こちらはヒトからヒトへの感染が疑われています(IASR Vol24 No3)。2003/2004年のタイ、ベトナムを中心とした東アジアでの家禽類を中心とした鳥インフルエンザ(A/H5N1)の流行では、少数ではありますがヒトでの感染が確認されています。2004年10月20日現在43症例が報告され、このうち31例が死亡しています。また、2事例においてヒトからヒトへの感染が完全に否定できず、調査研究が続けられています(http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html)。これ以外にも、2003年2月にはオランダで、鳥型インフルエンザウイルス(A/H7N7)のヒトへの感染が確認され、家庭内でのヒトからヒトへの感染が強く疑われています(IASR Vol24 No6)。
この他にも2001/2002シーズンに、従来のヒトに感染するインフルエンザウイルスのA/H1N1とA/H3N2の遺伝子が交雑したA/H1N2が初めてヒトから分離されましたが、このウイルスには、これまでのインフルエンザHAワクチン(A/ H1N1)で効果があると考えられています(IASR Vol23 No8)。このA/H1N2は2003/2004シーズンには見られていません。
これらのウイルスがこのまま姿を消してしまうのか、あるいは再び勢いを盛り返して流行するかはだれにも予測がつきませんし、どのようにしてトリのウイルスが直接ヒトへ感染を起こしたのかもその詳細はわかっていませんので、監視の体制を強化していくことが必要です(医療従事者向けQ16参照)。
平成16年8月に、厚生労働省の「新型インフルエンザ対策に関する検討小委員会」がまとめた報告書が、厚生労働省のホームページに掲載されています。
インフルエンザワクチンに使うウイルスの株は、ほとんどの国でWHOが2月中旬に出している「北半球次シーズンに対するワクチン推奨株」に基づいて、国の事情を総合的に検討して決め、3つの型(A/ソ連型、A/香港型、B型)を含むワクチンが作られています。つまり、WHOの意見を参考に決定しているため、製造の都合上の違いはあっても、ワクチン株が国によってまったく異なっていたということはこれまでほとんどありません。つまり、日本で接種したワクチンも、米国で流行しているインフルエンザに効果がありますし、逆に米国で接種したワクチンも、日本で流行中のインフルエンザに対して効果があることになります。ただし、ワクチンの製造方法や添加物などは国によって若干の違いがあるため、接種によって得られる免疫力や副反応の頻度に、差が見られることがあります(医療従事者向けQ32参照)。
Q23:今年のインフルエンザシーズンにSARS(重症急性呼吸器症候群)や鳥インフルエンザが起こったら、どうすればよいのですか?
SARSについては、2003/2004シーズンにみられた発生報告は実験室内での感染例でした。また、鳥インフルエンザについては、国内での家禽類の間での発生はみられたものの、平成16年10月時点まで国内でのヒトの感染の報告はありません。今冬起こるのかどうかについては、世界中のだれにもわかりません。引き続き警戒をして行くことが必要です。
SARSはSARSコロナウイルス、インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症で、まったく違う病原体によるものですが、初期の症状はよく似ており、症状からだけでは区別はつきません。両者を見分けるには、医療機関において各種検査を行いその結果などから総合的に判断することが必要です。また、鳥インフルエンザの原因ウイルスは例年ヒトの間で流行しているインフルエンザウイルスとは異なりますが、同じA型のインフルエンザウイルスによる感染ですので、ヒトに感染した際の症状は共通の部分が多く、一層インフルエンザとの区別は難しくなります。やはり、医療機関で各種検査を実施し、詳細な解析を行って初めて確定診断ができます。
インフルエンザ様の症状が長引いたり、症状が強いか激しい場合で、かつ、実際にSARS患者と濃厚な接触をしたか、介護したか、同居したか、あるいはその体液に接触したか、SARSコロナウイルスや、それを含んでいる可能性のある検体を取り扱って実験をしているか、具合の悪い鳥との密接な接触などの感染の可能性が疑われるといった情報がある場合には、医療機関や保健所などへ早めに相談することが必要になります。先ずは、電話で相談をするようにしてください。詳しくは、SARSのQ&Aや、鳥インフルエンザのQ&Aを参照してください。
毎年冬季にはインフルエンザが流行して高い熱に悩まされる人はたくさんいます。特に神経質になる必要は有りませんが、もしも、再びSARSの発生があった場合や、鳥インフルエンザが流行した場合には、これらの急に発熱する疾患はすべて注意する必要があるので、インフルエンザワクチン接種などをしておくとともに、体調の維持に心がけ、外出から帰ったらうがいと手洗いを励行するなどの、基本的な感染症の予防法を実行することが重要です。
インフルエンザワクチンは個人防御のために行うもので、外国への旅行や出張の予定者も、インフルエンザウイルスに感染した際に発症や重症化を防ぐためには、インフルエンザワクチンの接種は効果があります(Q1参照)。特にSARS対策として発熱者のチェックを実施している国や、鳥インフルエンザがニワトリの間で流行している国へ出かける時には、発熱したときに病気を診断する際の「混乱を避ける」意味でもインフルエンザワクチンの接種を受けておくことに意義があると考えられます。渡航先国や、訪問先、訪問目的など、状況ごとに判断をする必要がありますので、常に最新の情報を入手するようにしてください。
また、このような自分を守るための対策とともに、咳などの症状があれば、周囲の人に感染させないように、咳(せき)をするときにはハンカチやティッシュなどで口元を覆う、あるいはマスクをするなどの気配りをする(レスピラトリー・エチケット)ことで、周囲の人たちも感染から守るという姿勢が非常に重要です。特に、医療機関を受診する際には、体調を崩した人が集まっている待合室などで、他の方にうつさないように、必ずマスクを着用してください。

[ 68] インフルエンザQ&A【一般の方々のために】(H.16)
[引用サイト]  http://www.med.or.jp/influenza/inqa_b.html

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスの感染によっておこる病気です。主な症状としては、高熱(38〜40度)や頭痛、筋肉痛、全身倦怠感などの全身症状と、のどの痛み、咳や痰などの呼吸器の急性炎症症状などがみられます。
インフルエンザは通常のかぜと比べ、症状が重く、全身症状も顕著に現れます。そのため、高齢者がかかると肺炎を併発したり、持病を悪化させたりして重篤になり、最悪の場合は死に至ることもあります。また、潜伏期間が短く感染力が強いことも特徴で、毎年、流行期の12月下旬から3月上旬にかけては多くの方がインフルエンザにかかっています。
インフルエンザウイルスに感染後、1〜3日間の潜伏期間を経て、突然38〜40度の高熱が出て発病します。それと同時に、悪寒、頭痛、背中や四肢の筋肉痛、関節痛、全身倦怠感などの全身症状が現れます。これに続いて、鼻水、のどの痛みや胸の痛みなどの症状も現れます。発熱は通常3〜7日間続きます。
健康な成人であれば一週間ほどで治癒に向かいますが、インフルエンザウイルスは熱が下がっても体内には残っているため、他人にうつす恐れがあります。流行を最小限に抑えるためにも、一週間は安静にしておくことが大切です。
インフルエンザの合併症としては、高齢者や呼吸器系や心臓に持病を抱えている人が併発しやすい肺炎、アスピリンとの関連が指摘されているライ症候群などがあります。また、インフルエンザと関連があると考えられていて乳幼児がごくまれに併発する脳炎や脳症もあげられます。これらの合併症はインフルエンザによる死亡の大きな原因にもなっています。
これらの合併症を併発しないための対応策としては、インフルエンザが流行する前に予防接種を受けることです。そうすれば、インフルエンザにかかったとしても症状が軽くすみます。
乳幼児がインフルエンザにかかった場合、脳炎や脳症を併発すると水分をとった後すぐ吐いてしまって元気がない、意識がはっきりせずうとうとしている、けいれんを起こすなどの症状がみられます。この場合はすぐに医療機関を受診してください。また、熱が高いからといって自己判断で、市販の解熱剤を服用させるのも控えてください。一部の解熱剤では脳炎などを引き起こしやすいといわれています。
インフルエンザウイルスは大きく分けて、A型・B型・C型の3種類があります。このうちヒトの世界で流行を起こし問題となるのは、A型とB型です。た、A型ウイルスは表面構造の違いによりさらに何種類かに分類されます。
毎年流行するほか、爆発的な大流行がある。また、細菌性の肺炎を高率に併発するため高齢者は死亡するケースもある
インフルエンザが流行する冬季には、インフルエンザ以外の感染症も流行します。そのため、正確な診断を下すためにはインフルエンザウイルスに感染しているかどうかの検査を行ないます。
最も確実な診断方法は、患者さんの咽頭をぬぐった液か、うがい液を採取し、ウイルス分離を行なうことです。もう一つは、血液検査でインフルエンザウイルスの抗体価が上昇しているかどうかを確認する方法があります。これらの検査で、インフルエンザウイルスが検出されて確定診断となります。
ただし、これらの検査は結果が出るまでに時間(数日)がかかるため、現在ではすぐに(十分程度)結果が出る迅速診断キットを使用している医師も多くなっているようです。
インフルエンザは冬場に流行します。それは、インフルエンザが空気感染すること、冬場は空気が乾燥すること、また寒くて乾燥した空気は気道粘膜の抵抗力を弱めることなど全ての面でインフルエンザウイルスにとって好条件が整っているからです。
インフルエンザの予防は、流行前に予防接種を受けることですが、その他に日常生活で気をつけることもありますので実践してみてください。
インフルエンザの予防接種を受けたら絶対にインフルエンザにかからないというわけではありません。成人の場合、インフルエンザの発病阻止率は70%〜90%ぐらい、小児の場合はさらに低くなります。
このデータをみると、"なんだ、こんなものか。それじゃ予防接種してもしょうがないな。"と感じる方もいるのではないかと思いますが、予防接種とは、病気にかかりにくくしたり、かかっても重くならないようにすることが目的だとご理解ください。
原則としては、1〜4週間の間隔をおいて2回接種する方法ですが、下記の方は年1回の予防接種でも十分な免疫力が得られるといわれています。ただし、接種回数についての最終的な判断は、医師の決定に従ってください。
インフルエンザの予防接種は任意のため、接種費用は自己負担となります。1回の接種費用は3千円〜5千円程度です。
65歳以上の高齢者、養護施設などに入居している慢性の病気を持つ方、気管支喘息をもつ小児などは重症化を防ぐために予防接種をしたほうがいいと思われます。
また、上記の方と同居している方、お世話している方も予防接種をおすすめします。
卵を食べるとひどいじんま疹や発疹がでたり、口の中が痺れたり等の卵アレルギーのある方は、予防接種を避けるか、医師と相談してから行う必要があります。
また、出産直後で体力が回復していない方も予防接種は控えたほうがよさそうです。
人ごみを避けるといっても、冬場外出せずにずっと家の中にいることはできませんよね。外出時はなるべくマスクをつけるようにしましょう。マスクを着用することによって、他人からの感染を防ぎ、また他人に感染させることも防ぐ効果があります。
うがい、手洗いはしている方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。実は顔などにもインフルエンザウイルスは付着している場合があります。万全を期すためにも洗える部位は洗うよう心がけてください。
インフルエンザウイルスは乾燥した状態で活発に活動します。インフルエンザウイルスの活動を抑えるためにも加湿器などを使って部屋の湿度を保ちましょう。その際、定期的に室内の換気も必ず行なってください。
体力が低下していると、インフルエンザウイルスに感染しやすくなります。バランスのとれた食事、十分な睡眠、そしてあまり厚着をしないように心がけてください。
インフルエンザといえども十分な体力と免疫力があれば、通常のかぜより症状が激しいとしても自然に治ります。しかし、お年寄りや慢性の病気をお持ちの方は合併症を併発することが多いので早いうちに医療機関を受診することが必要です。
また、早めに治療することは、自分の身体を守るためだけでなく、周りの人にインフルエンザをうつさないという意味でも重要なことです。
インフルエンザの治療は大きく分けて、一般療法、対症療法、化学療法の3つに分類されます。
できるだけ安静にし、十分な睡眠と栄養を取り体力をつけることが必要です。また、インフルエンザウイルスの空気中での活動を抑えるために、室内の湿度を60〜70%に保つように心がけてください。 また、水分を十分に補ってあげることで脱水症状を予防しましょう。
発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などに解熱鎮痛剤、鼻水、くしゃみに抗ヒスタミン剤、咳、痰に鎮去痰剤が用いられます。しかし、これらの症状は身体からインフルエンザウイルスを追い出し治そうとする、身体の自然な反応ですので、薬で無理に抑えてしまうとかえって治りが遅くなってしまうこともあります。自己判断で薬は服用せず、医師の指示に従ったほうがよさそうです。
また、小児の場合は解熱鎮痛剤を使用するとまれに、ライ症候群という合併症を併発することもありますので、必ず医師の指示のもとに服用するようにしてください。
今まで化学療法というと合併症の治療が主でした。しかし、1998年にインフルエンザの治療薬として抗ウイルス薬のアマンタジンが保険の適用となりました。この薬は発病初期(48時間以内)に服用すると治りが早くなります。ただし、A型ウイルスにだけ効果があり、B型ウイルスには無効です。また、耐性(薬が効きにくくなること)が知られていますので、症状が軽い場合や発病後時間がたっている場合は使う必要はなさそうです。
なお、インフルエンザウイルスに抗生物質は無効です。合併症の肺炎を引き起こしている方や、高齢者で肺炎を引き起こす可能性の高い方に予防的に使用する以外には、インフルエンザの治療では抗生物質は使用しません。
インフルエンザは通常のかぜよりも症状が重く、死に至ることもあります。また、短期間で大流行を引き起こすのも特徴です。
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[ 69] インフルエンザ-気になる病気 e治験ドットコム-
[引用サイト]  http://www.e-chiken.com/shikkan/infuruenza.htm



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