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ISPなどからの正式連絡を装ってリンクをクリックさせ、ワームをダウンロードさせる新手の「Mytob」ワーム亜種が発見された。
添付ファイルをクリックさせるというワームの常套手段に代わり、フィッシング詐欺の手口を使って感染を広げようとする「Mytob」ワームの亜種が出現しているという。
セキュリティ企業のSophosが6月8日掲載した情報によると、この種のMytobワームはIT部門やインターネットサービスプロバイダー(ISP)からの正式連絡を装ったメールを送信。電子メールアカウントに問題が見つかったので、アカウント確認のためにリンクをクリックするよう呼び掛ける。もっともらしく見せかけるため、受信者のドメイン名と電子メールアドレスも記載されているという。
例えば新しい亜種の「Mytob-DA」の場合、「*IMPORTANT* Please Confirm Your Account」などの件名でメールを送信するが、そこに記載されたリンクをユーザーがクリックすると、表示されているURLとは別のサイトにつながり、このワームをダウンロードする仕組みになっている。
Mytobワームは感染先のWindowsコンピュータでセキュリティプログラムを停止させ、セキュリティ関連サイトへのアクセスを遮断。コンピュータに裏口を開いてリモートから不正アクセスできる状態にしてしまう。
Sophosが過去7日間で報告を受けたワーム上位20種類のうち、Mytobワームは14種類を占めており、今後もさらに多くの亜種が出現してくるのは確実だと同社は指摘している。
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今年創業30周年を迎える同社はこの夏、久々のメジャーリリースを発表し、変化に伴うリスクやコストの低減する機能も新たに搭載した。Oracleの次なる一手とは何か? 「Oracle OpenWorld San Francisco」では、新たなステージへと踏み出したOracleの全貌が明らかとなる。
チェルノブイリに住む生物が静かに指し示すもう1つの進化FirefoxをIE、Safari、Opera風にする方法「開発者の自由な裁量こそが生産性向上のカギ」スクレイピングで作る“まとめサイト”地球を“蝕む”コンピュータ――グリーンITの必要性とはヤフーが検索エンジンで自殺防止を支援不具合解消のFirefox 2.0.0.11がリリースNTTドコモ、905iと705iシリーズを一斉発表MSのSilverlight、次のバージョンアップで2.0にNTTドコモ、905iシリーズに法人用モデルを投入
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[ 135] ITmedia エンタープライズ:「Mytob」ワーム、フィッシングの手口取り入れ巧妙化
[引用サイト]  http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0506/10/news016.html

放射線審議会は、平成3年2月6日の第54回総会において、国際放射線防護委員会(ICRP)1990年勧告(Pub.60)(以下、「1990年勧告」という。)の法令取入れについて基本部会で検討することとした。
放射線審議会基本部会は、平成3年2月22日の第60回基本部会で部会の下に「打合せ会(ICRP)」(以下「打合せ会」という。)を設置することとした。
3)1990年勧告の国内法令取入れの方向付けを行う際に検討すべき項目の把握等を行うこととし、その結果を第11回打合せ会(平成4年10月16日)において「ICRP1990年勧告(Pub.60)の審議状況について(中間報告)」としてとりまとめた。この報告では、1990年勧告の法令取入れに関する検討項目を、“法令への取入れを早急に検討すべき項目”と“その他の長期的検討項目”に分けて整理した。
各分科会における平成6年5月までの検討状況を踏まえ、第14回打合せ会(平成6年6月8日)において、更なる検討のため、新たな体制の3つの分科会を設置した。
以上、6つの分科会は、国際機関の動向及び諸外国の状況等についても積極的に把握しながら精力的に41回の検討を行い、その検討状況については、適宜打合せ会において報告した。また、各分科会の検討状況をとりまとめて、「ICRP1990年勧告(Pub.60)の法令取入れ等に関する審議状況について」として、第16回打合せ会(平成7年6月9日)において報告した。
打合せ会は、分科会としての検討が一応終了したことを受け、平成7年7月から、職業被ばくに対する線量限度等各検討項目について、分科会の検討を踏まえ、報告書をとりまとめ、第62回基本部会(平成8年6月24日)に報告した。
基本部会は、打合せ会の報告書をもとに、更に検討を進め、基本部会としての検討がひととおり終了したため、基本部会の報告書案をとりまとめて公表し、国民から意見募集(平成9年6月10日〜平成9年7月9日)を行った。
基本部会は、国民から寄せられた意見等を踏まえて更に検討を進め、第76回基本部会(平成10年2月19日)において、報告書をとりまとめたので、第66回放射線審議会総会(平成10年3月26日)に報告した。
総会は、基本部会の報告書について検討し、特に、女性の職業被ばくに対する線量限度については、小グループを設置し更に検討し、その検討結果を踏まえて基本部会報告書を一部修正し、第67回総会(平成10年6月10日)において、本意見具申をとりまとめた。
なお、基本部会では、審議中に刊行されたPub.60以降のICRP報告書等についても適宜検討し、これらの報告書も踏まえて検討を行った。
(注)各章毎の「1.1990年勧告の基本的考え方」の()内の数字はPub.60の関連する項の番号等を示す。また、原文でわかりにくい部分については、適宜補足した。  
ICRPは、今回、放射線防護上関心のあるのは、一点における吸収線量ではなく、組織・臓器にわたって平均し、線質について荷重した吸収線量であるとし、このための荷重係数を1990年勧告では、放射線荷重係数と呼び、放射線の種類とエネルギーに対して線エネルギー付与(LET)だけでなく、確率的影響の生物効果比も考慮して決めている。そして、放射線荷重係数で荷重された吸収線量を各組織・臓器の「等価線量」と名付けている。  (24、25)
また、これまでの実効線量当量に変えて「実効線量」を用いることを決めるとともに、組織・臓器の等価線量に荷重する組織荷重係数の値を変更している。実効線量は、身体のすべての組織・臓器の荷重された等価線量の和として与えられる。  (27、28、付属書A)
同時に、ICRPは、放射線防護の基本量である実効線量等とは別に、放射線の防護上の測定においては実用量の使用を示唆している。この実用量は、従来と同様、空間のある一点で定められる「線量当量」の概念に基づく量であり、国際放射線単位・測定委員会(ICRU)によって導入されたものである。これらの実用量は、ICRP  
   ICRUは、ICRPが1990年勧告において導入した上記の新しい線量と従来からの線量当量との関係について検討した結果、ICRPが導入した等価線量及び実効線量は“被ばく制限の目的に用いる量”とし、外部被ばく測定のための量として、場のモニタリングには「周辺線量当量」及び「方向性線量当量」を、個人モニタリングには「個人線量当量」を定めた。これらの実用量は、放射線の透過の程度、組織等に応じて深さ位置を指定して用いられる。  
   ICRPでは、Pub.30の改訂作業が進められているが、IAEA等国際機関からの要請もあり、新たな呼吸気道モデル(Pub.66)を用いる等により、線量限度、放射線荷重係数及び組織荷重係数について1990年勧告に対応させたPub.68(Pub.61改訂版)をPub.30改訂の暫定版として刊行した。Pub.68においては、内部被ばく評価のための基本データは、Sv/Bq単位の係数の形で示されている。  
   放射線障害防止法、原子炉等規制法等においては、「線量当量」が用いられており、線量限度を定める量としては、「実効線量当量」「組織線量当量」が定められている。また、外部被ばくの測定・評価においては、「1センチメートル線量当量」(実効線量当量に対応)、「70マイクロメートル線量当量」(皮ふの組織線量当量に対応)及び「3ミリメートル線量当量」(眼の水晶体の組織線量当量に対応)(以下、「1センチメートル線量当量等」と呼ぶ。)が使用されている。
  内部被ばく評価のための基本データとして、Pub.30を基にした年摂取限度が示されている。 
線量限度を定める量は、1990年勧告への対応及びこれまでの線量との定義の相違を明確にするため、「実効線量」及び「等価線量」とすることが適当である。
一方、外部被ばくのモニタリング線量の法令上の名称については、1センチメートル線量当量等の用語が定着しており、また、ICRP、ICRUいずれも、モニタリング線量に関しては深さ位置を指定した「線量当量」という用語を用いていることから1センチメートル線量当量等の用語は変更しないことが適当である。
内部被ばく評価のための基本データは、従来、年摂取限度を用いてきたが、換算のための係数(Sv/Bq)を用いることについても検討する必要がある。
なお、現行法令の「線量当量」は、多義的に使用されているため、この用語がそれぞれの場合においてどのような意味で使用されているか十分検討し、それぞれ適切な用語を選定し変更する必要がある。また、適切な文書で、用語の定義、具体的な意味を明確な形で示すことにより、その解釈をめぐる混乱がないようにする必要がある。
職業被ばくに適用される線量限度に関連して、1977年勧告では、放射線と関係のない安全性が高いと考えられる産業における事故死の率と比較することを試みている。  (148)
1990年勧告では、産業安全の基準は世界全体で一定でも一様でもなく、また死亡データは作業者集団の平均値に関連するのに対して、線量限度は個人に適用される上限値であることなどの理由から、このような比較は満足できるものではないとし、今回、線量限度の設定に際してより包括的なアプローチを採用することとしている。  (148、149)
一方、広島・長崎の被ばく者における追跡調査期間の延長、原爆からの被ばく線量の新しい線量算定体系の適用による再評価及び生涯リスク予測モデルの変更等により、放射線誘発がんの名目確率係数(1977年勧告ではリスク係数と呼ばれていた。)の見直しが行われている。  (62〜83)
これらの理由から、ICRPは、線量を長期間にわたり被ばくし続けたときの個人の放射線リスクが「容認できない」レベルの下限値と判断できる線量を限度設定の根拠とすべきであるとし、以下の手順により評価を行った。その結果、年齢、性、集団等に起因する放射線に対する感受性の差異を考慮して、20mSv/年の連続被ばく(生涯1Sv≒20mSv/年×47年)の結果起こると考えられる確率的影響による18歳の人の平均余命の減少(0.5年)等がこれに相当するものと判断している。  (149〜162)
それぞれの線量について、放射線被ばくによる死亡の生涯確率(生涯にわたる全死亡率(100%)に占める放射線による寄与の割合)を評価した。
それぞれの線量について、放射線が原因と考えられる死亡が起こったときの寿命の損失期間を評価した。
それぞれの線量について、年当たりの死亡確率の発現年齢分布を評価した。
さらに、生涯線量のみで被ばく管理を行うことは、短期間に1Svを被ばくしてしまうような誤用の可能性があること及び管理にある程度の融通性を持たせることを考慮して、管理期間として5年間を選択し、実効線量限度として「5年間で100mSv、ただし、いかなる1年間にも50mSvを超えない」ことを勧告している。  (163〜166)
また、実効線量に寄与しない眼の水晶体及び局所的な被ばくとなることが多い皮膚については、実効線量限度だけでは防護上必ずしも十分とはいえない組織であることから、等価線量限度として、眼の水晶体については年150mSv、皮膚については任意の1cm2にわたり平均して年500mSv並びに手及び足については年500mSvを勧告している。なお、1977年勧告において勧告した眼の水晶体を除くすべての組織に対する限度(年500mSv)は、実効線量限度が守られれば確定的影響を防止できることから勧告していない。  (171〜173)
内部被ばくについては、ICRPは、年摂取限度(ALI)を預託実効線量20mSvに基づいて与えるとし、5年間の平均摂取量を年摂取限度以下に制限することは、実際上、どの単一臓器の生涯等価線量も確定的影響を引き起こすほどではないことを保証するであろうとしている。  (174、175)
組織線量当量限度(女子の腹部を除く)は、眼の水晶体について年150 mSv、これ以外の組織について年500mSvである。
作業者に関する実効線量限度は、1990年勧告を踏まえ「5年間に100mSv、ただし、いかなる年度の1年間にも50mSvを超えない」とすることが適当である。なお、内部被ばく評価のためには、従来どおり預託実効線量を用いることが適当である。
上記の実効線量限度に加え、組織に対する線量限度として、眼の水晶体について年150mSv、皮膚について年500mSv並びに手(手首から先)及び足(足首から先)について年500mSvを定めるのが適当である。なお、現行法令にある、眼の水晶体を除くすべての組織に対する線量限度(年500mSv)は、上記の実効線量限度により眼の水晶体、皮膚、手及び足を除く他の組織の確定的影響を防止できることから必要ない。
実効線量限度を適用する期間(5年間)については、1990年勧告において規制機関が決めることとされている(166)ことから、法令で定めることが適当である。
上記の実効線量限度及び組織の線量限度に基づく被ばく管理の具体的適用においては、現行法令で実施されている管理の体系を極力継続しつつ、1990年勧告の主旨を踏まえて取り入れを図る必要がある。具体的適用については、付属書Aを参考に関係法令等に取り入れる必要がある。
妊娠していない女性作業者の職業被ばくの管理の基礎は、男性の場合と同じであるとしている。  (176)
妊娠しているかもしれない女性の作業時の防護の方法は、いかなる受胎産物に対する防護の基準も、一般公衆の構成員に対し与えられているものとほぼ同等であるべきとしている。  (177)
委員会によって勧告された線量限度を含む放射線防護体系のもとで、妊娠の申告前に胎児が被ばくしても胎児は適切に防護されると判断している。  (177)
妊娠の申告後の被ばく管理については、以下のような追加の管理が必要であるとしている。  (178)
不慮の高線量被ばく又は放射性物質の大量摂取の可能性が大きくないような種類の作業とすべきである。
受胎後最初の3週間以内の胚の被ばくは、出生児に確定的影響または確率的影響を生ずることはないようである。  (90)  
受胎後第4週以降には、被ばく時に発達しつつある臓器に奇形が生ずることがあるが、確定的な性格のものであり、動物実験から推定して、人でのしきい値は約0.1Gyである。  (90)  
受胎後3週間経過してから妊娠の終わりにかけての期間を通じて、放射線被ばくは確率的影響の可能性があり、出生児にがんの確率を高める結  果になるようであるが、この影響の名目致死確率係数は集団全体に対す  る係数のたかだか数倍であると考える。  (91)  
母親の被ばくが職業被ばくの限度を超えなければ、被ばくの時間的分布の如何にかかわらず、生まれた子供に重度精神遅滞を含む確定的影響が現れないことは、現在明らかと思われる。  (176)  
器官発生の最も重要な期間の胚の被ばくに着目し、生殖能力のある女性の職業上の被ばくに対して、作業者の年限度(50mSv)をほぼ規則的な率で受けるよう割り振れば胚の防護が適切に行われる(妊娠の最初の2カ月の間に胚が5mSvを超えて被ばくしそうにない)として、3カ月単位の管理期間で、被ばく管理を行っている。
妊娠とわかった場合の胎児の線量を制限するため、追加の管理が必要であるという観点から、妊娠と診断されてから出産までの被ばく管理を行っている。
このような考え方から、現行法令では女性の腹部の組織線量当量限度を3カ月につき13mSv、妊娠と診断されてから出産までの間に10mSvとしている。
1990年勧告では、女性作業者の防護については、委員会によって勧告された放射線防護体系のもとでは、妊娠を申告する前の母親が被ばくしても、胎児の放射線防護の基準を一般の公衆のそれとほぼ同等にすべきであるという方針が適切に適用されていると考え、女性一般に対する特別な職業上の線量限度を勧告していない。
  しかしながら、前述の「5年間に100mSv、ただし、いかなる年度の1年間にも50mSvを超えない」とする職業被ばくに対する線量限度の規制の下では、法令上は、妊娠に気づかない時期の女性作業者が50mSvまで被ばくすることが起こりうることとなり、胎児が一般公衆の防護基準を大きく超えて被ばくするおそれを否定できない。また、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する国連条約に、母性を保護することを目的とする特別措置をとることは差別と解してはならないことが明文化されている。
  これらのことから、妊娠可能な女性作業者の線量限度に関しては、前述の職業被ばくに対する線量限度をより短い期間に割り振り、5mSv/3ヶ月とすることにより、胎児に対する防護基準が一般公衆のそれとほぼ同等に確保できるような防護措置をとることが必要である。
  なお、妊娠する意志のない者や閉経後の者等で妊娠の可能性のない者については、必ずしも上記の限度を適用する必要はない。
また、妊娠を申告した後の女性作業者の職業被ばくに対する線量限度については、妊娠の申告から出産までの期間について、妊娠の申告後の被ばく管理についての1990年勧告を踏まえ、胎児が一般公衆の構成員とほぼ同等の防護がなされるようにする必要がある。
管理上の要求の最も重要な機能の一つは、被ばく源に対する管理及び職業的に被ばくする作業者に対する管理を維持することである。線源の管理は、線源が存在する作業場所を正式に指定することによって容易になることから、管理区域及び監視区域の指定を勧告している。  (251)
管理区域の境界の数値基準については、従来、管理区域の境界を職業被ばくの線量限度の3/10としていたが、1990年勧告では、操業管理者によって、設計段階又は操業経験と判断に基づき、それぞれの場所で決定されるべきであるとして勧告していない。  (252)
  軽微な事故が発生する可能性を含む通常の作業条件の区域であって、被ばく管理を目的とする十分に確立された手順と慣行に従うことが作業者に要求される区域。  
管理区域及び監視区域を指定する目的は、これらの指定区域の外側のいかなる人も職業的に被ばくするとみなす必要がないことを保証することであるべきとしており、指定区域の外側で受ける実際の線量を公衆被ばくの線量限度以下に抑えることを可能とすべきであることを勧告している。  (252)
作業場所の区分については、管理区域の設定が法令上義務づけられており、その区域境界の線量当量等は、職業被ばくの年限度の3/10に基づき、これを週あたりの値(300μSv/週)として規制値を定めている。
管理区域の設定により、放射線管理は円滑に行われてきていることから、管理区域の設定は防護上重要な役割を果たしている。
管理区域については、従来どおり法令でその設定を義務づけるべきである。 管理区域の設定基準について、1990年勧告ではその基準の目安となる線量レベルの数値は示されていないが、管理区域設定が放射線管理の基本事項の1つであり、管理区域の外側にいる作業者の防護を確実に行うためにも、その設定の目安となる数値を提示することが管理実務上実際的であることから、法令で一律の数値基準を定めることが適当である。また、その数値基準については、公衆の線量限度を考慮して定めるのが適当である。
  また、ICRP  Pub.75において、少量で体内摂取のおそれのない非密封線源は、通常、監視区域で取り扱うことができるとされており、国内においてもそのような取扱いに対する希望が強いので、今後、基本部会において、このような監視区域を法令上導入することについて検討することとする。
公衆の被ばくに関する実効線量限度は、1年について1mSvとするが、特殊な状況においては、5年間にわたる平均が年当たり1mSvを超えなければ、単一年にこれよりも高い実効線量が許されることもあり得るとしている。  (191、192)
公衆被ばくに関する線量限度の選択に際して、ICRPは、職業上の限度の選択に採用したアプローチと、自然放射線源からの現存する線量レベルの変動に判断基準をおくアプローチの2通りを用い、年実効線量限度として1mSvを勧告している。  (190、191)
一方、行為の結果受ける線量からの損害は、多年にわたる線量の集積量の関数であるから、年線量限度に厳格に関連させるような管理を要求することは厳しすぎるとし、その限度にある程度の柔軟性をもたせることが望ましいとしている。そして、年実効線量について基本限度を規定し、生涯にわたる平均実効線量がこの基本限度を超えないという条件で数年間の実効線量について補足的な限度を設けていた従来の勧告は原理的には適切であるが、補助的限度を平均する期間が生涯では長すぎるとし、5年間としている。  (192)
なお、新勧告施行の際は、5年の期間は過去にさかのぼって適用すべきであることを勧告している。  (192)
眼の水晶体及び限られた面積の皮膚については、確定的影響が実効線量限度によって必ずしも防護されるとは限らないため、組織線量限度が必要であるとし、眼の水晶体に対し年15mSv、皮膚に対し、被ばくした面積にかかわらず任意の1cm2に対して年50mSvを勧告している。  (194)
なお、公衆の組織線量限度が作業者のものより低い理由として、被ばくの期間が作業者のほぼ2倍となる可能性があること、公衆は作業者集団よりも放射線感受性の幅が広いことを挙げている。  (194)
1985年のパリ声明で示された公衆の構成員に関する主たる実効線量当量限度の値である年1mSvを取り入れ、これを規制体系の中で担保することとしている。なお、病室や特に認められた場合には年5mSvとすることも許されている。
排気・排水の濃度を規制する場合は、ICRP Pub.30に示されている作業者に関するALI及びサブマージョン核種に係る誘導空気中濃度(DAC)をもとに、公衆に関する誘導空気中濃度及び誘導水中濃度を算出して、公衆の実効線量当量が1年につき1mSv以下となるようにしている。
また、公衆の眼の水晶体及び皮膚の組織線量当量限度については、1977年勧告に示されている線量限度(年50mSv)が規制体系に取り入れられている。
公衆の被ばくに関する限度は、実効線量については年1mSv、組織に対する線量限度については、眼の水晶体に対する線量限度を年15mSv、皮膚に対する線量限度を年50mSvとし、これを規制体系の中で担保することが適当である。
  このためには、施設周辺の線量、排気・排水の濃度等のうちから、適切な種類の量を規制することにより、当該線量限度が担保できるようにすべきである。
また、5年間にわたる平均の年実効線量が1mSvを超えない仕組みができている場合は、特殊な状況下では、5年間のうちの単一年において1mSvよりも高い値を補助的な限度として用いることも可能とされており、病室等の線量規制値に関し、この補助的な限度の適用の可能性について検討する必要がある。
なお、公衆の線量評価に関し、年齢依存、預託実効線量の積分期間等について、別途技術的事項に関する検討を行うこととしており、関係法令への取入れに当たっては、その結果を参考にする必要がある。
1977年勧告では、「職業上の被ばくとは、作業者がその作業期間中に受けるすべての線量当量及びすべての摂取量から成るものとする(ただし、医療放射線及び自然放射線に由来するものを除く)」としており、自然放射線については、対象外としている。  (Pub.26(161))
1990年勧告では、「(放射線に対する)職業被ばく」という用語を、操業管理者の責任であると合理的にみなすことのできる状況の結果として、作業時に受ける被ばくに限定して使用することとし、自然放射線源による被ばくの構成要素のうち、作業場所のラドン及び自然放射性核種を含む物質を使う作業のみが、操業管理者の責任であると合理的にみなせるとしている。さらに、指定された地域または行為について該当する規制機関がそうでないと規定しない限り、ラドンによる被ばくと微量の自然放射性核種を含む物質の取扱いは、職業被ばくから除外されるものとみなして、別に扱われるべきであると勧告している。  (134、135)
実際的指針を与えるために、以下の場合にのみ、自然放射線源による被ばくを職業被ばくの一部として含める必要条件があるべきであると勧告している。
規制機関が、ラドンに注意が必要であると言明し、該当する作業場所であると認定した場所における操業
通常は放射性とみなされていないが、微量の自然放射性核種を有意に含み、それが規制機関によって認定されている物質を扱う操業及びその物質の貯蔵
上記(a)及び(b)に関する具体的な線量レベル等については、地方的な状況に依存するとして定義していない。しかし、非常に一般的な指針として、温泉、露天掘りを含めたほとんどのウラン鉱山、その他多くの地下鉱山と洞穴及びある種の他の地下作業場所における操業が、ケース(a)の例となりそうであるとしている。また、ケース(c)は主に航空機乗務員に関係する項目としているが、添乗員についても注意を払うべきであるとしている。ケース(d)は、極めて少数の個人に該当するものであることから、これ以上の議論はしないとしている。  (136)
被ばく管理が必要な作業場所での自然放射線源による被ばくの取扱いを考察することが必要であるが、もし、自然放射線源による被ばくについてもそれ自体の必要性から管理されているならば、その場合にのみこれらの被ばくを考慮することで十分であろうとしている。  (137)
線量限度は、それを適用しようとする状況、すなわち行為の管理に対する「容認不可」と「耐容可」との間の領域における一つの選ばれた境界線を表している。この観点からは「容認不可」とみなされる被ばくのレベルも、他の観点からは依然として「耐容可」であるかも知れないとしており、例えば、望ましい行為を放棄することによってのみ被ばくレベルを下げることができる宇宙航行のような場合であるとしている。  (150)
なお、住居と作業場所におけるラドンの被ばくの制御について、国の助言機関と規制機関及び住居と作業場所のラドンに関する放射線防護の実際的な指針を与えることを目的としてPub.65が刊行されている。  (Pub.65(2))
   現行の我が国の規制の枠組みは1977年勧告を参考としており、同勧告では自然放射線源は職業被ばくの対象外としていることから、現行の枠組みには含まれていない。
作業場所におけるラドンについては、地下鉱山と洞穴における作業、地下作業場所における操業、温泉における作業等において、通常のレベルよりも高い濃度のラドンによる被ばくの可能性が高い場合があると考えられる。しかしながら、ラドン濃度についての十分な測定結果が我が国では得られていないことに鑑み、実態把握を行うことが必要である。その結果、一定の線量レベルを超えることがある場合には、「ラドンに注意が必要な作業場所」として特定し、対応を考える必要がある。
ジェット機の運航に伴う航空機乗務員の被ばくについては、これまで、航空機内の線量レベルに関するいくつかの調査が行われてきており、公衆の実効線量限度である年1mSvを超える被ばくの可能性も考えられる。乗務員の被ばくが一定の線量レベルを超えることがある場合には、適切な管理を行うことが必要である。なお、航空機内の線量レベルに関しては、測定方法、中性子線等に起因する線量評価等についてより詳細な調査・検討を行う必要があり、当面、乗務員等に対して放射線に関する知識の普及等を行うとともに国際的動向も考慮しつつ対応することが適当である。
自然放射性核種を有意に含む物質を取り扱う作業については、その作業場所の線量率等を測定して管理の必要な場所を特定し、飛散、流出防止等の防護措置を講ずるなど適切な管理をすることが必要である。
宇宙飛行については、極めて少数の個人に関連する問題であり、また、宇宙空間における宇宙線の種類、線量レベル及びそれらによる人体影響について不明な点が多いので、今後とも、情報の収集に努める必要がある。
1977年勧告では、委員会の勧告する線量当量限度は通常レベルの自然放射線には適用せず、またはこれを含まず、人為的な活動の結果生じた自然放射線の成分または特殊な環境における自然放射線の成分だけに関するものであるとみなしている。  (Pub.26(89))
1990年勧告では、職業被ばく及び医療被ばく以外のすべて被ばくは公衆被ばくとして包含するが、公衆被ばくに対する線量限度の適用範囲は、行為の結果受ける線量に限るものとしている。住居内及び屋外のラドン、既に環境中に存在する自然または人工の放射性物質は、介入によってのみ影響を与えることのできる状況の例であることから、これらの線源からの線量は、公衆被ばくに関する線量限度の範囲の外であり、また、他の自然放射線源による被ばくもこの範囲の外であるとしている。  (140、189)
住居におけるラドンは、ラドンによる個人線量及び集団線量がともに他のほとんどの線源によるものより高いことから、特別な注意を要する。多くの国で、個人線量が、職業被ばくにおいて許されている値よりもかなり高いことがある。もし改善が必要であれば、住居の改造または居住者の生活様式の変更といった介入によって行われなければならないとしている。  (216)
   1977年勧告では、人為的な行為の結果生じた被ばくについては線量当量限度を適用することとしてきたが、自然放射線源そのものは公衆被ばくの対象外とされており、現行の我が国の規制の枠組みには含まれていない。
1990年勧告で述べられているとおり、住居内及び屋外のラドン、既に環境中に存在する自然放射性物質は、介入によってのみ状況に変化を及ぼすことが可能であることから、これに伴う被ばくは、公衆被ばくの線量限度に含めないとするのが適当である。
我が国におけるこれまでの住居内のラドン濃度の調査結果によると、欧米のように顕著に高いラドン濃度は報告されていない。しかしながら、今後ともラドン濃度レベルの実態把握を行い、有意に高い濃度が検出された場合には、ICRP  
Pub.65に示される対策レベルを参考として、適切な対応を考えていくことが適当である。
診断または治療中の患者の付添と介護をする個人が、承知の上で自発的に受ける被ばく(職業被ばくを除く)も医療被ばくに含まれ、また、生物医学研究プログラムの一部として志願者の受ける被ばくも同じ基盤で扱われるとしている。  (139)
志願者に被ばくをもたらし、しかもその人への直接の利益を意図していない研究における行為の場合には、防護の最適化において線量拘束値を考慮すべきであるとしている。  (181)
被ばくする個人に直接の便益をもたらすことを意図している医療被ばくに対しては線量限度を適用すべきでないとしている。  (182)
志願者及び介助者の自発的な被ばくが、医療被ばくに該当するか否かについての規定はない。
志願者(本人への直接の利益を意図していない研究目的であることを承知の上で自発的に受ける者)の被ばくは、ICRP勧告どおり、医療被ばくとすることが適当である。
介助者(診断または治療中の患者の付添や介護(職業的に行うものを除く)をする者)が、自身には直接の便益がないことを承知の上で自発的に受ける被ばくについても、医療被ばくとすることが適当である。
試験・研究の現状並びに診断や治療の実態、あるいは在宅医療の将来を考えたとき、今後志願者や介助者が自発的に被ばくする機会は増加するものと思われ、このような医療被ばくについても被ばく線量の低減化に努めなければならない。このため、線量拘束値の具体的数値を含め今後検討する。
職業的保健サービスの主な役割は、他の職業における役割と同様であるとし、放射線作業者の集団の健康管理を行う医師は、その作業者集団の職務及び作業条件についてよく知っている必要があり、その上で、割りあてられた職務に対するそれぞれの作業者の適性について決定を下さなければならないとしている。現在では、作業環境の放射線がこの決定に何らかの有意な影響を与えることはきわめてまれであり、さらに、職業的に被ばくする人々の雇用条件に影響を与えることはないはずであるとしている。  (259)
健康管理を行う医師が、ときには専門家による支援を受けて、以下の3つの特別なカテゴリーの作業者に対するカウンセリングを求められるかもしれないことが述べられている。
  第一は、妊娠しているかもしくは妊娠するかもしれない女子は、妊娠したかもしれないと思う場合は、直ちに医師に申し出るように助言を受けるべきである。それによって事業者は、必要な任務変更または特別な防護対策を行うように助言を受けることができる。  (260)
  第二は、線量限度をかなり超過して被ばくした人、潜在的に危険な状態に巻き込まれたかもしれない人の場合は、例外的な状況でのみ臨床検査や治療を必要とするだろうが、事故の潜在的な大きさによっては、必要なら、医師は短期間の予告で、例えば、リンパ球の染色体異常の検査のような適切な検査と治療の準備ができるようにすべきである。  (261)
  第三は、生物医学研究プログラムの一部として故意の被ばくを志願しようと考えている個々の作業者から構成されるグループの場合は、健康管理を行う医師は、安心感を与え、懸念を表す志願者を除外することが可能である。研究目的が適切であること、志願者選抜システムが満足すべきものであることを保証するために、倫理委員会への諮問が必要である。  (262)
健康管理を行う医師には、個々の作業者の作業条件と被ばくに関する情報が必要であるとし、これらは医療記録の一部となり、通常は医療上の秘密とみなされるが、秘密を守るあまり防護担当者等がオリジナル・データを入手しにくくなってはならないとしている。  (263)
   放射線障害防止法等、放射線防護関係法令において「健康診断」、「放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者に対する措置」等が規定されている。  
放射線影響に関する知見、我が国における産業衛生の実態を踏まえて検討した結果、放射線業務従事者に対する特殊健康診断として、問診(被ばく歴の評価等)、血液(赤血球数、血色素量又はヘマトクリット値、白血球数及び百分率)、皮膚及び眼(水晶体)の検査を、配置前及び以降は年に1回以上実施することが適当である。ただし、配置前の健康診断にあっては、眼の検査は、線源の種類等に応じて省略すること。また、定期の特殊健康診断にあっては、血液、皮膚及び眼の検査は医師が必要と認めた場合に限り行うこととすべきである。
健康管理を行う医師には、個々の作業者の作業条件と被ばくに関する情報が与えられる必要がある。その上で、健康診断の結果を評価判定し、健康相談を含む包括的な健康管理が行われるシステムの整備が望まれる。
事故に直接伴う職業被ばくは、理想的には、平常状態において許される範囲内に線量を抑えることを目標とすべきであるが、重大な事故時には常にそうできるとは限らないかもしれないとしている。  (224)
緊急時の被ばくとしては、事故に直接起因する被ばくに加えて、緊急時の間と救済措置時の緊急チームの被ばくがあるとしている。また、緊急時の線量は、平常の線量とは区別して取り扱われるべきであるとしている。  (225)
重大事故時においては、事故の制御と即時かつ緊急の救済作業における被ばくは、人命救助を例外として、約0.5Svを超える実効線量とならないようにすべきであるとしている。また、皮膚の等価線量については、約5Svを超えることは許されるべきではないとしている。  (225)
緊急事態がいったん制御されたならば、救済作業における被ばくは、行為に伴う職業被ばくの一部として扱われるべきであるとしている。  (225)
1990年勧告では、1977年勧告の「計画特別被ばく」という考え方は無くなるとともに、「年限度の2倍を超えたならば医学的検討の対象とすべき」という表現もなくなっている。  
放射線施設または放射性輸送物の火災時の措置、放射性同位元素による汚染の広がりの防止及び除去等を緊急作業として例示し、これらの緊急作業を行う場合には線量当量をできる限り少なくすることとした上で、男子の放射線業務従事者に限って、緊急作業に係る線量当量限度を、実効線量当量について100mSvとしている。これは、それまでの緊急作業における被ばくの特例であった12remを、1977年勧告で「医学的検討の対象」として示された「年限度の2倍」に相当する100mSvに改訂したものである。
1986年7月の放射線審議会の意見具申においては、「人命救助等であってやむを得ない場合に年限度の2倍を超えて被ばくすることもあり得ると考えられるが、この問題は、なお慎重な検討を要する課題である。」とした。
1990年勧告では、全就労期間に受ける総実効線量が約1Svを超えないようなレベルに線量限度を定めるべきであるとの考え方を採用しており(162)、約0.5Svという緊急時の限度は一度にその半分を占めることから、緊急時以外の、その後の通常の被ばくの制限にも影響を与えることが考えられる。
IAEA基本安全基準(BSS)においては、緊急時の介入を実施する作業者の防護として、1年間の最大の線量限度の2倍以下に保つよう努力を払うべきとし、人命救助の場合には、1年間の最大の線量限度の10倍以下となるように努力を払うべきとしている。また、急性の放射線影響に関する医学的検討についても、実効線量が100mSv程度以下であれば特段考慮する必要はないとしている。
これらのことから、現行法令の実効線量当量で100mSvという緊急作業に係る線量の限度は敢えて変更する必要はないものと考える。
  緊急時作業において眼の水晶体または皮膚の等価線量が制限因子になることも考えられることから、これらについても緊急時の限度を規定すべきであり、眼の水晶体については300mSv、皮膚については1Svとすることが適当である。
  ただし、放射性物質の大量の放出が生ずるかまたはそのおそれのあるような重大な事故の場合、人命救助等であってやむを得ない場合については、上記の線量の限度を適用することは適当でない場合もあり得る。この場合においては、BSS、1990年勧告を参考にした上で、線量をできる限り少なくする努力が必要である。
妊娠している場合及び妊娠しているかもしれない場合は、その者を緊急時作業に係る線量の限度を適用する作業には就かせないこととすべきである。
公衆の防護のための措置の導入は、影響を受ける個人にいくらかのリスクをもたらし、また財政的費用と社会的秩序の混乱により社会に害をもたらすため、防護措置の導入は、その実施に付随するこれらの損害よりも大きな便益(回避される放射線損害)をもたらすべきであるとしている。
  予測線量が重篤な確定的影響を生ずる線量レベルに近づくような場合には、これを回避するための防護措置はほとんどいつでも正当化されるとしている。  (131、Pub.63(19))
正当化される防護措置について、その防護措置のかたち、規模及び期間は、それによって達成される正味の便益が最大になるようにすべきであるとしている。  (131、Pub.63(20))
個々の防護措置のもたらす便益については、その防護措置により達成され、または、期待される線量の低減、すなわち回避される線量に基づいて判断されるべきであるとしている。  (222)
線量限度は行為の管理に使うことを意図したものであって、線量限度を介入決定の根拠として使うことは、得られる便益とは全く釣り合わないような方策を含むかも知れず、正当化の原則に矛盾することになるので、介入の必要性、あるいは、その規模の決定に線量限度を適用しないことを勧告している。  (131)
緊急時における公衆の防護において、ほとんど常に正当化される介入レベル及び最適化される介入レベルが存在すると予想される範囲がICRP  
緊急時計画の立案と計画の実施の責任体制を決めておくべきであるとし、緊急時計画は、放射線を含まない事故に対処する他の計画と関連づけておくことが必要であるとしている。  (278、279)
災害対策基本法では、原子力防災を含め、災害が発生した場合に、地方公共団体は地域防災計画に従って、また、事業者等は防災業務計画に従って、それぞれ防災活動を行うことを定めている。また、国の関係行政機関は、それぞれの防災業務計画に従って、地方公共団体が現地で行う防災活動に対して必要な指示、助言、専門家の派遣等の措置を行うこととなっている。
  さらに、「原子力発電所等に係る防災対策上当面とるべき措置について、中央防災会議決定(昭和54年7月)」において、地方公共団体に対する国の体制的、技術的支援を定めている。
原子力安全委員会は、「原子力発電所等周辺の防災対策について(昭和55年6月)」(以下、「防災指針」という)において、屋内退避及び避難等に関する指標(予測線量当量)と飲食物摂取制限に関する指標(実測による放射性物質濃度)を定めている。これらの指標が、地方公共団体の原子力防災計画の中に取り入れられている。
緊急時対応の技術的事項については、防災指針に示されており、これらが地方公共団体が策定する原子力防災計画の中に反映されている。
1990年勧告で述べられているように、介入レベルは限度として扱うものではなく、防護措置の導入を判断するための指針である。従って、介入レベルは法令で規定する性格のものではなく、現行通り防災指針で定めるのが適当である。国際貿易に係る食品の介入レベルについても、国際的動向を考慮しつつ対応を検討すべきである。
緊急時計画については、災害対策基本法において地域防災計画等が立案されているとともに、国の行政機関、地方公共団体等の責任体制が明確になっていると考えられることから、法令上の新たな措置は特に必要ない。緊急時計画の内容については現行どおり防災指針で定めることが適当である。
個人線量の算定結果を与える記録は、その個人の期待される生涯と同程度の期間保管されるべきとしている。  (277)
職員管理記録の詳細と保管は、雇用主の通常の慣行に従うべきであるとしている。  (277)
モニタリング結果を解釈する際に用いられる補助的な情報を与える記録、例えば作業場所のモニタリング結果は、将来ありそうな解釈の再評価の際にそれが使えるよう十分な長さの期間すなわち数年間にわたって保管されるべきであるとしている。(277)
環境中への放出に関する詳細は少なくとも10年間、その要約は数十年にわたって保管されるべきであるとしている。  (277)
   例えば、放射線障害防止法では、外部被ばくによる線量当量、内部被ばくによる線量当量及び人体部位表面の汚染の測定記録の保存は、当該記録の対象者が使用者等の従事者でなくなったときに指定機関に引き渡す場合又は、現に従事している者の記録を5年間保存した後に指定機関に引き渡す場合以外は続けなければならないこと及び場所の放射線の量及び放射性同位元素による汚染の状況の測定記録は5年間保存することが規定されている。
記録の保存の目的は、1)規制の遵守の証明、2)被ばく傾向の評価や作業場所の状況の把握、3)最適化の検討のためのデ−タとすることであり、個人記録や作業環境のモニタリング結果、排気、排水に係る測定結果の保存期間については、事業所の特徴、記録の使用目的等に応じ、関係法令毎に保存する記録の種類、保存期間が規定されており、現行通りで適当である。
保存する記録に関連した記録レベル、個人線量の測定、測定方法についての考え方を下記に示す。なお、管理区域に放射線業務従事者以外で一時的に立ち入る者の個人線量測定については、現行どおりとし、その者の管理区域内における実効線量が100μSvを超えるおそれがないときは測定しなくてもよいとするのが適当である。
記録レベルについては、測定の方法、期間等を勘案し、適切な団体、機関等において作成されたガイドラインで設定することが適当である。
管理区域に立ち入る者(放射線業務従事者)の個人線量測定については、現行通り、管理区域に立ち入る間継続して行うことが適当である。
測定方法については、現行法令において「放射線測定器」、「放射線測定用具」等の区分がなされているが、現状において、機器の技術的進歩等に伴い、機器を測定器と測定用具とに明確に区別し難く、「放射線測定器」と統一的に広義な表現とすることが望ましい。
勧告を履行するにあたっての実際のおもな責任は、設備及び施設の設計者と事業者にあり、政府は、操業管理者がその責任を果たすよう援助し、かつ適切な防護基準が確実に維持されることを目的として、規制と助言の機能の枠組みを確立すべきであるとしている。  (227)
責任の最初の段階は、目標を確立し、それらの目標を達成するのに必要な手段を準備し、そして、これらの手段が適切に実施されていることを確実にする義務である。次に責任を負う者はその責任を果たすのに必要な資材を投入するための権限を持つべきである。責任には責務と呼ばれることのある遡及的成分もあり、当初の目標がどのように効果的に達成されているかを決定するための検証プログラムを構築する必要性が含まれるとしている。    
放射線被ばくに対する充分な管理を達成し、維持するための第一の責任は、その被ばくをもたらす操業を行う事業体の管理組織体にかかっているとしている。  (231)
すべての組織では、責任とそれに付随する権限は、含まれる義務の複雑さに応じて外部に委任される。この委任がうまくいっていることを定期的に検査すべきである。それぞれの組織の最高責任者にまっすぐつながる責務の明確なラインが存在すべきであるとしている。  (232)
安全に対するこの姿勢は、防護の最適化を含む放射線防護を担当する正式な管理体制を作り、かつ、明確な操業規則を決めることによって、強化されるべきであるとしており、操業規則は、プラント及び設備の設計及び施設全体の設計に適用されるあらゆる要求を考慮すべきであり、点検と保守のような付随作業も含むべきであるとしている。    
基準の適用に際して主に責任を有する主要な関係者は、登録者、免許所有者及び雇用者である。  
副次的に責任をもつべき関係者として、供給者、作業者、放射線防護主任者、臨床医、保健専門家、資格ある専門家、倫理審査委員会、主要な関係者から特定の責任を委託されたすべての関係者があげられる。  
   我が国の各事業所における放射線防護に関する責任は事業者等にある。また、例えば、放射線障害防止法の場合、放射線取扱主任者が放射線管理において重要な役割を果たすための義務等が規定されているが、具体的な職務内容は記載されていない。  
我が国の各事業所における使用様態、施設規模等は多様・複雑化しており、一方、1990年勧告にみられるように、放射線防護の諸基準に係る概念は高度化し、その防護対象は広範化している。
このような中で、放射線防護を的確に各事業所において実施するためには、放射線取扱主任者等の現場の責任者の果たす役割が重要であり、その機能が十分に発揮される必要がある。
また、管理に係る組織とその運用等を法令で定めることについては、基本的、画一的な内容になることが多い。このため、詳細な事項については、適切な団体、機関等においてガイドライン等を作成し、これに沿って放射線障害予防規定等に明確に規定していくことにより対応することが適当である。
1990年勧告を踏まえて、放射線審議会では国内制度等への取入れに関 して検討を行った結果、本報告書のとおり意見のとりまとめを行った。
なお、基本部会における審議段階において「女性の職業被ばくに対する線量限度」、「作業場所」、「緊急時被ばく」の項目に関しては下記の意見があった。
女性の職業被ばくに対する線量限度については、女性作業者に対する特別の線量の適用に関し、現行法令の「女子(妊娠不能と診断された者及び妊娠中である者を除く。)の腹部については、3月間につき13mSv」という規定は廃止するのが適当である。
妊娠を申告した女性作業者の線量限度に関し、腹部の等価線量で1mSv/残りの妊娠期間とすることが適当である。
作業場所については、管理区域の設定の基準に係る現行法令の数値は変更せず、管理区域の外側で作業する者への考慮については事業者の配慮事項とし、指針等で示すことが適当である。
緊急時被ばくについては、緊急時の状況を考えると、緊急時の被ばくに対して特定の値を線量限度として法令で規定することは適当とはいえない。むしろ、事業所の緊急時マニュアル等でガイドラインとして規定することが適当である。
  このため、基本部会は、平成9年12月25日に開催された第75回基本部会において委員による採決を行ったが、上記意見は少数意見であったため(採決結果は、それぞれ1):4対7、2):1対10、3):1対9、4):1対10であった。なお、沼宮内委員は基本部会長であることから採決に参加しなかった。岡田委員、佐々木委員は当日欠席であった。)、多数意見を基本部会報告書に採用した。
内部被ばく及び外部被ばくに関する技術的事項については、わが国の国内制度等への取入れに際して重要な資料となるICRPの技術的報告書及びこれまでの打合せ会等の検討を踏まえて今後さらに検討を行い、技術的事項に関するとりまとめを行うこととする。
平成4年の打合せ会中間報告で長期的な検討項目として分類された「潜在被ばく」、「線量拘束値」及び「除外と免除」に関しては、これまでの分科会での検討内容や国際的動向を踏まえつつ今後検討を行うこととする。
   現行で実施されている管理作業の体系を極力継続しつつ、1990年勧告の主旨を踏まえて取り入れを図る。
  例えば、現行単年度管理となっている被ばく管理記録の体系をできるだけ残しつつ、単年度20mSvを超えた場合などの特別な場合についての対応を図る。  
  実効線量限度を適用する期間は、暦上で定める5年間をブロックとして設定することが適当である。組織線量限度を適用する期間は、従来どおりとする。
  実効線量限度の適用に関して、作業者はブロック5年間の管理を受けるものとする。組織に対する線量限度の適用に関しては、眼の水晶体について年150mSv、皮膚について年500mSv並びに手及び足について年500mSvと、年単位であるため、単年度の管理を受けるものとする。
  事業者等は、当該管理区域に立ち入る者の被ばく線量(ブロック5年間の始期より当該管理区域に立ち入るまでの各年度の被ばく線量)を確認する。
  実効線量限度を超え、又は超えるおそれのある場合の報告については従来どおりとする。この場合の実効線量限度については、年50mSv及び5年間100mSvをもって対応することとする。
  組織の線量限度を超え、又は超えるおそれのある場合の報告も従来どおりとする。
  各作業者の被ばく線量を3ヶ月毎に記録し、単年度20mSvを超えない場合には、単年度1年間としての線量のみを記録する。ただし、法定5年間において単年度20mSvを超えた被ばく歴のある作業者については、累積線量を単年度の線量と合わせて記録する。
  各作業者の個々の被ばく線量を管理する上では、適用期間を同一期間で定めることが適当である。
     事業者等は、作業者に対し、その被ばく線量(実効線量)について、5年間管理することになるが、年20mSvを超える者が極めて少数である現状を鑑み、単年度20mSvを超えた者がいる場合を除いて、被ばく線量の累積線量を記録する義務を新たに課さないなど事業者等への新たな負担を最小限におさえることとする。
  組織の線量限度については、年間線量として定められているので、従来と同様の管理とする。
年20mSvを超えた者が、ブロック5年間の途中で異動する場合、異動先の事業所が残りの期間の管理を行う。
事業者等は、当該管理区域に立ち入る者の立入り以前までの被ばく線量(ブロック5年間の始期より当該管理区域に立ち入るまでの各年度の被ばく線量)を確認する。
事業者等が、当該管理区域に立ち入る者の立入り以前までの被ばく線量を確認する場合の確認方法としては、立ち入る者から提出される記録(放射線管理手帳、前事業所等で事業者等によって交付された被ばく線量の測定結果の記録の写し等)を用いる方法が考えられる。なお、作業者が、交付された被ばく線量の写しをすべて保管していない場合も考えられるが、その場合は、作業者本人による前事業所等への被ばく線量の問い合わせ及び被ばく記録の写しの再交付により確認することで対処可能と考える。
  規制当局への報告事項については、関係法令間で、例えば、報告すべき線量分布の線量区分について、その整合性に留意すべきである。
   女性の職業被ばくに対する線量限度については、妊娠の全期間を通じて胎児に対して一般公衆の構成員とほぼ同等の防護がなされるようにする必要がある。このため、妊娠と気づかない時期における胎児の防護については一般公衆に対する特殊な状況下における線量限度を目安にし、また、妊娠申告後の胎児の防護については1990年勧告の妊娠を申告した場合の追加の管理のための線量限度を踏まえた管理を行うことが適当である。
  妊娠可能な女性作業者の線量限度については、妊娠に気づかない時期の胎児の防護を適切に行えるよう、作業者に対する実効線量の線量限度(100mSv/5年間)を、3ヶ月ごとに均等に割り振り、以下のようにすることが適当である。また、線量の記録も3ヶ月毎とする。
妊娠を申告した女性作業者の線量限度については、妊娠の残りの期間に対して、以下のようにすることが適当である。なお、外部被ばくに対する腹部表面の等価線量としては、腹部に着用した個人線量計で評価した1センチメートル線量当量として、2mSvを限度とするのが適当である。
線量限度を適用する期間については、妊娠と申告した時から出産までの間とする。また、胎児に対する放射線防護を重視するために、妊娠と診断された場合には、女性作業者が妊娠したことを事業者に直ちに申告する措置を講ずる必要がある。
ICRPでは、「受胎産物はときおり、出生後の子供よりも放射線による確定的障害を受けやすく、また後年になっての悪性腫瘍の誘発に対し感受性が高いだろう。(176)」としており、また、「妊娠しているかもしれない女性の作業時の防護の方法は、いかなる受胎産物に対する防護の基準も、一般公衆の構成員に対し与えられているものとほぼ同等であるようにすべきであるというのが、委員会の方針である。(177)」としている。これらのことを考慮して、我が国では、妊娠に気づかない時期の胎児に対する放射線防護に着目し、女性作業者に対しては、従来どおり、短期間(3ヶ月)の線量限度を継続して用いることとする。
  これにより、妊娠に気づかない時期の胎児が一般公衆の特別な場合の線量限度である5mSv/年を超えて被ばくする可能性を減じるものである。
妊娠可能な女性作業者について実効線量で3ケ月で5mSvを超えないような管理を行う場合の管理期間については、4月、7月、10月及び1月を始期とする。
妊娠する意志のない者や閉経後の者等で妊娠の可能性のない女性作業者に対しては、必ずしも上記の限度を適用する必要はなく、これらの女性作業者については適用を除外できるような措置を講じる必要がある。
妊娠を申告した女性作業者の胎児については、1990年勧告でも腹部表面の等価線量で2mSvが勧告されており、妊娠可能な女性作業者とは別の線量限度の適用が必要となる。  
1990年勧告では腹部の表面線量を2mSvとしているが、我が国の職業被ばくに対する線量には腹部表面に該当する線量がないので、腹部に着用した個人線量計により評価される1センチメートル線量当量を採用し、限度として2mSvを採用することとする。
   管理区域は、1)線源の管理、2)放射線業務従事者の定義と管理、3)管理区域の外側にいる作業者等の管理のために重要な区域である。また、管理区域設定の数値基準は実態として遮へい設計に活用され、さらに、空間線量率等の作業者のための防護のための管理基準としても用いられている。このため、管理区域を指定し、その数値基準を設定することは、放射線管理の基本的事項の一つである。管理区域の設定については、法令で一律に基準を定めることとし、その設定基準は、公衆被ばくの線量限度を考慮して定める。
4)外部被ばく及び内部被ばくの両方の可能性がある場合は、両方の合計の実効線量が3ヶ月につき1.3mSvとする。
施設を設計する際の基準として、管理区域内の人が常時立ち入る場所における外部被ばくに係る実効線量は、1週間につき1mSv以下とする。また、人が呼吸する空気中の放射性物質の濃度は、1週間につき1mSvの実効線量に相当する濃度以下とする。外部被ばく及び内部被ばくの両方の可能性がある場合は、両方の合計が実効線量で1週間につき1mSv以下とする。
事業者の判断により、管理区域の外側で同一の者が常時滞在する場所において、1mSv/年以上の被ばくが予測される場合は、事業者は管理する区域を設定し、滞在時間の制限・遮へい等によりその区域に滞在する者の被ばく線量が公衆の線量限度以下になるようにする。
公衆の特殊な状況下における年線量限度5mSv/年を3ヶ月間で割り振り、管理区域設定の基準とした。
管理区域に業務上立ち入る者は放射線業務従事者として指定され、個人モニタリングが必要となるが、上記の数値は年5〜10mSv以上被ばくする可能性のある者については個人モニタリングが必要であるとしているICRP  Pub.75の主旨に合致している。
被ばく線量の集計が3ヶ月毎であること、施設、装置等の運転時間はそれぞれ短い期間では大きな幅があること及び測定の容易さから、線量を算定する期間として3ヶ月間とした。  
管理区域境界の線量基準としては、公衆の特殊な状況下における年線量限度を適用することにより、管理区域の外側のいかなる者も年5mSvを超えて被ばくするおそれはなく、また、実際の被ばく線量は管理区域境界からの距離による線量率の減少及び滞在時間を考慮すれば、特別の管理をすることなしに年1mSv以下とすることが多くの場合可能となる。
管理区域の外側で作業する放射線業務従事者以外の者の被ばく線量は公衆の線量限度(1mSv/年)を超えないようにする必要があるが、その被ばく線量は、滞在する場所の線量率と滞在時間によって異なる。したがって、管理区域の外側の同一の者が常時滞在する場所において実測値等で1mSv/年を超える被ばくが予測される区域がある場合には、管理する区域を設定し、該当する場所の線量測定等とともに、出入りや滞在時間の管理、遮へいの増強等の適切な措置を講じなければならない。ただし、該当する区域の有無の判断については、事業所の施設や実態が様々であることから、法令で一律に規定することは適当でない。
管理区域境界に係る線量評価に際しては、管理区域の外側で作業する者が滞在する時間を考慮するものとし、可能な限り現実的な値(最大500時間/3ヶ月、2000時間/年)を想定するものとする。また、施設、装置の運転時間も考慮する。
  既存の施設に対しては、現に許可を受けている内容の変更に伴う新たな基準への適合の場合等における所要の措置の実施期間や適合方法について検討する必要がある。なお、線源の使用量等の許可変更がない場合には、法令で規定している放射線量の測定結果等に基づき、管理区域の設定基準の適合を確認させることが望ましい。
  放射線発生装置や放射線源を取り扱う施設の設計に際しては、管理区域境界等の線量評価は計算により行われる。これらの計算に関してはより現実的な評価を行うようにするため、適切な線源項、計算モデル、パラメータの選択、滞在時間の算定方法等の合理化を検討する必要がある。

[ 136] ICRP1990年勧告(Pub.60)の国内制度等への取入れについて
[引用サイト]  http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/11/12/991230a/991230j.htm

放射線審議会は、平成3年2月6日の第54回総会において、国際放射線防護委員会(ICRP)1990年勧告(Pub.60)(以下、「1990年勧告」という。)の法令取入れについて基本部会で検討することとした。
放射線審議会基本部会は、平成3年2月22日の第60回基本部会で部会の下に「打合せ会(ICRP)」(以下「打合せ会」という。)を設置することとした。
等を行うこととし、その結果を第11回打合せ会(平成4年10月16日)において「ICRP1990年勧告(Pub.60)の審議状況について(中間報告)」としてとりまとめた。この報告では、1990年勧告の法令取入れに関する検討項目を、“法令への取入れを早急に検討すべき項目”と“その他の長期的検討項目”に分けて整理した。
以降、これらの検討項目について、打合せ会の下に次の3つの分科会を設置して検討を行った。
各分科会における平成6年5月までの検討状況を踏まえ、第14回打合せ会(平成6年6月8日)において、更なる検討のため、新たな体制の3つの分科会を設置した。
以上、6つの分科会は、国際機関の動向及び諸外国の状況等についても積極的に把握しながら精力的に41回の検討を行い、その検討状況については、適宜打合せ会において報告した。また、各分科会の検討状況をとりまとめて、「ICRP1990年勧告(Pub.60)の法令取入れ等に関する審議状況について」として、第16回打合せ会(平成7年6月9日)において報告した。
打合せ会は、分科会としての検討が一応終了したことを受け、平成7年7月から、職業被ばくに対する線量限度等各検討項目について、分科会の検討を踏まえ、報告書をとりまとめ、第62回基本部会(平成8年6月24日)に報告した。
基本部会は、打合せ会の報告書をもとに、更に検討を進め、基本部会としての検討がひととおり終了したため、基本部会の報告書案をとりまとめて公表し、国民から意見募集(平成9年6月10日〜平成9年7月9日)を行った。
基本部会は、国民から寄せられた意見等を踏まえて更に検討を進め、第76回基本部会(平成10年2月19日)において、報告書をとりまとめたので、第66回放射線審議会総会(平成10年3月26日)に報告した。
総会は、基本部会の報告書について検討し、特に、女性の職業被ばくに対する線量限度については、小グループを設置し更に検討し、その検討結果を踏まえて基本部会報告書を一部修正し、第67回総会(平成10年6月10日)において、本意見具申をとりまとめた。
なお、基本部会では、審議中に刊行されたPub.60以降のICRP報告書等についても適宜検討し、これらの報告書も踏まえて検討を行った。
(注)各章毎の「1.1990年勧告の基本的考え方」の()内の数字はPub.60の関連する項の番号等を示す。また、原文でわかりにくい部分については、適宜補足した。
ICRPは、今回、放射線防護上関心のあるのは、一点における吸収線量ではなく、組織・臓器にわたって平均し、線質について荷重した吸収線量であるとし、このための荷重係数を1990年勧告では、放射線荷重係数と呼び、放射線の種類とエネルギーに対して線エネルギー付与(LET)だけでなく、確率的影響の生物効果比も考慮して決めている。そして、放射線荷重係数で荷重された吸収線量を各組織・臓器の「等価線量」と名付けている。  (24、25)
また、これまでの実効線量当量に変えて「実効線量」を用いることを決めるとともに、組織・臓器の等価線量に荷重する組織荷重係数の値を変更している。実効線量は、身体のすべての組織・臓器の荷重された等価線量の和として与えられる。  (27、28、付属書A)
同時に、ICRPは、放射線防護の基本量である実効線量等とは別に、放射線の防護上の測定においては実用量の使用を示唆している。この実用量は、従来と同様、空間のある一点で定められる「線量当量」の概念に基づく量であり、国際放射線単位・測定委員会(ICRU)によって導入されたものである。これらの実用量は、ICRP Pub.74においても測定の基準量として採用されている。  (38、付属書A)
   ICRUは、ICRPが1990年勧告において導入した上記の新しい線量と従来からの線量当量との関係について検討した結果、ICRPが導入した等価線量及び実効線量は“被ばく制限の目的に用いる量”とし、外部被ばく測定のための量として、場のモニタリングには「周辺線量当量」及び「方向性線量当量」を、個人モニタリングには「個人線量当量」を定めた。これらの実用量は、放射線の透過の程度、組織等に応じて深さ位置を指定して用いられる。 
   ICRPでは、Pub.30の改訂作業が進められているが、IAEA等国際機関からの要請もあり、新たな呼吸気道モデル(Pub.66)を用いる等により、線量限度、放射線荷重係数及び組織荷重係数について1990年勧告に対応させたPub.68(Pub.61改訂版)をPub.30改訂の暫定版として刊行した。Pub.68においては、内部被ばく評価のための基本データは、Sv/Bq単位の係数の形で示されている。 
   放射線障害防止法、原子炉等規制法等においては、「線量当量」が用いられており、線量限度を定める量としては、「実効線量当量」「組織線量当量」が定められている。また、外部被ばくの測定・評価においては、「1センチメートル線量当量」(実効線量当量に対応)、「70マイクロメートル線量当量」(皮ふの組織線量当量に対応)及び「3ミリメートル線量当量」(眼の水晶体の組織線量当量に対応)(以下、「1センチメートル線量当量等」と呼ぶ。)が使用されている。
線量限度を定める量は、1990年勧告への対応及びこれまでの線量との定義の相違を明確にするため、「実効線量」及び「等価線量」とすることが適当である。
一方、外部被ばくのモニタリング線量の法令上の名称については、1センチメートル線量当量等の用語が定着しており、また、ICRP、ICRUいずれも、モニタリング線量に関しては深さ位置を指定した「線量当量」という用語を用いていることから1センチメートル線量当量等の用語は変更しないことが適当である。
内部被ばく評価のための基本データは、従来、年摂取限度を用いてきたが、換算のための係数(Sv/Bq)を用いることについても検討する必要がある。
なお、現行法令の「線量当量」は、多義的に使用されているため、この用語がそれぞれの場合においてどのような意味で使用されているか十分検討し、それぞれ適切な用語を選定し変更する必要がある。また、適切な文書で、用語の定義、具体的な意味を明確な形で示すことにより、その解釈をめぐる混乱がないようにする必要がある。
職業被ばくに適用される線量限度に関連して、1977年勧告では、放射線と関係のない安全性が高いと考えられる産業における事故死の率と比較することを試みている。  (148)
1990年勧告では、産業安全の基準は世界全体で一定でも一様でもなく、また死亡データは作業者集団の平均値に関連するのに対して、線量限度は個人に適用される上限値であることなどの理由から、このような比較は満足できるものではないとし、今回、線量限度の設定に際してより包括的なアプローチを採用することとしている。  (148、149)
一方、広島・長崎の被ばく者における追跡調査期間の延長、原爆からの被ばく線量の新しい線量算定体系の適用による再評価及び生涯リスク予測モデルの変更等により、放射線誘発がんの名目確率係数(1977年勧告ではリスク係数と呼ばれていた。)の見直しが行われている。  (62〜83)
これらの理由から、ICRPは、線量を長期間にわたり被ばくし続けたときの個人の放射線リスクが「容認できない」レベルの下限値と判断できる線量を限度設定の根拠とすべきであるとし、以下の手順により評価を行った。その結果、年齢、性、集団等に起因する放射線に対する感受性の差異を考慮して、20mSv/年の連続被ばく(生涯1Sv≒20mSv/年×47年)の結果起こると考えられる確率的影響による18歳の人の平均余命の減少(0.5年)等がこれに相当するものと判断している。  (149〜162)
それぞれの線量について、放射線被ばくによる死亡の生涯確率(生涯にわたる全死亡率(100%)に占める放射線による寄与の割合)を評価した。
それぞれの線量について、放射線が原因と考えられる死亡が起こったときの寿命の損失期間を評価した。
それぞれの線量について、年当たりの死亡確率の発現年齢分布を評価した。
さらに、生涯線量のみで被ばく管理を行うことは、短期間に1Svを被ばくしてしまうような誤用の可能性があること及び管理にある程度の融通性を持たせることを考慮して、管理期間として5年間を選択し、実効線量限度として「5年間で100mSv、ただし、いかなる1年間にも50mSvを超えない」ことを勧告している。  (163〜166)
また、実効線量に寄与しない眼の水晶体及び局所的な被ばくとなることが多い皮膚については、実効線量限度だけでは防護上必ずしも十分とはいえない組織であることから、等価線量限度として、眼の水晶体については年150mSv、皮膚については任意の1cm2にわたり平均して年500mSv並びに手及び足については年500mSvを勧告している。なお、1977年勧告において勧告した眼の水晶体を除くすべての組織に対する限度(年500mSv)は、実効線量限度が守られれば確定的影響を防止できることから勧告していない。  (171〜173)
内部被ばくについては、ICRPは、年摂取限度(ALI)を預託実効線量20mSvに基づいて与えるとし、5年間の平均摂取量を年摂取限度以下に制限することは、実際上、どの単一臓器の生涯等価線量も確定的影響を引き起こすほどではないことを保証するであろうとしている。  (174、175)
現在の実効線量当量限度は年50mSvであり、被ばくの管理期間は1年である。
組織線量当量限度(女子の腹部を除く)は、眼の水晶体について年150 mSv、これ以外の組織について年500mSvである。
作業者に関する実効線量限度は、1990年勧告を踏まえ「5年間に100mSv、ただし、いかなる年度の1年間にも50mSvを超えない」とすることが適当である。なお、内部被ばく評価のためには、従来どおり預託実効線量を用いることが適当である。
上記の実効線量限度に加え、組織に対する線量限度として、眼の水晶体について年150mSv、皮膚について年500mSv並びに手(手首から先)及び足(足首から先)について年500mSvを定めるのが適当である。なお、現行法令にある、眼の水晶体を除くすべての組織に対する線量限度(年500mSv)は、上記の実効線量限度により眼の水晶体、皮膚、手及び足を除く他の組織の確定的影響を防止できることから必要ない。
実効線量限度を適用する期間(5年間)については、1990年勧告において規制機関が決めることとされている(166)ことから、法令で定めることが適当である。
上記の実効線量限度及び組織の線量限度に基づく被ばく管理の具体的適用においては、現行法令で実施されている管理の体系を極力継続しつつ、1990年勧告の主旨を踏まえて取り入れを図る必要がある。具体的適用については、付属書Aを参考に関係法令等に取り入れる必要がある。
妊娠していない女性作業者の職業被ばくの管理の基礎は、男性の場合と同じであるとしている。  (176)
妊娠しているかもしれない女性の作業時の防護の方法は、いかなる受胎産物に対する防護の基準も、一般公衆の構成員に対し与えられているものとほぼ同等であるべきとしている。  (177)
委員会によって勧告された線量限度を含む放射線防護体系のもとで、妊娠の申告前に胎児が被ばくしても胎児は適切に防護されると判断している。  (177)
妊娠の申告後の被ばく管理については、以下のような追加の管理が必要であるとしている。  (178)
不慮の高線量被ばく又は放射性物質の大量摂取の可能性が大きくないような種類の作業とすべきである。
上記勧告の根拠ともいうべき出生前被ばくの影響に関して、以下の点を指摘している。
受胎後最初の3週間以内の胚の被ばくは、出生児に確定的影響または確率的影響を生ずることはないようである。  (90) 
受胎後第4週以降には、被ばく時に発達しつつある臓器に奇形が生ずることがあるが、確定的な性格のものであり、動物実験から推定して、人でのしきい値は約0.1Gyである。  (90) 
受胎後3週間経過してから妊娠の終わりにかけての期間を通じて、放射線被ばくは確率的影響の可能性があり、出生児にがんの確率を高める結  果になるようであるが、この影響の名目致死確率係数は集団全体に対す  る係数のたかだか数倍であると考える。  (91) 
母親の被ばくが職業被ばくの限度を超えなければ、被ばくの時間的分布の如何にかかわらず、生まれた子供に重度精神遅滞を含む確定的影響が現れないことは、現在明らかと思われる。  (176) 
器官発生の最も重要な期間の胚の被ばくに着目し、生殖能力のある女性の職業上の被ばくに対して、作業者の年限度(50mSv)をほぼ規則的な率で受けるよう割り振れば胚の防護が適切に行われる(妊娠の最初の2カ月の間に胚が5mSvを超えて被ばくしそうにない)として、3カ月単位の管理期間で、被ばく管理を行っている。
妊娠とわかった場合の胎児の線量を制限するため、追加の管理が必要であるという観点から、妊娠と診断されてから出産までの被ばく管理を行っている。
このような考え方から、現行法令では女性の腹部の組織線量当量限度を3カ月につき13mSv、妊娠と診断されてから出産までの間に10mSvとしている。
1990年勧告では、女性作業者の防護については、委員会によって勧告された放射線防護体系のもとでは、妊娠を申告する前の母親が被ばくしても、胎児の放射線防護の基準を一般の公衆のそれとほぼ同等にすべきであるという方針が適切に適用されていると考え、女性一般に対する特別な職業上の線量限度を勧告していない。
  しかしながら、前述の「5年間に100mSv、ただし、いかなる年度の1年間にも50mSvを超えない」とする職業被ばくに対する線量限度の規制の下では、法令上は、妊娠に気づかない時期の女性作業者が50mSvまで被ばくすることが起こりうることとなり、胎児が一般公衆の防護基準を大きく超えて被ばくするおそれを否定できない。また、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する国連条約に、母性を保護することを目的とする特別措置をとることは差別と解してはならないことが明文化されている。
  これらのことから、妊娠可能な女性作業者の線量限度に関しては、前述の職業被ばくに対する線量限度をより短い期間に割り振り、5mSv/3ヶ月とすることにより、胎児に対する防護基準が一般公衆のそれとほぼ同等に確保できるような防護措置をとることが必要である。
  なお、妊娠する意志のない者や閉経後の者等で妊娠の可能性のない者については、必ずしも上記の限度を適用する必要はない。
また、妊娠を申告した後の女性作業者の職業被ばくに対する線量限度については、妊娠の申告から出産までの期間について、妊娠の申告後の被ばく管理についての1990年勧告を踏まえ、胎児が一般公衆の構成員とほぼ同等の防護がなされるようにする必要がある。
具体的適用については、付属書AIIを参考に関係法令等に取り入れる必要がある。
管理上の要求の最も重要な機能の一つは、被ばく源に対する管理及び職業的に被ばくする作業者に対する管理を維持することである。線源の管理は、線源が存在する作業場所を正式に指定することによって容易になることから、管理区域及び監視区域の指定を勧告している。  (251)
管理区域の境界の数値基準については、従来、管理区域の境界を職業被ばくの線量限度の3/10としていたが、1990年勧告では、操業管理者によって、設計段階又は操業経験と判断に基づき、それぞれの場所で決定されるべきであるとして勧告していない。  (252)
  軽微な事故が発生する可能性を含む通常の作業条件の区域であって、被ばく管理を目的とする十分に確立された手順と慣行に従うことが作業者に要求される区域。 
管理区域及び監視区域を指定する目的は、これらの指定区域の外側のいかなる人も職業的に被ばくするとみなす必要がないことを保証することであるべきとしており、指定区域の外側で受ける実際の線量を公衆被ばくの線量限度以下に抑えることを可能とすべきであることを勧告している。  (252)
作業場所の区分については、管理区域の設定が法令上義務づけられており、その区域境界の線量当量等は、職業被ばくの年限度の3/10に基づき、これを週あたりの値(300μSv/週)として規制値を定めている。
管理区域の設定により、放射線管理は円滑に行われてきていることから、管理区域の設定は防護上重要な役割を果たしている。
管理区域については、従来どおり法令でその設定を義務づけるべきである。 管理区域の設定基準について、1990年勧告ではその基準の目安となる線量レベルの数値は示されていないが、管理区域設定が放射線管理の基本事項の1つであり、管理区域の外側にいる作業者の防護を確実に行うためにも、その設定の目安となる数値を提示することが管理実務上実際的であることから、法令で一律の数値基準を定めることが適当である。また、その数値基準については、公衆の線量限度を考慮して定めるのが適当である。
具体的適用については、付属書AIIIを参考に関係法令等に取り入れる必要がある。   また、ICRP  Pub.75において、少量で体内摂取のおそれのない非密封線源は、通常、監視区域で取り扱うことができるとされており、国内においてもそのような取扱いに対する希望が強いので、今後、基本部会において、このような監視区域を法令上導入することについて検討することとする。
公衆の被ばくに関する実効線量限度は、1年について1mSvとするが、特殊な状況においては、5年間にわたる平均が年当たり1mSvを超えなければ、単一年にこれよりも高い実効線量が許されることもあり得るとしている。  (191、192)
公衆被ばくに関する線量限度の選択に際して、ICRPは、職業上の限度の選択に採用したアプローチと、自然放射線源からの現存する線量レベルの変動に判断基準をおくアプローチの2通りを用い、年実効線量限度として1mSvを勧告している。  (190、191)
一方、行為の結果受ける線量からの損害は、多年にわたる線量の集積量の関数であるから、年線量限度に厳格に関連させるような管理を要求することは厳しすぎるとし、その限度にある程度の柔軟性をもたせることが望ましいとしている。そして、年実効線量について基本限度を規定し、生涯にわたる平均実効線量がこの基本限度を超えないという条件で数年間の実効線量について補足的な限度を設けていた従来の勧告は原理的には適切であるが、補助的限度を平均する期間が生涯では長すぎるとし、5年間としている。  (192)
なお、新勧告施行の際は、5年の期間は過去にさかのぼって適用すべきであることを勧告している。  (192)
眼の水晶体及び限られた面積の皮膚については、確定的影響が実効線量限度によって必ずしも防護されるとは限らないため、組織線量限度が必要であるとし、眼の水晶体に対し年15mSv、皮膚に対し、被ばくした面積にかかわらず任意の1cm2に対して年50mSvを勧告している。  (194)
なお、公衆の組織線量限度が作業者のものより低い理由として、被ばくの期間が作業者のほぼ2倍となる可能性があること、公衆は作業者集団よりも放射線感受性の幅が広いことを挙げている。  (194)
1985年のパリ声明で示された公衆の構成員に関する主たる実効線量当量限度の値である年1mSvを取り入れ、これを規制体系の中で担保することとしている。なお、病室や特に認められた場合には年5mSvとすることも許されている。
排気・排水の濃度を規制する場合は、ICRP Pub.30に示されている作業者に関するALI及びサブマージョン核種に係る誘導空気中濃度(DAC)をもとに、公衆に関する誘導空気中濃度及び誘導水中濃度を算出して、公衆の実効線量当量が1年につき1mSv以下となるようにしている。
また、公衆の眼の水晶体及び皮膚の組織線量当量限度については、1977年勧告に示されている線量限度(年50mSv)が規制体系に取り入れられている。
公衆の被ばくに関する限度は、実効線量については年1mSv、組織に対する線量限度については、眼の水晶体に対する線量限度を年15mSv、皮膚に対する線量限度を年50mSvとし、これを規制体系の中で担保することが適当である。
  このためには、施設周辺の線量、排気・排水の濃度等のうちから、適切な種類の量を規制することにより、当該線量限度が担保できるようにすべきである。
また、5年間にわたる平均の年実効線量が1mSvを超えない仕組みができている場合は、特殊な状況下では、5年間のうちの単一年において1mSvよりも高い値を補助的な限度として用いることも可能とされており、病室等の線量規制値に関し、この補助的な限度の適用の可能性について検討する必要がある。
なお、公衆の線量評価に関し、年齢依存、預託実効線量の積分期間等について、別途技術的事項に関する検討を行うこととしており、関係法令への取入れに当たっては、その結果を参考にする必要がある。
1977年勧告では、「職業上の被ばくとは、作業者がその作業期間中に受けるすべての線量当量及びすべての摂取量から成るものとする(ただし、医療放射線及び自然放射線に由来するものを除く)」としており、自然放射線については、対象外としている。  (Pub.26(161))
1990年勧告では、「(放射線に対する)職業被ばく」という用語を、操業管理者の責任であると合理的にみなすことのできる状況の結果として、作業時に受ける被ばくに限定して使用することとし、自然放射線源による被ばくの構成要素のうち、作業場所のラドン及び自然放射性核種を含む物質を使う作業のみが、操業管理者の責任であると合理的にみなせるとしている。さらに、指定された地域または行為について該当する規制機関がそうでないと規定しない限り、ラドンによる被ばくと微量の自然放射性核種を含む物質の取扱いは、職業被ばくから除外されるものとみなして、別に扱われるべきであると勧告している。  (134、135)
実際的指針を与えるために、以下の場合にのみ、自然放射線源による被ばくを職業被ばくの一部として含める必要条件があるべきであると勧告している。
規制機関が、ラドンに注意が必要であると言明し、該当する作業場所であると認定した場所における操業
通常は放射性とみなされていないが、微量の自然放射性核種を有意に含み、それが規制機関によって認定されている物質を扱う操業及びその物質の貯蔵
上記(a)及び(b)に関する具体的な線量レベル等については、地方的な状況に依存するとして定義していない。しかし、非常に一般的な指針として、温泉、露天掘りを含めたほとんどのウラン鉱山、その他多くの地下鉱山と洞穴及びある種の他の地下作業場所における操業が、ケース(a)の例となりそうであるとしている。また、ケース(c)は主に航空機乗務員に関係する項目としているが、添乗員についても注意を払うべきであるとしている。ケース(d)は、極めて少数の個人に該当するものであることから、これ以上の議論はしないとしている。  (136)
被ばく管理が必要な作業場所での自然放射線源による被ばくの取扱いを考察することが必要であるが、もし、自然放射線源による被ばくについてもそれ自体の必要性から管理されているならば、その場合にのみこれらの被ばくを考慮することで十分であろうとしている。  (137)
線量限度は、それを適用しようとする状況、すなわち行為の管理に対する「容認不可」と「耐容可」との間の領域における一つの選ばれた境界線を表している。この観点からは「容認不可」とみなされる被ばくのレベルも、他の観点からは依然として「耐容可」であるかも知れないとしており、例えば、望ましい行為を放棄することによってのみ被ばくレベルを下げることができる宇宙航行のような場合であるとしている。  (150)
なお、住居と作業場所におけるラドンの被ばくの制御について、国の助言機関と規制機関及び住居と作業場所のラドンに関する放射線防護の実際的な指針を与えることを目的としてPub.65が刊行されている。  (Pub.65(2))
   現行の我が国の規制の枠組みは1977年勧告を参考としており、同勧告では自然放射線源は職業被ばくの対象外としていることから、現行の枠組みには含まれていない。
作業場所におけるラドンについては、地下鉱山と洞穴における作業、地下作業場所における操業、温泉における作業等において、通常のレベルよりも高い濃度のラドンによる被ばくの可能性が高い場合があると考えられる。しかしながら、ラドン濃度についての十分な測定結果が我が国では得られていないことに鑑み、実態把握を行うことが必要である。その結果、一定の線量レベルを超えることがある場合には、「ラドンに注意が必要な作業場所」として特定し、対応を考える必要がある。
ジェット機の運航に伴う航空機乗務員の被ばくについては、これまで、航空機内の線量レベルに関するいくつかの調査が行われてきており、公衆の実効線量限度である年1mSvを超える被ばくの可能性も考えられる。乗務員の被ばくが一定の線量レベルを超えることがある場合には、適切な管理を行うことが必要である。なお、航空機内の線量レベルに関しては、測定方法、中性子線等に起因する線量評価等についてより詳細な調査・検討を行う必要があり、当面、乗務員等に対して放射線に関する知識の普及等を行うとともに国際的動向も考慮しつつ対応することが適当である。
自然放射性核種を有意に含む物質を取り扱う作業については、その作業場所の線量率等を測定して管理の必要な場所を特定し、飛散、流出防止等の防護措置を講ずるなど適切な管理をすることが必要である。
宇宙飛行については、極めて少数の個人に関連する問題であり、また、宇宙空間における宇宙線の種類、線量レベル及びそれらによる人体影響について不明な点が多いので、今後とも、情報の収集に努める必要がある。
1977年勧告では、委員会の勧告する線量当量限度は通常レベルの自然放射線には適用せず、またはこれを含まず、人為的な活動の結果生じた自然放射線の成分または特殊な環境における自然放射線の成分だけに関するものであるとみなしている。  (Pub.26(89))
1990年勧告では、職業被ばく及び医療被ばく以外のすべて被ばくは公衆被ばくとして包含するが、公衆被ばくに対する線量限度の適用範囲は、行為の結果受ける線量に限るものとしている。住居内及び屋外のラドン、既に環境中に存在する自然または人工の放射性物質は、介入によってのみ影響を与えることのできる状況の例であることから、これらの線源からの線量は、公衆被ばくに関する線量限度の範囲の外であり、また、他の自然放射線源による被ばくもこの範囲の外であるとしている。  (140、189)
住居におけるラドンは、ラドンによる個人線量及び集団線量がともに他のほとんどの線源によるものより高いことから、特別な注意を要する。多くの国で、個人線量が、職業被ばくにおいて許されている値よりもかなり高いことがある。もし改善が必要であれば、住居の改造または居住者の生活様式の変更といった介入によって行われなければならないとしている。  (216)
   1977年勧告では、人為的な行為の結果生じた被ばくについては線量当量限度を適用することとしてきたが、自然放射線源そのものは公衆被ばくの対象外とされており、現行の我が国の規制の枠組みには含まれていない。
1990年勧告で述べられているとおり、住居内及び屋外のラドン、既に環境中に存在する自然放射性物質は、介入によってのみ状況に変化を及ぼすことが可能であることから、これに伴う被ばくは、公衆被ばくの線量限度に含めないとするのが適当である。
我が国におけるこれまでの住居内のラドン濃度の調査結果によると、欧米のように顕著に高いラドン濃度は報告されていない。しかしながら、今後ともラドン濃度レベルの実態把握を行い、有意に高い濃度が検出された場合には、ICRP Pub.65に示される対策レベルを参考として、適切な対応を考えていくことが適当である。
診断または治療中の患者の付添と介護をする個人が、承知の上で自発的に受ける被ばく(職業被ばくを除く)も医療被ばくに含まれ、また、生物医学研究プログラムの一部として志願者の受ける被ばくも同じ基盤で扱われるとしている。  (139)
志願者に被ばくをもたらし、しかもその人への直接の利益を意図していない研究における行為の場合には、防護の最適化において線量拘束値を考慮すべきであるとしている。  (181)
被ばくする個人に直接の便益をもたらすことを意図している医療被ばくに対しては線量限度を適用すべきでないとしている。  (182)
志願者及び介助者の自発的な被ばくが、医療被ばくに該当するか否かについての規定はない。
志願者(本人への直接の利益を意図していない研究目的であることを承知の上で自発的に受ける者)の被ばくは、ICRP勧告どおり、医療被ばくとすることが適当である。
介助者(診断または治療中の患者の付添や介護(職業的に行うものを除く)をする者)が、自身には直接の便益がないことを承知の上で自発的に受ける被ばくについても、医療被ばくとすることが適当である。
試験・研究の現状並びに診断や治療の実態、あるいは在宅医療の将来を考えたとき、今後志願者や介助者が自発的に被ばくする機会は増加するものと思われ、このような医療被ばくについても被ばく線量の低減化に努めなければならない。このため、線量拘束値の具体的数値を含め今後検討する。
職業的保健サービスの主な役割は、他の職業における役割と同様であるとし、放射線作業者の集団の健康管理を行う医師は、その作業者集団の職務及び作業条件についてよく知っている必要があり、その上で、割りあてられた職務に対するそれぞれの作業者の適性について決定を下さなければならないとしている。現在では、作業環境の放射線がこの決定に何らかの有意な影響を与えることはきわめてまれであり、さらに、職業的に被ばくする人々の雇用条件に影響を与えることはないはずであるとしている。  (259)
健康管理を行う医師が、ときには専門家による支援を受けて、以下の3つの特別なカテゴリーの作業者に対するカウンセリングを求められるかもしれないことが述べられている。
  第一は、妊娠しているかもしくは妊娠するかもしれない女子は、妊娠したかもしれないと思う場合は、直ちに医師に申し出るように助言を受けるべきである。それによって事業者は、必要な任務変更または特別な防護対策を行うように助言を受けることができる。  (260)
  第二は、線量限度をかなり超過して被ばくした人、潜在的に危険な状態に巻き込まれたかもしれない人の場合は、例外的な状況でのみ臨床検査や治療を必要とするだろうが、事故の潜在的な大きさによっては、必要なら、医師は短期間の予告で、例えば、リンパ球の染色体異常の検査のような適切な検査と治療の準備ができるようにすべきである。  (261)
  第三は、生物医学研究プログラムの一部として故意の被ばくを志願しようと考えている個々の作業者から構成されるグループの場合は、健康管理を行う医師は、安心感を与え、懸念を表す志願者を除外することが可能である。研究目的が適切であること、志願者選抜システムが満足すべきものであることを保証するために、倫理委員会への諮問が必要である。  (262)
健康管理を行う医師には、個々の作業者の作業条件と被ばくに関する情報が必要であるとし、これらは医療記録の一部となり、通常は医療上の秘密とみなされるが、秘密を守るあまり防護担当者等がオリジナル・データを入手しにくくなってはならないとしている。  (263)
   放射線障害防止法等、放射線防護関係法令において「健康診断」、「放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者に対する措置」等が規定されている。 
放射線影響に関する知見、我が国における産業衛生の実態を踏まえて検討した結果、放射線業務従事者に対する特殊健康診断として、問診(被ばく歴の評価等)、血液(赤血球数、血色素量又はヘマトクリット値、白血球数及び百分率)、皮膚及び眼(水晶体)の検査を、配置前及び以降は年に1回以上実施することが適当である。ただし、配置前の健康診断にあっては、眼の検査は、線源の種類等に応じて省略すること。また、定期の特殊健康診断にあっては、血液、皮膚及び眼の検査は医師が必要と認めた場合に限り行うこととすべきである。
健康管理を行う医師には、個々の作業者の作業条件と被ばくに関する情報が与えられる必要がある。その上で、健康診断の結果を評価判定し、健康相談を含む包括的な健康管理が行われるシステムの整備が望まれる。
事故に直接伴う職業被ばくは、理想的には、平常状態において許される範囲内に線量を抑えることを目標とすべきであるが、重大な事故時には常にそうできるとは限らないかもしれないとしている。  (224)
緊急時の被ばくとしては、事故に直接起因する被ばくに加えて、緊急時の間と救済措置時の緊急チームの被ばくがあるとしている。また、緊急時の線量は、平常の線量とは区別して取り扱われるべきであるとしている。  (225)
重大事故時においては、事故の制御と即時かつ緊急の救済作業における被ばくは、人命救助を例外として、約0.5Svを超える実効線量とならないようにすべきであるとしている。また、皮膚の等価線量については、約5Svを超えることは許されるべきではないとしている。  (225)
緊急事態がいったん制御されたならば、救済作業における被ばくは、行為に伴う職業被ばくの一部として扱われるべきであるとしている。  (225)
1990年勧告では、1977年勧告の「計画特別被ばく」という考え方は無くなるとともに、「年限度の2倍を超えたならば医学的検討の対象とすべき」という表現もなくなっている。 
放射線施設または放射性輸送物の火災時の措置、放射性同位元素による汚染の広がりの防止及び除去等を緊急作業として例示し、これらの緊急作業を行う場合には線量当量をできる限り少なくすることとした上で、男子の放射線業務従事者に限って、緊急作業に係る線量当量限度を、実効線量当量について100mSvとしている。これは、それまでの緊急作業における被ばくの特例であった12remを、1977年勧告で「医学的検討の対象」として示された「年限度の2倍」に相当する100mSvに改訂したものである。
1986年7月の放射線審議会の意見具申においては、「人命救助等であってやむを得ない場合に年限度の2倍を超えて被ばくすることもあり得ると考えられるが、この問題は、なお慎重な検討を要する課題である。」とした。
1990年勧告では、全就労期間に受ける総実効線量が約1Svを超えないようなレベルに線量限度を定めるべきであるとの考え方を採用しており(162)、約0.5Svという緊急時の限度は一度にその半分を占めることから、緊急時以外の、その後の通常の被ばくの制限にも影響を与えることが考えられる。
IAEA基本安全基準(BSS)においては、緊急時の介入を実施する作業者の防護として、1年間の最大の線量限度の2倍以下に保つよう努力を払うべきとし、人命救助の場合には、1年間の最大の線量限度の10倍以下となるように努力を払うべきとしている。また、急性の放射線影響に関する医学的検討についても、実効線量が100mSv程度以下であれば特段考慮する必要はないとしている。
これらのことから、現行法令の実効線量当量で100mSvという緊急作業に係る線量の限度は敢えて変更する必要はないものと考える。
  緊急時作業において眼の水晶体または皮膚の等価線量が制限因子になることも考えられることから、これらについても緊急時の限度を規定すべきであり、眼の水晶体については300mSv、皮膚については1Svとすることが適当である。
  ただし、放射性物質の大量の放出が生ずるかまたはそのおそれのあるような重大な事故の場合、人命救助等であってやむを得ない場合については、上記の線量の限度を適用することは適当でない場合もあり得る。この場合においては、BSS、1990年勧告を参考にした上で、線量をできる限り少なくする努力が必要である。
妊娠している場合及び妊娠しているかもしれない場合は、その者を緊急時作業に係る線量の限度を適用する作業には就かせないこととすべきである。
公衆の防護のための措置の導入は、影響を受ける個人にいくらかのリスクをもたらし、また財政的費用と社会的秩序の混乱により社会に害をもたらすため、防護措置の導入は、その実施に付随するこれらの損害よりも大きな便益(回避される放射線損害)をもたらすべきであるとしている。
  予測線量が重篤な確定的影響を生ずる線量レベルに近づくような場合には、これを回避するための防護措置はほとんどいつでも正当化されるとしている。  (131、Pub.63(19))
正当化される防護措置について、その防護措置のかたち、規模及び期間は、それによって達成される正味の便益が最大になるようにすべきであるとしている。  (131、Pub.63(20))
個々の防護措置のもたらす便益については、その防護措置により達成され、または、期待される線量の低減、すなわち回避される線量に基づいて判断されるべきであるとしている。  (222)
線量限度は行為の管理に使うことを意図したものであって、線量限度を介入決定の根拠として使うことは、得られる便益とは全く釣り合わないような方策を含むかも知れず、正当化の原則に矛盾することになるので、介入の必要性、あるいは、その規模の決定に線量限度を適用しないことを勧告している。  (131)
緊急時における公衆の防護において、ほとんど常に正当化される介入レベル及び最適化される介入レベルが存在すると予想される範囲がICRP Pub.63に示されている。  (Pub.63(52〜103、119))
緊急時計画の立案と計画の実施の責任体制を決めておくべきであるとし、緊急時計画は、放射線を含まない事故に対処する他の計画と関連づけておくことが必要であるとしている。  (278、279)
災害対策基本法では、原子力防災を含め、災害が発生した場合に、地方公共団体は地域防災計画に従って、また、事業者等は防災業務計画に従って、それぞれ防災活動を行うことを定めている。また、国の関係行政機関は、それぞれの防災業務計画に従って、地方公共団体が現地で行う防災活動に対して必要な指示、助言、専門家の派遣等の措置を行うこととなっている。
  さらに、「原子力発電所等に係る防災対策上当面とるべき措置について、中央防災会議決定(昭和54年7月)」において、地方公共団体に対する国の体制的、技術的支援を定めている。
原子力安全委員会は、「原子力発電所等周辺の防災対策について(昭和55年6月)」(以下、「防災指針」という)において、屋内退避及び避難等に関する指標(予測線量当量)と飲食物摂取制限に関する指標(実測による放射性物質濃度)を定めている。これらの指標が、地方公共団体の原子力防災計画の中に取り入れられている。
緊急時対応の技術的事項については、防災指針に示されており、これらが地方公共団体が策定する原子力防災計画の中に反映されている。
1990年勧告で述べられているように、介入レベルは限度として扱うものではなく、防護措置の導入を判断するための指針である。従って、介入レベルは法令で規定する性格のものではなく、現行通り防災指針で定めるのが適当である。国際貿易に係る食品の介入レベルについても、国際的動向を考慮しつつ対応を検討すべきである。
緊急時計画については、災害対策基本法において地域防災計画等が立案されているとともに、国の行政機関、地方公共団体等の責任体制が明確になっていると考えられることから、法令上の新たな措置は特に必要ない。緊急時計画の内容については現行どおり防災指針で定めることが適当である。
個人線量の算定結果を与える記録は、その個人の期待される生涯と同程度の期間保管されるべきとしている。  (277)
職員管理記録の詳細と保管は、雇用主の通常の慣行に従うべきであるとしている。  (277)
モニタリング結果を解釈する際に用いられる補助的な情報を与える記録、例えば作業場所のモニタリング結果は、将来ありそうな解釈の再評価の際にそれが使えるよう十分な長さの期間すなわち数年間にわたって保管されるべきであるとしている。  (277)
環境中への放出に関する詳細は少なくとも10年間、その要約は数十年にわたって保管されるべきであるとしている。  (277)
   例えば、放射線障害防止法では、外部被ばくによる線量当量、内部被ばくによる線量当量及び人体部位表面の汚染の測定記録の保存は、当該記録の対象者が使用者等の従事者でなくなったときに指定機関に引き渡す場合又は、現に従事している者の記録を5年間保存した後に指定機関に引き渡す場合以外は続けなければならないこと及び場所の放射線の量及び放射性同位元素による汚染の状況の測定記録は5年間保存することが規定されている。
記録の保存の目的は、1)規制の遵守の証明、2)被ばく傾向の評価や作業場所の状況の把握、3)最適化の検討のためのデ−タとすることであり、個人記録や作業環境のモニタリング結果、排気、排水に係る測定結果の保存期間については、事業所の特徴、記録の使用目的等に応じ、関係法令毎に保存する記録の種類、保存期間が規定されており、現行通りで適当である。
保存する記録に関連した記録レベル、個人線量の測定、測定方法についての考え方を下記に示す。なお、管理区域に放射線業務従事者以外で一時的に立ち入る者の個人線量測定については、現行どおりとし、その者の管理区域内における実効線量が100μSvを超えるおそれがないときは測定しなくてもよいとするのが適当である。
記録レベルについては、測定の方法、期間等を勘案し、適切な団体、機関等において作成されたガイドラインで設定することが適当である。
管理区域に立ち入る者(放射線業務従事者)の個人線量測定については、現行通り、管理区域に立ち入る間継続して行うことが適当である。
測定方法については、現行法令において「放射線測定器」、「放射線測定用具」等の区分がなされているが、現状において、機器の技術的進歩等に伴い、機器を測定器と測定用具とに明確に区別し難く、「放射線測定器」と統一的に広義な表現とすることが望ましい。
勧告を履行するにあたっての実際のおもな責任は、設備及び施設の設計者と事業者にあり、政府は、操業管理者がその責任を果たすよう援助し、かつ適切な防護基準が確実に維持されることを目的として、規制と助言の機能の枠組みを確立すべきであるとしている。  (227)
責任の最初の段階は、目標を確立し、それらの目標を達成するのに必要な手段を準備し、そして、これらの手段が適切に実施されていることを確実にする義務である。次に責任を負う者はその責任を果たすのに必要な資材を投入するための権限を持つべきである。責任には責務と呼ばれることのある遡及的成分もあり、当初の目標がどのように効果的に達成されているかを決定するための検証プログラムを構築する必要性が含まれるとしている。   (230)
放射線被ばくに対する充分な管理を達成し、維持するための第一の責任は、その被ばくをもたらす操業を行う事業体の管理組織体にかかっているとしている。  (231)
すべての組織では、責任とそれに付随する権限は、含まれる義務の複雑さに応じて外部に委任される。この委任がうまくいっていることを定期的に検査すべきである。それぞれの組織の最高責任者にまっすぐつながる責務の明確なラインが存在すべきであるとしている。  (232)
安全に対するこの姿勢は、防護の最適化を含む放射線防護を担当する正式な管理体制を作り、かつ、明確な操業規則を決めることによって、強化されるべきであるとしており、操業規則は、プラント及び設備の設計及び施設全体の設計に適用されるあらゆる要求を考慮すべきであり、点検と保守のような付随作業も含むべきであるとしている。   (248)
基準の適用に際して主に責任を有する主要な関係者は、登録者、免許所有者及び雇用者である。 
副次的に責任をもつべき関係者として、供給者、作業者、放射線防護主任者、臨床医、保健専門家、資格ある専門家、倫理審査委員会、主要な関係者から特定の責任を委託されたすべての関係者があげられる。 
   我が国の各事業所における放射線防護に関する責任は事業者等にある。また、例えば、放射線障害防止法の場合、放射線取扱主任者が放射線管理において重要な役割を果たすための義務等が規定されているが、具体的な職務内容は記載されていない。 
我が国の各事業所における使用様態、施設規模等は多様・複雑化しており、一方、1990年勧告にみられるように、放射線防護の諸基準に係る概念は高度化し、その防護対象は広範化している。
このような中で、放射線防護を的確に各事業所において実施するためには、放射線取扱主任者等の現場の責任者の果たす役割が重要であり、その機能が十分に発揮される必要がある。
また、管理に係る組織とその運用等を法令で定めることについては、基本的、画一的な内容になることが多い。このため、詳細な事項については、適切な団体、機関等においてガイドライン等を作成し、これに沿って放射線障害予防規定等に明確に規定していくことにより対応することが適当である。
1990年勧告を踏まえて、放射線審議会では国内制度等への取入れに関 して検討を行った結果、本報告書のとおり意見のとりまとめを行った。
なお、基本部会における審議段階において「女性の職業被ばくに対する線量限度」、「作業場所」、「緊急時被ばく」の項目に関しては下記の意見があった。
女性の職業被ばくに対する線量限度については、女性作業者に対する特別の線量の適用に関し、現行法令の「女子(妊娠不能と診断された者及び妊娠中である者を除く。)の腹部については、3月間につき13mSv」という規定は廃止するのが適当である。
妊娠を申告した女性作業者の線量限度に関し、腹部の等価線量で1mSv/残りの妊娠期間とすることが適当である。
作業場所については、管理区域の設定の基準に係る現行法令の数値は変更せず、管理区域の外側で作業する者への考慮については事業者の配慮事項とし、指針等で示すことが適当である。
緊急時被ばくについては、緊急時の状況を考えると、緊急時の被ばくに対して特定の値を線量限度として法令で規定することは適当とはいえない。むしろ、事業所の緊急時マニュアル等でガイドラインとして規定することが適当である。
  このため、基本部会は、平成9年12月25日に開催された第75回基本部会において委員による採決を行ったが、上記意見は少数意見であったため(採決結果は、それぞれ1):4対7、2):1対10、3):1対9、4):1対10であった。なお、沼宮内委員は基本部会長であることから採決に参加しなかった。岡田委員、佐々木委員は当日欠席であった。)、多数意見を基本部会報告書に採用した。
内部被ばく及び外部被ばくに関する技術的事項については、わが国の国内制度等への取入れに際して重要な資料となるICRPの技術的報告書及びこれまでの打合せ会等の検討を踏まえて今後さらに検討を行い、技術的事項に関するとりまとめを行うこととする。
平成4年の打合せ会中間報告で長期的な検討項目として分類された「潜在被ばく」、「線量拘束値」及び「除外と免除」に関しては、これまでの分科会での検討内容や国際的動向を踏まえつつ今後検討を行うこととする。
   現行で実施されている管理作業の体系を極力継続しつつ、1990年勧告の主旨を踏まえて取り入れを図る。
  例えば、現行単年度管理となっている被ばく管理記録の体系をできるだけ残しつつ、単年度20mSvを超えた場合などの特別な場合についての対応を図る。 
線量限度を適用する期間と被ばく管理   実効線量限度を適用する期間は、暦上で定める5年間をブロックとして設定することが適当である。組織線量限度を適用する期間は、従来どおりとする。
  実効線量限度の適用に関して、作業者はブロック5年間の管理を受けるものとする。組織に対する線量限度の適用に関しては、眼の水晶体について年150mSv、皮膚について年500mSv並びに手及び足について年500mSvと、年単位であるため、単年度の管理を受けるものとする。
事業者等の義務   事業者等は、当該管理区域に立ち入る者の被ばく線量(ブロック5年間の始期より当該管理区域に立ち入るまでの各年度の被ばく線量)を確認する。
規制当局への報告等   実効線量限度を超え、又は超えるおそれのある場合の報告については従来どおりとする。この場合の実効線量限度については、年50mSv及び5年間100mSvをもって対応することとする。
  組織の線量限度を超え、又は超えるおそれのある場合の報告も従来どおりとする。
被ばく線量の記録方法   各作業者の被ばく線量を3ヶ月毎に記録し、単年度20mSvを超えない場合には、単年度1年間としての線量のみを記録する。ただし、法定5年間において単年度20mSvを超えた被ばく歴のある作業者については、累積線量を単年度の線量と合わせて記録する。
線量限度を適用する期間と被ばく管理   各作業者の個々の被ばく線量を管理する上では、適用期間を同一期間で定めることが適当である。
     事業者等は、作業者に対し、その被ばく線量(実効線量)について、5年間管理することになるが、年20mSvを超える者が極めて少数である現状を鑑み、単年度20mSvを超えた者がいる場合を除いて、被ばく線量の累積線量を記録する義務を新たに課さないなど事業者等への新たな負担を最小限におさえることとする。
  組織の線量限度については、年間線量として定められているので、従来と同様の管理とする。
年20mSvを超えた者が、ブロック5年間の途中で異動する場合、異動先の事業所が残りの期間の管理を行う。
事業者等は、当該管理区域に立ち入る者の立入り以前までの被ばく線量(ブロック5年間の始期より当該管理区域に立ち入るまでの各年度の被ばく線量)を確認する。
事業者等が、当該管理区域に立ち入る者の立入り以前までの被ばく線量を確認する場合の確認方法としては、立ち入る者から提出される記録(放射線管理手帳、前事業所等で事業者等によって交付された被ばく線量の測定結果の記録の写し等)を用いる方法が考えられる。なお、作業者が、交付された被ばく線量の写しをすべて保管していない場合も考えられるが、その場合は、作業者本人による前事業所等への被ばく線量の問い合わせ及び被ばく記録の写しの再交付により確認することで対処可能と考える。
規制当局への報告   規制当局への報告事項については、関係法令間で、例えば、報告すべき線量分布の線量区分について、その整合性に留意すべきである。
   女性の職業被ばくに対する線量限度については、妊娠の全期間を通じて胎児に対して一般公衆の構成員とほぼ同等の防護がなされるようにする必要がある。このため、妊娠と気づかない時期における胎児の防護については一般公衆に対する特殊な状況下における線量限度を目安にし、また、妊娠申告後の胎児の防護については1990年勧告の妊娠を申告した場合の追加の管理のための線量限度を踏まえた管理を行うことが適当である。
女性作業者の線量限度   妊娠可能な女性作業者の線量限度については、妊娠に気づかない時期の胎児の防護を適切に行えるよう、作業者に対する実効線量の線量限度(100mSv/5年間)を、3ヶ月ごとに均等に割り振り、以下のようにすることが適当である。また、線量の記録も3ヶ月毎とする。
妊娠を申告した女性作業者の線量限度については、妊娠の残りの期間に対して、以下のようにすることが適当である。なお、外部被ばくに対する腹部表面の等価線量としては、腹部に着用した個人線量計で評価した1センチメートル線量当量として、2mSvを限度とするのが適当である。
線量限度を適用する期間については、妊娠と申告した時から出産までの間とする。また、胎児に対する放射線防護を重視するために、妊娠と診断された場合には、女性作業者が妊娠したことを事業者に直ちに申告する措置を講ずる必要がある。
ICRPでは、「受胎産物はときおり、出生後の子供よりも放射線による確定的障害を受けやすく、また後年になっての悪性腫瘍の誘発に対し感受性が高いだろう。(176)」としており、また、「妊娠しているかもしれない女性の作業時の防護の方法は、いかなる受胎産物に対する防護の基準も、一般公衆の構成員に対し与えられているものとほぼ同等であるようにすべきであるというのが、委員会の方針である。(177)」としている。これらのことを考慮して、我が国では、妊娠に気づかない時期の胎児に対する放射線防護に着目し、女性作業者に対しては、従来どおり、短期間(3ヶ月)の線量限度を継続して用いることとする。
  これにより、妊娠に気づかない時期の胎児が一般公衆の特別な場合の線量限度である5mSv/年を超えて被ばくする可能性を減じるものである。
妊娠可能な女性作業者について実効線量で3ケ月で5mSvを超えないような管理を行う場合の管理期間については、4月、7月、10月及び1月を始期とする。
妊娠する意志のない者や閉経後の者等で妊娠の可能性のない女性作業者に対しては、必ずしも上記の限度を適用する必要はなく、これらの女性作業者については適用を除外できるような措置を講じる必要がある。
妊娠を申告した女性作業者の胎児については、1990年勧告でも腹部表面の等価線量で2mSvが勧告されており、妊娠可能な女性作業者とは別の線量限度の適用が必要となる。 
1990年勧告では腹部の表面線量を2mSvとしているが、我が国の職業被ばくに対する線量には腹部表面に該当する線量がないので、腹部に着用した個人線量計により評価される1センチメートル線量当量を採用し、限度として2mSvを採用することとする。
   管理区域は、1)線源の管理、2)放射線業務従事者の定義と管理、3)管理区域の外側にいる作業者等の管理のために重要な区域である。また、管理区域設定の数値基準は実態として遮へい設計に活用され、さらに、空間線量率等の作業者のための防護のための管理基準としても用いられている。このため、管理区域を指定し、その数値基準を設定することは、放射線管理の基本的事項の一つである。管理区域の設定については、法令で一律に基準を定めることとし、その設定基準は、公衆被ばくの線量限度を考慮して定める。
3)放射性物質によって汚染される物の表面の放射性物質の汚染密度
4)外部被ばく及び内部被ばくの両方の可能性がある場合は、両方の合計の実効線量が3ヶ月につき1.3mSvとする。
施設を設計する際の基準として、管理区域内の人が常時立ち入る場所における外部被ばくに係る実効線量は、1週間につき1mSv以下とする。また、人が呼吸する空気中の放射性物質の濃度は、1週間につき1mSvの実効線量に相当する濃度以下とする。外部被ばく及び内部被ばくの両方の可能性がある場合は、両方の合計が実効線量で1週間につき1mSv以下とする。
事業者の判断により、管理区域の外側で同一の者が常時滞在する場所において、1mSv/年以上の被ばくが予測される場合は、事業者は管理する区域を設定し、滞在時間の制限・遮へい等によりその区域に滞在する者の被ばく線量が公衆の線量限度以下になるようにする。
公衆の特殊な状況下における年線量限度5mSv/年を3ヶ月間で割り振り、管理区域設定の基準とした。
管理区域に業務上立ち入る者は放射線業務従事者として指定され、個人モニタリングが必要となるが、上記の数値は年5〜10mSv以上被ばくする可能性のある者については個人モニタリングが必要であるとしているICRP  Pub.75の主旨に合致している。
被ばく線量の集計が3ヶ月毎であること、施設、装置等の運転時間はそれぞれ短い期間では大きな幅があること及び測定の容易さから、線量を算定する期間として3ヶ月間とした。 
管理区域境界の線量基準としては、公衆の特殊な状況下における年線量限度を適用することにより、管理区域の外側のいかなる者も年5mSvを超えて被ばくするおそれはなく、また、実際の被ばく線量は管理区域境界からの距離による線量率の減少及び滞在時間を考慮すれば、特別の管理をすることなしに年1mSv以下とすることが多くの場合可能となる。
管理区域の外側で作業する放射線業務従事者以外の者の被ばく線量は公衆の線量限度(1mSv/年)を超えないようにする必要があるが、その被ばく線量は、滞在する場所の線量率と滞在時間によって異なる。したがって、管理区域の外側の同一の者が常時滞在する場所において実測値等で1mSv/年を超える被ばくが予測される区域がある場合には、管理する区域を設定し、該当する場所の線量測定等とともに、出入りや滞在時間の管理、遮へいの増強等の適切な措置を講じなければならない。ただし、該当する区域の有無の判断については、事業所の施設や実態が様々であることから、法令で一律に規定することは適当でない。
管理区域境界に係る線量評価に際しては、管理区域の外側で作業する者が滞在する時間を考慮するものとし、可能な限り現実的な値(最大500時間/3ヶ月、2000時間/年)を想定するものとする。また、施設、装置の運転時間も考慮する。
既存施設への適用   既存の施設に対しては、現に許可を受けている内容の変更に伴う新たな基準への適合の場合等における所要の措置の実施期間や適合方法について検討する必要がある。なお、線源の使用量等の許可変更がない場合には、法令で規定している放射線量の測定結果等に基づき、管理区域の設定基準の適合を確認させることが望ましい。
線量評価計算の合理化   放射線発生装置や放射線源を取り扱う施設の設計に際しては、管理区域境界等の線量評価は計算により行われる。これらの計算に関してはより現実的な評価を行うようにするため、適切な線源項、計算モデル、パラメータの選択、滞在時間の算定方法等の合理化を検討する必要がある。

[ 137] ICRP1990年勧告(Pub.60)の国内制度等への取入れについて
[引用サイト]  http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housha/81009.htm



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