違いとは?

Webサイトの中でも、携帯電話対応のWebサイトは花形である。そして、その中でも特に輝いているのがメディアデータサイトである。携帯電話の着信メロディや、待ち受け画面の壁紙に利用する画像データに大変な人気があり、アクセスも集中する。エンターテインメントコンテンツでは、これらを客引きと割り切って利用することも多いほどだ。サイトにアクセスが集中し、サーバ管理に苦労しているという話もよく聞く。
ところが、この人気のダウンロードのデータサイトを作ろうとすると、途端につまずいてしまう。というのは、NTT DoCoMoのiモードと、KDDIのEZwebで違うからなのだ。何が違うかというと、画像の形式に始まり、実際のダウンロードの方式までもが違っている。なぜ、そんなに違うのだろうか? これは通信プロトコル(TCP/IP)に根っこがある。本稿を読めば、これらが氷解するだろう。
さて、携帯電話でページを見るデータ通信には「パケット方式」が用いられていることは有名だ。そして、このパケットの量で料金が決まることは、皆さんも知っていることだろう。しかし、このパケットを送り届ける仕組み(プロトコル)はどうなっているのだろう? 知っている人は少ないのではないだろうか。ここに、携帯電話ならではのちょっと面白い事情がある。
実は、この送り届ける仕組みは携帯電話会社(キャリア)ごとに違うのだ。送り届ける仕組みの代表的なものとしては、TCP/IPとUDP/IPの2つがある。そして、iモードではTCP/IPを使っていて、EZwebではUDP/IPを使っているのである。普通のインターネットではどこでも同じTCP/IPを使っているが、携帯電話ではキャリアごとに異なる。では、どうして異なるのだろうか? ここに、ダウンロードの仕組みの違いと、そして2つのプロトコルにある本質的な違いを、垣間見ることができるのだ。
通信プロトコルとは、コンピュータ同士でデータをやりとりするための言葉と取り決めである。例えば、Webページを見るときにプラウザに「http://」と入力するが、この「http」がプロトコルである。HTTPはHyperText
Transfer Protocol)というプロトコルを使っている。このようにインターネットのサービスを利用するときには、必ず何かのプロトコルを使っている。
すべての取り決めを、1つの決まりにまとめようとすると収集がつかなくなるため、段階的に決まり事を作っている。図1のように決まっていて、その具体例が右側に書いてある。この図より、HTTPを使うときには、下側に積まれているTCP/IPが使われていることが分かるだろう。そして、EZwebを見るためのプロトコル(HDTP(Handheld
iモードで採用されているTCP/IPは、片方のコンピュータからもう片方のコンピュータ(この場合は携帯電話)に、大きなファイルを送り届ける(ことができる)仕組みだと思ってほしい。大きなファイルもネットワーク上ではパケットという単位に分割されて送られている。通常、このパケットというのは、流れている間になくなってしまったり、順番が入れ替わったりしてしまうことがある。そのため、TCPでは、この分割したパケットに次のようなことをしている。
このおかげで、TCP/IPの上にあるアプリケーション(HTTPやFTPなど)が「データをくれ」といえば、どんなに大きいファイルでも、パケットを連結して取得できる。従って、iモードでは、リンクをクリックするだけでダウンロードを行うことができる。つまり、PCで行うWebとまったく同じ方式である。
それでは、EZwebで採用されているUDP/IPではどうだろうか? これは、TCP/IPと比べると何もしてくれない方式だ。「届いたデータが正しいものかどうかを確かめる」ことはするが、送ったら送りっぱなしで、データが消えても知らんぷりだ。また、パケットの連結もしてくれない(図4)。これだけを聞くと「役立たずのプロトコルだな」と思うだろう。しかし、ここに携帯電話ならではの事情があるのだ。
携帯電話はPCに比べて、スペックが貧弱である。画面が小さい、CPUは遅い、メモリは少ない。そして何よりも転送速度が遅い。PCで使っている仕組みを、そのまま携帯電話で利用していたのでは、まともに動かないか効率が悪い。そこで「WAP
ここでは、無線区間のデータ転送はWDP(Wireless Datagram Protocol)という規格を用いることになっている(図5)。このWDPの規格の中で、特にインターネット網を利用する場合はUDP/IPを使うことと規定されている。その理由は、UDP/IPが軽い(シンプルで負荷がない)点にある。つまり、何もしないUDP/IPは、何でもしてくれるTCP/IPに比べて、通信回数(シーケンス回数)が半分以下で済んでしまう(図6)。つまり、TCP/IPを使わずにUDP/IPで済むならば、ユーザーのパケット料の負担も減るし、何よりも電話会社の見かけの回線収容数が多く取れるため、コスト削減ができるのだ。特に、携帯電話の無線区間(電話機から基地局までの間)の通信コストは比べものにならないくらい高価なものだ(設備が高いから)。もしも、パケット量が2/3になるのならば、基地局の収容数を2/3にすることだってできるわけだ(単純にそうではないが)。収容数で設備投資する電話会社からすると、無駄を省いた通信がしたい。しかも、TCP/IPはデータがエラーになると再送要求を行う。ネットワークは混雑し始めると、途端にエラーが増える。その中でTCPなどが再送要求を始めると、対数的にエラーが跳ね上がり、高価な無線区間がパンクしてしまう。その点UDP/IPは安心して効率的に使うことができるのだ。
IPパケットのデフォルトのサイズは1500バイトである。EZwebで、画像のサイズの上限が1500bytesだったのはこの理由による(現在は、サイズの上限は8000bytesに変わっている)。一方iモードでは、1500バイトを幾つでも連結してくれるので1500bytesを超えることができ、公称20000bytes、実際にはかなり大きなデータまで取得できるようになっている。
UDP/IPが無線に適しているのは分かった。しかし、だからといって、散り散りになったパケットのままでよいか? というとそうではない。iモードならば、パケットは連結して、どこまででも大きなデータを携帯電話に送り込むことができる。しかし、EZwebだと連結できないため「パケット1発分の大きさ」である8000bytesしか送り込めない。これでは、カラーの画像や、カラオケ、音声ファイルなどは転送できない。軽く8000bytesを超えてしまうからだ。
そこで、考え出されたのがdownload.cgiという仕組みである(図7)。これは、UDP/IPで連結してくれないのならば、その上にあるアプリケーション(プログラム/CGI)で連結してしまうというものである。かなり強引な発想だが、背に腹は変えられない。流れとしては、以下のようになる。
サーバにdownload.cgiというプログラムを置き、データを8000bytesに分割して携帯電話に送り込む
携帯電話機の中にdownload.cgiに対応するプログラムを入れておき、download.cgiから送られてくるファイルを、電話機内で連結する(ただし、このプログラムは端末メーカにより電話機に実裝されている)
このdownload.cgiは、Openwave Sytems社が提供しているUP.SDKにサンプルスクリプトとして含まれており、実際に使用する際には改良を加えるといいだろう。従って、EZwebでダウンロードサイトを構築するときにはダウンロード専用のCGIを設置する必要があるので、iモードでファイルをサーバに置くのに比べると面倒である。
また、この仕組みを利用したダウンロードサービスとして「EZget」が公式コンテンツとして提供されている。
こうして、EZwebでも、無事に8000bytes以上のファイルのダウンロードができるようになった。ただし、ブラウザの画面上に表示する画像などはdownload.cgiの恩恵にあずかれないので、やはり8000bytesの限界がある。従って、au携帯電話のブラウザメニューからの「画像の保存」は8000bytesまでしかできない。
これは、サーバから送り出すときに指定し、ブラウザに転送する。ブラウザは、そのタイプにあったアプリケーションを起動して表示しようとする。もしも、MS-WordのMIMEタイプが送られてきた場合は、ブラウザはMS-Wordを(もしもインストールされているならば)起動して表示する。Microsoft
Windows系では、ファイルの拡張子で起動するアプリケーションを決めるが、インターネットではこのMIMEタイプで決定される。
ところが、EZwebでdownload.cgiを使ったときには、ダウンロードをするプログラムを動かすためにこのMIMEタイプを利用している。そのため、実際にダウンロードする(画像やカラオケデータなどの)データの種類を指定できない。そのため、EZwebのダウンロードでは、MIMEタイプの代用として、ダウンロードを起動するときのリンクにDATATYPE(データタイプ)を入れるようにしている。これがダウンロード時のファイルの種類を示し、EZwebでのMIMEタイプとしての役割を果たす。例えば、PNG画像だと「DATATYPE=DEV8WLW」などの文字列を指定する。このデータタイプとダウンロードサイト構築については、「EZwebで自作画像をダウンロード」のページに詳細が紹介されている。
さて、ここまで解説してきて、勘のいい人は気が付いて疑問に思ったかもしれないポイントがある。
それは、iモードもEZwebも、インターネット上にあるWebサーバで提供しているということだ。つまり、TCP/IP上のHTTPで動いているということ。どう見ても、EZwebのUDP/IPを使っているように見えない。いや、本当にUDP/IPを使っているのならば、EZwebのコンテンツ配信には専用サーバプログラムが必要になってしまう。もちろん、実際にはそんなことはなく、普通のWebサーバで提供可能だ。
携帯電話のシステムは、大きくコンテンツ網と事業者網の2つに分離される(図8)。そして、この網の間にはゲートウェイサーバというサーバが必ず用意され、ここでプロトコルが変換される。
コンテンツ網とは、まさにインターネットのことを指し示す。コンテンツは、ここに配置されたWebサイト(HTTP、TCP/IP)で配信される。これは一般のWebサイトとまったく同じシステムだ。
一方、ゲートウェイで隔てられた事業者網といわれるのが、電話会社内部のネットワークである。こちらは、電話会社内部のネットワークと、電波局(基地局)から携帯電話までの無線区間を含んだネットワークだ。この区間はインターネットから見られることなく、携帯電話に対してデータをどれだけ適切に送り届けるかを最重要に設計される。そのため、インターネット規格を用いる必要はなく、携帯電話会社ごとに独自のフォーマットで実装されている。つまり、この部分がEZwebではUDP/IPとなっているのだ。
ここで大切なことは、コンテンツ網は「インターネットと同じ」という点。そして事業者網は「データ効率優先」という点だ。コンテンツを広げるには、独自仕様ではそれが難しい。しかもサーバを立てる必要があるため、それなりのコストがかかってしまう。それ故「同じである」というオープン性が大切になっている。
プロトコルの違いだけではなく、実際にはメディアデータの形式もキャリアごとに異なっている。画像の形式は、iモードではGIF、EZweb/J-SKYではPNGとなっている。そのため、ダウンロードサーバを共用で立ち上げるときには、画像の変換処理なども必要になる。
それにもましてつらいのが、携帯電話の種類によって、再生できる着メロとできない着メロがある点だ。とある端末は16和音対応だが、別の端末は4和音までしか再生できない。そのため、コンテンツ側ではユーザーの利用している携帯電話の種類を「HTTP_USER_AGENT」を参照して判別し、場合によっては対応していないものはダウンロードさせないようにガードをかける必要も出てくる。苦労は最後までつきまとう。
一方、事業者網は、電話会社からすると、決まった回線数でどれだけの通信ができるかによって、設備投資がそのまま決まる。つまり、通信量が小さくできるネットワークならば、それなりの利益が出てくる。そのため、オープンであるよりも、効率がよい方を追求する。
この結果、事業者ごとにコンテンツ網の通信はWebのTCP/IPを利用できるようにして、事業者網のプロトコルは独自に採用(UDP/IP、TCP/IP)し、その間の変換はゲートウェイが受け持っている。特にEZwebのようなWAPシステムの場合は、WAPゲートウェイと呼ばれる。
iモードの場合は、双方ともほぼTCP/IPを用いているため、Proxyサーバのような働きをしているだけである。
時代は変わる。特に携帯電話の動きは、PCの世界以上に速い。電話機は、1年に数十機種が発売され、大きなラインアップ変更も1年程度で行われている状況だ。そのたびにサーバのスペックやサービスの内容が変わっていく。本当についていくのだけでも大変である。
そういった流れの中で、今年後半から来年にかけて大きな移り変わりがありそうだ。WAP 2.0という規格である(編注:5月末時点ではWAP
2.0は正式に発表されていない)。特にEZwebでは秋口にかけて、この対応のサービスが予定されているようだ。本稿で説明した「WAPはUDP/IP」と言う説明も、WAP2.0になると「Wireless
TCP/IP」となり、事実上プロトコルがTCP/IPとなってしまうので、ダウンロードの仕組みなども変わってくると思われる。もちろん、コンテンツ提供者からすると楽な方へ移行するわけだ。
basicとなる点である。これによりiモードサイトも見えるようになる。今後iモードもXMLになれば、お互いXMLの仕組みの上で、トランスレートをかけ(XSLT)、共通コンテンツとして公開できるようになるだろう。まさに、iモードとEZwebの融合はプロトコルレベルから、言語レベルまで広がってきているといえる。
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[ 170] ダウンロードサービスの違いと通信プロトコル
[引用サイト]  http://www.atmarkit.co.jp/fmobile/kaisetsu/download/downloadprotocol.html

Windows XPは,よく考えられて作られたOSだ。同製品に触れるたびにそう思うようになっている。ただし,利用にあたっては注意すべき点もある。
例えば,セキュリティの面で「XP Professional」と「XP Home Edition」の違いをはっきり知っておかなければならない,ということ。さらに,同じXP Professionalでも,実質的に2つの製品が混在していると言えるほど,ドメイン環境とワークグループ環境とで初期設定や各種機能が異なることには注意が必要だ。
日経Windowsプロ12月号特集3「変貌したWindows XPのセキュリティ設定」を執筆するにあたって,このあたりを調べてみたのだが,ここでは,セキュリティの観点から,XP Home EditionとXP Professionalの“見えにくい違い”について,気がついた部分を紹介したい。
XP Home Editionは上位版Windows XP Professionalと比べて機能が削られていたり,制限されたりしている。ドメインに所属できない,NetWareサーバーに接続する機能がない,リモート・デスクトップやファイル暗号化機能が利用できない,などはよく知られている。だが,両者の違いはこのように分かりやすいところだけではない。
Windows NT/2000では「Administrator」という名前の管理者ユーザーが初期設定で自動的に作成される。Administratorは万能で,OSのあらゆる操作が可能になっている。他の登録ユーザーのパスワードを変更したり,場合により他人しか読めない設定のファイルを読めたりする。
一般ユーザー向けを狙ったXP Home Editionでは,このAdministratorという覚えにくい名前のユーザーを“基本的に”利用不能にして,代わりにsuzukiやtanakaのような普通の名前の管理者ユーザーを使用するのが基本になっている。
XP Professionalではインストール時にAdministratorのパスワードを入力させるし,キーボードからログオンする操作で利用することも可能だ(やや変則的な操作や設定変更が必要な場合もある)。
これに対してXP Home Editionでは,インストール時にAdministratorのパスワードを入力する画面が出ないし,セットアップ後にAdministratorで通常のログオンを行うこともできない。コントロール・パネルの「ユーザーアカウント」という管理ツールからもAdministratorは見えないので,まるで存在しないかのようにも見える。
実際,セーフ・モードで起動すると,Administratorが表示され,管理者としてログオンが可能だ。ここで注意が必要なのは,初期設定でパスワードを指定しないと,第三者に悪用される恐れがある,ということだ。Administratorでログインし,そこから他の管理者アカウントのパスワードを変更などをすれば,あとは,他の管理者アカウントで普通にログオンできてしまう。ユーザーにとって存在が分かりにくいだけに,第三者に悪用されないよう注意が必要だ。
これを防止するために,初期設定でAdministratorにパスワードを付けておきたい。具体的には,製品付属の「ファーストステップガイド」という小冊子に書いてある通り,セーフ・モードで起動してAdministratorでログオンし,コントロール・パネルの「ユーザーアカウント」を起動する方法で行うのが容易である。
ファイルを読み出せる,ファイルをフォルダに書き込める,などの設定をアクセス権やアクセス許可と呼ぶ。このアクセス権の設定内容も,XP Home Editionでは制限されている。
Windows NT/2000では,ディスクをNTFSという形式でフォーマットしておくと,特定のユーザーやグループのみが読み出せるファイルなどをかなりきめ細かく設定できる。XP Professionalでも同様なきめ細かさでアクセス権の設定が可能だ(自由に設定するにはオプションの変更が必要な場合はある)。
これがXP Homeでは,フォルダを新規に作成すると基本的に共有用になり,マイドキュメント・フォルダを個人用(プライベート)に設定できるほど簡素化されている。だがHomeでも,CACLSというコマンドを使うと,ドライブやフォルダなどに付いているきめ細かなNTFSのアクセス権を詳細に表示,変更できる。
このほか,例えばNet Userというコマンドを実行すると,Administratorをはじめとする全登録ユーザーが見えたり,Administratorのパスワード変更が普通の起動状態でできたりする。
Home EditionとProfessionalの両者の違いには,Windows NT/2000のユーザーでさえ,技術的な文書を読んだり,意識して探してようやく気がつくぐらいのものが多い。ほとんどのWindows 9x/Meユーザーは,こうした違いに関心すらないだろう。今までもAdministratorはいなかったわけだし,NTFSのアクセス権の設定もなかったのである。
しかし,Windows 2000から引き継いだ複雑な仕組みをやさしく見せながら,XP Home Editionでも,登録ユーザーに関する表示,設定を詳細に行えるコマンドや,NTFSアクセス権を詳細に表示,変更するコマンドは利用できる。これらの機能が利用できる半面,一般ユーザー向けを意識したためにAdministratorの存在が見えにくくなっている,など,注意を要する部分もある。
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[ 171] Windows XP ProとHomeの“隠された”違い:ITpro
[引用サイト]  http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20011202/1/

先日,Intel社が1万人超の削減計画を発表した(関連記事)。それ以前にも同社は「Twinbox」と同社が呼んでいた部長2人体制の廃止,携帯情報端末向けの1部門の米Marvell Technology Group社への売却など大規模な合理化策を矢継ぎ早に打ち出している。背景にあるのが,米Advanced Micro Devices,Inc.がパソコンやサーバー機向けのマイクロプロセサでシェアを伸ばし,これまで圧倒的なシェアを誇っていた米Intel Corp.を脅かしている,という事実である。こうした動きとその技術的な背景は,日経エレクトロニクス8月14日号で「86系市場で勢いを増すAMD社,Intel社の牙城に食い込む」という記事にまとめた。
ここで注目したいのは,AMD社とIntel社の日本と日本以外の市場シェアの違いである。デスクトップ・パソコンの量販店でのシェアを見ると,米国では2005年秋以降,AMD社がIntel社を逆転し,今は7割前後のシェアを握っている。ところが,日本では同じ製品分野でもIntel社が依然として9割超のシェアを維持している模様だ。ノート・パソコンになると差はもっと開く。自作パソコン市場と呼ぶ分野では,例外的に日本でもAMD社が2割のシェアを獲得している(台湾ASUSTek Computer社調べ)ものの,それ以外では日本と米国では対照的な結果となっている。
サーバー機の分野でも,やはり日本とその他の国で状況は大きく違う。世界的規模で2006年前半に5台に1台(2割)だったAMD社のシェアは「1カ月に1%増」(AMD社)のペースで急増中であり,今は4台に1台(25%)を超えている模様である。ところが,日本でのサーバー機でのAMD社のシェアはわずかに「2.9%」(AMD社)しかない。
こうした違いは,日本と米国というよりむしろ,日本と日本以外という構図で議論するのが妥当だろう。欧州や中国でもAMD社のマイクロプロセサを搭載したパソコンやサーバー機の出荷が急増し,Intel社を脅かし始めているのである。具体的には,Intel社の2006年第2四半期の売り上げは,欧州で前年同期比−24%,北米/南米で同−8%,アジア太平洋で同−14%と軒並み下がった(関連記事)。ところが,日本市場の売り上げは,前年同期から3%増加した。日本がIntel社を買い支えた格好といえる。
こうした「日本人はIntel社が大好き」な理由について,まず考えられるのは,広告戦略の違いだろう。実際,AMD社は米国では新聞や街角の垂れ幕などを中心にかなり大規模な広告攻勢に出ている(写真)。有名自転車選手のLance Armstrong氏やハリウッドの米Lucasfilm社を広告塔にして,一般消費者への浸透を図ってもいる。ところが,日本でそうした消費者向けの広告を見た記憶はない。片や,Intel社は日本のテレビ・コマーシャルやその他で大規模な広告を繰り返している。ただし,広告戦略の違いだけが市場シェアの違いになっているとは言い切れない。欧州や中国での両社の広告戦略の違いは分からないが,米国内並みの宣伝をAMD社がそれらの地域で行っているとも聞かないためだ。
こうしたことは,前述の記事の取材の中で何人かの関係者にも聞いて回ってみた。多かった意見は「日本以外の国や地域では自作パソコン市場が非常に大きく,ブランドを気にしないユーザーが多い。コスト・パフォーマンスのよいAMD社のマイクロプロセサが素直に評価されたのでは」「AMD社の安売り攻勢が中国などでは効果を出し始めている」「日本では高いものほどよく売れる」「日本ではテレビ・パソコンなど多機能のパソコンがよく売れているが,日本以外ではよけいな機能を絞った単純で速いパソコンが売れている」など。おそらくどの分析も当たっているのだろう。ただし,中には「(Intel社が好きなのは)日本人の文化ではないか」というサーバー機メーカーの役員までいた。
日本人のブランド好きは以前から言われているが,性能や価格が重要なパソコンやサーバー機の分野でもそれが強烈に現われているのには驚く。逆に言えば,日本ではいかにブランドが重要か,ということだろう。マイクロプロセサ以外の製品でも販売戦略を立てる上で無視できない点だと言える。
■日本の消費者が,何か合理的な理由があってintelを好んでいるというよりも,むしろ,CPUに関心を払わない消費者が日本市場で大勢を占めるようになった結果が,これなのではなかろうか。そうでもなければ,Netburst Celeronの氾濫を説明できない。
市販PCのカタログには,消費者がPCについてどんな関心を持っているかが如実に現れる。自社の製品を選んでもらうために,各社,徹底的に消費者におもねる構成となっているからだ。各社のカタログからは,PCに実装される付加機能には注意を払うが,中身に関しては二の次。要目欄の数字が大きければ,なんだかわからんがそれでよしとする消費者像が透けて見える。ここには,科学,技術への興味が日本社会から失われつつあることも,背景のひとつとしてあるのではなかろうか。(2006/09/23)
■日本のメーカは,未だに供給が逼迫した時を考えて,インテルの顔色を見ながら製品を作っているのではないか?
実際,サーバーの性能はWoodCrest以前はAMDの圧勝だったのは,どのメーカの技術者でも知っている事だ。(2006/09/20)
■なかなか,面白い分析だとは思います。しかしながら,AMD社が日本で広告をあまり出さない理由を分析して欲しかったです。(2006/09/19)
自分の経験からも,メーカーは部材切り替えに関しては保守的だと思います。ただし,日本市場の特殊性はあると思います。(2006/09/19)
■一般向け広告が無いことなどから,日本でのAMD日本法人か代理店体制に大きな問題が潜んでいるのでは,と思います。自作専門店以外の場所でAMDマークを見たことがありません。(2006/09/18)
■インテルは,元来,日本人が考えたCPUを物にしてくれたと言う歴史を知っていて,インテル製品に拘っているのではないだろうか。
古くは,日本のビジコンといったと思うが,その会社の「小林氏」が日本国内の電機会社を回って制作依頼した「4ビット」のものを,快く製品に作ってくれた過去があるからではないか,と思うが。(2006/09/16)
■ブランド偏重があれば,CeleronよりもPentium4搭載モデルの比重がもっと高かったと思われます。単純に日本市場の売れ線のモデルがINTELプロセッサ搭載機に偏っているのが大きいのではないでしょうか。販売力のある店舗でも,AMD搭載モデルはホワイトボックス系のものが中心です。
かつてのように,主要メーカーのメインストリームモデルにAMD搭載モデルが設定されれば,また変わっていくのではないでしょうか。DELLもAMDモデルがいよいよ投入されますしね。(2006/09/15)
欧州でディーゼル車が50%位の普及率に比べ,ほぼ皆無の日本。MDの普及も日本のみです。パソコンも,機能本位の物を含めた多様性のあるラインナップを望みます。(2006/09/15)
少なくとも一般ユーザーは,「インテルだから選ぶ」のは少数だと思う。普通は,「お店にあるものを買ったら,インテルだった」か,「CPUメーカーの違いは考慮しない」だと思われます。パソコン量販店でもAMD社のパソコンを買おうにも置いてないか,見つけにくいのが現状。
一つは「クイックルワイパー」の替えクロス。ホームセンターブランドの類似品を買ってみたら,ゴミが取れない,取れない。もう一つはお風呂の洗剤。これも,ホームセンターブランドのを買ってみたら,湯垢の落ちが悪くて閉口しました。
「やっぱりブランド品でないと駄目だな」と思ったのですが,もしかしたらそういう小さな経験の積み重ねが,日本人の「ブランド志向」につながっているのかも知れません。上記の事例では,ブランド品の違いを「実感」しているわけですが,日々の消費活動で全ての商品を実際に試してみるのはなかなか出来ません。失敗できない買い物や,時間をかけていられない場面で,「ブランド頼み」になるのは無理からぬ気がします。
では,他の国ではどうかと言うと,「アメリカ人にこのゴミの取れ具合の差や,湯垢の落ち具合の差は分からねぇだろうなぁ」というのが私の意見です(偏見入ってますけど)。だから,ブランド頼みを助長する経験が日常生活の中に存在しないのではないかと。
■(1)技術者クラスの消費者(日本でのエバンジェリスト)の年代では,“386コピーのAMD”の意識がある。(2)組込み・産業用途向けではAMDは製品の供給継続ができず,相手にされなくなっている。(3)AMDが台湾メーカと組んでしまったため,「AMD=台湾」「Intel=日米」の意識が日本人にある(Intelは米国企業ですが,発展の元になった4004は日本の嶋さんが開発したことが広く知られていることも一因か)。ということも言えるのではないでしょうか。(2006/09/15)
CPU選定でIntelにしておけば,不具合があっても,Intelの責任でCPU選定者は責任が回避できる。
ユーザも,Intelにしておけば,損をするのも得をするのもみんなと一緒で,とにかく安心ということだ。AMDがリスクが高いということではないが,ローリスクこそ日本人が最も価値を置くものだと考える。いきおい,日本製品,企業戦略,すべて横並びとなる。僅かな違いを比べて優劣を言うから,製品は多機能化に向かうが,エポック・メイキングなものは日本から出にくいというわけである。
日本製品が高品質と言われていたのも,品質を問題にされたくない,客から文句を言われたくない,という気持ちの裏返しである。「お前は一人でいいものを使って悪い奴だ」と言われる位なら,非難をさけるために敢えて不都合を受け入れるという訳である。(2006/09/15)
■日本人のブランド好きというだけでなく,農耕民族の「いままでやってきたことは余程のことが無い限り変えない」という文化の性も有るのでは。(2006/09/15)
■米インテルは,己が技術力におぼれてしまった感があります。マーケティングで売るという感覚がなかったのでは。そう言えば,インテルインサイドのプロモーションも,元をただせば日本ではじめたことですね。(2006/09/15)
■この記事の解説は,読者をミスリードするのではありませんか。実体は国産メーカーのIntelからのgive back依存の何ものでもないのでしょう。馴れ合いをつづけていると日本は,愈々おしまいでしょう。(2006/09/15)
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ソフトウエアにとって最も大切なものは何でしょうか。その答えが、しっかりとした設計・検証の方法論であることは論を待ちません。本書は、専門記者が最前線で取材・執筆した記事と、専門の技術者による講演内容をまとめ、組み込みソフトの開発方法論を中心に構成しました。
「自動車の排ガスに含まれるCO2を大気汚染物質と見なす」との歴史的判決が出たのは、2007年4月、早春の米国ワシントンにおいてであった。
思索は事件をキッカケに始まる。自分の書いたものを振り返ってみると、どうもそのようである。その事件とは、ミートホープに段ボール肉まん、白い恋人、比内地鶏…あれ、詐称事件ばかりではないか。
「ウソも数撃ちゃそのうち当たる」とか軽く言っていたらホントになりそうで、僕自身、驚いてしまっている。まあ、ここまではけっこう簡単に事が運ぶのだがその後が…。
各種システムの障害は,ソフトウエアの不具合によるもののほか,システムを構成する電子機器,もっと言えば,電子機器に搭載されているさまざまなデバイスの故障・劣化によることが少なくない。
今回はイノベーションについて考えてみたいと思います。製造業はグローバルに競争が激化しています。そんな中で競争力を高めるためには,イノベーションが必要不可欠となってくるわけです。
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[ 172] IntelとAMD,日本と日本以外の違いはどこから - 日経エレクトロニクス - Tech-On!
[引用サイト]  http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20060915/121171/



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