ミニバンとは?

ミニバンの規格的な定義は存在しないが、一般的にはステーションワゴンに比べ背が高く、乗車席が3列の場合が多い。1.5BOXや2BOXとも言われる形状でもある。車検証記載上はステーションワゴンと扱われる。
ヨーロッパではMPVやモノスペースとよばれる場合が多く、いわゆる2BOXの形状で前部にボンネット、後部に室内スペース部分のある形状を持つ乗用車である。車高はセダンと比較して総じて高めである。そして3列目(サード)シートを備えている点もミニバンの要素の一つとされている[1]。キャブオーバータイプのいわゆるワンボックスカーは含まない。
「ミニ」バンと呼ばれるものの「ミニ」という語には日本においては大きさを表す意味は無く[2]、ミニ「バン」の「バン」も貨物車を表している訳ではない[3]。よって「ミニ」+「バン」と分けて捉えるのではなく、「ミニバン」という一つの単語として捉えるのが適切である。
室内のシート配置は、“2・3列目が3人がけベンチシートの8人乗り”、“2列目がキャプテンシート+3列目が3人がけベンチシートの7人乗り”、“2列目が3人がけベンチシート+3列目が2人がけのベンチシート7人乗り”のいずれかに大きく分けられる。
「クライスラーKプラットフォーム」という乗用車のモノコックベースで製作されて1983年に1984年モデルとして発売されたクライスラーのダッジ・キャラバン2代目およびプリマス・ボイジャー2代目が米国で子供を送り迎えする母親たち(サッカー・マム)の用途に受け入れられ、ミニバンのスタイルを決定したオリジナルとされる。この型はのちにもう一つの姉妹車種クライスラー・タウンアンドカントリーとしても販売され、さらにその後の世代交代で姉妹車種が集約されクライスラー・ボイジャーも生まれた。一方、日本でワンボックスカーと認識されているトヨタのタウンエース/マスターエースだが、米国では「Toyota Van」として同年に発売され、これがキャラバンと並び、米国ではミニバンの始まりの一車種とされている(英語版)。ゼネラルモーターズ(GM)はキャラバンに対抗して、トラックのフレーム構造をベースとしたフルサイズバン(シボレー・エクスプレス/シェビーバン)の縮小版として1985年に、シボレー・アストロ、GMCサファリを出したが、乗用車の乗り心地の点で勝つことができずキャラバンには対抗できなかった。フォードもGM同様トラック・プラットフォームであるフォード・エコノラインベースで1985年にエアロスターを発売している。フルサイズよりも小さいことからミニバンとの名称が使用されるようになったが、乗用車に近い乗り心地というのが大きなポイントの一つである。
ヨーロッパでは1984年に発売が開始されたルノー・エスパスがミニバンに相当する最初の車種として知られている。ルノー社が発売したエスパスは、当時クライスラー社の欧州子会社(欧州クライスラー)が自社ブランドのシムカから発売しようとマトラ社に製作を依頼していたものだった。マトラ社は1977年にはかなりの開発を進めていた。エスパスとなるまでに時間を要したのはクライスラーが欧州から資本を引き上げたためだった。
日本では、1975年の第21回東京モーターショー(東京晴海)にトヨタからマルチパーパスワゴンMP-1が参考出品されている。トヨタはステーションワゴンをアレンジしたRV系の車を以前から参考出品車していたが、より実用的な方向として多目的ワゴンのMP-1が開発された。そのコンセプトや実際の車のつくりは、今日の目でみればミニバンカテゴリーの車である。一般には1982年に発売された日産・プレーリー、1983年に発売された三菱・シャリオがミニバンの始祖に当たるといわれる。三菱自動車はシャリオとなるSSW(スーパースペースワゴン)の開発を1977年頃から開始している。これは1981年の第24回東京モーターショーに出品され公開された。三菱自動車は創業時からクライスラーと資本関係もあり開発や販売も多岐にわたり協業している。日欧米の最初のミニバンが共にクライスラー関係であった。その源がマトラだったのか、クライスラーだったのか、三菱だったのかは明らかではない。米国ではクライスラーが最初だとされ、一方フランスではマトラが最初だったとされている。
トヨタが米国のミニバン・ブームに対し米国にプレビアを1990年に投入、同年日本にもトヨタ・エスティマとして投入した。トヨタは高級乗用車として宣伝に努めたが、メディアやユーザーはまだワンボックスカーとして扱った。その後、アコードの生産設備の制約から車高が高くできなかったホンダ・オデッセイが1994年に投入された。ホンダはクリエイティブ・ムーバーとカテゴライズしミニバンとはけして呼ばなかった。オデッセイは好販売を記録しこれが決定的となり日本においてミニバンという呼称が普及するきっかけとなった。1994年当初はミニバンはRVの1ジャンルという扱いだったが、2000年代に入りSUVという用語が普及するにともないRVは自動車メーカーがマーケティング用語としては用いなくなった。一方、ミニバンはそれ自体独立した車種カテゴリーとなっただけでなく、セダンに代わる売れ筋ファミリーカー車種カテゴリーとして定着し最も大きな地位を占めるようになった。
国産では1982年に発表された日産・プレーリー、1983年に発売された三菱・シャリオらがミニバンの始祖に当たるが、1990年に登場したトヨタ・エスティマと1994年に登場したホンダ・オデッセイの相次ぐ大ヒットによりミニバンという呼称の普及とともに一般的な大衆ファミリーカーとして定着した。また、荷室が広いため、寝台車や身体障害者や高齢者を乗せる福祉車両に用いられることもある。 2006年度のボディタイプ別販売台数では、セダンやステーションワゴンを押さえもっとも普及している。 これらのブームにより、もともとスポーツ志向の車を得意としていたホンダやマツダなどでも、主力車種をミニバンに移行させている。
タクシーに用いる場合、保安基準で3列目の乗客が避難できるように2列目と3列目の間でウォークスルーができるものでなければならない決まりがあるため、2列目がキャプテンシートの車が多く用いられている。2列目がベンチシートの車は3列目のシートを撤去して5人乗りとして用いるケースが多く、1BOXタイプでは1人掛けシートを撤去して7人乗りとして使用しているケースも稀ながらある。日本ではタクシーには依然として高級感や居住性を求める傾向が強く、このためセダンが一般でミニバンをタクシーに転用されることはあまりない。しかし乗合タクシーには必須であり、大きな荷物を運ぶ必要がある空港タクシーには多く採用されている。
全てのミニバンに共通して存在しているものがボンネットである。自動車にボンネットがあるのは当たり前と思われるかもしれないが、1990年代前半までは3列目シートを備える車はボンネットの無いキャブオーバースタイルが当たり前だった。しかしキャブオーバーは“エンジンが前席床下にあることによって床面が高くなり、乗り降りしづらい”、“セダン等と大きく異なる運転感覚”、“前席と後席が隔離され室内ウォークスルーが困難”、“エンジンの騒音が酷い”、“前面衝突安全性に問題”とデメリットが多かった。ミニバンはボンネットを備えることで、キャブオーバーの持つデメリットを全て解消した点が画期的である。
ミニバンとされる車種の多くは、3列目シートによりセダンによりも、多くの乗車が可能である。この3列シートの有無がミニバンであるか否かを分けるポイントの一つとして見られることも多い。例えば日産・ラフェスタやホンダ・オデッセイ(3代目)は、外観こそはステーションワゴンのごときスタイルであるが、3列目シートを装備しているためミニバンと分類される。
一方で3列目シートが無いもののミニバンでは無いと否定し切れない車もある。シートこそは2列目までしか用意されてないが、“背高キャビンによる広い室内空間を有す”、“セダンとは異なる高いユーティリティ性を持つ”、“全席ベンチシートによって多人数乗車能力を持つ”のいずれか、もしくは複数の特徴によってミニバン的性格を備えた車がそれであり、例えばトヨタ・ナディアやホンダ・エディックスがこれに当たる。ミニバンに限らない話ではあるが、ユーザーの潜在的需要を発掘するために既存のジャンル分けに捉われない車をメーカーが開発する事はよくあり、このようなモデルは総じてジャンル分けが難しく、メディアによってミニバンに分類されたり、もしくはトールワゴンやステーションワゴンに分類されたりとバラつく場合が多い(ちなみに日産・ルネッサもこの例に含まれる場合があるが、当のメーカーではステーションワゴンに分類している)。
過去に販売されていた日産・セドリック/グロリア、トヨタ・クラウン、マツダ・カペラ、トヨタ・セプターなどに用意されたステーションワゴンは、アメリカ製のステーションワゴンに倣って後ろ向きのサードシートが設けられ、7人乗車が可能となっていた。セドリック/グロリアとクラウンの場合は、コラムシフト+前席3人掛けベンチシートで8人乗車をも可能としていた。一方、ミニバンの先駆者である三菱・シャリオも、7人乗りと5人乗り(3列仕様と2列仕様)を並行販売していた時期がある。また現在でも、メルセデス・ベンツ Eクラスのワゴンモデルは欧米で販売している車種に3列目のシートを用意しており、この点で、3列シートの存在の有無をミニバンとする明確な分類は出来ないが、多くのミニバンと認知されている車種が3列シートなのは事実である。
キャブオーバー車に比べ、車高を低く抑えた車が多く存在する。ホンダ・オデッセイ(3代目)やホンダ・ストリーム(2代目)のように1550mmを超えない車もある。しかしほとんどのミニバンが車高制限の厳しい立体駐車場に入庫できない高さである1550mmを超え、セダンやステーションワゴンと比べれば概して車高が高い。車高を高くする事によってキャビンの室内高を稼ぎ、広い室内空間を確保している。車高が高いということは、ドライビングポジションもそれに合わせて最適化して設定されているということであり、運転時の視点がセダンよりも高くなる。 この視点の高さにより、見晴らしがよく開放感を感じることが出来るが、人間の視野というものが、左右方向には広く上下方向にはかなり狭いため、直近の低い位置の物体に対して認識が少なくなる傾向がある。このため特にこれらの特性を認識し意識的に視線の移動を行わないと幼児等の身長の低い存在に対する認知が遅れやすく、また走行中も前走車がセダン等の自車より車高の低い車の場合車間距離を少なく取ってしまいやすいため注意が必要である。
かつてのキャブオーバー型ワンボックスカーよりも優れた走行安定性を有するとされる車が多い。しかしセダンやステーションワゴンと比べた場合、車高の高いミニバンは、当然重心が比較的高い位置にあり、走行安定性の面において若干劣った形となっている。特に、ワイディングや高速走行ではこの傾向が顕著なため、タイヤ等の足回りの腰砕け現象が発生し長距離走行では運転者、同乗者ともに比較的疲れやすくなっている。なお、当然メーカー側もこうした問題について認識しており、一部のメーカーからは低床低重心の車種や、ミニバン専用のタイヤなどがリリースすることにより、こうした弱点を改善し、現在では多くの車種が走行性能を批判されるどころか、「ミニバンの中では」ハンドリングが良いと評価される車種も多数出現するようになった。変わった例としては初代エスティマがミッドシップレイアウトを採用してミニバンらしかぬ走行性能を実現した。
背高箱型キャビンに控えめなボンネット(セミボンネット)が突き出た形状のボディタイプ。駆動方式はエンジン横置きのFFもしくは4WDが主流だが、エンジン縦置きのFRも一部存在する。エンジン排気量は2000〜3500cc。3種類あるミニバンの種類の中で最も車高が高く床面も高い。よって座面も高くなるためドライビングポジションもセダンより最も異なるが、視点が高いため周囲の視界は良好。キャビンスペースは広く、シートは3列目まで快適に座れる車種が多く、それがため上級ミニバンは(高級ではない)大抵1BOXタイプを採用している。3列目シート格納法は5:5分割の左右跳ね上げ格納タイプが主流。
キャブオーバー型1BOXカーをルーツとし、キャブオーバー型のデメリットを解決するためセミボンネットスタイルを採り入れ、今日の1BOXタイプミニバンになった。90年代後期頃のキャブオーバー型からセミボンネット型への移行期には、キャブオーバー時代の名残で、セミボンネット型でありながらエンジンを前席床下に配置するタイプも多く、セミボンネット型の長所を生かしきれない車もあったが、世代交代によって現行車ではそのような車はほぼ無くなった。同じく移行期には、キャブオーバー型の別称「1BOX」と区別して、1BOXタイプミニバンを「1.5BOX」と呼ばれたが、今ではキャブオーバー型がほぼ商用車しか存在しなくなり、「1BOX」と「1.5BOX」を呼び分ける意義が薄れたため、「1.5BOX」という語を目にする機会は減っている。
ステーションワゴンの車高を高くしたような2BOXの形状を持つ。ボンネットは、ボンネットらしくより突き出た存在感あるものが備わっている場合が多いが、セミボンネット型もある。車高はセダンよりは高いが、1BOXミニバンよりは相対的に低いキャビンを備える。駆動方式はエンジン横置きのFFもしくは4WD。ラインナップは最も幅広く、1700ccの小型ミニバンから3500ccの高級ミニバンまであって多彩。全長に対するボンネットの割合が多いため、相対的にキャビンが短くなりがち。よって1・2列目シートはともかく3列目シートは窮屈であるケースが多い。逆に床面は1BOXタイプより低いため、よりセダンに近い運転感覚が得られる。3列目シート格納法は背もたれ展開格納か床面折り畳み格納タイプが主流。
日本におけるミニバンの元祖といえるボディタイプで、ミニバンのジャンルを築いた日産・プレーリー、三菱・シャリオ、トヨタ・エスティマ、ホンダ・オデッセイは全てこちらに属する。旧来のキャブオーバー型1BOXカーと違い、エンジンを収めたボンネットが存在することによる衝突安全性や低騒音、そして乗り降りしやすさやウォークスルーのしやすさを備えることで、多人数乗車型乗用車のイメージを変えることに成功し、キャブオーバー型を駆逐し現在のミニバンブームを起こした。なおトヨタ・ウィッシュ、ホンダ・ストリーム、現行オデッセイ等は、3列シートを備えたステーションワゴンであり、ミニバンというジャンルに入れないと主張する人々もいるが、内装の造りや運転姿勢等を考慮すると、やはりミニバンそのものである。
マツダ・プレマシー(5ナンバー車と同クラスだが、全幅1745mmの為3ナンバー登録。初代は5ナンバー)
トールワゴンに3列目シートを追加したような作りのもの。ボディ形状は2BOXスタイルを採る。3種類あるミニバンの中で最もボディが小型である。駆動方式はエンジン横置きのFFが主流だが、一部車種に4WDあり。エンジン排気量は1800cc以下(但し軽自動車は含まない)で、主流は1500cc前後。キャビンスペースは最も狭く、3列目シートは緊急用な性格が強く、大人が快適に座れるような代物ではない。3列目シート格納法は背もたれ展開格納か床面折り畳み格納タイプが主流。また、このタイプのミニバンの3列目シートを展開している状態では、後ろは空間が存在しないと言い切れるほど狭いため、手荷物程度の荷物しか積めなかったり、さらに追突事故に遭った場合、その際の衝撃を吸収する空間が存在しない為、3列目シートの乗員がほぼ100%の確率で死亡してしまうのではないか、と指摘する者もいるがそれは間違いである。アルファード/エルグランドクラスでも、サードシートを後ろに下げているとリヤウインドウにかなり接近してしまうからである。
トヨタ・カローラスパシオ(現在は生産終了)がコンパクトタイプの先駆ではあるが、コンパクトミニバンを確立したのは2001年登場のホンダ・モビリオ以降から。モビリオ登場から数年内に日産やトヨタが相次いでキューブキュービックやシエンタを投入し、現在の陣容が整った。小型な車ながら3列目シートを備えることによる多人数乗車性と使い勝手を持つ点が画期的で、多彩なシートアレンジも行えるようになった。日産・キューブやトヨタ・ラクティスなどは形状はコンパクトミニバンと言えなくもないが、2列シートで定員が5人なのでミニバンとはされない(→トールワゴン参照)。小型車を求めるユーザーは多人数乗車性を重視しているとは限らず、3列目シートも実用性が低い点から、通常のハッチバック車やトールワゴンを選択するユーザーが多く、小型車における主流のジャンルに成りきれていない。
軽自動車においても、1998年の衝突安全基準とそれに伴う規格拡大を受けて、従来ワンボックスであった車種のうち、スバル・サンバーを除く全車がミニバン(セミキャブオーバー)形状となった。
軽自動車規格の制約で2列シート4人乗りである事、また、それ以前から発売されていたスズキ・ワゴンRやダイハツ・ムーヴ等の「軽トールワゴン」を「ミニバン型」とする向きもあり、軽トールワゴンとの住み分けから「軽ワンボックスワゴン」「軽キャブ(オーバー)ワゴン」と呼ばれていることもあり、現状ではジャンルが曖昧なものである。
2005年8月に発売されたスズキ・エブリィワゴンは、初めてメーカー公式に「ミニバン」を名乗った。[4]
^ 但し絶対条件ではない。以前はマツダ・ボンゴフレンディ、ホンダ・ステップワゴン(初代)、トヨタ・ノア/ヴォクシーにもサードシートがないグレードが存在。
^ 「ミニ」の対義語の「ビッグ」を用いた「ビッグバン(Bigvan)」という語(例:トヨタ・コースターの1ナンバー登録車)があるが、ビッグバンの「バン」が貨物車を表していることからミニバンの直接的な対義語とは言い難い。

[ 128] ミニバン - Wikipedia
[引用サイト]  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%83%90%E3%83%B3

文章:川島 茂夫(All About「ミニバン・SUV」旧ガイド)オデッセイなど同クラスに位置する上級ステーションワゴン型ミニバンのMPVがモデルチェンジを行った。外観や内装に大きな変化は見られないのだが、乗った印象はまったく別のクルマといってもいいほど変化している。その大きな要因となっているのが、搭載エンジンの変更である。従来までは4気筒が2L、V6が2.5Lを採用していたが、このマイナーチェンジによって4気筒は2.3Lに、V6は3Lにスケールアップを行っている。同クラスでは標準的な排気量設定になったわけだが、この変化で排気量拡大分だけ動力性能が向上した、程度に考えるのは大きな間違いである。そんな程度ならば「別のクルマ」などという表現は使わない。今までのエンジンは2Lは基本設計が古く、2.5Lは多気筒エンジンの質感にあまりこだわらない北米育ち(フォード製)で、共にガサツなエンジンフィールが難点だった。高回転のパワーも出ていないし、実用域のトルクにも余裕がない。要するに必要十分な性能が確保できていても、上級ミニバンらしいエンジンとは言い難かったわけだ。しかし、新型は違う。どちらもエンジンフィールが滑らか。高回転まで回しても威圧感もガサツさもあまりない。穏やかに力強く、といったタイプなのである。とくに、4気筒車は変化が大きかった。実は、このエンジンは近々登場するマツダの新型セダン「アテンザ」用に開発されたものなのだ。アテンザに採用されている可変バルブタイミング機構は省略されているが、マツダが満を持して登場させた新世代エンジンらしく、トルク特性もスロットルに対するコントロール性も素直なもの。癖がなく、どの回転域でも柔軟なドライバビリティを発揮する。これまでのマツダのエンジンは木訥、あるいは野武士的な感じで、洗練された印象に乏しかったが、このエンジンは現代的な洗練を感じさせるものである。さらに予想外に良かったのが(マツダには失礼な表現だが)、フットワークである。サスペンション周りに補強を加えるなど、基本構造から手を入れたことが効を奏したのか、これまでの乗り心地やハンドリングの頼りなさが払拭されている。微小ストロークから深くストロークした時まで、一律な減衰感を保ち、コーナーでも直線でも、荒れた路面でも、安定した接地性を維持する。硬さで抑え込むようなところがないので、操安と共に乗り心地の質感も高まっている。強いて難点を言えば、ロードノイズがあまり変わっていない。エンジン騒音が減少したことも影響しているのだが、相対的にロードノイズの透過感が強くなってしまった。実質な悪さをするようなものではなく、指摘するほどではないかもしれないが、他の走り全般が大きく向上しているだけに、ロードノイズだけが取り残されたように思えてしまう。キャビンの基本機能は従来とほとんど同じだが、装備面で目玉商品がひとつ。パワースライドである。上級ステーションワゴン型ミニバンではMPVだけが採用し、狭い場所での乗降性などで利点のあるパワースライドドアだが、操作力が重いのが難点だった。それがパワースライドドアの設定で解決したわけだ。しかも、何と左右ドアに採用されているのだ。MPVの登場当時ディーラーで試乗して、「車格の割には安いが、走りがいまひとつ」と考えた人も多かったのではないだろうか。そういった人は、一度でもいいから、新しいエンジンを得たMPVに試乗してもらいたい。「マイナーチェンジでこれほど変わるのか、MPVとはこれほどいいクルマだったのか」ときっと思うはずである。

[ 129] マツダMPVが搭載エンジンを一新 - [ミニバン・SUV]All About
[引用サイト]  http://allabout.co.jp/auto/rv/closeup/CU20020515/



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