もとまらとは?

「どうしたってこいつは核の異常だ。どっかのバカが直接核にチョッカイ出してるとしか思えネェ!そいつをとっちめに行ってくる!」
「知らねぇな!よしんばどっかのバカを排除できたとして、核に何ができるかも分からないし、でも行くしかねぇだろ!」
最初のときはあの四人と旅をしていたとき。ザンデの使いメデューサが起した異常を修めた後、『核』にその影響が及んでいないか点検に来たときだ。
オーエンの塔機関部と直結しているはずのこの『核』の空間。しかしそこには『核』が生み出すエネルギーをオーエンの塔に伝える配管や配線の類は一切存在していなかった。
「聞くまでもねぇが、テメェが最近の誤差の原因だな。こちとらそれを見過ごすわけにいかねぇんだ。さっさと……」
「そうかそうかぁ。なかなか高純度のエネルギーを持っているからもしやと思ったが……貴様ごときに管理されるようなシステムでは到底使い物にはならんな」
「だが……折角見つけた手がかりだ。このまま手放すには惜しい。いずれ日を改めてもらいに来るとしよう」
「安心しろ!今こいつをもらおうとは思わん。それでは地上に甚大な被害が及び大勢の人間が死ぬだろう。それでは意味がないのだよ」
男の腕の一振りで、デッシュは軽々と弾き飛ばされてしまった。受身を取ることすらできず背中からたたきつけられる。
最初切りかかった相手は、痩せた、貧相な五十絡みの男であったはずだ。だが今自分を吹き飛ばした相手はどうだ?
乾いた音とともに、刀を握るデッシュの右腕に小さな穴を穿ち血を噴出させる。その刀には小さな兵器が内臓されているらしい。デッシュの見たことのない武器が。
新たに現れた男は、三人の中で最も肉厚で大振りの剣を片手で軽々振り回す。白髪の男はそれを軽やかに避けると大きく飛びずさった。
ラムザもつられて立ち上がる。フランの話が本当なら、ここはラムザやバルフレアたちにとっては何の縁もゆかりもない世界だ。
「だがな、とりあえずどこかに行かなきゃ飯も食えんし水も飲めん。となりゃ、まずは人間がいるところを探しにいくしかねぇだろ」
「……ってワケだ。目的地もそれほど近くはないようだし、ここは一つ身の上話なんぞしながら、のんびり行くとしようか」
と、何でもないように言って、先頭に立って歩き始める。ラムザはそこで初めて、彼の背に背負われているものを見た。
大人の手のひらに握れるほどの小さな石。だがその内には黄道十二宮をめぐる星々の力が秘められているという。
ラムザの手には、小さなクリスタルが握られており、そのクリスタルの中央に、黄道十二宮の紋章が刻まれている。
ラムザは『ゾディアックブレイブ』を組織するグレバドス教会から、異端者の烙印を押され、犯罪者として追われていた。
度重なる戦乱で疲弊しきっていたラムザの故郷イヴァリース。その覇権を得んがために動き出したグレバドズ教会は、ゾディアックストーンと教会擁する神殿騎士団を新生ゾディアックブレイブとして仕立て上げた。
権力者達を影で操り、国王や公爵に対する民衆の不満をあおり、教会がイヴァリースを宗教的にも政治的にも支配する世界を作ろうとした。
聖石は持つものの憎悪や悲憤、悪意など、負の感情を読み取り、その持ち主を寄り代とし異世界から来る悪魔を呼び出してしまうのである。
ルガヴィと呼ばれるその悪魔達は、ヴォルマルフを初めとし、イヴァリースの実力者達を次々と乗っ取り少しずつ現世にやってきた。
彼らの最終目的は、『血塗られた聖天使』を目覚めさせ、聖石の力を借りずともイヴァリースにルガヴィを出現させること。
「アルマはヴォルマルフにさらわれ、聖天使を呼び出す寄り代として使われた。だが……何故か、聖天使の魂はアルマの肉体を拒否した。アルマを寄り代として復活した『聖アジョラ』の肉体を聖天使として使ったんだ」
「表面的には、グレバドス教会が神の子として扱っている聖人の名さ。伝説のゾディアックブレイブを、最初に編成した人物でもあるらしいけどね」
死都ミュロンド。イヴァリースでありながらイヴァリースでない。神の子アジョラが時の為政者によって処刑され、神の怒りにより地に没した世界。
「詳しく話しているとキリがない。けど、とにかく僕のイヴァリースで僕が知ったことを公表すれば、それこそ天地がひっくり返るような大騒ぎになる。……いや、誰も信じてくれないかもしれない。こんな荒唐無稽な話」
「世間の人々は、ただ権力者同士がイヴァリースを平定するために戦争をしたことだけ知っている。その裏に教会やルガヴィたちがいたことを知るのはごくわずかな人間だけだ」
「ない……と思う。僕も未だに、何が引き金になってルガヴィが現れるのかは分からない。二度、ルガヴィが聖石から現れる瞬間を見たことがあるけれど、ルガヴィに乗っ取られた全員が全員、ああいった状況で聖石を持っていたとは考えにくいし……」
「要は使う側の問題、ということになるんだと思う。僕達は聖石を全て集めたら、それを封印するか破壊する方法を見つけるつもりでいた。そして聖石は10個までは集めることが出来た。でも……」
金牛の宮タウロスはムスタディオ。白羊の宮アリエスはアグリアス。天秤の宮リーブラはオルランドゥ伯。人馬の宮サジタリウスはメリアドール。天蠍の宮スコーピオはラファ。双魚の宮パイシーズはマラーク。宝瓶の宮アクエリアスはベイオウーフ。巨蟹の宮キャンサーはレーゼ。そして双子の宮ジェミニは……。
「仕方なく、ね。それで気付いたら、ここにいた。ミュロンドの崩壊が原因だと言って言えなくもないかな」
「俺達も似たようなもんだ。破魔石って石があってな。そいつを使って悪企みする連中を追っかける中で、どでかい空中要塞がある国の首都に落っこちかけてな。そいつをなんとか無人の荒野に墜落させたはいいんだが、気付いたらまぁここにいたってわけだ」
「そうは言うがな。ラムザの話聞く限り、俺達のイヴァリースとは全くの別もんだろ?詳しく話したところで混乱するだけだろ」

[ 112] STAR OCEAN
[引用サイト]  http://www.ictv.ne.jp/~mtsehara/ff3/ff-ec003.htm



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