ぬぐっとは?
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ぬらぬらした生き物に粘膜をいたぶられることこそ、快楽の真髄ではないか。真奈は、ずっとそれが好きだったのだ。子供のころから。 ずっとむかし、だれかにカエルをつかまされたことがある。その時の感触は、今にして思えば性的な興奮をもたらすものだった。 指についたなまぐさい匂いは、性汁したたる自分の性器の匂いと同じだった。ぐにゅっとした感触にひそむ鼓動とぬくみ、にぎりしめると感じる筋肉の反応。すべてがいやらしい。 真奈は泣きながら手を洗った。エッチな一人遊びをしたときと同じような罪悪感があったからだ。そうしながら、パンツのなかにカエルを入れる想像をやめられなかったからだ。 そのイメージはずうっと真奈につきまとっていたのだ。忘れていた。そのふりをしていたが、ずっと、それを願っていたのだ。 ヒップを持ちあげられる感覚。そして、うんちをするときにしか意識を集中することのない場所に異物が侵入してくる。 そんなところに入れられるなんて――でも、これも真奈が欲したことなのだ。子供のころの明確なイメージは、あそこよりも、おしりの穴に向かっていた。その部分をぬるぬるしたカエルにイタズラされてみたい。 ふだんならえずきそうになるはずの異臭が、なぜか心地よく感じた。水分を含んできらきら光る表面を、真奈は美しいとさえ思った。 巨大な口が目の前にある。ひらくと、腐ったヨーグルトのような匂いがおしよせる。ピンク色の舌がぬめぬめと蠢き、真奈は魅了された。 舌がのびてきた。真奈の口のなかがいっぱいになる。唾液が大量に流れ込んできた。濃厚な粘液だ。真奈はそれをのみくだした。 カエル人間たちが前後で動いている。膣に押しこまれ、抜かれる瞬間に、こんどは直腸に剛直がのびる。まるで輪唱のようにリズミカルだ。 憶えてるよ。憶えてる。カエルじゃなくて、ゴキブリに犯されたときだね。あのときも、気持ちよかったよ。 異次元の怪物。油ぎった黒い肉体を持つものたち。その突起だらけの触手で体中をまさぐられ、そして、貫かれた。 それが、初体験だった。表面的な記憶からは消去され、肉体的にも痕跡はなくなっていた。でも、犯されたのは事実だ。 あの時も、あたしはいい感じだったんだ。イけそうだったのに、あんたの王子様がジャマくれたんだっけね。 その名前のところだけ、声が不明瞭になる。真奈はカエル人間のモノを味わいながら、うっとりと自分の心を覗く。 助けてくれた。でも、あんたを抱こうとはしなかった。幼なじみのまま。なにもかわらない。そして、自分だけは生徒会長とよろしくやっていた――そうでしょ? くぐもった嗚咽の波動。もうひとりの自分が泣いていることに真奈は満足する。そして、自分の頬に手をやって、気づく。 ぬらぬらの粘膜を持つ生き物が、感極まったかのように喉をふくらませ、ぶおんぶおんと鳴きながら、生殖器に最後の刺激をあたえている。 逃げようとした。今ならカエル人間は射精直前で無防備だ。手足をゆわえている蔦も、激しいセックスで、すでにほどけてしまっている。 切迫した声だ。カエル人間の表情はわからないが、視点がさだまらず、凄い快感に酔いしれているようだ。そして、切ないほどに懸命に腰を使っている。 自分のいやらしい気持ちを満たすために、あたしはこの生き物たちを生み出してしまった。自分の欲望のためだけに。 真奈はふたたび、カエル人間を抱きしめた。しっとりとした感触だ。もう、いやらしい、という感じはしない。むしろ、いとしい。 射精がはじまっていた。膣の奥深く、子宮にまで届いた生殖器の先端から粘液がほとばしっている。そして、おしりでも、それは爆発している。注ぎこまれている。 身体が揺すられている。前後の穴を精液で満たした肉棒があたえてくれる純粋な快感に、いまは身をゆだねたかった。 ハルキが目を覚ましたとき、真奈の姿はなかった。ハルキはそれからあちこち捜し歩いたが、真奈の行方は知れないままだった。シンダラーはといえば、リストの空白ページをながめながら、ため息をつくだけだった。 ハルキとシンダラーが現世にもどったのは、それから体感時間で一か月後だった。現世ではしかし三日しか経過していなかった。 真奈は蒸発したと報告され、学園王者は退学になり、生徒会長も引責辞任した。もっとも、学園王者は、極度の過労の果てにベッドを離れられない身体になってしまっていた。 それから間もなく楽天荘に対する風当たりは強くなり、取り壊しの決定がなされた。新生徒会長による強権発動だった。 アマンダはアパートへの引っ越し代を貯めるため、夜の商売に戻った。シンダラーはおそらくホームレスになるしかないだろう。 現実の厳しい風が吹きつのる。ついこの前までの、お祭りのような学園の雰囲気は消えうせていた。どこにでもある、偏差値の高低だけを競いあう学校になってしまった。 ハルキとシンダラーは、それでも顔を合わせると、いなくなってしまった少女について話をした。身長差がいくらあっても、真奈に恋していたことにかわりはない。 |
[ 60] 学園王者2−11
[引用サイト] http://www.yomogi.sakura.ne.jp/~uhnovel/ap_nv/gakuen/gakuen2_ek.html
