高熱とは?

体温は通常、脳内の視索前野および視床下部の体温調節中枢によって一定の温度にコントロールされているが、これが様々な要因によってその設定温度が高くなってしまうことにより生じる。熱中症とは異なる。感染などによる免疫系の活性化が原因となって生じる発熱に関しては、近年の研究によって、その発症メカニズムが解明されつつあり、以下のようなモデルが提唱されている。
活性化された免疫系細胞から放出される、インターロイキン1やインターロイキン6といったサイトカイン類が脳内の血管の内皮細胞に作用すると、内皮細胞内でプロスタグランジン合成酵素群が作られ、この酵素群の働きによってプロスタグランジンE2という物質が産生される[1]。アスピリンに代表される市販の非ステロイド性解熱鎮痛剤の多くは、プロスタグランジン合成酵素群のなかのシクロオキシゲナーゼと呼ばれる酵素の働きを阻害することで、プロスタグランジンE2を作らせないようにして発熱のメカニズムを抑えているのである。内皮細胞内で産生されたプロスタグランジンE2は脳組織の中へ拡散し、視索前野と呼ばれる体温調節中枢に存在する神経細胞の表面にあるEP3と呼ばれる受容体に作用する。このことによって、発熱(体温上昇)にかかわる脳内の神経回路が活性化される[2]。
この発熱の神経回路の大部分は平時の自律的な体温調節にも関わるものであると考えられ、視床下部背内側核、(延髄)淡蒼縫線核、大縫線核および(脊髄)中間外側細胞柱などの脳・脊髄領域にある神経細胞が発熱シグナルの伝達に関わると考えられている[3]。この神経回路によって、発熱シグナルは最終的に末梢の体温調節器官へと送られ、熱産生および体表面からの熱放散抑制が起こる。この2つの作用によって体の深部温度を上昇させるのである。
ラットやマウスなどのげっ歯類の場合、中枢からの発熱シグナルによって交感神経系が活性化され、褐色脂肪組織と呼ばれる効果器での熱産生が体温上昇に大きく寄与するが、ヒトの成人では褐色脂肪組織がほとんどないので、主に骨格筋におけるふるえがおこる。ちなみに、ふるえ熱産生は交感神経系の作用を介して起こるものではなく、運動神経を介するものである。中枢からの発熱シグナルは熱産生と同時に、体表面の血流を減少させ、体表面からの熱放散を抑制する。これは、皮膚内を走る血管の平滑筋を支配する交感神経の活性化によって平滑筋が収縮し、血管径が縮小することによるものである[4]。
一日の体温差が1℃以内で、38℃以上の高熱が持続するもの。重症肺炎や粟粒結核、腸チフスの極期などでみられる。
一日の体温差が1℃以上の変化をとるが、37℃以下にまでは下がらないもの。敗血症、ウイルス感染症をはじめ種々の感染症、悪性腫瘍などでみられる。
一日の体温差が1℃以上の変化をとり、37℃以下にまで下がるもの。マラリアの発熱期など、弛張熱と同様の疾患でもおこる。
バイタルサインは意識、血圧、体温、脈拍、呼吸の5項目からなり、最初に測るものとして位置づけられている。発熱の場合は他のバイタルも連動して動くことが知られており、体温が1℃上昇すると脈拍数も10拍/min増加する。また血圧がさがってきたら敗血症による敗血症性ショックを疑う。例外として比較的徐脈を呈する疾患と呼ばれるものがある。比較的徐脈とは体温の上昇の割りに脈拍の増加が目立たない状態であり、腸チフスで有名である。あえて列記するのなら、ブルセラ、髄膜炎、レジオネラ、オウム病、腸チフス、サルモネラである。

[ 130] 発熱 - Wikipedia
[引用サイト]  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E7%86%B1



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