コーポレートとは?
|
「OECDコーポレート・ガバナンス原則」(以下「原則」という。)は、OECD加盟国及び非加盟国がコーポレート・ガバナンスに関する法令、制度及び規制の枠組みを改善する際に役立てること、並びに証券取引所、投資家、企業等に助言することを目的としたものである。 会社が良いコーポレート・ガバナンスの原則をどの程度備えているかは、その会社に投資(特に、国外からの投資)をするか否かの意思決定がなされる際に、ますます重要な要因となっている。 OECDにおける議論を通じ、コーポレート・ガバナンスのあるべき姿に単一のモデルは存在しないが、良いコーポレート・ガバナンスには幾つかの共通要素があることが確認された。「原則」は、このような共通要素に基づき、現存する様々なモデルに適合するように作られている。 「原則」においては「ボード(board)」という語が使われているが、これは、各国の様々な制度を包含する概念として用いられている。監査役会としてのボードと取締役会としてのボードが別々に並立される二元的な制度においては、「原則」にいう「ボード」は監査役会としてのボードを指す。他方、一元的なボードが内部監査機関により監督される制度においては、「原則」にいう「ボード」は、ボードと内部監査機関の両方を指す。なお、「原則」は、特定のボード制度を推奨するものではない。 「原則」は、拘束力を有さず、また、このまま国内法令化することを意図したものでもない。更に、「原則」は、状況の進展に応じて見直されるべきものである。 保護されるべき基本的な株主の権利は、株式を譲渡すること、会社関連情報を適時・定期的に入手すること、定時株主総会に参加して議決権を行使すること、ボードの構成員を選出すること、会社利益の配当を受けることを含む。 株主は、定款等の変更、新規株式の発行、実質的に会社の売却につながる特別の取引といった会社における重要な意思決定に参加し、それにつき十分に情報を与えられる権利を有する。 株主は、定時株主総会に実効的に参加し、定時株主総会における議決手続きなどの規則につき情報を与えられるべきである。 特定の株主に対し保有株式数からみて不釣り合いなほどに会社を支配する力を付与するような資本に関する情報は、開示されるべきである。 「コーポレート・ガバナンスの枠組みは、少数株主や外国人株主を含む全ての株主に対して公正な待遇を保証するようなものであるべきである。」 ボード構成員及び経営者が取引における重要な利益又は会社に影響を及ぼす事項を開示することを求められるようにすべきである。 「コーポレート・ガバナンスの枠組みは、法で定められた利害関係者(ステークホールダー)の権利を認め、また、会社と利害関係者が富と雇用を創出し、企業を財務面で健全であり続けさせるについて積極的に協力することを促すようなものであるべきである。」 コーポレート・ガバナンスの枠組みは、法律によって保護されている利害関係者の権利が尊重されることを保証するものであるべきである。 利害関係者の利益が法律によって保護されている場合には、利害関係者は、権利の侵害に対する効果的な補償を得る機会を付与されるべきである。 コーポレート・ガバナンスの枠組みは、利害関係者による参加のメカニズムが拡充していくことを可能にするようなものであるべきである。 「コーポレート・ガバナンスの枠組みは、企業の財務状況、業績、所有及びガバナンスを含む会社に関する全ての重要事項の適時かつ正確な情報開示を保証するようなものであるべきである。」 情報は、高いレベルの会計基準、財務・非財務の情報開示基準及び監査基準に従って準備し、監査の対象とし、また、開示すべきである。 毎年の監査は、財務諸表が外部から客観的に保証されるようにするために、独立した監査人によって行われるべきである。 情報伝達のチャネルは、関連情報が公平、適時かつ費用対効果の高い方法で利用者に届くようなものであるべきである。 「コーポレート・ガバナンスの枠組みは、会社の戦略的ガイダンス、ボードによる経営陣の効果的なチェック、並びにボードの会社及び株主への説明責任(アカウンタビリティ)を保証するようなものであるべきである。」 ボードの決定が特定の株主のグループと別の株主のグループとで別々の影響を与える場合、ボードは、全ての株主を公平に扱うべきである。 会社の戦略、リスク方針、年次予算当のレビューと方向付け、業績目標の設定、業績のチェック、並びに主な資本取引の監督。 ボードは、特に経営陣から独立した立場から、会社にかかるものごとにつき客観的な判断をすることができるようにすべきである。そのため、ボード構成員の中には経営陣に属していない者が十分な数だけ含まれる必要がある。また、ボード構成員は、ボードにおける責任を果たすために十分な時間を費やすべきである。 |
[ 64] 「OECDコーポレート・ガバナンス原則」(1999年5月)の概要
[引用サイト] http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oecd/cr_principle.html
|
トップページ|市場調査|ビジネス・コンサルティング|ブランド戦略|Webコンサルティング|デジタル家電・IT市場分析|サイトマップにリンク|会社案内|本文へジャンプ|ヘッダメニューにジャンプ|フッタメニューにジャンプ 経営学博士。カリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院にて博士号(Ph.D.)を取得。企業戦略論と経営組織論を踏まえたブランド理論の構築と実践を行っている。最近の著書・訳書に「ブランド・ポートフォリオ戦略」(ダイヤモンド社:訳)、「ブランド戦略シナリオ」(ダイヤモンド社:共著)などがある。ブランド・ジャパン企画委員 コーポレート・メッセージ調査はブランド・ジャパン プロジェクトの一環として継続し、今回は4回目となります。改めて、企業のコーポレート・メッセージが果たす役割を教えてください。 強いブランドというのは、そのブランドの存在意義や価値提案、コンセプトといったものを明確に反映したアイデンティティをいくつか持っているものです。コーポレート・ブランドについても同様です。コーポレート・ブランドが核となるアイデンティティとして持つ、自社のあるべき姿や目指している方向性、あるいは顧客に対して提供しようとしている価値を、顧客に対するメッセージとして簡潔にまとめたものがコーポレート・メッセージです。企業のアイデンティティの重要な一面を、顧客側から見てわかりやすいように伝え、理解してもらうことがコーポレート・メッセージの果たす役割といえるでしょう。 コーポレート・メッセージが意味するところを理解すれば、その企業が長年一貫して大事にしてきた、譲れない信念がわかりますね。 一般的に、企業の哲学や世界観は長期的に存続するもので、あまり短いサイクルでは変化しません。ですから、企業の哲学を反映したコア・アイデンティティの重要な一面を伝えるコーポレート・メッセージも、いくらか表現が変わることはあっても、大きな変化はそれほど頻繁にはないでしょう。大きな変化が起こりうるのは、ブランド・アイデンティティ全体ではなく、ある一側面を短期的に集中して訴求したい場合などです。たとえばそれは、急激な成長・発展のために新機軸での事業拡張が必要となったときや、顧客との親密さが売りの企業が、新たな魅力として時代を先取りするような革新的なイメージを伝えたいときです。その際には、今まで発信してきたメッセージを刷新し、新しい意味あいを伝えるために最もふさわしい言葉や表現方法を模索することが必要になるわけです。 コーポレート・メッセージが効果的であるためには、まず、そこで伝えようとする内容が、社員にしっかりと受け入れられる必要があります。しかしそれは、社内だけで通用する独りよがりなものではなく、顧客をはじめとするステークホルダーにとって価値があり、共感されるようなものでなければなりません。そして、他社との明確な差別化がイメージされるようなものであるべきです。 メッセージを社内に浸透させ、社員の「腑に落ちる」ものにするためには、そこに込める「思い」となるコーポレート・ブランドのアイデンティティを、多くの社員が自ら考え、表現しようと努力することが有効です。ブランド・アイデンティティは、ブランドの世界観を分かりやすく表現したものです。効果的なコーポレート・メッセージを作成する前提として、ブランド・アイデンティティを明確にし、その中のどの要素に焦点を当てていくのかをはっきりさせる作業が重要です。そのプロセスの中で、ターゲットとなるステークホルダーにとって大切なこと、競合他社との差別化ポイントなどをきちんとリサーチして、それらを盛り込んでいきます。そのうえで、アイデンティティもしくはその一部を反映したメッセージを作成する。その際には、世相なども鑑みたうえで、メッセージの受け手に注目され、共感されるような表現をつくる必要があるでしょうから、コピーライターなどの専門家の手助けが有効でしょう。 このように、効果的なコーポレート・メッセージとは、社員の思いを反映したコーポレート・ブランドのアイデンティティをよく反映したもので、かつターゲットとなるステークホルダーに対して納得感の高いものです(図1)。 昨年までの調査結果を見ると、せっかくのコーポレート・メッセージが本来の目的を達成できずに、理解や浸透のないまま放置されている現状があるようです。コーポレート・メッセージを伝えることは難しい作業なのでしょうか。 コーポレート・メッセージを伝える際に、そのインパクトを大きくするための注意点としては、一つの企業が複数のメッセージを乱立させるようなことをせず、受け手にとっての分かりやすさや覚えやすさに気を使いながら、厳選したメッセージに資源を集中させていくことです。 また、それなりに自分たちの「思い」を込めたメッセージができたと思っても、メッセージそのものは極めて短いフレーズに過ぎません。その背後にある意味やイメージの広がりまで伝わらなくては、効果は十分に発揮されないでしょう。よいメッセージには深遠な「思い」が込められているわけですから、それが持つ意味を十分に伝えるには、並々ならない努力が必要です。広告や商品そのもの、店舗、営業などに加えてWebやイベントなど、様々なブランド・コミュニケーションの手段を用いながら五感的要素に広く訴えるよう伝え方をすることも、一つのポイントになります。 たとえばマクドナルドの「i'm lovin' it」というメッセージは、音楽やスポーツ、ファッションなどを意識した多角的なブランド・コミュニケーション戦略の中核を担っています。逆にいえば、これだけのコミュニケーション手段を通じて、はじめてこのメッセージの持つ意味が伝わっていくということになります。メッセージと並行して、ブランドを取り巻く様々なストーリーを伝えていくことで、より効果的にメッセージの意味するものを伝えているといえます。 確かにメッセージを上手に作り、効果的に伝えるのは大変ですね。最近の新しいコーポレート・メッセージはいかがでしょうか。 たとえば、昨年、サントリーが「水と生きる。SUNTORY」というメッセージを、イオンが「singing AEON」というメッセージを発信し始めました。サントリーは、モチーフである水に対する同社の「思い」がよりよく伝わるように新しいメッセージを作成し、サントリー・ブランドのロゴの形や色も変更しました。イオンの「singing AEON」は、顧客のブランド体験の質向上を強く意識し、驚きや新しい発見を示す「昨日より、おもしろい、今日。」をサブ・メッセージとしています。 この二社はどちらもWebサイトなどで新しいコーポレート・メッセージの意味をきちんと説明しています。これは、ブランド価値に対するコーポレート・メッセージの効果を高めるために効果的な方法である反面、チャレンジングな約束を結ぶことになるという理由で、リスクを伴うものです。「自分の会社はこうありたい」と明言し、その内容について詳しく語るわけですから、それに見合った企業活動ができなければ、期待感を抱くメッセージの受け手から厳しい評価を受けることになりかねません。 サントリーはウイスキーやビールを扱っていますが、あえて「水」をモチーフにした点や、イオンはこれまで時間をかけて構築してきた「信頼」や「正直」といったイメージから離れて、まさに今、会社が到達しようと努力している「質の高いブランド体験を提供する場」になるための「楽しい」「感じのいい」側面を強調した点は、新たな挑戦といえます。 もし、「水」を命と考える企業が環境問題に無頓着であったら、また、「楽しさ」を謳っている店舗のレジ係の感じが悪かったら、それはメッセージを通してステークホルダーと交わした約束を破ることになります。逆に、コーポレート・メッセージに込めた思いを、それにふさわしい商品開発や顧客応対といった形で具現化し、約束を果たしていくことができれば、明確なメッセージはその効果を十分に発揮することになるでしょう。 基本的には、企業が変わろうとしている姿勢や新たな気持ちでがんばろうとしている姿勢が伝われば、ステークホルダーは好感を持ってくれるはずです。メッセージで謳っていることにコミットする覚悟があるなら、その意味をしっかり伝えるべきでしょう。 結局は、メッセージを発信する企業、社員一人ひとりがそのメッセージをいかに意識して行動するかが大切になってくるのですね。 メッセージの作成、発信の過程において、メッセージに込められた企業のあるべき姿を社員一人ひとりが当事者意識を持って考えるというステップを踏むことは、社員のモチベーションの向上につながります。コーポレート・ブランドのアイデンティティを明確化し、その重要な側面をコーポレート・メッセージとして発信していくプロセスは、変革が必要な会社の風土を刷新し、ユニークで活気のある居心地の良い組織に変貌する機会を与えてくれるはずです。 社員が自ら考え、納得したコーポレート・メッセージをお客様に認知してもらい、背後にある「思い」も含めてメッセージの真意を理解してもらう。さらに、その思いに共感してもらい、企業イメージや評価の向上に結びつけてもらうまでには、長い時間が必要となることもあるでしょう。これまでの調査結果を見ると、コーポレート・メッセージがその役割を全うするには一定の時間がかかるようです。すぐに浸透しないからといって、途中ですぐに投げ出しては、それまでの努力が水の泡になるばかりか、顧客を混乱させ、社員のモチベーションを下げることにもなりかねません。そうなると、もう一度挑戦しようと思っても、次にうまくいく可能性はぐっと低くなってしまうでしょう。「我々はこう考えています。よく見ていてください」という意思表示を継続して行い、それに見合った企業活動を粘り強く続けていくことが大切なのではないでしょうか。 |
[ 65] 「コーポレート・メッセージ調査2005」インタビュー
[引用サイト] http://consult.nikkeibp.co.jp/consult/br/cm2005/interview.html
