スイスとは?

スイス連邦(スイスれんぽう)、通称スイスは、永世中立国、直接民主主義国家であるヨーロッパの連邦制共和国。ドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、リヒテンシュタインに囲まれた内陸に位置する。国内には、多くの国際機関の本部が置かれている。 国民皆兵国家である。
スイス連邦の正式名称は4種の公用語の他に、4種を併記する余裕がない場合に単独で使用することが許されるラテン語の国名が定められている。
通称は、ドイツ語で Schweiz(シュヴァイツ)、フランス語で Suisse(シュイス)、イタリア語で Svizzera(ズヴィッツェラ)、ロマンシュ語で Svizra(スヴィツラ)、ラテン語で Helvetia(ヘルヴェティア)。略称は、ラテン語名の頭字語(アクロニム)である CH を用いる。
なお、ドイツ語での正式名称にある"Eidgenossenschaft"は「誓約者同盟」と言う意味で、通常の「連邦」(Bund))とは異なる。
日本語表記は スイス連邦、および、スイス。漢字による当て字では瑞西と表記し、瑞と略す。稀にドイツ語の正式名称から「スイス誓約者同盟」という訳がなされることもある。
国名は、スイス建国の中心的役割を果たしたシュヴィーツ州に由来する。"Schwyz"(シュヴィーツ)は古代ドイツ語で「酪農場」を意味する語が訛ったものだとされる。日本語表記の「スイス」はフランス語名の"Suisse"(シュイス)に由来する。ラテン語名で使われるヘルウェティアは、古代ローマの支配が及ぶ前からベルン周辺に住んでいたケルト系先住民族の部族名(ヘルウェティー族)に由来する。また、ドイツ語辞書によるとスイス人を著すschweizer(男性名詞で、女性名詞はschweizerin)は「熟練乳搾り人」「教会堂番人」「ローマ教皇の近衛兵」、または「スイス製チーズ」の意味も含まれる。
1291年8月1日、ウリ、シュヴィーツ、ウンターヴァルデンの原始3州が、既得権益であった自由と自治を守るため、盟約者同盟 (Eidgenossenschaft) を結成。この日が、スイス建国の日とされている。1315年、モルガルテンの戦いにおいて、農民兵で構成される同盟軍が、ハプスブルク家の精鋭部隊に大勝する。その後、加盟州を増やしていくが、各州間では宗教改革などをめぐって争いが絶えなかった(第二次カッペル戦争など)。1648年、ヴェストファーレン条約によって正式に神聖ローマ帝国からの独立を達成。
1798年、フランス総裁政府からの強力な圧力を受け、傀儡国家のヘルヴェティア共和国が成立する。近代憲法に基づく中央集権国家であったが、スイスの国情に合わず1802年に瓦解。翌1803年、ナポレオンの仲裁により従来の盟約者団が復活。1815年のウィーン会議で、国家としての「永世中立国」が認められた。
1848年に連邦憲法を制定したが、国家連合としての性格が強かった。連邦国家体制が確立するのは、1874年の改正連邦憲法以降のことである。
第一次世界大戦でも武装中立を維持したため、1920年には国際連盟の本部がジュネーヴに設置された。続く第二次世界大戦でも、フランスの降伏により四方を枢軸国のドイツとイタリアに囲まれながら、アンリ・ギザン将軍の指導のもとでなお武装中立を維持していたが、戦後になって中立違反についての多くの批判を受けることになった。第二次世界大戦後に設立された国際連合には、その設立の経緯から見て公平中立な国際機構とは言い難いことと、それに加えて国際連盟での苦い経験もあって、半世紀以上の長きにわたって加盟していなかったが、2002年9月10日に国民投票の結果を受けて190番目の加盟国となり、永世中立の国是が大きく揺らぎ始めている。
立法府が兼ねる連邦政府(内閣)は、連邦議会から選出される7人の連邦参事で形成される合議体である。内閣はドイツ語圏の諸国と異なり連邦参事会(独:Bundesrat、英:Federal Council of Ministers)と呼ばれる。7人の連邦参事(7 Bundesraete)が各省を統括し、その中の1人が連邦参事兼任のまま任期1年の連邦大統領となる。連邦議会の議場と連邦政府の各省庁のオフィスはともにベルンの連邦議会議事堂 Bundeshaus(連邦院とも訳される)の中にある。大統領の権限は儀礼的なものに限られる。
国民の政治参加に関して、国民発議(イニシアティヴ)と国民投票(レファレンダム)という、直接民主制の制度が憲法上認められているのも大きな特徴である。
2007年に行われた国民院議員選挙では、移民排斥を主張しているスイス国民党が62議席を獲得し、第1党になった。以下、社会民主党が43議席、急進民主党が31議席、キリスト教民主党が31議席、緑の党が20議席、その他13議席となった。
スイス憲法は連邦政府に委任すべき事項を規定している。憲法に規定のない事項については州政府が主権をもつ。例えば参政権の規定は州政府に主権があり、1971年に憲法で婦人参政権が確立したのちも、1990年に至るまでアッペンツェル・アウサーローデン準州では婦人参政権が制限されていた。憲法改正は容易であり、10万人の改正要求があった場合は改正提案に対する国民投票が実施される。 憲法改正が多い国で、過去140回以上にもわたる改憲を行っている。
スイス連邦には26のカントン (canton) と呼ばれる州が存在する。そのうち6は準州とよばれ、連邦議会の議員定数配分が、通常の州の2名に対し、1名だけとなっている。 カントンは、全部で2,889の市町村に分かれている。
ローザンヌ - 世界で唯一のオリンピック博物館所在地。また第一次世界大戦におけるトルコと連合国との講和の地としても有名。
チューリッヒ・ジュネーヴ・バーゼル・ベルンの各都市に空港がある。 日本からの直行便は、スイスインターナショナルエアラインズのチューリッヒ・東京間のみ。 チューリヒ空港では、ドイツ語の案内放送の後、英語で案内放送がある。
通貨のスイスフラン(CHF)は、金よりも堅いと言われるほどの世界で最も安定した通貨であり、1870年代の硬貨が未だにデザインも変更されずにそのまま製造され、流通している。国内の物価および賃金水準は高く、国民の貯蓄高も、日本並みに高い。輸入関税率は低く、高級外車などが比較的安く購入できる。スイスの欧州連合 (EU) 加盟の賛否を問う国民投票において、国民の過半数が反対票を投じる重大な理由はここにある。すなわち、スイス国民にとってEU加盟は何らメリットが見出せないのである。
近世に至るまでスイスの主な産業のひとつとして存在したのが傭兵であった。 スイスはその地形から農業などの産業を発達させにくかったため、戦力を輸出することで産業不足を補っていた。 現在は戦力の輸出は禁止されているものの、例外的に認められているケースがある(バチカンの傭兵)。
スイス鉱業は岩塩の採掘のみに頼っている。浅海の堆積物と海水が褶曲、もしくはおしかぶせ断層によって地層中に閉じ込められたことに由来する。採掘量は2002年時点で30万トン。
スイス銀行と言われる銀行(いわゆる大手プライベートバンク)は顧客の情報の守秘義務に関して国際的に有名で、刑事事件が起こっても原則として顧客の情報は外部に漏らさない。このことからマネーロンダリングの中継地としてしばしばスイス銀行の口座が使われることがある。
スイスでは、各地方の地理的・歴史的な理由から使用言語が分かれているため、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つを公用語と定めている。北部と中部では主にドイツ語が使われている(全人口の64%、右図の黄色)。その多くはスイスドイツ語と呼ばれる方言であるが、新聞や、テレビ、ラジオのニュース番組ではドイツの標準語である高地ドイツ語が使われる。ただし地方の放送局ではニュースも含めて番組はほとんどスイスドイツ語、また全国放送でもなぜかテレビの天気予報だけはスイスドイツ語である。西部ではフランス語が(19%、紫色)、南部ではイタリア語が(8%、緑色)使われている。フランス語やイタリア語に関しては、フランスやイタリアで使われているものとほとんど変わりはないが、フランス語に関しては数の数え方に若干特徴がある(70・80・90をsoixante-dix、quatre-vingt、quatre-vingt-dixではなくseptante、huitante、nonanteと言う)。
ロマンシュ語は、南東部にあるグラウビュンデン州のごく一部の人々の間で使われているだけであり、絶滅の危機にある(0.5%、赤色 - 面積は広いが人口は少ない)。スイス国民の多くは、母語の他に、英語を話すことができるので、スイス国内では英語が共通語として使える。違う言語圏のスイス人同士が会話をする場合、かつてはフランス語で話すことが多かったが、今は英語で話すことも多い。商業広告は英語で打たれることも多い。
スイス国民が信仰する宗教は、カトリックが人口の約43%、プロテスタントが約35%と、この2つでほとんど大部分を占める。他には、イスラム教が約4%、正教会が約2%、ヒンドゥー教、仏教、ユダヤ教などが、各1%未満であり、 約11%が無宗教となっている。
スイス国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が4件、自然遺産が2件ある。詳細は、スイスの世界遺産を参照。
スイスは武力によって永世中立を維持してきた重武装の国家として知られる。正規軍は近代的で高度な装備を有する。同時に殆どの成人男子が予備役もしくは民間防衛隊(ミリシア)として有事に備えている。軍事基地が高い密度で存在する上、岩山をくりぬいて建設されるなど高度に要塞化されている。ほとんどの主要な一般道路には戦車侵入防止の為の装置が常設してある。
民間防衛などからうかがい知れるようにスイス国民はあまねく有事に備えている。政府が食糧を数年分貯蔵していたり、学校にも緊急避難用のシェルターが装備されている。 国民皆兵を国是としており、徴兵制度である。20-30歳の男子に兵役の義務があり女子は任意である。スイスの男性の大多数は予備役軍人であるため各家庭には自動小銃と銃弾が(将校等は自動拳銃も)支給され各自で保管されている。地区単位で設置されている武器庫には対戦車火器や迫撃砲等が収められている。これらの支給火器が犯罪に用いられることはごく稀である。
スイス軍は陸軍のみであるが、航空隊(空軍)も保有し、船舶部隊(水軍・海軍とも呼ばれる)もある。 第二次大戦中における航空隊は中立義務を果たすため領空を侵犯する航空機を連合国枢軸国問わず迎撃した。 船舶部隊は主に国境をなすレマン湖(ジュネーヴ湖)とコンスタンス湖(ボーデン湖)に配置されている。10から20隻の哨戒艇が主力であるが、有事の際はライン川を遡行する大型商船を徴用し、武装する予定となっている。
軍事的な自立を高める為に兵器の国産化にも熱心である。かつては戦車や航空機も国産していたが多くの国と同じように開発費用の高騰で断念した。一方で小火器や装甲車の依然として高い国際競争力を持ち世界中に輸出されている。銃器のシグ社製品やピラーニャ装甲車等が有名。
国防の基本戦略は、敵国にとって仮に侵略が不可能でないとしても、侵略のメリットよりも損害の方が大きくなるようにすることにある。国連加盟後もこの基本戦略は変わっていない。
アイルランド | アンドラ | イギリス | オランダ | フランス | ベルギー | リヒテンシュタイン | ルクセンブルク
アルバニア | ウクライナ | クロアチア | スロベニア | セルビア | ブルガリア | ベラルーシ | ボスニア・ヘルツェゴビナ | マケドニア | モルドバ | モンテネグロ | ルーマニア | ロシア
イタリア | ギリシャ | サンマリノ | スペイン | バチカン | ポルトガル | マルタ | モナコ
イギリス:ガーンジー島 - ジブラルタル - ジャージー島 - マン島 | セルビア:コソボ | デンマーク:フェロー諸島 | ノルウェー:スヴァールバル諸島 | フィンランド:オーランド諸島
バチカンは国際連合非加盟。「その他」は国家の承認を得る国が少ない、又は無い国であり、国際連合非加盟。事実上独立した地域一覧も参照。
オーストリア | ベルギー | カナダ | デンマーク | フランス | ドイツ | ギリシャ | アイスランド | アイルランド | イタリア | ルクセンブルク | オランダ | ノルウェー | ポルトガル | スペイン | スウェーデン | スイス | トルコ | イギリス | アメリカ合衆国 | 日本 | フィンランド | オーストラリア | ニュージーランド | メキシコ | チェコ | ハンガリー | ポーランド | 韓国 | スロバキア

[ 122] スイス - Wikipedia
[引用サイト]  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9



お気に入り



  • track feed
    • seo