一掃とは?

Winnyウイルスで海上自衛隊の護衛艦の秘密情報が漏えいした防衛庁は4月12日、業務での私用PCの一掃やシンクライアント導入、PC内データの抜き打ち検査などを柱とする再発防止策をまとめた。
対策は防衛庁内の全機関の長などをメンバーとする検討会が策定した。Winnyウイルスによる情報漏えいでは業務に利用していた私用PCがウイルスに感染し、情報が流出するケースが多かった。そのため防衛庁は、約40億円をかけて5万6000台のデル製PCを陸海空の三自衛隊に導入し、私用PCを9月末までに一掃する。導入するPCはWinnyなどのPtoPソフトウェアを起動できなくなるようにする。ウイルス対策ソフトウェアも導入し、Winnyがインストールされた場合に検知できるようにする。原則としてデスクトップPCを導入するが、艦艇や野外での使用を想定し、ノートPCも2万4000台導入する。
また、データをサーバ側で一元管理するシンクライアントも順次導入する。防衛庁は「システムの管理者によるデータの一元管理が行われることから、端末の使用者による不用意なデータの持ち出しを防止するうえで効果的」としている。さらに、防衛庁は「市販のOSについては、各種の脆弱性を有するものがあり、このような脆弱性が原因となって情報が流出することも考えられる」と指摘し、「防衛庁に必要とされるセキュリティレベルに応じた新たなOSの導入について検討する」としている。
USBメモリなどのリムーバブルメディアについても、私用品の持ち込みは全面禁止。防衛庁が支給するリムーバブルメディアについてはICタグを貼付することなどで集中管理を可能にし、持ち出しを防止する。リムーバブルメディアに記録するデータを自動で暗号化するソフトウェアも導入する。防衛庁独自の暗号化ソフトウェアの開発も進めるという。業務に関係のないWebサイトの閲覧も制限。職員が送信する電子メールを自動でチェックし、業務データが外部に送信されることを防止する仕組みも導入する。
秘密情報の不適切な保存を防ぐため、業務で利用するPCの抜き打ち検査も行う。秘密情報の取り扱いを許可されていないPCを抽出し、月1回以上、ハードディスクのデータを抜き打ち検査する。所持品検査も強化。検査のための専門チームも組織する。防衛庁と契約する民間企業に対しても、「秘密を取り扱うことがあり得ることから、抜き打ちの保全検査を実施する」としている。
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[ 116] 40億円かけて私用PCを一掃、防衛庁がWinnyウイルス対策決定 − @IT
[引用サイト]  http://www.atmarkit.co.jp/news/200604/13/jda.html

夏の甲子園で連覇を果たした駒大苫小牧高校の野球部長(27)が、六月と全国大会期間中の八月の二度にわたって部員に暴行を働いていたことが判明しました。学校の職員として、部の運営を、安全や健康などの面から指導しなければならない部長が、生徒に暴行を加え、傷つけていたことは、きわめて重大であり、絶対に許されない行為です。
五十七年ぶりの連覇は、昨年の優勝後のさまざまな重圧を克服してのものであり、多くの高校野球ファンを感動させ、北海道の人たちに大きな勇気を与えました。暴行事件は、それを根本から裏切り、優勝旗に大汚点をつけるものです。
――六月二日の朝練習で三年生の部員がエラーをしても「にやけていた」ように見えたので、腹がたって、平手で顔などを数回なぐった。さらに、大会期間中の八月七日、宿舎で、夏ばて防止にご飯を三杯食べる決まりになっていたのに、それを破ってごまかそうとしたので、スリッパでたたいた。
暴力をふるわれた生徒の親は、「三十―四十発、拳で殴られた」、かみあわせが悪くなり、今もあごががくがくする、とのべているようです。
学校の教師による生徒にたいする暴行を、「体罰」などというのは、犯罪行為をごまかすためのものでしかありません。教育の場から根絶すべきです。
今回の事件でも、暴行の口実は、まったくささいなことです。教師であるなら、話をしてわかるようにするのが当然です。それをせずに暴力をふるったのは、かっとなって自分の立場も役割も忘れていたとしか考えられません。
実際、今年の夏の甲子園大会では、高知の明徳義塾高校が、選手の喫煙・暴力問題で、組み合わせ抽選後の四日に「出場辞退」しました。これ自体が、きわめて異常なことでした。大会出場校の部長であるなら、なおさら、同様の問題を絶対に起こさないよう指導しなければならないはずです。ところが、明徳義塾の「出場辞退」の三日後に、生徒を殴っていたというのですから、言語道断です。
学校側が、事件を知りながら、適切な対処を怠ったとみられる点も重大です。部長を「当分の間、謹慎処分にした」としていますが、問題の重大性を本当に認識しているのかどうか、疑問を感じます。
日本高校野球連盟は、駒大苫小牧高校からの報告書提出を受けて、処分を決める臨時審議委員会を開く予定になっています。問題を起こした学校への処分にとどまらず、どうすれば高校野球から暴力を一掃できるのかということを、真剣に検討し、対応策をとることが求められます。
しかし、指導―被指導の関係を、支配―被支配の関係に置き換えて暴力をふるうことは、選手の人権をふみにじる行為です。スポーツを通じてフェアな精神を育むという、スポーツ本来のあり方に反しています。

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[ 117] 主張/優勝旗に大汚点/スポーツから暴力を一掃せよ
[引用サイト]  http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-08-24/2005082402_01_2.html

市田忠義書記局長 日本共産党の市田忠義です。いま、雇用を取り巻く状況は、かつて経験したことのないような異常で深刻な事態であります。これが格差社会の根本問題の一つにもなっているわけですが、まじめに努力して、働いても働いても、貧困から抜け出せない、そういう人が大量に増えて社会問題化している。いわゆる「ワーキングプア」といわれる存在です。
総理にまずお聞きしますが、ワーキングプアとはいったいどういう状況の人々のことで、総理としてどういう認識、対応を考えておられますか。
安倍晋三首相 先般、確かNHKの番組だったと思いますが、ワーキングプアの特集の番組がなされまして、大きな衝撃を与えたというふうに聞いております。つまり、一所懸命頑張って働いているけれども、給料が大変低い水準にとどまっているということだと思います。近年、このワーキングプアと呼ばれる人々が増加をしているという指摘があるわけでありますが、給与所得三百万円以下の者の数が平成十七年度で千七百万人であるとの報告を受けています。そうしたなかには、近年増加している非正規雇用者が相当数含まれているのではないかと。
これはやはり、近年の非正規雇用者の増加というのは、経済・産業構造の変化や、また場合によっては価値観の変化ということもあるのではないかと思っておりますが、いずれにいたしましてもフリーターなど若者を中心に低所得の非正規雇用者が増加していることは、これは将来の格差の拡大につながっていくわけでありますので、十分に注意が必要であると認識しております。そのために、ワーキングプアといわれている若い方々が、非正規雇用から正規雇用に移っていく可能性をもっと拡大をしていく環境をつくらなければならないと思っております。
具体的には、フリーター二十五万人常用雇用化プラン等により、正社員への転換を推進して、二〇一〇年までにフリーターをピーク時の八割までにしたいと思っております。また、ハローワークにおいて正社員としての就職を積極的に支援していきたい。また正規、非正規の労働者の均衡待遇に向けて、法的整備を含めて検討していきたいと考えています。
市田 国税庁に確認しますが、年収三百万円以下というきわめて低い賃金の労働者が、この五年間でどれだけ増えましたか。
富田茂之・財務副大臣 国税庁が実施しております民間給与実態統計調査の結果によりますと、一年を通じて民間企業に勤務した給与所得者で年収三百万円以下の人数は、平成十二年(二〇〇〇年)は千五百七万人でありましたが、平成十七年(二〇〇五年)は千六百九十二万人であり、百八十五万人の増加となっております。(グラフ1)
市田 この五年間で百八十五万人増えた。全労働者の四割近くになったわけですが、改めて総理、どうしてこういう低所得層が急激に五年間で増えたのかお答えください。
首相 確かに増えてはいるわけでありますが、その以前からそういう傾向はあったわけでありますが、先ほど申し上げましたように、経済・産業の構造が変わっているということも一つ大きな要因でありますし、またもう一つの要因というのは、働くことの価値観もずいぶん変わってきたのではないかと思っております。
市田 働き方の価値観の違いと(いわれた)。希望してワーキングプアになりたい人がどこにいますか。私は、現実を見ない暴論だと思います。不安定雇用の若者がどういう働き方を望んでいるか。二〇〇六年の「国民生活白書」はどうのべていますか。
内閣府・西達男国民生活局長 平成十八年(〇六年)版「国民生活白書」におきましては、正社員を希望するパート・アルバイトを中心に転職希望者は増加していると指摘しておりまして、具体的には転職希望者は一九八七年から二〇〇二年の十五年間で百二万人増加したが、現職がパート・アルバイトである転職希望者の増加――九十二万人増により、そのすべてが説明できると指摘しています。
なお現在、パート・アルバイトで将来正社員になりたいと考えている人は多いと指摘しておりまして、これは具体的には内閣府で行いました「多様な働き方に関する意識調査」をもとに指摘しておりまして、例えば現在パート・アルバイトとして働いている二十代男性のうち、85%が十年後に正社員として働くことを希望しておりますし、十年後もパート・アルバイトとして働くことを希望している者は0%となっているところです。
市田 数字は明確だと思うんですね。非正規労働者というのはいま千六百万人。そのうちの八割が年収百五十万円以下なんですよ。しかも、不安定な働き方を強いられている人のほとんどが、正社員で働きたいという希望を持っている。ところが、そういう希望がなかなかかなえられない。どうしてか。原因は雇う側にあります。働き方の多様性じゃないんです。できればみんな正社員になりたい。
安い給料で、必要なときだけ雇って昇給も昇格もない。いつクビを切っても平気。企業にとってこれほど使い勝手のいい労働者はいない。自動車や電機など日本を代表するような企業でも、実際に工場で働いている人というのは正社員は少なくて、派遣だとか請負だとか契約社員、入り乱れて働いているというのが現状であります。
総理に改めてお聞きしますが、派遣や請負で、大企業の工場に送りこまれている労働者がどんな働き方をさせられているか、知っておられる範囲で結構ですからお答えください。
首相 詳細については厚生労働大臣からお答えをさせますが、いわゆる大企業の製造業の現場についてのお話なんだろうと思います。もちろん、製造業の現場では大企業の正社員の方々も働いておられると思います。同時に請負の方々が、いわゆる協力会社的な立場で働いていると思います。そのなかで近年、いわゆる偽装の請負の問題が摘発、指摘されたところです。
市田 現実をもっと直視していただきたい。NHKの「ワーキングプア」をご覧になったのだったら、どういう感想を持ったかというのを自分の言葉で語っていただきたかったと思うんです。あれは、派遣や請負で働く人々に共通する姿であって、例外ではないのですよ。
例えば、神奈川県内の自動車メーカーで派遣労働者として働いていた人。時給は千二百円。工場のラインで塗装の傷やほこりを点検する仕事。昼間は八時から十七時まで。夜は二十時から翌朝の五時までの勤務が一週間おきに組まれる。時差ぼけから疲れが取れない日々が続いた。仕事が遅い人は容赦なくクビです。
月収は二十万円。何か一見高いようにみえるけれど、派遣会社が管理している3LDKの寮に三人で共同生活をしている。給与から寮費が五万円引かれる。布団代、共同使用の洗濯機、冷蔵庫、テレビの利用料で一万円引かれる。水光熱費で一万円引かれる。そして所得税や社会保険料を引かれると、手取りはわずか十万円です。
ある日、四〇度の熱で寝込んだら、派遣会社から「マスクをしてでも仕事に行け」、そういわれた。ついに倒れたら「もうお前はいらない、寮から出ていけ」と。新たにアパートを借りるお金もなくて、この人はホームレスになった。日本を代表する大企業の生産現場で、こういう働かせ方が広がっている。総理は異常だと思われませんか。
首相 基本的にもちろん労働基準法に違反する働き方をさせているのであれば、ただちにそれは法の執行をしなければならないと思うわけであります。いずれにいたしましても、いわゆるワーキングプアといわれる人たちを前提に、いわばコストあるいは生産の現状が確立されているのであれば、それは大変な問題であろうと思います。
いわば非正規の方々も、正規へ、常にチャレンジができるという状況をつくっていくことにおいて、企業も積極的に向かい合うことによって、むしろ中長期的には企業の信頼感も高まり、また基本的に活力も高まっていくのではないかと思います。
市田 こういう事態を異常と思わないかと聞いたのに、どう認識されているんですか。異常と思うのですか。いかがですか。
首相 いまおっしゃったような例が、特定の企業で続発をしているということであれば、それは異常だと思います。
市田 私がいま紹介したのは、極端な例ではないのです。氷山の一角なんですよ。だから社会問題化しているわけですよ。そういう認識では、私はいまの実態を改善できないと思うのです。
こういう働かせ方を可能にしているのが、派遣や請負、そして偽装請負です。わが党はこの間、偽装請負問題で、この予算委員会をはじめ、いろんな委員会でも繰り返して追及してきました。今月三日、ついに大阪労働局が、派遣会社を偽装請負で行政処分しました。何が問題で、誰を処分しましたか。
柳沢伯夫厚労相 ただいまご指摘の大阪労働局による処分の対象会社につきましては、労働者派遣法に違反する請負を継続していたこと、労働者派遣法第五〇条に基づく報告徴収に対して正しくない報告を寄せていたこと、平成十七年六月にすでに業務改善命令を発出していたにもかかわらず、順法体制が十分確立されていなかったことが明らかになりました。
このため本年十月三日、大阪労働局長はこの企業に対しまして、企業の姫路営業所については一カ月間、その他の事業所については二週間の事業停止、これは新規の契約を排除するというものでございますが、そういうことを命ずるとともに、請負事業の総点検と是正、違法な労働者派遣の再発防止措置、順法体制の整備等を内容とする事業運営の改善命令を発出したところでございます。
厚労相 この会社は、一つの企業グループのメンバー企業でございまして、そのグループ会社の名称は「クリスタルコーポレート」かと存じます。
市田 聞いていることがお分かりになっていないんじゃないですか(議場から失笑)。コラボレートというのは、労働者を派遣した会社なんです。受け入れた企業はどこですか。(「大臣知らないのか」の声)
厚労省・高橋満職業安定局長 ただいま大臣がお答えしました処分事案にかかわっての、株式会社コラボレートが派遣をいたしました事業所・企業にかかわる情報ですが、これは個別企業にかかわる情報でございますので、お答えを差し控えさせていただきます。
市田 そういう姿勢だから、問題がなくならないんですよ。どうして企業名を公表できないのか。問題があるから調査に入ったんでしょう。だめですよ。
職業安定局長 派遣事業におきましては、許可の対象になっておりますのは派遣元事業所でございます。当の事案で申し上げれば、株式会社コラボレートでございまして、ここの許可事業所にかかわっての行政処分ということでございますので、そのようにご理解いただきたい。
コラボレートというのは、クリスタルという人材派遣グループの中核的な企業ですが、このコラボレートは、実際は労働者派遣であるのに、請負を装っていた。労働者派遣と請負では、労働者を実際に働かせているメーカーにとって、どこが違うのか。柳沢大臣、もう少し簡潔に分かりやすく、テレビをご覧になっている方に説明してください。
厚労相 請負契約というのは、委員もご承知の通り、ある一つの仕事を完成するということを請け負う、それが債務上、契約上のサインです。そういうものでございますが、他方、労働者派遣法というのは、一人ひとりの労働者を雇用している先から派遣先に派遣をさせるというものです。一番端的にいえば、そういうことです。
市田 まったく質問を聞いておられないんですかね。ユーザー、それ(労働者)を受け入れた企業にとってはどう違うのかと聞いているんです。ちゃんと質問予告しておきましたよ。
厚労相 これは、受け入れた企業においては、ある一つの仕事、たとえばメーカーであったらこん包などの部門が請負で下請けに出されることが多いわけですが、そういうことは専門のこん包会社がやるのが効率的である、こういうようなメリットがあるということです。それから、派遣の職員の場合は、通常、そういう特別のいろんな知見を持っているような労働者を、必要なときに必要な期間使うことができる。こういったことが、原則的に受け入れ先のメリットだろうと思っています。
市田 まだ分かっておられないと思うのですが、派遣の場合は、労働安全衛生にかかわる使用者責任が、メーカー側には発生するんです。一応ね。ひどい働かせ方をさせられているけれども。そして、一年以上派遣が継続した派遣労働者に対しては、メーカー側は、直接雇用いたしますという申し入れを労働者に対してしなければならない義務を負うんです。
請負はそういうことは一切いらないんですよ。労働安全衛生にも、何の責任を持つこともいらないし、どういう期間働かせようが、正社員になりますかということを申し入れる必要もない。ほかにもいろいろ違う。社会保険に入っているか入っていないか。一番大事なポイント、いま一番問題になっていることを、全然お答えになってないんですよ。
クリスタルは、請負を装うことで、受け入れ先である電機や自動車などの製造会社の負担を軽くしてやるというやり方で、急速に業績をのばしたという会社なんです。このグループのオーナーが系列会社に徹底している「人生観と経営姿勢」、私は読んで驚きました。こう書いてあります。
「大競争に勝ち残り業界NO1になるには、プロは規制規制(ママ)の違法行為が許される。境界線で勝負する」「第三者に迷惑をかけない違法、嘘(うそ)は許される」。違法のすすめそのものであります。
このクリスタルグループは、以前、日本共産党の大門(実紀史参院)議員が予算委員会で質問しましたが、給与の前借りをした労働者から、返済利子をとることまでやっていた。当時厚生労働大臣は予算委員会の尾辻(秀久)委員長でした。尾辻委員長はそのときに、どう答えられたか。「労働基準法違反は許されない。しっかり調べる」。そう答弁されました。調べましたか。
厚労相 私は、市田委員の質問を真正面から受け止めているんです。どういうことが受け入れ先のメリットかといったら、私がいま言ったようなことがメリットだという、まず第一にそれを答えるのは、私は当然だと思います。
調べたかという質問に対しては、調べて、先ほど私がふれたような業務改善命令等を発出した。なおそれが十分に矯正されないということのもとで、今度のような処分につながったというふうに私は理解しています。
市田 ということは、金貸し業までやっていたことが明らかになりました。クリスタルグループというのは違法のデパート、そう言ってもいい名うての問題企業。ですから、今度の行政処分にもなったのですが、ただここで問題なのは、そのコラボレートを使って偽装請負の一番の恩恵を受けていたのは誰かというと、労働者の供給を受けている製造業者なのです。
そのメーカーの側でもコラボレートからの労働者の受け入れが法律に違反する偽装請負だということは十分認識していたはずなんです。偽装請負というのは、労働者を食い物にして派遣会社も受け入れる企業も双方が利益をあげる、いわば法違反の「人入れ稼業」そのものであります。
パネルを出してもらいましたが、受け入れる企業は正社員を一人雇えば、ここに書いてあるように、年金や健康保険料などの福利厚生費を含めると時給で大体三千五百円ぐらいかかる。これを派遣会社から派遣してもらうときは、二千五百円でいけます。ここで製造業者は千円もうける。派遣会社は労働者に千円しか払わない。ここで千五百円もうける。ここ(製造業者)ももうかるし、ここ(派遣・請負会社)ももうかる。一番損するのはここ(労働者)なんです。直接雇用すればこう(三千五百円に)なるのに。こういう仕組みが派遣・請負の仕組みなのです。
自分の工場に働いている人間に対して何の責任も負わない。先ほど具体的な事例を紹介したように、ほとんど前近代的な労働条件に置かれている。そのことにも何の関心もユーザー側は示さない、社会保険に入っているかどうかも、本来自分たちが責任を負わなければならない自分の企業内で働いている人の安全と衛生にも全く関心も責任も持たない。ただ、部品のようにモノのように働く人を扱って恥じない。私はこれはモラルハザード(倫理欠如)、ロー(法)ハザードの極みだと思う。総理、そう思いませんか。
首相 それはいろいろな例があるだろうでしょうけれども。もし経営者がまるで働いている人間を部品のように考えているのであれば、それは間違いだと思います。
市田 厚生労働省に聞きます。コラボレートから労働者の供給を受けていた企業はどこか。また、どれぐらい受けていましたか。
厚労相 われわれが処分をしたのは株式会社コラボレートでございまして、その労働者派遣なり請負の事業の現場がどこであったか、どの企業の中にあったかということについては、私どもとしては将来の行政の正しい運営を考えるなら、細目にわたってご説明するのは差し控えさせていただいているところであります。
市田 あまりにも無責任だと思います。私はクリスタルグループが一体どれだけのメーカーに何人労働者を供給しているかを示す資料を入手しました。それによると全国で千九十一の事業所に、およそ四万三千人の労働者を供給している。決して例外的なことじゃなくて、日本の製造業全体を深くむしばんでいる実態が明らかになりました。
クリスタルグループが労働者を供給している企業には、当然クリスタル以外の他の人材派遣会社からの供給もある。その数は十万二千七百三十二人にも及ぶということが入手した資料のなかで記されている。一見華やかな日本の製造業の現場では、これだけの数の派遣や請負労働者が、まるで女工哀史を思い起こさせるような前近代的な劣悪な労働条件で働いている。私はクリスタルグループから百人以上の労働者の供給を受けている事業所を抽出してみました。これがそのパネル(左図)ですが、百一事業所もあるんです。しかもその大半が請負なのです。
松下グループが二千七百一人、キヤノングループが三千三十三人、ソニーグループが千四百八十五人、東芝グループが八百五十五人であります。いまの製造現場の実態からして、メーカーの側の指揮監督なしで労働者を働かせることはできないわけですから、純粋な請負などは製造現場、ラインではないのですね。ほとんどが偽装請負であることは明白なのです。
派遣事業者はもちろん、その業者から派遣や請負労働者を受けている製造業者も違法な働かせ方で不当な利益を得ているわけですから、受け入れている製造業者にたいしても厳正な指導が必要だと思いますが、いかがですか、総理。
厚労相 これは法に基づいて私どもは行政を展開し、また必要に応じて司法的な手続きの発端をつくっているということでございますので、そのようにご理解をお願いしたいと思います。
市田 偽装請負と認定されたということは、実態は派遣だったという認定を受けたということなんですね。だから、製造業に一年以上派遣した場合には、受け入れたユーザー、いわゆるメーカーの側に新しい責任が生じますね。どういう義務が生じますか。
職業安定局長 一般論でお答えいたしますが、派遣を受け入れた事業所におきまして偽装請負という派遣法違反の事案が生じました場合には、派遣元のみへの指導のみならず、派遣先への指導ということも先ほど大臣の答弁がありましたようにやっているわけでございます。指導の結果として十分に派遣先の対応がなされない悪質な場合については、派遣法に基づきまして、勧告というものができることになっております。
職業安定局長 いわゆる派遣労働者の雇用の安定を図るという意味で、一年を超えて派遣が行われる場合、派遣先の雇用、直接雇用ということに対する努力義務が生じてくることになります。同時に一年以上というのは努力義務ですが、同時にそれぞれの業務について派遣期間が制限期間がある場合の業務につきまして最高三年まで認められておりますが、最高三年を超えて派遣を受けたいという場合につきまして、これは同時に申し入れをしなければいけないという規定になっています。
市田 そういう義務が生じるんです。だから偽装請負だったというのは派遣だったわけですから、そういうことがわかったら(派遣期間が)一年以上になった場合には「正社員として働く意思がありますか」と申し入れる義務が生じるんですよ。
総理は「再チャレンジ」とたびたび言われます。働いている人にそういうはっぱをかける前にいまある法律を厳正に活用するだけでも数万、数十万という単位でワーキングプアといわれている劣悪な環境に置かれている若者を安定した生活に戻すことができるんです。
私は総理に言いたいんですが、メーカーに対して直接雇用への働きかけを、それこそ厳格にやるべきだと、本会議での私の質問に、「そういう場合は厳格に、厳正にやります」とおっしゃったわけですから、メーカーに対しても直接雇用への働きかけを厳格にやるべきではありませんか。
首相 いま委員がご指摘のいわゆる偽装請負等につきましては、法令、労働基準法に反しているのであれば、適切に厳格にこれは対応していかなければならないと思っています。
市田 受け入れた企業やメーカー側にも厳正な指導をやるということを総理は言われました。確認しておきたいと思います。
次に、こういう事態が日本中に広がったのは、企業の要求だけではないんです。政府の後押しがあった。とくに二〇〇三年の労働者派遣法の改定で、それまで禁じられていた製造業への労働者派遣が認められることになった。そのことが一気に製造現場での派遣・請負の拡大を加速した。
厚生労働省にお聞きしますが、製造業への労働者派遣を行う事業者は、〇四年三月時点ではいくつ、〇五年三月、〇六年三月それぞれいくつかお答えください。
職業安定局長 お答えいたします。製造業務に派遣を行う旨の届け出を行っている事業所の数でございますが、それぞれ三月時点で申し上げますと、〇四年におきましては六百十三事業所、〇五年におきましては四千三百三十七事業所、〇六年におきましては八千十六事業所とあります。(グラフ2)(「ほう」の声)
市田 〇三年に労働者派遣法の改悪があって、製造業にも派遣労働者を雇い入れていいと(なりました)。〇四年から施行されたんです。そこから急激に増えている。実に十三倍ですよ。この大本をたださない限り、いくら総理が「再チャレンジ」を叫んでも、いま起きている異常な事態は決して改善されない。
一九八五年に労働者派遣法がつくられたときもその後の改正でも、〇三年までは製造業への派遣は認めていなかった。その理由はなんだったか。一九九九年四月二十八日衆院労働委員会の当時の渡辺(信)職業安定局長のその部分の答弁を読み上げてください。
「製造業におきます派遣の適用につきましては、特に製造業の現場にこれを適用することについて、強い懸念が表明されたところであります。…改正法案におきましても、こういった意見に留意をいたしまして、製造業の現場業務につきましては、当分の間、労働省令においてこれを適用しないこととするというふうにしておるところであります。これは、特に製造業において、今委員が御指摘ありましたように、いわゆる偽装請負というふうなものがまだ存在するのではないか、こういった懸念があるために、今回もこういった措置になったというふうに理解しております」
市田 政府自身が懸念していた通りの結果が出たわけであります。製造業への解禁で、偽装請負が減るどころかいっそう蔓延(まんえん)することになっていた。やってみて心配した通りの誤りがはっきりしたんだから、もとに戻すべきではありませんか。
首相 いずれにいたしましても、法令に反した行為が行われているのであれば、それは断じて許すわけにはいかないのでありますから、法令に反した行為に対しては政府としてしっかりと対応してまいります。
市田 製造業にも派遣を認めた。その結果、どういう事態が起きているか。去年東京労働局の調査で、派遣会社の法令違反と、業務請負会社の法令違反はどれだけありましたか。
職業安定局長 お答えいたします。東京労働局が二〇〇五年度に行いました指導監督状況でございますが、労働者派遣事業にかかわります八百七十五の事業所のうち、73・7%、また業務請負にかかわります百七十五事業所のうち、84・6%。合わせますと75・5%の事業所で労働者派遣法等の違反が見られたことから、是正指導を実施したところです。(グラフ3)
市田 法令違反が減るどころか、ほとんどの会社が法令違反だったということをいまの答弁で認めたわけです。非人間的な働かせ方が横行しているのは自然現象ではない。その土台に、労働法制の規制緩和があったということは、事実が証明している。
政府はまったく政治の責任を感じていない。この問題は非正規で働いている人だけの問題ではないのです。家族も深刻なんです。では正規労働者が恵まれているかというと、もっと下の人がいるからあなたたちも我慢しなさい。長時間労働、低賃金、成果主義賃金を押し付けられて、心の病の人が大変増えている。
しかも社会保障の支え手を土台から崩すことにもなる。技術の継承もできない。ものづくりにも否定的な影響を与えるし、日本社会と経済の発展にとってもゆゆしき事態です。
人間らしい働き方のルールをきちんと確立する。そしていまあるルールをきちんと守らせる。それこそ政治の責任だということを強く指摘して質問を終わります。(拍手)

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