実施とは?

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(1)第36条第4項における実施可能要件違反として拒絶理由を通知する場合は、違反の対象となる請求項を特定するとともに、実施可能要件違反であることを明らかにし、不備の原因が発明の詳細な説明又は図面中の特定の記載にあるときは、これを指摘する。
物の発明にあってはその物を作り、かつ使用できるような発明の実施の形態、方法の発明にあってはその方法を使用できるような発明の実施の形態、又は物を生産する方法の発明にあってはその方法により物を作ることができるような発明の実施の形態が、記載されていないか又は記載されていないに等しいために、特許請求の範囲以外の明細書及び図面に現に記載されている事項並びに出願時の技術常識に基づいても当業者が発明を実施することができないと判断した場合には、その理由を具体的に示す。
当業者が、出願時の技術常識を考慮しても、発明の詳細な説明中に実施可能に記載されている特定の実施の形態を、請求項に係る発明の外延に含まれる他の部分についての実施にまで拡張することができないと信じるに足る十分な理由があると判断した場合は、その理由を具体的に示す。
具体的理由を示すとは、当業者が一般に正しいものとして認識している科学的・技術的事実からみて、発明の詳細な説明中に実施可能に記載されている特定の実施の形態を請求項に係る発明の外延に含まれる他の部分についての実施にまで拡張することができないとの合理的推論が成り立つ旨を示すことなどである。
(3)出願人はこの拒絶理由通知に対して意見書、実験成績証明書等により反論、釈明をすることができる。そしてそれらにより出願人の主張が適切であることが確認できた場合は、拒絶理由は解消する。審査官の心証が変わらないとき、及び審査官の心証を真偽不明になる程度までしか否定できないときは、その拒絶理由により拒絶の査定を行うことができる。
例えば、出願時の技術常識を考慮しても、ある請求項に係る発明について実施可能に発明の詳細な説明が記載されていないとの心証を得た場合には、具体的理由を示して拒絶理由を通知する。出願人は、例えば、審査官が考慮しなかった実験や分析の方法等が技術常識(すなわち、当業者に一般的に知られている技術又は経験則から明らかな事項)に属するものであり、特許請求の範囲以外の明細書及び図面の記載とその実験や分析の方法等に基づいて、当業者が当該請求項に係る発明を実施することができる旨を意見書又は実験成績証明書等により明らかにすることができる。そしてそれらにより出願人の主張が適切であることが確認できた場合は、本項違反の拒絶理由は解消する。
[請求項1]黒鉛、結合材を混練・焼成して得られる炭素からなる鉛筆芯であって、気孔率が15〜35%であり、気孔の占める全容積に対して、0.002≦a≦0.05(μm)の範囲にある気孔径aを有する気孔の占める容積の割合A(%)と、0.05<b≦0.20(μm)の範囲にある気孔径を有する気孔の占める容積の割合B(%)との関係が、1.1<A/B<1.3、A+B≧80%であり、鉛筆芯の径の50%を占める中心部に存在する気孔径aを有する気孔の容積の割合(A1)が0.8≦A1/A≦0.9であることを特徴とする鉛筆芯。
発明の詳細な説明には、本願発明の数値条件を満たす鉛筆芯を製造するために、どのような原材料を用いるか、製造条件をどのように設定すればよいか等の具体的な条件についての記載はない。
また、実施例として、本願発明の数値条件を満たす鉛筆芯は記載されているものの、その原材料も製造条件も記載されていない。
鉛筆芯の気孔率及び気孔径に関しては、その制御は難しく、配合条件、混練条件、押出条件、焼成条件等の多くの製造条件が密接に関連するものであることが知られている。しかしながら、本願明細書には、上記の製造条件をどのように調整することにより本願発明に係る鉛筆芯を製造することができるか(特に、径の異なる2種類の気孔の容積量、及び気孔の分布状態を制御する製造条件)については記載されておらず、またこれが出願時の技術常識であるということもできない。したがって、これらの製造条件を設定するためには、当業者に期待しうる程度を超える試行錯誤や複雑高度な実験等が必要である。
出願当初の明細書には、本願発明に係る物を製造することができる程度に製造条件が記載されておらず、またこれが出願時の技術常識であるということもできないので、上記の拒絶理由を解消することは、通常は困難である。
一般に、本願発明のように製造条件が物の性質、特性等に密接に関連する場合には、当該物の製造に必要な製造条件を、具体的な数値等をもって出願当初の明細書に記載する必要がある。
[請求項1]赤外線分光法により測定される水酸基,アミノ基のN−H,カルボン酸基のC=Oに由来する赤外線吸収率a,b,cが下記の式で表される数値範囲を満たすポリウレタン樹脂に、充填剤としてpH6.5〜7.0、粒径3.0〜10.0μmのカーボンブラック(A)及びpH7.5〜8.0、粒径15.0〜30.0μmのカーボンブラック(B)を(A):(B)=2:8〜7:3の重量割合で配合した樹脂組成物。
実施例においては、用いられるポリウレタン樹脂について各官能基の赤外線吸収率の数値、及び該数値が本願発明の式で表される数値範囲を満たすことが記載されており、該ポリウレタン樹脂に2種類のカーボンブラックを配合した樹脂組成物が記載されている。
(注:ポリウレタン樹脂において、樹脂の有する官能基等を特定する手段として赤外線吸収率を用いることは一般的なことではない。)
本願発明に用いるポリウレタン樹脂は、その製造方法、又はこれに代わるものとしての入手先等が記載されていない。そして、該ポリウレタン樹脂はその特定条件が特殊であることからみて、その製造方法が出願時の技術常識から明らかであるということもできず、また、出願時に当業者が入手できるということもできない。
意見書において、本願発明に係る特定の数値範囲を満たすポリウレタン樹脂の製造方法を示し、かつ、これが発明の詳細な説明に記載するまでもなく出願時の技術常識から明らかなものであることを示すか、又は、該ポリウレタン樹脂の入手先を明示し、該樹脂は出願時に当業者が一般に入手できるものであることを明らかにすることができた場合には、上記の拒絶理由は解消する。
しかしながら、該ポリウレタン樹脂の製造方法が通常のものでなく、かつ、該樹脂が出願時に当業者が一般に入手できるものでない場合には、上記の拒絶理由を解消することは困難である。
一般的に入手可能なストレプトミセス グリゼウスを特定の方法により人為的突然変異処理し、新規抗生物質Aを産生するストレプトミセス グリゼウスを1菌株取得したことが記載されているが、該菌株を寄託したとの記載はない。
本願明細書には、本願発明に係る微生物である抗生物質Aを産生するストレプトミセス グリゼウスを本願出願前に寄託したとの記載がない。また、発明の詳細な説明に記載された手法により、抗生物質Aを産生するという性質を有するストレプトミセス グリゼウスが複数菌株取得されたとの記載もないため、当業者が追試をした時に再現性をもって該ストレプトミセス グリゼウスを取得できるものとすることはできない。
抗生物質Aを産生するという性質を有するストレプトミセス グリゼウスを取得することに再現性があることを示すことにより、上記拒絶理由は解消する。
例えば、発明の詳細な説明の記載に従って追試を行うことにより、抗生物質Aを産生するという性質を有するストレプトミセス グリゼウスを、当業者に期待しうる程度を超える試行錯誤や複雑高度な実験等を必要とせずに取得できたことを示す実験データ等を意見書又は実験成績証明書等で提出することができた場合には、上記の拒絶理由は解消する。
ストレプトミセス グリゼウスのような微生物に係る発明においては、該微生物が当業者が容易に入手可能なものでなければ、本願出願前に、工業技術院生命工学工業技術研究所等のブダペスト条約上の国際寄託機関、又は、特許庁長官の指定する機関に該微生物を寄託し、その受託証の写しを願書に添付するとともに、その受託番号を出願当初の明細書に記載する必要がある。
しかしながら、本願の明細書には受託番号も記載されておらず、本願出願前にそのような寄託があったとの記載もない。
そこで、本願発明に係る微生物である抗生物質A産生ストレプトミセス グリゼウスを当業者が容易に入手可能なものであるか否か、即ち、該ストレプトミセス グリゼウスが(1)市販されているものであるか、(2)信用できる保存機関に保存され、かつ保存機関の発行するカタログ等により自由に分譲されうることが出願前に明らかなものであるか、又は、(3)明細書の記載に基づいて当業者が製造しうるものであるかを検討することとなる。
「抗生物質Aを産生するストレプトミセス グリゼウス」が新規な微生物であるとすると、上述の(1)及び(2)の場合に該当することは考えられないので、出願人は(3)を証明する必要がある。
一般に、人為的突然変異処理の場合、ある性質を有する微生物を複数菌株取得したということが示されない以上、該性質を有する微生物を取得することに再現性があるということはできないとの技術常識がある。
しかしながら、本願の発明の詳細な説明に記載された人為的突然変異の手法を用いて追試した結果、同様の微生物が調製できたことを意見書又は実験成績証明書等により示された場合には、該微生物を取得することに再現性があると推論できる。よって、そのような場合、明細書の記載に基づいて当業者が製造しうるものであるとの心証を得ることができる。
注)ストレプトミセス グリゼウス:代表的な放線菌であり、抗生物質であるストレプトマイシンを産生するものであることが知られている。
発明の詳細な説明には、成分Aの有効量、投与方法、製剤化方法については記載されているが、薬理試験方法及び薬理データについては記載がない。
出願時の技術常識及び出願当初の明細書に記載された作用の説明等からでは、成分Aが制吐剤として機能することを推認することはできない。
医薬についての用途発明においては、一般に、物質名、化学構造だけからその用途を予測することは困難であるから、出願時の技術常識及び出願当初の明細書に記載された作用の説明等からでは、含有成分がその医薬用途として機能することが推認できない場合には、明細書に有効量、投与方法、製剤化方法が記載されている場合であっても、それだけでは当業者は当該医薬が実際にその用途として使用できるか否かを知ることはできないので、明細書に特定の薬理試験の結果である薬理データ又はそれと同視すべき程度の記載をしてその用途を裏付ける必要がある。
これを本願明細書についてみると、成分Aの有効量、投与方法、製剤化方法が記載されるにとどまり、薬理試験方法及び薬理データが記載されておらず、出願時の技術常識を考慮しても、成分Aが制吐剤として使用できる程度に発明の詳細な説明が記載されているとはいえない。
制吐剤としての薬理試験方法及び薬理データを意見書又は実験成績証明書等で提出し、制吐剤として機能することを主張した場合であっても、通常、上記の拒絶理由は解消しない。
「当業者が請求項に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に、発明の詳細な説明が記載されている」とは、出願時の技術常識を前提にしていると解される。したがって、出願時の技術常識を考慮しても、成分Aが制吐剤として機能すると推認できる程度に発明の詳細な説明が記載されていない場合には、その後にその点が明らかにされたとしても、制吐剤に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に、発明の詳細な説明が記載されているとはいえない。
(1)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)由来の「Met−Ala−Ala−・・・」なるアミノ酸配列からなるタンパク質(以下、タンパク質Aという)をコードするDNAを同定、取得したこと、(2)該DNAにコードされるタンパク質Aを発現、取得したこと、(3)該タンパク質Aをマウスに投与したところ、該タンパク質Aに対する抗体が産生されたことが具体的に記載されている。
また、出願時の技術常識及び出願当初の明細書に記載されたタンパク質Aについての作用の説明等からでは、「HIV由来のタンパク質A」がワクチンとして機能することを推認することはできない。
(注:上記アミノ酸配列と相同性の高いアミノ酸配列からなるタンパク質がワクチンとして機能するとの先行技術はない。)
発明の詳細な説明には、タンパク質Aがワクチンとして機能するとの薬理データの具体的な記載はない。また、タンパク質Aに対する抗体がHIVの活性を中和したとの具体的な記載もない。さらに、タンパク質Aと相同性が高いタンパク質でHIVに対するワクチンとして機能するものが本願出願前に存在したことが技術常識であるとの証拠もない。
よって、発明の詳細な説明の記載からは、タンパク質Aを薬理効果の明らかなワクチンであるとすることはできない。
ワクチンとして機能するとの薬理データを意見書又は実験成績証明書等で提出し、ワクチンとして機能することを主張した場合であっても、通常、上記の拒絶理由は解消しない。
「当業者が請求項に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に、発明の詳細な説明が記載されている」とは、出願時の技術常識を前提にしていると解される。したがって、出願時の技術常識を考慮しても、HIV由来のタンパク質Aがワクチンとして機能すると推認できる程度に発明の詳細な説明が記載されていない場合には、その後にその点が明らかにされたとしても、ワクチンに係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に、発明の詳細な説明が記載されているとはいえない。
「Met−Ala−Ala−・・・」なるアミノ酸配列からなるタンパク質Aがワクチンとして機能するためには、「タンパク質Aを投与された動物(例えばマウス)がタンパク質Aを異物として認識し、タンパク質Aに対する抗体を体内に産生すること」、つまり、「免疫原性」を有することのみでは不十分であり、「該抗体が、タンパク質Aの活性部分等に作用してHIVの活性を阻害する」ことが必要である。
しかしながら、ある物質の活性を阻害するための抗体、つまり中和抗体は、該物質中に一般には稀にしか存在しない中和エピトープを認識する必要があり、そのような抗体が調製される蓋然性は通常低いので、タンパク質Aを投与した動物の中で、タンパク質Aに存在するか否かが不明の「中和エピトープ」を認識する抗体が産生される蓋然性は極めて低いものと考えられる。
本願発明は、IL(インタロイキン)−X阻害作用を有する化合物の新規な用途に関するものである。発明の詳細な説明には、IL−X阻害作用を有する化合物としては、IL−X阻害活性を有する化合物であれば何でもよいこと、例えば特許第○号公報による一般式(I)で示される化合物、特開平△号公報、文献××に、一般的又は具体的に開示された化合物も含むこと、その中で、特に化合物Aと化合物Bとが好ましいことが記載されている。実施例としては、化合物Aと化合物Bのみについて抗アレルギー作用を確認した薬理試験方法と薬理データが記載されている。
しかしながら、IL−X阻害作用を有する化合物が抗アレルギー作用を有することの理論的な説明は記載されておらず、またこれが出願時の技術常識であるということもできない。
本願発明のように有効成分を機能で特定し、種々の化学構造の化合物が含まれる場合には、その機能を有する化合物すべてが特定の薬理作用を有するとはいえないことが出願時の技術常識であるから、その機能を有する化合物が特定の薬理作用を有すると一般に認識できる程度の、特定の薬理試験の結果である薬理データ、又は、明細書中での理論的な説明が必要である。
しかしながら本願発明においては、IL−X阻害作用を有する化合物として種々の化学構造のものが含まれるにも拘わらず、抗アレルギー作用を確認した薬理試験方法と薬理データが記載されるのは化合物A及び化合物Bのみにとどまり、その他のIL−X阻害作用を有する化合物が抗アレルギー作用を有すると一般に認識できる程度の薬理データも理論的な説明も記載されていない。
したがって、本願発明に係る化合物すべてが、実施例として示された化合物と同様の抗アレルギー作用を示すということはできない。
化合物A及び化合物Bとは基本骨格が異なる化合物のうち、その代表的なものについて抗アレルギー作用に関する薬理データを意見書又は実験成績証明書等により提出して、一般にIL−X阻害作用を有する化合物が抗アレルギー作用を有することを明らかにすることができれば、上記の拒絶理由は解消する。
また、IL−X阻害作用を有する化合物が抗アレルギー作用を有することの薬理機作等の理論的な説明を意見書において行い、それが出願時の技術常識であったことを示した場合にも、上記拒絶理由は解消する(ただし、この場合、新たに進歩性に関する拒絶理由が生じる可能性がある点に留意されたい。)
活性Aを有するタンパク質をコードするDNAとして、「atgc・・・」なる一つの塩基配列のみが記載されている。
「atgc・・・」なる塩基配列と異なる配列からなるDNAであって、活性Aを有するタンパク質をコードするものは、該配列を基にした、いわゆるポイントミューテーション法又はストリンジェントな条件でのハイブリダイゼーション法により得ることができる、との記載はあるが、その方法により実際に取得した実施例の記載はない。
発明の詳細な説明に具体的に記載された「atgc・・・」なる塩基配列からなるDNAとは相同性が低い塩基配列からなるDNAであって、「活性Aを有するタンパク質をコードする」ものを取得することは、当業者に期待しうる程度を超える試行錯誤や複雑高度な実験等を必要とするものである。
相同性が低い塩基配列からなるDNAであって、「活性Aを有するタンパク質をコードする」ものを取得することは、当業者に期待しうる程度を超える試行錯誤や複雑高度な実験等を必要とするものであるから、請求項に該DNAが包含されないよう請求項の記載を補正しない限り、通常、上記の拒絶理由は解消しない。
(「『産業上利用することができる発明』の審査の運用指針/特定技術分野の審査の運用指針」(平成9年2月)第2章 生物関連発明 1.遺伝子工学 1.1.1(1)例2参照)
発明の詳細な説明に「活性Aを有するタンパク質をコードするDNA」として具体的に記載されているのは、「atgc・・・」なる塩基配列からなるDNAのみである。
ここで、「atgc・・・」なる塩基配列と異なる配列からなるDNAであって、「活性Aを有するタンパク質をコードする」ものを取得する方法としては、本願出願時の技術常識を考慮すると、該配列を基にした、いわゆるポイントミューテーション法又はハイブリダイゼーション法が一般的である。
しかし、両者とも実際に取得したDNAの塩基配列を基にした手法であるから、該DNAの塩基配列と大きく異なる配列、つまり、相同性の低い塩基配列からなるDNAであって、「活性Aを有するタンパク質をコードする」ものを取得することに該手法を用いることはできない。
ハイブリダイゼーション法:元のDNAと塩基配列の相同性を有するDNA、RNA等を塩基の2重鎖形成能を利用して取得する方法。
(式中、C5H4はシクロペンタジエニル基であって、Qは2つのC5H4基を架橋する基であって、−S−、−NR’−、−PR’−からなる群より選ばれ、Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルからなる群より選ばれる遷移金属であり、Xはハロゲン、−OR’’、−NR’’2からなる群より選ばれ、R’及びR’’は脂肪族、脂環族あるいは炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。)
発明の詳細な説明には、本願発明のオレフィン重合触媒は、従来のシクロペンタジエニル基を結合するQがアルキレン基、エーテル結合であった場合に比して、特定のQを選択することにより・・・という効果を有するものであることが記載されている。そして、一般にメタロセン系オレフィン触媒は、メタロセン成分とアルモキサンを組み合わせることにより製造されるものであり、本願発明に係るアルモキサンとしても通常のメタロセン系オレフィン触媒に用いられる・・・・等が使用できる旨が記載されている。
本願出願時のオレフィン重合用メタロセン触媒分野の技術常識として、メタロセン触媒の触媒活性は、その中心の遷移金属の種類、価数により著しい相違が生じるものであることが知られている。そして、遷移金属としてジルコニウム、チタン及びハフニウムを用いた場合に関してはほぼ同等の活性が示されることが知られている一方、その他の遷移金属については、活性がないか、又は活性がかなり低く触媒として不十分なものであることが知られている。
したがって、チタン、ハフニウムについては、実施例で用いられたジルコニウムと同等の活性を示すと考えられるが、その他の金属(バナジウム、ニオブ、タンタル)についてはジルコニウムと同等の活性を示すということはできない。
意見書又は実験成績証明書等において、メタロセン化合物中の中心金属がバナジウム、ニオブ及びタンタルの場合においても、中心金属がジルコニウムである化合物と同様にオレフィンの重合触媒として有用であることを示すことにより、上記の拒絶理由は解消する。
あるいは、意見書において、中心金属がバナジウム、ニオブ及びタンタルを用いた場合についても、ジルコニウムと同様の触媒活性を示す旨の技術常識を示す技術文献等を提示するなどして、審査官が拒絶理由に示した技術常識の前提が誤りである旨の反論、釈明をすることができる。そしてそれにより、出願人の主張が適切であることが確認できた場合には、上記の拒絶理由は解消する。
[請求項1] 下記の一般式(I)で示される化合物を有効成分として含有するX受容体拮抗剤。
本願発明は、一般式(I)で示される化合物の新規な用途に関するもので、X受容体拮抗剤として有用なものである。発明の詳細な説明には、一般式(I)で示される化合物において置換基Rが水素であるものについてのみX受容体拮抗作用を確認した薬理試験方法及び薬理データが記載されており、その他の置換基を用いた場合に同様の結果が得られることの根拠は記載されていない。
一般に、X受容体拮抗剤において拮抗作用を生じさせるためには、フェニレン基に隣接する酸素が受容体の対応部分と結合することが必要であることが知られていることから、本願発明の一般式(I)で示される化合物において、置換基Rの大きさは、X受容体との親和性に大きく影響を及ぼすものと考えられる。
そうしてみると、式(I)で示される化合物は、実施例において具体的に効果が示された化合物と置換基Rの大きさを異にし、出願時の技術常識からみれば、X受容体に対する親和性が同様であるということが困難と見られるものが包含されており、発明の詳細な説明において、式(I)で定義される化合物すべてが、実施例として示された化合物と同様のX受容体拮抗作用を示すということはできない。
一般式(I)で示される化合物において、置換基Rとして水素以外のもの(大きな置換基を選ぶ必要がある)を用いた場合にも、実施例と同様にX受容体拮抗作用を有することを示す薬理データを意見書又は実験成績証明書等により提出することにより、上記の拒絶理由は解消する。
あるいは、意見書において、置換基Rの大きさが親和性に影響を与えないことが技術常識であることを示す技術文献等を提示するなどして、審査官が拒絶理由に示した技術常識の前提が誤りである旨の反論、釈明をすることができる。そしてそれにより、出願人の主張が適切であることが確認できた場合には、上記の拒絶理由は解消する。
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[ 76] 実施可能要件の判断に関する事例
[引用サイト]  http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/shinsa/jissikanou.htm

国土交通省道路局は、平成14年度における道路に関する新しい施策についての社会実験実施地域を公募します。
応募資格は道路局とともに実施主体として実験が出来る地方公共団体やNPO法に基づくボランティア団体などです。
応募された実験計画は施策の新規性や有効性等の観点から比較検討され、「現地で実験を実施する地域」、「実験の熟度(実験計画、実施体制)を高める地域」の二つの区分で選定されます。
平成13年度は「現地で実験を実施する地域」として14地域、「実験の熟度を高める地域」として12地域が選定されています。
社会実験とは、地域に大きな影響を与える可能性が高い新しい施策の導入に先立ち、本格的に導入するか否かの判断材料を得るため、場所と期間を限定して施策を試行(実験)し、地域の方々や関係者が実際に施策を体験しながら施策の評価を行うものです。
地域における様々な問題等を解決するためには、既存の施策だけではなく、地域の方々や関係者がその地域の現状を踏まえつつ発案された新しい施策が有効である場合があります。
しかし、施策の導入に当たっては、価値観やニーズの多様化、生活環境に対する意識の高まりに伴い、幅広い意見を取りまとめながら考えていく必要性が高まっています。
社会実験を実施することで施策の効果が把握できるとともに問題や課題が明確となります。さらに、地域住民や関係者に体験していただくことにより合意形成の促進に役立つことから、今後の施策展開を速やかに行うことが期待できます。
国土交通省道路局では、地域の方々が発案した道路に関する新しい施策についての社会実験を平成11年度から公募し、支援しています。
申請された施策のうち、以下の要件に該当するものについて、実施する実験を選定し、実施に必要な費用等を国土交通省道路局が負担します。
これまでに行われたことのない施策であること(実施例のある施策においても、改良、組合せなどの工夫により新規性、先進性があると認められる場合や、地域性の違いを検証する場合はこれに含まれます。)
対象となる施策が、本格実施時には法令、その他諸制度の変更等を求めるものであっても、社会実験時には現行の法令、その他諸制度の範囲内で実験実施が可能なもの。
単年度で実施できる内容であり、実験終了後3ヶ月以内(但し当該年度末まで)に実験の成果について報告できること。
また、実験結果を道路行政に活用するため、実験内容や検討項目について、修正をお願いする場合があります。
申請に当たっては、申請時点において国土交通省道路局とともに実施主体として実験を実施することが可能な以下の条件を満たす団体、組織を対象とします。
施策に関連する地方公共団体とともに実験を実施することが可能な特定非営利活動促進法(NPO法)に基づく団体
国土交通省道路局が主に負担する実験費の項目としては、実験実施計画の策定費用、仮設費、仮設物等機材の借用に関する費用、効果把握のための調査・分析に係る費用等をその対象とします。他の項目も含め、独自に費用負担し、合わせて実験を実施することは構いません。
申請書類は申請地域を所轄する国土交通省地方整備局等(参考1)において実験内容について説明の上、提出してください。(電子メール・fax等では受け付けません)なお、提出された書類やその内容については、国土交通省に帰属します。
申請しようとする実験の内容についての相談や、申請書類の作成方法等の問い合わせは、申請地域を所轄する国土交通省地方整備局等(参考1)で受け付けています。(電話・電子メールも可)
申請された実験は「社会実験の推進に関する懇談会(座長:東京商船大学高橋洋二教授)」において、以下の観点から比較検討され、実験実施の候補箇所として国土交通省道路局に推薦されます。国土交通省道路局は推薦内容を踏まえ、実施地域及び実施内容を決定します。
(実験実施に向けた取組状況、関係機関(都道府県公安委員会等)との調整状況、住民意向、必要とされる施設整備の見込みなど)
社会実験の要件を満たしているものについて、懇談会による推薦や実験計画の熟度等を検討し、以下の二つの区分で選定します。
現地で実験を実施することが適当と判断された地域で、実験の企画、計画に従い実験を実施して、結果を評価・分析します。
施策の有効性等が期待されるが、実験実施のためには計画の一層の具体化や、関係機関、住民との協議調整などの実施体制の充実を図る必要性があると判断された地域で、年度末までに計画の一層の具体化を図ります。ただし、しかるべき条件が整った際には、選定された年度内での現地での実験を実施することは可能です。
実験内容にもよりますが、国の予算は1件あたり「現地での実験を実施する地域」で2千万円程度、「実験の熟度(実験計画、実験実施体制)を高める地域」で3百万円程度とします。
国土交通省道路局が費用を負担する部分については、その実験内容によって、国土交通省道路局が直接実験を実施する場合と、地方整備局が地方公共団体や申請者等に委託し実験の実施をお願いする場合があります。
実験終了後3ヶ月以内(但し当該年度末まで)に実験の成果についての報告書2部及び関連資料一式を実験実施地域を所管する地方整備局へ提出していただきます。
実験の結果や担当部署等の連絡先を社会実験ホームページ上で公開します。実験結果や実験への取り組み等に関する質問への対応をお願いします。
Acrobat Readerをダウンロードしても、PDFファイルが正常に表示されない場合はこちらをご参照下さい。

[ 77] 平成14年度社会実験実施地域の公募について
[引用サイト]  http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha02/06/060301_.html



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