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ホーム > ビジネスに役立つ情報 > 企業経営に関するトピック解説 > 日本版LLCおよびLLPの概要と活用 Page1
本年5月の会社法施行から、合同会社(LLC)の利用が可能になりました。有限責任事業組合(LLP)については、昨年8月から利用が可能となっています。LLCおよびLLPは、実務界からの強い要望により創設された、従来わが国には存在しなかったメリットを有している事業体です。本稿では、LLCおよびLLPの創設の背景やそれぞれの概要、あるいは会計処理などについて説明します。
わが国における合同会社(Limited Liability Company、以下、LLC)と有限責任事業組合(Limited Liability Partnership、以下、LLP)は、適用される法律(LLCは会社法、LLPは有限責任事業組合契約に関する法律。以下LLP法)は異なりますが、両方の制度創設の背景は同一のものであったといえます。
わが国だけでなく、各国においても、産業構造は重厚長大型産業から人的資産集約産業へと大きく変化していると言われています。この変化を背景として、優良企業は、人材確保のために長期雇用を掲げたり、また、人材重視経営や人的組織の再評価が行われたりしつつある状況といえます。
このような状況下において、熟練した技術力や、知識、ノウハウ等の人的資産を競争力の源として事業を展開していこうとする場合には、株式会社制度が必ずしも最善の選択肢となり得ないことも考えられます。人的資産を中心として事業を展開していこうとする場合は、人的資産を持った個性のある人たちの集合体となり、そこでは出資者が自ら経営に参加する「所有と経営の一致」した人的組織がより好ましい事業組織として評価されることになります。また、人的組織においては、組織内の運営をなるべく自治に委ねることが、効果的、かつ迅速な意思決定を行うために必要な条件と考えられます。
このような性格を持った従来からの事業体としては、組合、合名会社あるいは合資会社の制度があります。これらは出資者が原則として事業運営にも参加する人的組織であり、運営の自治も大幅に認められています。しかしながら、組合、合名会社あるいは合資会社は、無限責任のある出資者が存在することを前提としての制度であり、出資者にとってはリスクが大きく、これらを利用することには躊躇するものがあり、限界があったといえます。
したがって、人的資産を有効に活用できる、有限責任と運営の自治を兼ね備えた新しい事業形態の創設が望まれることとなりました。
また、米国やイギリスなどでは、同様の性格を持ったLLC(Limited Liability Company)やLLP(Limited Liability Partnership)が多分野で活発に利用され、経済成長の一要因になっているとも言われ、わが国にもこれらの事業体の創設のニーズが高まりました。
このような背景のもと、新しい事業形態の実現に向け、実務界からの要望を受けた経済産業省は平成14年度末に日本版LLC制度の創設に向けての研究会を発足させ、制度創設に向けての提言を行いました。その頃、会社法制の現代化のための検討が行われていたこともあり、新しい会社法制に取り込む形で日本版LLC(合同会社)創設の法制化の提案がなされました。
しかし、このLLC創設の論議の中で、財務省から「LLCは会社法に基づく会社であり、法人格を有することから法人課税を行う予定である」との見解が出されました。実務界からの有限責任の人的法人(LLC)創設の主たる狙いが、米国などと同様に構成員課税(パス・スルー課税)の適用の容認にあったこともあり、その思惑ははずれることになったといえます。
このことから、実務界および経済産業省は、構成員課税を原則とする組合の一形態であるLLP(有限責任事業組合)制度創設へと方向転換を行いました。平成16年9月にLLPに関する研究会を立ち上げ、同12月に「LLP制度の創設の提案」を公表し、LLPの創設を促進しました。
LLPの制度はただちに法制化され、平成17年4月27日に「有限責任事業組合契約に関する法律(LLP法)」が国会で可決成立され、同年8月1日に施行されました。
LLPは組合の一形態であり、会社(法人格を有する)であるLLCとは法形態は異なりますが、実務界や経済産業省が目論んでいた、有限責任で運営自治が認められ、かつ構成員課税が適用される新しい事業形態として創設され利用されることとなりました。
一方、LLCは平成17年6月29日に成立した会社法における新しい会社形態として、平成18年5月よりその利用が可能となりました。
LLCは当分の間法人課税がなされると思われますが、平成17年6月28日の参議院法務委員会の会社法に対する附帯決議のなかで「合同会社に対する課税については、会社の利用状況、運用実態等を踏まえ、必要があれば、対応措置を検討すること」の旨の決議がなされており、今後の、構成員課税適用への含みが持たされています。
LLCとLLPは会社(法人格を持つ)と組合(法人格を持たない)という法的形態は異なりますが、いずれも営利を目的とし、出資者全員の有限責任が担保され、かつ運営が自治に委ねられている事業体であり、多くの共通点があります。
また、会社法における株式会社制度は有限会社法制との一体化がなされたこともあり、非公開株式会社(株式譲渡制限会社)の規律は従来の株式会社のものに比べ大幅に経営の自由度や定款自治が認められました。この意味では譲渡制限株式会社も程度の差はあるものの、LLCやLLPと同様の性格を持つこととなったといえます。
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[ 168] あずさ監査法人 | 日本版LLCおよびLLPの概要と活用 Page1
[引用サイト]  http://www.azsa.or.jp/b_info/letter/87/01.html



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