待望とは?

先週、堀江前社長に実刑判決が言い渡されました。彼のいなかった14カ月間の日本のインターネット業界を見ると、閉塞感が漂っているように思えます。彼にこの間のIT・ネット業界の発展度合いについて聞いてみたい気がします。
ライブドアの堀江前社長への判決が先週言い渡されました。2年6カ月の実刑判決。執行猶予はつきませんでした。有罪になることはある程度想定されていたとはいえ、執行猶予ナシの実刑判決には重すぎるのではないかという声も上がっています。
判決の妥当性、刑の重さなどに関しては法律の専門家に委ねたいと思いますが、もし今後の控訴を経てもこのまま実刑確定ということになれば、ホリエモンはしばらくは社会活動、経済活動ができなくなります。
ライブドア事件で東京地検によるライブドア本社の家宅捜索から14カ月が経過しました。その間、ホリエモンのみならずライブドア関係者はまともなインターネット事業が行えていません。ライブドアにいたっては、均衡縮小の道を模索し、同社のサイト上では次々とサービス終了、サイト閉鎖のお知らせが並んでいます。
ライブドアがまっとうなインターネット企業であったか、あるいは虚業であったかという点に関してはエンドレスな議論がありますが、同社の有している(もしくは有していた)インターネットサービスを鑑みるに、収益を上げていたかどうかは別として、同社が日本有数のインターネット事業を行っていたことは否定できないかと思います。そういう企業、そして経営者がこの14カ月間実質的に機能していなかったというのは、日本のインターネット事業の発展という観点からはロスということになります。
どの産業にも栄枯盛衰が存在し、衰えていく産業があれば、これから発展し成長していく産業も存在します。IT・インターネット産業はまだまだこれから発展していく産業であることを否定する人はいないと思います。一方、日本のエスタブリッシュ層の中ではまだその業界を1つの業界として認めない人達も多く存在します。
非常に粗いシミュレーションではありますが、今回のライブドア事件による堀江前社長を、例えば日本の高度成長期初期における本田技研の本田宗一郎氏、ソニーの盛田昭夫氏や井深大氏などに置き換えて想像してみるに、もし、当時彼らが同様の粉飾決算を働いていたとして、その判決に執行猶予はついたでしょうか。今後の日本の経済成長を考えるに必要不可欠な企業と人材という判断で、せめて執行猶予はついたのかなと勝手に想像します。もちろんこれは法律的判断を別にしたものですが、ただ、どの判決もピュアに法的解釈のみによって行われるものではなく、民意や裁判官の心情などが大きく左右するであろうことは抗えないと思いますので。
これは別にホリエモンがそれら偉大なる日本の起業家達、経営者たちと同レベルで偉大だと言いたいわけではなく、単純に日本の今後の経済成長に不可欠な産業、企業、人物であると思われる場合は、早期の更生を願い、国力向上への貢献を持って罪を償うという発想もあるのかなと思ったりしたのでした。
技術立国日本ですが、実際のその姿はこの20年ほどは世界を席巻するような発明があまり存在しないという有様です。そういえば、偉大なるVHSの発明をしたビクターもとうとう自主再建の道が立たれ、どうやらファンドに売却される様相です。一方、アメリカではMicrosoft、Googleなど様々な新興企業が世界中の人達の生活を激変させるような発明を行っています。
カネボウ、山一證券など、過去に粉飾決算を行って有罪となった企業経営者はたくさんいましたが、みんな執行猶予がついていたそうです。それら経営者はもう人生の折り返し地点はとっくにすぎていて、後はいかに残された余生を楽しむかという年齢に達していました。日本の産業発展に貢献できる年数という意味では決して長くはなかったでしょう。
一方のホリエモン。彼はまだ30代半ばです。今後彼の能力、才能を活かせば、まだ日本のインターネット産業の発展の余地は多くあると思われます。
ライブドア事件以降の14カ月間の日本のインターネット業界を俯瞰してみるに、Web2.0狂想曲が流れていただけで、実質的にはあまり大きな発展はありません。むしろどの企業でもライブドア事件以降の後遺症にさいなまれているというありさまです。今や時価総額ではインターネット企業の最大手となっている楽天にしても、先日の決算発表での会見を聞く限りは、今後の成長は海外での事業拡大に求めるという状況で、どうやら日本のインターネット業界の発展という意味では閉塞感が漂っています。
国、経済の閉塞感を打破する、そして既得権益、規制と争い1つ1つ打ち破っていくのがホリエモン流でした。今の閉塞感漂うインターネット業界の状況、そして、同業界が今後の日本経済の発展に寄与することは間違いないだろうことを鑑みるに(エスタブリッシュ層はそうは思っていないと思いますが)、今回、ホリエモンに対して執行猶予がつかなかったことは、マクロ的に見るともったいないのかもしれないと思ったりしました。
この週末、ホリエモンがテレビ出演をしていましたが、質疑応答は主に判決内容に関してでした。私が質問をできる立場であれば、この14カ月間、もしライブドア事件が起こらずライブドアという企業を経営し続けていたのであれば、どういうインターネットサービスを提供していたのか、また、今すぐに経営に復帰できるのであれば、どういうサービスをしたいか、また、この14カ月間のインターネット業界の発展度合いを見て、何を思うかなどについて聞いてみたいなと思いました。
ただ、ホリエモンは球団買収、衆院選選挙立候補、宇宙事業など、インターネット以外の分野に対しての興味が高まっていたようですので、今更インターネット業界に対しての熱い想いはホリエモンの中には存在しないのかもしれません。それであれば、ホリエモンに執行猶予がつこうがつくまいが、あまり関係ないということになりますし、いくら過去の粉飾決算を行った経営陣に執行猶予がついていたとしても、当時と今では株式市場、企業の内部統制、コーポレートガバナンスに対する考えも大きく変わっており、今ではむしろ厳しく対応していくことが望まれていますので、その意味では実刑判決というのは、今後の日本企業の経営環境、株式市場のあり方を正す意味では時代の趨勢的にはアリなんだと思います。
ただ、個人的には、今の閉塞感漂うインターネット業界において、再びホリエモンのような存在が欲しいなと思ったりします。停滞が続く新興市場ですが、またしばらくはこの流れ続いてしまいますかね……
リーマン・ブラザーズ証券、UBS証券にてM&Aアドバイザリー、資金調達案件を担当。2004年春にソーシャルネットワーキングサイト運営会社を起業。同事業譲渡後、ベンチャーキャピタル業に従事。2006年1月よりワクワク経済研究所LLP代表パートナー。現在は、テレビなど各種メディアで株式・経済・金融に関するコメンテーターとして活動。著書:『図解 株式市場とM&A』(翔泳社)、『恋する株式投資入門』(青春出版社)、『投資事業組合とは何か』(共著:ダイヤモンド社)、『投資銀行青春白書』(ダイヤモンド社)、『OL涼子の株式ダイアリー―恋もストップ高!』(共著:幻冬舎)、『口コミ2.0〜正直マーケティングのすすめ〜』(共著:明日香出版社)、『M&A時代 企業価値のホントの考え方』(共著:ダイヤモンド社)、『なぜ株式投資はもうからないのか』(ソフトバンク新書)。ブログはhttp://wkwk.tv/chou/
前回の読者から「今後の予測が足りないのでは?」というご指摘を受けました。今回は続編として今後の展開に絞って考えてみました。
楽天がTBS株式を大量取得してからまもなく1年半。目に見える事業提携協議の成果はないままですが、TBSの株価はいったんは下落したもののその後上昇していまは高値圏にあり、楽天にはかなりの含み益が発生しています。今後の展開を予測しました。
日経平均やTOPIXが6年ぶりや15年ぶりという高値水準に戻してきました。日銀の利上げもあり為替の動きが注目されていますが、国内のネット関連企業は内需型企業なので一見、為替の影響はなさそうですが……
楽天は先週発表した2006年12月期決算で、金融部門の不振から初の経常減益となりました。本業だけ力を入れていればよかったのにと言えなくもないですが、楽天は数少ないコングロマリット経営の成功モデルなのです。
経済系TV番組でモバゲータウンを取り上げようと思ったのですが、スタッフに説明するのに一苦労。ところがあるきっかけで反応が変わりました。
25位:【第10回】レコメンデーションの虚実(10)〜「テープを作ってあげるよ」から生まれるボランティア精神とリスペクト
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[ 33] ITmedia アンカーデスク:ホリエモン待望論
[引用サイト]  http://www.itmedia.co.jp/anchordesk/articles/0703/19/news030.html

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2005年秋、私たちは、既存の企業システムを変革するオルタナティブにスポットライトを当て、その変革の担い手である「次世代ITリーダー」を支援するIT情報発信サイトへとITmediaエンタープライズを進化させたいと考えました。
企業を取り巻く環境がめまぐるしく変わる中、とりわけそのビジネスを支えるITが、大きな変革を迫られているのはご存じのとおりです。
ドットコムバブルが消失して以降、この業界はある種の閉塞感が支配してきました。運用管理コストが企業にとって重石となり、ただでさえ抑制されているIT支出の7割から8割を占めるともいわれています。築き上げたエンタープライズシステムも経営の視点から見れば、その抜本的な再構築が迫られているのです。もはや場当たり的な改善では、真のシステム統合や情報活用が不可能といえるでしょう。
こうした流れを「西暦2007年問題」はさらに加速しています。築き上げたエンタープライズシステムの多くが、今以上にブラックボックス化してしまうからです。
2005年秋、私たちは、既存のエンタープライズシステムを変革する、第2、第3の革新的な技術や選択肢(オルタナティブ)にスポットライトを当て、その変革の担い手である「次世代ITリーダー」を支援するIT情報発信サイトへとITmediaエンタープライズを進化させたいと考えました。
革新的な技術の芽は、この業界の至るところに見られ、現れては消えていきます。そうした厳しい淘汰の中から次世代のエンタープライズシステムを支えるオルタナティブが生まれてきます。ITmediaエンタープライズでは、カテゴリーにとらわれず、常に新しい潮流を把握できる「オンライン・ムック」を展開し、エンタープライズシステムの再構築に取り組むITマネジャーらの意思決定を支援していきたいと願っています。
また、6月中旬に開設しました「ITmediaオルタナティブ・ブログ」は、ITmedia エンタープライズの多彩な寄稿者らが、ブログの特徴を生かして情報を発信し、読者とのダイレクトなコミュニケーションも図っていく、これまでにないブログ・メディアとして、順調にその規模を拡大しています。
今回、ITmediaエンタープライズのリニューアルにあたり、期間限定ながら、IT業界のトップの方々がオルタナティブ・ブログにご参加いただけることになりました。テーマはこちらも「待望! 次世代ITリーダー」。スタートは10月3日、トップバッターとして日本オラクルの新宅正明社長が登場します。卓越した経営者でもある彼らの日ごろの考えに触れる良い機会となればと願っています。
Oracleは2003年、サンフランシスコのOracle OpenWorldにおいて、gridの「g」を製品名に冠した「Oracle Database 10g」を披露した。あれから4年が過ぎ、エンタープライズ向けのグリッド技術は、需要の変化にも柔軟に対応でき、IT資源を有効活用できる、今すぐ使える技術として浸透した。
今年創業30周年を迎える同社はこの夏、久々のメジャーリリースを発表し、変化に伴うリスクやコストの低減する機能も新たに搭載した。Oracleの次なる一手とは何か? 「Oracle OpenWorld San Francisco」では、新たなステージへと踏み出したOracleの全貌が明らかとなる。
「SEOポイズニング」の影響、日本語サイトやほかの検索エンジンにも「excel」「vpn」などキーワード検索でマルウェアサイトに誘導「うちは大丈夫」「資金がない」が招く情報漏えいApple、MacBookが“絶好調”――デスクトップシェアを引き離すKDDI、PC向けデータ定額プランと専用データカード「W05K」を発表「Googleポイズニング」攻撃第2波の兆し?「友達から届いたYouTubeビデオ」に要注意、人気便乗スパム相次ぐ手元に届いた「イマドキの日本語スパムメール」スパムはこれからどうなるの? これからも進化し続けます!編まさかの漏えい、その損失はいくら?執着がないからできる?――「お金もうけなんて簡単」
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検索の進化が人々の生活様式を変えたように、検索テクノロジーの進化とイノベーションは隣り合わせにある。次世代検索が示すテクノロジーは次なるイノベーションを巻き起こすのか。
ビジネスインテリジェンスの新潮流 〜パフォーマンス マネジメント〜:第2回 組織知性とパフォーマンスマネジメント
今再び注目を集める「BI:ビジネスインテリジェンス」。だが、組織全体で共有されないインテリジェンスでは意味がない。連載2回目は、情報を共有することで可能となる「パフォーマンスマネジメント」の真髄を探る。
モバイルサイトの世界だけで展開されるサービスが、現実世界に飛び出したら、どうなるのだろう。そんな試みにKDDIとサイバードが挑んだ。
上司が部下の業績を正しく評価(レビュー)して初めて成り立つ成果主義。だが、この評価の仕組みを理解せずにおきて破りの行動に出る上司もいるのだ。
ハッカーの多くは何らかのスピード狂的側面を持っているようです。しかし、最適化を始める前には、その作業が無駄になるかならないかを見極める必要があります。
年末が近付き、「Web of the Year 2007」の季節がやってきた。オルタナブロガーが注目したWebサイトは? そしてGoogleのケータイOS「Android」は何を目論むか? ケータイ広告、ダウンロード違法化議論――ITの今を巡る事象を、オルタナブロガーは独自視点から解きほぐしていく。
ITmedia エンタープライズでは、インターネットを活用したオンライン・セミナーを開催します。ITを活用するためのタイムリーな話題について、さまざまな分野から講師を招き、読者へリアルタイムかつインタラクティブに情報をお届けします。申し込みは無料で、どなたでも自由にご参加いただけます。
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[ 34] ITmedia エンタープライズ:待望! 次世代ITリーダー
[引用サイト]  http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0510/03/news003.html

2001/3/13 2000年がフレッツ・ISDNなどの常時接続元年だとすると、今年はADSLや光ファイバなどによるブロードバンド元年と呼べるだろうか。インフラとしてのブロードバンド環境が実現すれば、ストリーミング画像などのコンテンツを思う存分楽しむこともできるようになる。
実は、2001年3月31日をもって、ある試験サービスが終了となる。それはNTTサテライトコミュニケーションズが昨年6月から提供していた、衛星マルチキャスト配信サービス「Mega
Wave Select」という、衛星通信とインターネットを組み合わせた個人向けのデータ配信サービスである。
本格サービスの展開を断念するに至った理由は何か、そこから学んだことは何だろうか……。NTTサテライトコミュニケーションズ 代表取締役副社長 小山公貴氏へのインタビューをもとに考えてみたい。
小山氏 「この試験サービスはそもそもが“ユーザー調査”を目的としたもので、PRなどにはほとんどコストをかけませんでしたから。参加者としては日本全国津々浦々から4000人程度を集め、グループインタビューなども実施しました」
個人的には「ブロードバンドが実現したら、1960年代後半〜70年代にかけての洋楽ライブを楽しみたい」とのこと
―ユーザーにとってはサービスを利用するのに越えなければならないハードルが多かったのではないですか。
小山氏 「確かに、受信装置などのコスト的な負担が大きかったと思います。また設置するにも手間がかかりますし。しかし、だからといって、機器を貸与する、あるいは一括して仕入れ、月々いくらでレンタルするという形で用意するというのは、弊社にとってはコスト的なリスクが大き過ぎましたから……」
―実際にユーザーからは「こんなコンテンツが見たい」というリクエストはあがってきましたか。
小山氏 「結局のところ『これが見たい』というのはなかなかないんでしょうね。たくさん並んでいる中から“選ぶ”ということはあっても、これさえあれば“満足”という、いわゆる『キラー・コンテンツ』というのはあり得ないんじゃないかと思いますよ。実際、『ファイルのダウンロードに使いたい』という声の方が大きかったですから。特に、都心部以外の地方では、ADSLや光ファイバなどのブロードバンド環境が整うまでにまだ相当時間もかかるでしょう。そう考えると、衛星を使えば現時点でそうしたサービスを受けることができたわけです」
小山氏 「63社ものコンテンツ・プロバイダに参加していただきました。当初、本格サービスの展開を念頭においていましたから、無料試験サービスとはいえ、十分に協力は得られたと思います。ただ、ユーザーを満足させられるだけの品ぞろえという意味では……とにかく多種多様でなければならなかったわけです。『キラー・コンテンツ』というものが存在しないのであれば、それこそ何でもかんでも必要になるわけで……。それと同時に、どんなに良いコンテンツをたくさん集めても、その存在を、ユーザーが見たくなる、あるいは実際に見られるように知らせることが必要だと思うわけです。つまり、映画のプロモーションやテレビの『番組表』のようなものを提供していかなくてはだめなんじゃないか、ということです」
どんなサービスでも100%ユーザーを満足させることはできない。満足する人もいればしない人もいる。ユーザーからしてみれば、手に入れたいコンテンツがそこにあるかどうかがまだはっきりとしていないのに受信設備だけを整えるというのはかなり無謀な投資である。ましてや試験サービス期間であれば、それから先、サービスが継続されるかどうかすら分からないわけである。
ただ、惜しむらくは、ファイルのダウンロードという用途においては十分にユーザーを満足させられるサービスであったにもかかわらず、「ユーザーを満足させられるようなコンテンツが用意できなかった」という理由で、このサービスが実験段階で打ち切られてしまうことだ。
小山氏が繰り返し強調していたのは、「『キラー・コンテンツ』、つまり『これさえあればよし』といえるものなどあり得ないし、ユーザーを満足させるには、どんなリクエストにもこたえられるくらい膨大な数のコンテンツを用意しなければならない」ということであった。
だが、数が増えれば増えるほど、ユーザーにとっては「何が見たいか」がぼやけてくる。そうした状況下で必要とされる役割が、「情報を一括して管理する仲介役」=「コンテンツ・アグリゲーター」ということらしい。今回のインタビューからは、その仲介役をうまく確保できなかったことが、今回のサービス中止を決定づけたといってもいいのではないかという印象を受けた。
ユーザーにとってみれば、見たいコンテンツがあればインフラを整えよう、という気にもなるのだが、コンテンツ・プロバイダにとっては、インフラが普及していなければ、コンテンツ制作に先行投資するほどのリスクは取らないだろう。
だとすれば、やはりNTTサテライトコミュニケーションズのように、インフラ事業者がまずはできる限りのリスクを取り、コンテンツ・プロバイダを巻き込んで、ユーザーにとって満足のいくサービスを提供していくために先頭に立つという姿が理想的に思えるのだが、インフラ事業者にも、当然、取り得る事業リスクには限界があるわけで……。
今回の「Mega Wave Select」は残念な結果に終わったが、そこから学んだことは多いはずだ。「Mega Wave Select」は個人向けのサービスであったが、小山氏によれば、「法人向けの衛星通信サービスは当初の計画以上に順調に展開している」という。
法人はいったん取得したインフラを簡単には手放さないし、そもそも用途がイントラ・ネットであったり、全国の拠点向けに同時に配信する教育・研修放送であったりと、そこで扱うコンテンツは限定されていることが多い。
しかし、個人向けの場合には、多種多様な要望を量的に満たすだけではだめなのだ。そこでは、たくさんあるもののうちから、ユーザーが本当に見たいものを、見たいときに確実に届けられるように、常にあらゆるコンテンツを一元管理し、うまくユーザーのニーズに合うように編集して届けてくれるような仲介サービスを担う存在、「コンテンツ・アグリゲーター」が不可欠なのだ。
インターネットがインフラとして一般ユーザーに普及したことを振り返ってみると、その陰には、Yahoo!などのポータル・サイトが「コンテンツ・アグリゲーター」として機能してきたという大きな貢献があったと考えられる。
ユーザーが見たいと思うコンテンツ(インターネットの場合は個々のサイトにあたる)を、見たいと思うときに、ユーザーの任意のキーワードで検索し、アクセスしやすいようにURLを一覧にして並べてくれるのが、アグリゲーターとしてのポータル・サイトの役目だった。
ポータル・サイトがあったから、一般ユーザーはいつでも見たいものが見られたし、自分の興味を満たしてくれるものを新しく発見することもできた。そうしたポータル・サイトのおかげで、われわれはインターネットを「とても便利なものだ」と思ったし、見たいものがたくさんあることが分かったから、インターネットを利用しようと、せっせとパソコンを買いそろえ、プロバイダと契約してインフラ整備に投資したのだ。
コンテンツ・プロバイダとしてのサイト運営者にとっても、せっかく作ったサイトの存在を広く一般に知らしめるのに、ポータル・サイトへ登録することは有効な手段であったはずだ。
もしコンテンツ・アグリゲーターとしてのポータル・サイトが存在していなかったらどうなったか、を考えてみるのもいい。自分の興味を満たしてくれるコンテンツを持ったサイトがあったとしても、サイト側が直接存在をアピールしてくれない限り、われわれはその存在すら知ることはできない。
たとえ運良くたどり着いた場合でも、そのサイトのURLをその都度保存しておかなければならなかったり、うっかり書き留めるのを忘れてしまったりした場合には二度とそこへたどり着けないかもしれない。
インターネットというものが、それほどコンテンツにアクセスするのに手間のかかるものだったならば、われわれは現在のようにインターネットを便利で必要不可欠なものと感じ、インフラとして整備しようとしただろうか……。答えはおそらく「No」である。
ブロードバンド環境がインフラとして普及し、さまざまなストリーミング画像を多くの人が楽しむようになるには、インターネットにとってのポータル・サイトのような、「コンテンツ・アグリゲーター」の出現がいまかいまかと待たれているのだ。
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[ 35] コンテンツ・アグリゲーター待望論
[引用サイト]  http://www.atmarkit.co.jp/fitbiz/keyword/nttsc/keyword5.html



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