アンドロニカスとは?

2004年に好評を博した「タイタス・アンドロニカス」は、英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC:シェイクスピア生誕の地ストラットフォード・アポン・エイボンを中心に国内外で公演を行なっている世界で最高峰の劇団のひとつ)が主催するシェイクスピア・フェスティバルーThe
Complete Worksーに正式に招待されることが決定しました。このフェスティバルは、世界各国からカンパニーを招待し、1年間でシェイクスピア全37作品を上演するという世界で初めての試みで、各国で既に大変な話題となっております。RSCの本拠地であるロイヤル・シェイクスピア・シアターで行なわれる英国公演に先駆けての本公演、待望の再演に乞うご期待。
帝位継承権争いに揺れるローマ。そこにゴート族との戦いに勝利したタイタス(吉田鋼太郎)が凱旋帰国する。多くの息子を戦いで失ったタイタスは、彼らを弔う為に、捕虜にしたゴート族女王タモーラ(麻実れい)の懇願を無視して、彼女の長男を生贄として切り刻んで燃やす。復讐劇はここから始まる…
異人種間などでの対立抗争や権力闘争、親族間での争い、殺人、強姦、謀略、カニバリズムなどは、現代の社会にも通じる問題を多く含む。世界の蜷川と実力派キャストによって上演されるこの作品が、今を生きる私たちに衝撃を与える。
ローマの将軍タイタスに長男を生贄として切り刻み燃やされたゴート族の女王タモーラはタイタス一族への復讐を心の中で誓う。ローマ皇帝サターナイナスの后となったタモーラは、愛人のムーア人エアロンの策略で、自分の息子たちをそそのかし、タイタスの娘ラヴイニアを強姦させ、その後彼女の両腕と舌を切断させる。タイタスの弟マーカスは、変わり果てた姿で森をさまようラヴイニアを発見し、その残酷な犯罪行為に怒る。更にタモーラは、タイタスの息子たちが処刑されるように図り、タイタスは息子たちを救うために自分の片手を切って皇帝に献上するが、その手は息子2人の生首とともにつき返される。娘を陵辱した犯人を知ったタイタスは、復讐の鬼と化し、血で血を洗う報復劇は凄惨なクライマックスをむかえる。
ニナガワの演出的なマジックが、「タイタス」の美しい血煙りの中に、普遍的な価値が失われていることを表面化させた。ニナガワは「タイタス・アンドロニカス」を新しく定義しなおした-(ジャパン・タイムズ紙)
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[ 131] 「タイタス・アンドロニカス」/りゅーとぴあ演劇まつり2006『劇バカ』
[引用サイト]  http://www.ryutopia.or.jp/gekibaka/0603t.html

シェイクスピア全37作品中、最も残酷だといわれる悲劇『タイタス・アンドロニカス』。日本を代表するシェイクスピア俳優・吉田鋼太郎主演で2004年に初演された蜷川幸雄演出版の『タイタス〜』は、真っ白い舞台装置や衣装に、血を表す赤い糸が散り乱れ、凄惨な流血シーンが非常に美しく表現されるという斬新な演出でも高く評価された。
伝説ともなった、このニナガワ版タイタスが2006年、待望の再演を果たす。異人種間の対立や権力闘争、親族間での争い、殺人、強姦、カニバリズム……。ここまで徹底した悲劇は他にないほどで、しかもこれが現代社会にもリンクしてしまう怖ろしさもあり。今、このタイミングで再演することにも、大きな意義が出てきそうだ。
そして今回の再演では、タイトルロールのタイタス役の吉田を筆頭に、ほぼ初演キャストが顔を揃える中、ここのところ舞台の仕事に精力的に取り組んでいる小栗旬が参加。しかも小栗が演じるのは、シェイクスピア作品史上、最も悪人といっても過言ではないという、ムーア人・エアロン役。この挑戦も、大いに注目を集めそうだ。
吉田 初日のことなんですが。タイタスが自分で左腕を切り落とすシーンがあるんですね。もちろんその後は、僕は左手が使えなくなるわけで、ギプスをはめるんですが。でも、初日でテンパってたんでしょうね。そのギプスをつけ忘れて舞台に出てしまって。切ったはずの左手を使ってしまったんです(笑)。それで、蜷川さんが出てきて、本番中に芝居を止めて、「手、手!」って。それでギプスをつけ直して、そのシーンからやり直したというのが一番思い出に残っていますね……。って、これは思い出どころの騒ぎではないか(笑)。
――それは……確かに、忘れられない出来事かもしれないですね(笑)。小栗さんは、観客の立場で初演の舞台をごらんになって、どんな感想をお持ちになられましたか。
小栗 すごくパワーのある、エネルギッシュな舞台だなと思いました。僕、そのとき初めて鋼太郎さんの芝居を観たんです。「こんなすごい人がいるんだ!」と思いましたね。その後、『お気に召すまま』という芝居でご一緒させてもらって。そして今、稽古中の『間違いの喜劇』にしても、鋼太郎さんと芝居をやらせてもらうときには、支えてもらうポジションなんですけど、今回は真っ向勝負ができる役なので。エアロンという役は、今まで自分がまったくやったことのない悪役でもあるので、すごく楽しみにしているんですよ。
――『タイタス〜』という、この作品ならではの面白さというのは、どういうところに感じられますか。
吉田 この作品って、血が流れる回数が多いし、シェイクスピアの40本近くある作品のなかでも、傑出して残酷な作品なんです。でも蜷川さんは血糊を使ったりして生々しいものにはしないで、血は赤い糸で表現し、衣装と装置は真っ白にして、美しい世界で表現されているので。そのへんがやはり、今回も見どころではないでしょうか。
――エアロンを演じることについて、特に蜷川さんのほうからはなにか言われていることはありますか。
小栗 僕の中ではそんなに覚えていないんですが、蜷川さんが4年くらい前に僕と初めて会ったときに、すごく僕がズレていたらしいんですね。
小栗 あまり蜷川さんが会ったことのない若者だったらしくて。そのとき僕、スケボーばかりやっていたころで、髪の毛をひっつめて、いろんなものをジャラジャラつけて歩いていたんですよ。「エアロンを演るときには、あのころのお前を持って来い、ブッ飛んでやれ」と言われています。
小栗 いや、僕なんかからすれば、とんでもない莫大な量の情報と知識があるという時点でひたすら圧倒されてしまうので。一言一言がなるほどなーって思うことがいっぱいあるんですよね。過去の話を聞いたりすると、今よりもっと怖かったらしいですけど。
小栗 ただ、僕がやらせてもらっている作品に関しては、もちろん怒るときもありますけれど、愛情を持って役者一人一人のことをすごく考えてケアしてくれているっていうのが伝わってくるので。本当に、手放しで信頼できる方ですね。
吉田 いや、本当にそうだね(笑)。当たり前だけど、あらゆることでプロフェッショナルだなと思う。でもね……やっぱり怖いですよ! 全部見透かされているような気がしてね。
小栗 そうなんですよ。前日にいくら自分で考えてきても、「結局その程度か」って言われて終わるので……。なんだかね、悔しい反面、どこかで、「まぁ、俺は23年しか生きてねえし」って思って、自分の中でひと息ついているんですよ。あなた70年も生きているんでしょーって(笑)。
小栗 しょうがないやって思うところもあるんですけどね。だって、たとえば僕が23歳で吉田鋼太郎さんみたいな芝居ができたら、ちょっと気持ち悪いでしょ。そりゃできたらすごいけど。でも、あと2年くらいで吉田鋼太郎は超えたいと思っていますけどね!(笑)
吉田 技術的にも、経験値的にもってことでいえば、まだまだなのかもしれないけど(笑)。でもこの間、『お気に召すまま』を一緒にやったときに、小栗の芝居、あるいは小栗の目を見ていたら、なぜか泣けてきちゃってね。稽古中だからそれほど気合が入っていたわけでもないし、テンションが高かったわけでもなかったんだけど。なんていうか、ものすごくピュアなものを持っていて、オーラがあるというか。ちょっと普通の人にはない、なにかがあるような気がしますね。もしそれが彼の資質だったら、すごい役者になるかもしれないなという気がします。僕には全然ないものなので、うらやましいですよ!(笑)
――では逆に小栗さんからも、共演して感じた吉田さんの素晴らしさを語ってください。
小栗 本当に、タイタスを演じているときの、あの内側から出てくるパワーはすごいですよね。声も印象深くて魅力的ですし。シェイクスピア俳優としてのキャリアもものすごいですし。それでいて、普段はすごく適当なところがある(笑)。役者って、これでもやっていけるんだっていうようなね(笑)。そういうところも、尊敬していますよ!
小栗 初演のときホント、ものすごいエネルギーのある舞台だったんですよ。だから僕もがんばってそれに乗っかって、もうふたまわりくらい大きくなった自分を見せられたらいいなと思っています。
吉田 その、初演のときに突っ走ったエネルギーはもちろん大事にしつつ、パワーだけにはならないように、さらに深く、できればもう少し細かい芝居を今回はもっと入れていきたいですね。それで、今、グワーッと出てきている小栗、いや、小栗さんに負けないように精一杯、やりたいと思います(笑)。
吉田 イギリスという本場でシェイクスピアを演じられるのは本当にすごいことで、身が引き締まるし、光栄です。
吉田 小栗はこういう風に、言えるところがスゴイよ! 僕なんか、ある意味、夢が叶うわけで、今からビビりまくって足ガクガクしてますから(笑)。だって、本場だぜ! どういう評価がくるのか、怖いですよ。
小栗 やらなきゃいけないんですから、やるしかないでしょ! それでブーイングとか浴びて、帰ってくりゃいいんですよ。それはそれで、いい経験になるんですから!(笑)
シェイクスピア・シアター、東京壱組を経て、劇団AUNを演出家の栗田芳宏と結成。劇団公演の他に『奇跡の人』、日英両国で上演したジョナサン・ケント演出『ハムレット』、栗山民也演出『喪服の似合うエレクトラ』、長塚圭史演出『悪魔の唄』など様々な舞台に出演。劇団AUNでは演出も行っており、今夏には、『尺には尺を』をサンシャイン劇場で上演した。蜷川演出舞台では、タイトルロールを演じた『タイタス・アンドロニカス』の他、『グリークス』『オイディプス王』『お気に召すまま』『メディア』『天保十二年のシェイクスピア』、2006年2月には『間違いの喜劇』にも出演する。
ドラマ『GTO』、『ごくせん』、『救命病棟24時』、NHK大河ドラマ『義経』、『電車男』、『花より男子』などの数多くの話題作に出演のほか、映画、モデルなど幅広く活躍。舞台においては、白井晃演出の『宇宙でいちばん速い時計』『偶然の音楽』、蜷川幸雄演出『ハムレット』『お気に召すまま』に出演。今後は、2006年2月の蜷川幸雄演出『間違いの喜劇』に主演する。さらには、映画『輪廻』(06年1月公開予定 清水崇監督)、『車霊』(06年7月公開予定 古澤健監督)、『ウォーターズ』(06年3月11日公開 西村了監督)など多数の作品の上映が予定されている。
ローマの帝位継承権を争う、前皇帝の息子サターナイナスとバシエイナス兄弟。そこにゴート族との戦いに勝利したタイタスが凱旋帰国する。多くの息子を戦いで失ったタイタスは、彼らを弔うために、捕虜にしたゴート族の女王タモーラの懇願を無視して、彼女の長男を生贄として切り刻んで燃やしてしまう……。
タイタスは、新しいローマ皇帝としてサターナイナスを推薦し、サターナイナスは、感謝のしるしとしてタイタスの娘ラヴィニアを妃として迎えようとする。しかしラヴィニアはバシエイナスを愛しており、これを断ってしまう。侮辱に憤怒したサターナイナスはタモーラと結婚しタイタスを追放するが、タモーラの口添えでタイタスを許してしまう。実は、タモーラはタイタス一族への復讐のため、タイタスの追放を取りやめるように進言していたのだ。
タモーラは、愛人のムーア人エアロンの策略で自分の息子たちをそそのかし、森の中でバシエイナスを殺害してしまう。息子たちは、一緒にいたラヴィニアを強姦しその後彼女の両腕と舌を切断する。狩りから帰る途中のタイタスの弟マーカスは、変わり果てた姿で森をさまようラヴィニアを発見し、その残酷な犯罪行為を怒る。しかし、タイタスの息子たちがバシエイナスの遺体を発見したところへ、タモーラとサターナイナスが現れ、彼らがバシエイナスを殺害したと思い込む。タイタスの息子2人は死刑宣告を受け、もう1人の息子リューシアスは国外追放となる。タイタスは息子たちを救おうと、自分の片手を切り皇帝に献上するが、その手は息子2人の生首とともにつき返される。さらにラヴィニア陵辱の黒幕がタモーラと知り、タイタスは復讐を誓うのだが……。

[ 132] 吉田鋼太郎&小栗旬インタビュー&動画コメント掲載!『タイタス・アンドロニカス』特集|e+ Theatrix!
[引用サイト]  http://eplus.jp/sys/web/theatrix/special/titus.html

蜷川『タイタス』の舞台上には、ローマ建国を象徴する彫像「カピトリーノの雌狼」の巨大なレプリカがある。雌狼の乳に、人間の赤子が二人しゃぶりついている。古代ローマ建国の祖、ロムルスとレムスである。
リウィウス(紀元前59年頃−紀元17年)の『ローマ建国史』は、血なまぐさい権力争いを記している。ある国で兄弟が争い、弟が王座についた。兄とその息子は殺され、娘も子を産まないようにと巫女にされた。しかしこの巫女が乱暴されて双子を産む。これがロムルスとレムスである。
双子は政敵の血筋を引く子として川に捨てられることになる。ところが運命のいたずらか、氾濫した川の水は双子に及ばない。泣いている二人の赤子に雌狼が乳を与えた、というのが彫像の由来だ。
ロムルスとレムスは羊飼いに拾われる。二人は成長すると仲間の羊飼い達とギャング集団を形成し、ついに新都市国家を築く。しかし初代王座をめぐって争いが生じ、レムスは殺されてロムルスが王となる。ローマの名は彼にちなんだものである。
『タイタス・アンドロニカス』も、兄弟がローマ皇帝の座を争っている場面から始まる。舞台上の狼像は、建国時からかわらないローマの血なまぐささを表しているとも言える。
『タイタス』における権力争いと、ローマ帝国対ゴート族の戦争は、一見決着したかに見えて、次々に復讐の連鎖を生み出していく。実際、劇中で繰り広げられるおぞましい残虐行為は、ローマ帝国に限らず現代でも行われていることだ。『タイタス』は今も通用する人間の残酷劇なのである。
蜷川は、出演支度をしている役者に混じって舞台に登場したり、残虐シーンを様式的に演出したりと、血みどろスプラッターになりがちなこの芝居から一定の距離を取ろうとする。衝撃的な映像を並べるテレビ報道とは違う距離感だ。それにより、つのる狂気が整然とした形式を獲得していく過程がかえって鮮明になる。復讐とは左右対称を回復しようという行為だから、これも当然かもしれない。白ずくめの無機的な装置と照明の中、ドロドロの復讐は、時にコミカルなシーンを挟みながらも、あくまで端正に進行する。人間とは、復讐を冷静に遂行できる生きものなのだ。
ローマ帝国の凱旋将軍タイタスを演じる吉田鋼太郎は、情の厚い凶暴さに満ちあふれながらも、復讐という狂気がはらむ醒めた部分を見失うことがない。一方敵役であるゴート族の女王タモーラを演じる麻実れいは、息子を生け贄にされた母の持つ恨みの深さを、典雅なただずまいにひそませる。
ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーが2006年から1年丸々かけて開く英国のシェイクスピア・フェスティバルでも、この作品は目玉招待作となっている。2004年初演の蜷川『タイタス』が提示する悲しい復讐の連鎖は、現代にも通用するということだろう。マルクスも言っている――歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は茶番として。蜷川『タイタス』はこうこたえるようだ――繰り返し悲しみますも茶番かな。

[ 133] 『タイタス・アンドロニカス』:公演履歴
[引用サイト]  http://www.saf.or.jp/p_calendar/geijyutu/2006/p0421.html

タイタス・アンドロニカス(Titus Andoronicus)は、イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピア作の舞台作品。1590年前後に書かれたとされる、最初期の悲劇。
シェイクスピア全作品中、最も残虐で暴力に溢れているという点で異質な戯曲であり、そのため最近まで上演される機会も少なかった。だが20世紀後半以降は徐々に上演機会が増え、2006年イギリスにて、ロンドンのグローブ座での上演、ストラットフォード・アポン・エイヴォンで行われたRSC主催のフェスティバルに招聘された蜷川幸雄演出版の上演が共に注目を集めた。
ローマ帝国の武将タイタス・アンドロニカスは、長年のゴート族との戦いに勝利し凱旋する。タイタスによって息子のひとりを生贄にされたゴートの女王タモーラは、新ローマ皇帝の座に就いたサターナイナスに取り入って后となり、アンドロニカス一族への復讐を開始する。
タモーラとその愛人であるムーア人エアロンの策略によって、タイタスの娘ラヴィニアはタモーラの息子達に夫を殺され強姦された上に、口封じのため舌と両手を切り取られる。更にタイタスの二人の息子達は冤罪により逮捕される。タイタスは自分の片手を切り落とし、皇帝に献上して釈放を願うが、息子達は死刑に処せられ、彼らを救い出そうとした長男ルーシアスはローマ追放を宣告される。
すべてがタモーラ達の仕業であることを知ったタイタスは、ルーシアスに命じゴート軍と結託してローマを攻めさせる一方で、タモーラの息子二人を捕獲し殺す。 一方エアロンは、タモーラの出産した子の父親が皇帝ではなく自分だったことを知り、事が露見する前に赤ん坊を連れ身を隠す。
ローマとゴートの和平会議の場で、タイタスはラヴィニアを絞殺し、タモーラには息子達の人肉パイを食べさせた上で刺殺する。タイタスはサターナイナスに殺され、サターナイナスはルーシアスに殺される。新ローマ皇帝に推挙されたルーシアスは、ゴート軍に捕らえられたエアロンに生き埋めの刑を処する。
『タイタス』(1999年、ジュリー・テイモア監督、アンソニー・ホプキンス主演)。詳細はタイタスを参照。
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この「タイタス・アンドロニカス」は、文学に関連した書きかけ項目です。この記事を加筆、訂正などして下さる協力者を求めています。関連:Portal:文学

[ 134] タイタス・アンドロニカス - Wikipedia
[引用サイト]  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%82%B9

シェイクスピア全37作品中「最も残酷な芝居」と言われる『タイタス・アンドロニカス』。御大・蜷川幸雄はこの血なまぐさいマルチ殺人悲劇を2年前に初めて手がけ、脚本のグロテスクさからは想像もつかない驚きの“純白の様式美”で舞台を彩った。染みひとつない真っ白なステージで繰り広げられる、殺人・強姦・奸計・権力闘争・カンニバリズムのセンセーション。飛び散る血飛沫は文楽人形のように口や体から赤い絹糸を吐き落とすことで表現され、生首や肉片はプラスチック制のオブジェで代用。まるで“完全無比な氷の彫刻”のように研ぎすまされた白い造形美に、役者陣が灼熱の火花を添えていく。ロイヤル・シェイクスピア・シアター主催の「シェイクスピア・フェスティバル」に正式招待され、今年6月にストラトフォードでの上演も決定している本作。その前哨戦としての傑作舞台を、今再び目の当たりにしよう。
蒼白く凍てついた氷のような彫刻美術と、マグマのような憎しみと怒りを喚き散らす役者たち。初演観劇時のこの純白と真紅の対比絵図は、まだ私の心の中には鮮烈な残像を止めている。ジュリー・テイモア監督は映画『タイタス』で、まるでフェリーニ作品のような熟覧と頽廃を込めてグロテスクな血みどろ惨劇を影深く紡ぎ出したが─。蜷川はここで真逆のレールを歩む。さながらコンラン卿が喜びそうな真っ白なスタイリッシュ空間の中央に、同じく真っ白な“カピトリーノの雌狼像”を配置。余剰な夾雑物をすべて削ぎ落とすことで、役者たちの強烈な心理ドラマに真っすぐに観客の目を向けさせる。登場人物の25人中13人が殺害されるという血で血を洗う非人道的な惨劇も、蜷川の手にかかれば複雑でやるせなく居たたまれないヒューマニティ溢れる悲劇に生まれ変わるのだ。無論、それは強力役者陣への全幅の信頼があってこその演出。獅子のような雄叫びをあげ嗚咽するタイタス役の吉田鋼太郎、大陸的な屈強さで魅惑的な悪女タモーラを演じ抜く麻実れい、それにシェイクスピア史上指折りの大悪人と言われるムーア人エアロン役に小栗旬を今回新たに迎え、現代への諷刺としても捉えられる、異人種間の抗争、親族間での争い、勝ち誇る凱旋将軍の人間的悲哀を、どう再び描き出すのか。期待が募る。
英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)といえば、泣く子も黙る名優たちを数知れず生み出してきた演劇界の最高峰カンパニー。ローレンス・オリヴィエ、ヴィヴィアン・リー、ジュディ・デンチ、ケネス・ブラナーとその名をあげればきりがない。本カンパニーは前身であるシェイクスピア記念劇場が1879年に開場して以来、沙翁の生地ストラットフォード・アポン・エイヴォンを中心に国内外で公演を行ってきた。日本でも近年ではサー・アントニー・シャーがイアーゴを演じた『オセロー』や、奇才グレゴリー・ドーラン演出の『夏の夜の夢』などが話題を呼んだ。そんなRSCが史上初めて、シェイクスピア全37作を1年がかりで上演するという巨大プロジェクトを発表。英国内外の18の劇団が参加し、60万人以上の来場が見込まれるとして演劇界を震撼させている。そんな世界的プロジェクトに、日本から唯一参加するのが蜷川率いる『タイタス・アンドロニカス』。昨年7月の英国タイムズ誌の記事でも、サー・イアン・マッケランが初挑戦する『リア王』や、デクラン・ドネラン率いるチーク・バイ・ジャウルのロシア版『十二夜』などと並び、五指に入る人気公演として紹介された。蜷川が常に語る「世界市場の舞台作り」が、本作でも好評価を得ることはほぼ間違いないだろう。

[ 135] ぴあ/「タイタス・アンドロニカス」/特集コラム
[引用サイト]  http://www.pia.co.jp/column/play/titus.html



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