明子とは?

林明子さんのファンなら誰でも知っている、絵本のストーリーとは直接関係のない「隠し絵」に関しては、いろんな所で語られているものの、まとまって整理されているサイトは、何故か不思議とありません。そこで、ぼくが知る限りの「隠し絵」をこのページで列挙してみようというのが今回の試みであります。 ●<ネタバレ>●になりますので、その点はどうかご容赦ください。
とは言うものの、まだまだ気がつかないことがたくさんあるはずです。ぜひ「新たな情報」をお寄せください。よろしくお願いいたします。
■■3人の方から、林明子さんの絵本に関して「新たな発見」のご報告がありました (2006/03/08 記)■■
初めまして.林さんの大ファンの林と申します。同姓ですが親戚ではありません.宇都宮市の二児の母です。小3の娘と年中の息子とよく林明子さんの絵本の秘密探し楽しんでおります.北原先生の発見の中に知らないこともあり嬉しかったです。私たちも見つけましたのでお知らせします。
黄色い服の先生の右に一人たつ黄色のシャツの男の子は、「ぼくのぱん わたしのぱん」の小さいほうの男の子
あやちゃんのとなり黄色いシャツの男の子は「ぼくのぱん」の小さいほうの男の子。二人で遊びにきたのでしょうか。
滑り台の女の子は「ぼくのぱん」の女の子に服装が似ていますが、髪の長さがちがいます。「もりのかくれんぼう」偕成社1987のけいこちゃんと同じ服ですし髪も同じくらいです。たぶんけいこちゃんです。
以上が私たち親子でみつけたものです。もしかしたら無理やり当てはめているかも知れませんが、うちではこのように考えました。また新たな発見したいです。これからもホ−ムペ-ジ楽しく拝見したいとおもいます。それではまた。
●今年の3月に限定復刊されたこの絵本。やっぱり、いろんな「仕掛け」があちこち仕込まれているのですが、いきなり「ネタばらし」ではヒンシュクを買うと思い、今日まで書くのをガマンしておりました。
最後から「ひとつ前」の場面。「ビューティーサロン 青い鳥」と、「コーヒー 猫」の看板にご注目。「コーヒー 猫」の前に、白黒のブチの猫がいて、何かを見上げています。その視線の先には、2階のベランダに女の子と、青い鳥。
たばこ屋の2階で新聞を読むおじいさん。17ページ横断歩道のシーンで再び登場します。雰囲気が、例のタワシ頭のサングラスおじさんによく似ていますが、同一人物なのでしょうか? 3ページには、例の猫と青い鳥。道路のずっと向こうに、犬の散歩をするおばさん。
5ページの商店街。お店の名前がみんなダジャレになっています。「酒能見商店」(酒飲み)、「大森屋」(蕎麦の大盛り)、福音館ならぬ「ふくいんぱん」。
6ページの左端。「ふくいんぱん」のお店を覗く姉と弟。この2人は、同じく神沢利子・作、林明子・絵『ぼくのぱん わたしのぱん』かがくのとも傑作集(福音館書店)に登場する姉弟。『ぼくのぱん わたしのぱん』の、3ページとほぼ同じ構図になっています。
「葦野履物店」(足の履き物)、「亜井肉店」とは、ごあいにく。「理髪チャーリー」にはチャップリンの絵。「談話室かんざわ」と「キャンドルアート利子の店」は神沢利子さん。空には、青い鳥。ここの横断歩道は、帰りの時に道路の反対側が登場します。
「亜井肉店」の店先。のぞき込んでいるオバサンのスカートに、牛・豚・鶏の図柄。「カレーの日」のポスターは『ぼくのぱん わたしのぱん』の表紙のパロディ。左端のおばさんの左足の靴下、ゴムが緩んでるよ。
自動販売機の「おつり」の口に10円玉発見! 大きな声でおかあさんに報告するなおちゃん。でもお巡りさんが通りかかったので、困って自分の娘じゃないようなふりをしている、おかあさん。この場面すきだな。
たしかに、『とんことり』の原画は褪色が明らかでしたが、『きょうはなんのひ?』の原画のすばらしさといったら、ホント凄いですよ! 細密に描かれたレースのカーテン、アップライト・ピアノへの光の当たり具合と、掃除機が反射して写って見えるリアルさ。この「質感」は、原画でないと絶対に味わえません。
それから『はじめてのおつかい』。こちらの原画も素晴らしかった。で、原画を見ていて初めて気がついたのですが、あの「筒井商店」 のタバコケースの上には、当初、赤いマッチが「9個」並んでいたのですが、タワシ頭のサングラスおじさんが店先に現れた時には、なぜか「7個」しかないのです。もしかして、おじさんが2個、マッチをポケットに忍ばせたのかな? (^^;;
●『はじめてのおつかい』に関しては、絵本の『絵』を読む (香曽我部秀幸)講座レポートで、かなり詳しく解説されているので、ここでは、その場で取り上げられなかった問題にだけ触れたいと思います。
これは、全国小児科医のメーリングリスト「外来小児科FTML」の中で、昨年5月に秋田の水野先生から出された疑問です。3ページに「あかちゃんの ぎゅうにゅうが ほしいんだけど、まま ちょっと いそがしいの。ひとりで かってこられる?」 そう書かれているので、赤ちゃんのための牛乳な訳ですが、現在の小児科の考えでは、牛乳は、母乳やミルクに比べて高タンパクで、赤ちゃんの腎臓に負担がかかってしまうことと、鉄分が不足していることから、1歳前の乳児には、直接牛乳は与えないというのが常識 だからです。
もちろん、離乳食の材料として牛乳を使用することは、まったく問題ありません。2ページを見ると、確かに哺乳びんも空っぽだけれど、おかあさんはどうもホットケーキを作ろうとしているみたいで、そのために牛乳が必要なのではないか? というのが他の先生からの解答でした。
ただ、裏表紙を見ると、赤ちゃんと「みいちゃん」は仲良く牛乳を飲んでいるんですね。でもまぁ、27年前に作られた絵本ですので、あまり目くじらたてて、うるさく指摘する必要もないかな、ってところでしょうか(^^;)
しかし、残念なのは、主人公のみいちゃんがお使いの行き帰りに「左側歩き」をしていることです。それは、長野県のある保育園の読み聞かせで五歳児が見つけたことでした。
確かにそうなんですね。「みいちゃん」は左側通行をしている。だから何となく危険で怖い印象が、この絵本にはあるのではないでしょうか?
ただ、出典は忘れましたが、ぼくが以前読んだ中に、こんなことが書いてありました。この絵本は、はじめ「右開き」の絵本としてダミーが製作されたのですが、福音館の方針として「左開き」で、物語が左から右へ次々と展開してゆくように書き改められたのです。だから、その結果「左側通行」になってしまったのではないでしょうか?。左→右の方向で主人公を動かすには、どうしても「左側歩き」でないと、絵がおさまらないからです。
●『ユリイカ2月臨時増刊号 総特集・絵本の世界』(青土社)¥1800 に、林明子さんのロングインタヴューが載っているのですが、これがなかなかに読ませます。
見ないでは描けないので、たいていはモデルがあるんです。『はじめてのおつかい』 は自由が丘、田園調布界隈。今もあのタバコ屋さんがあるんですけど、スーパーみたいになっちゃって、全然違う雰囲気なの。でも、「はやしあきこのえのきょうしつ」とか貼り紙のある掲示板は、そのままなんです。あんなふうに、看板や表札に作家の名前を入れたりする遊びは、編集の方のアドバイス。私があんまりかたくなってるもんで、「もっと遊んでくださいよ」っていろいろ考えてくださって。そしたら、次の絵本でもまたやらなくちゃいけないんじゃないかと思って、(笑)次々と。……まじめなんです、自分でも困っちゃうぐらい。
『とん ことり』 では山の見える町が必要だったので、筒井さんと伊豆のほうに行きました。普通の町に、山を描いちゃえばいいのにね(中略) 『きょうはなんのひ』は、姉の家と瀬田貞二先生の家にうかがいました。一戸建ての家という設定だったので、上がって取材できるところはそこしかなくて。(中略)
子どもを描くときは、たいてい姪か甥にモデルになってもらいます。「仕事なのよ」って、ちゃんとポーズをとってもらったりして、お礼におもちゃを買ってあげるの。『こんとあき』 と『はっぱのおうち』 は、同じ子なんです。見るとわかるんじゃないかな? (中略)
内気とか引っ込み思案だって言われてました。ひとりでいることが多くて、あれこれ見ながら、考えてた。人とうまく口がきけなくて。(中略)
大人になるにつれて、だんだんとひらきなおって、昔よりは楽になりました。でも、人間は、ほんとうの芯のところでは子どもの頃のままなんじゃないかと思うんです。あのときがほんものの私で、あとはくっついてるだけって感じがする。(p76〜83)
「このねこをみつけたひとは 292-3401 へ おでんわください ひらたより」 この電話番号は、当時の福音館「こどものとも」編集部の本当の電話番号だったのだそうです。で、実際に「ねこ 見つけました!」という、子どもからの電話が、よくかかってきたんですって(^^) それから、当時「こどものとも」編集部にいた「平田さん」は、現在も福音館にいて、「かがくのとも」? だかの編集長をされているそうです。「しばたしんご」さんも、当時の編集の人で、ギターが上手かったのだそうです(^^)
あさえが妹に靴をはかせている表紙の絵は、4ページの泣いて起きてきた妹が裸足で玄関に立っているシーンの次にくる場面ですね。
あさえが「キキーッ!」という音にビックリして、右手からチョークを落とすシーンです。フェリックス・ホフマンの『おおかみと七ひきのこやぎ』(福音館)第10場面を見ると、自宅の惨状に驚愕した母ヤギが、両手を前にあげて持っていた「かさ」を床に落としてしまうシーンが出てきますが、人間(ヤギも)ビックリすると、手に持っているものを落としてしまうんでしょうね、きっと。
16ページ左端の電信柱には「筒井商店」の電柱広告。言わずと知れた『はじめてのおつかい』で「みいちゃん」が牛乳を買うお店が「筒井商店」です。通りの向こうの「シバタ電気」の店先に出てきた黄色い洋服のオバサンにも、見覚えがあるでしょう?
その右手には、藤色の風呂敷を左手に、例のタワシ頭のサングラスおじさんが歩いて来ます。空には飛行機が飛んでいますね。『はじめてのおつかい』と『あさえとちいさいいもうと』は自由が丘、田園調布界隈にロケハンされていて、じつは同じ町内のはなしだったんです。
同じ町内の話である証拠をもう一つお見せしましょう。このページは『はじめてのおつかい』の8〜9ページの空からの俯瞰場面と同じ構図のページです。あさえの自宅は場面左下にあって、「キキーッ!」の音にビックリしたあさえは、左上まで走って右折し、大通りの手前で立ち止まります。その後、自宅前までもどって、今度は場面右上にある公園に向かって行くワケですが、18ページ右上の、2階ベランダに洗濯物が干してある家の右下をご覧下さい。「あのネコ」が、飼い主の元に戻らないまま、まだうろちょろしてるではありませんか!
『はじめてのおつかい』の「みいちゃん」が、ブランコに立ち乗りしています。この木漏れ日の感じは、何時ころなんでしょうか? お母さんはあやちゃんをお昼寝させてから銀行へ行ったわけだから、銀行が閉まる午後3時前ごろではないかと、ぼくは推理します(^^;)
宮崎駿監督は、このシーンが大好きなのだそうです。妹の「脱力感」がホンモノである、ト。遠くに迎えに来たおかあさんが描かれていて、裏表紙で3人仲良く手をつないで家へ帰るシーンで終わっています。あぁ、よかったよかった(^^)
●松居直さんは『絵本・物語るよろこび』(福武文庫)1990/09/10発行、の中で、このように書かれています。
またこの作品の特徴の一つは、主人公をはじめおもな人物の描き方です。あさえ、妹のあやちゃん、お母さん、よその男の人などの顔に注意してください。ほとんどの顔の表情がみえないか、後姿です。これは偶然ではありますまい。あさえは十七場面のすべてに登場していますが、はっきり顔を正面に向けているのは第一場面だけです。
これは物語絵本の主人公の表現の仕方としては異例です。しかしどこかへ姿を消した小さい妹を探す主人公の不安や心配や恐れといった心の動きを、読者に想像させ感じさせるための一つの表現の仕方でしょう。(p164)
『とんことり』のところでも書きましたが、あさえの友だちの「ひろちゃん」は、『とんことり』の「おともだち」と同じ髪型・顔立ち、同じような服装をしています。
これは子ども部屋 にベッドが2つ並べてあるのでしょう。それにしても、妹のあやちゃんの「まくら」何だか変な形をしていますが、これは何なんでしょうか? <19ページ>では、お父さんが子ども部屋へ来て、あやちゃんのベッドで寝ていますが、でもまくらは「お父さんのまくら」を持ってきたみたいですね(^^;)
ここは有名なので、みなさんご存知でしょう。例のタワシ頭のサングラスおじさんが、松葉杖つきながら看護婦さんの説明を真面目に聞いています。その奥の「牛乳の自動販売機」の前には『はじめてのおつかい』のみいちゃんと、だいぶ大きくなった妹を抱っこしたおかあさんがいて、牛乳を買おうとしています。
●同じページで、母親のコートの後ろを左手でつかんでついて行く男の子は、『おふろだいすき』の主人公、まこちゃん。(岩田杏菜さん:9歳より情報提供していただきました)
●次に取り上げる一冊は、個人的にも大好きで、たいへん完成度の高い絵本『とん ことり』。この絵本は「本格推理小説」だと思うのです。「とん ことり」というタイトルからして謎めいているし、新しい土地に引っ越してきたばかりで、父母以外にはまだ誰も知り合いがいない一人の少女の不安と緊張が、まるで自分のことのように読者にもビンビン伝わってくる幕開け。お父さんは仕事、お母さんも片づけに忙しくてちっとも相手をしてくれないので、少女は仕方なく部屋で一人遊びするしかありません。と、そこへ「とん ことり」と謎の人物から次々に贈り物が届けられるのです。
幼稚園のシーン。いったい誰なんだろう? と、少女は知らない子どもたちの顔を一人一人見ています。この時点では読者もまだ「おともだち」 が誰なのかわかりません。でも、犯人はちゃんとこのシーンにいて、左端の洗い場の影から、そっと少女を見つめています。
おともだち とのご対面シーン。この絵本の中では「おともだち」には名前がありません。しかし『いもうとのにゅういん』筒井頼子・作、林明子・絵(福音館書店)の<2ページ>に登場する、あさえの友達ひろちゃんが、同じ髪型・顔立ち、同じような服装をしています。こちらは自由が丘付近が舞台、『とん ことり』は伊豆にロケハンした話ですので、この二人が同一人物であるかどうかは不明です。
山の見える町の商店街のシーン。主人公は道路の左側手前に母親といて、その道路の反対側の右手ずっと前方をよーく見ると、やはり母親と手をつないだ「おともだち」が、こちらを振り返って見ています。
・道路の左側前方の「看板」には、朝日新聞ならぬ「朝絵新聞」、その手前に「毛糸・綾子」の文字。これは前述の『いもうとのにゅういん』と『あさえとちいさいいもうと』に登場する姉と妹の名前です。
・主人公の「かなえ」の左横を見ると、「信頼堂」という雑貨屋さんの店の中に、例のタワシ頭でサングラスかけたおじさんがいます。
最初のシーンです。画面中央をよーく見ると、なんと!「おともだち」が黄色い自転車に乗ってこちらを見ているではありませんか! 犯人は最初から登場していたのです。本格推理小説の鉄則が、ちゃんと守られているんですね。すごいな(^^)
・こんとあきが立つホームの後ろで微笑んでいる老夫婦は、林明子さんのご両親。この二人は『ズボンのクリスマス』林明子(福音館)に登場する、おじいちゃん、おばあちゃんと同一人物のようです。また『サンタクロースとれいちゃん』林明子(福音館)27ページのサンタの右手は、おとうさんの手を林さんが写真に撮らせてもらった手なのだそうです。
小さい時ね、私しょっちゅう具合が悪くなる子だったの。それで寝てると、「ただいま」って父が帰ってきて、母が「あこちゃんがね…」って言ってるのが聞こえて。すると、ふすまがすっと開いて、「どうしたの」って、父が必ずおでこに手を当てて熱を計ってくれるんですね。その手なの。そうして、絵の中に残しておいたなあって思いますね。(『MOE /2002年10月号』p79 より引用)
・線路の向こう側のホームでは、なぜかチャップリンが不思議の国のアリスにあいさつしていて、その左隣で白い手さげ袋さげて急いでいる黄色い服のおばさんは、もしかして(少しダイエットした)シバタ電気のおばさん か?
さらに左に視線を移すと、エルジェ『タンタンの冒険旅行』(福音館)の主人公が茶色いズボンのポケットに両手を突っ込んで立っていて、その左横には『はじめてのキャンプ』林明子(福音館)2ページに登場するなほちゃんが同じ服装で立っています。
・二人が乗り込んだ列車の右側の座席には、『さむがりやのサンタ』ブリッグズ(福音館)が腕組みしていて、20ページでもう一度登場します。左側の座席の若い女性は林明子さんご本人がモデルとの噂。彼女は「NAHO」と書かれた腕輪をしています。
・「あき」がのぞく窓の次の窓には「さむがりやのサンタ」、その次の窓を見ると『ピーターラビットのおはなし』ビクトリクス・ポター(福音館)p20に登場するマグレガーさんが乗っています。その向かい側の席には『不思議の国のアリス』にでてくる帽子屋がいて、さらに5番目の窓には同じく「アリス」に登場する公爵夫人(講談社文庫版 p137)の横顔が見えます。
・林明子さんの今は亡き鳥取のおばあちゃんと、そのお家。このおばあちゃんは『ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ』(ペンギン社)の最後で登場するおばあちゃんと、同じ人がモデルですね、きっと。
・お話には出てこないけど、こんの布地は死んだおじいちゃんの古いコートなの(『MOE /2002年10月号』p78)
・林明子さんの軽井沢のお宅には本物の「こん」がいます。(『ユリイカ臨時増刊・総特集=絵本の世界』p81)
・「こん」のぬいぐるみの作り方は、月刊誌『母の友/1997年4月号』(福音館書店)に載っているそうです(ぼくは未見)

[ 104] 林明子
[引用サイト]  http://www.clio.ne.jp/home/kita/ehon3.html

星 明子(ほし あきこ)は、梶原一騎原作・川崎のぼる作画の野球漫画『巨人の星』に登場する架空の人物で、主人公である星飛雄馬の姉である。
容姿は亡き母・春江に瓜二つで、その健気な性格も母に近いと称される。常に一徹と飛雄馬を見守り、星一家を支えていた。一徹と飛雄馬の激しい特訓の為に有形無形の迷惑を被る長屋の近隣住民からは総すかんをくうが、その都度一家を代表して謝罪役を務める(飛雄馬の甲子園出場を機に近隣住民の態度は掌を返したようになり、明子の苦労は報われる)。飛雄馬の巨人入団後も一徹と共に長屋で暮らしていたが、星一徹が巨人二軍コーチ就任を断ったのを機に父・一徹との関係が悪化。彼女は長屋を出て飛雄馬のマンションで同居する様になる。引越し後、近くのガソリンスタンドでアルバイトを始める。
その後、アルバイト先のガソリンスタンドで花形満のスポーツカーに給油を続ける間に花形から求愛を受け、自身も花形を愛する様になる。だが弟のライバルと付き合う事で飛雄馬に良くない影響を与えるとの思いから一時期自ら行方をくらます(しかし、このことは飛雄馬の心理的な負担となっただけではなく、花形の大リーグボール2号(消える魔球)打倒のヒントになった為、明子の失踪は飛雄馬にとってはかえって迷惑ではなかったかという指摘もある)。飛雄馬が球界を去り失踪後、球界を引退し花形モーターズ重役となった花形からの求婚を遂に受け入れ花形家の嫁となる。以降は飛雄馬や花形が球界に戻るのを嫌がり、悲しみつつ、夫や弟の戦いを見守っている。
星飛雄馬の「左腕を破壊した完全試合」の際、アニメの『巨人の星』では試合途中の6〜7回表から花形の傍で観戦し、7回表が終わってベンチに戻る飛雄馬を見て「少しも嬉しそうじゃない」と不思議がり、伴が一塁アウトになって飛雄馬が完全試合を達成した直後に花形や他の客とともにグラウンドに下り、一徹が飛雄馬を背負って球場を去るのを見届けた。ところが、アニメの『新・巨人の星』で飛雄馬と明子が再会した回の明子の回想では大幅に設定が変更され、明子は伴が9回表2死の代打で出たときは東京に向かう新幹線の中で、飛雄馬が完全試合を達成した瞬間は後楽園(原作では中日球場)に向かうタクシーの中であり、明子は金網ごしに「担架で運ばれる飛雄馬」を目撃している。
「耐える女」「いつも泣きながら木の陰で弟を見守る」といったイメージの強い彼女ではあるが、様々な要所では毅然とした態度や叱咤激励する場面も見せており、彼女にも星一徹の遺伝子が脈々と息づいていることを如実に示している。主な点は下記の通り。
飛雄馬の住むマンションへ引っ越した後、大リーグボールをオズマに打たれて抜け殻同然になっていた飛雄馬を平手で殴り、再起を促し、上記のように飛雄馬のもとから去るなど、父、一徹と同様、飛雄馬や伴たちを戦わせる方向に動いていると思わしき行動を見せる。
飛雄馬のマンションから去った後は、飛雄馬がテレビから戻るよう呼びかけても明子はもどらず、後に逆に飛雄馬が行方不明になると、明子はなかなか自分のところに戻ってこない弟を嘆き悲しむようになっており、結構、身勝手であるといえなくも無い。
明子の行動は、父と弟とライバルたちの戦いを終わらせたいようでもあり、一方で飛雄馬や伴が勝負に徹するようにわざと突き放したりして、矛盾した二重人格的なものになっている。これは原作者が「男たちの戦いに翻弄され、安らぎを求める女性」と「男たちの戦いを応援し、叱咤激励する女性」という対照的な役回りを星明子一人に負わせたことが原因であろう。
後に「あしたのジョー」に登場した白木葉子は最後の試合の前に矢吹丈を引きとめようとするが、無駄だと知るとむしろリングサイドから矢吹に立って戦うよう声援を送っている。このあたりは梶原一騎の描く人間の二面性かもしれない。
一徹は「春江は自分の飛雄馬への仕打ちを許さないだろう」と考えていたが、戦争から帰ってやる気を失っていた一徹に野球を再びさせたのも春江である。
明子は伴に中日に移籍して飛雄馬と戦うよう促し(つまり、飛雄馬の姉としてでなく、星一徹のむすめ、星中日コーチの代理として行動し)、そうなると飛雄馬にてがみを送って「精神を鍛えるのは心の悲しみである」という言葉を送る。しかし消える魔球が打たれても明子は飛雄馬の前に現れなかった。お互い孤独に耐えるべきだというメッセージのようだった。
伴の移籍の前後、明子は伴を「大きな坊や」と呼び、一徹は伴を「とっちゃん小僧」と呼び、アニメでは悩む伴の周りでこの親子の台詞が繰り返された。明子も結局、「一徹のむすめ」であることがはっきりしている。
アニメで明子は飛雄馬の最後の登板を客席で見守り、「飛雄馬が完全試合を達成すれば、父・一徹も負けを認め、野球をやめて3人で暮らせるだろう」という夢を花形に語っている。しかし、結婚後、飛雄馬は失踪し、一徹はアパート暮らしで、花形満の誕生日のパーティーで久々に3人集まった以外、親子3人の生活は復活しなかった。飛雄馬失踪前の明子の独立主義を飛雄馬と一徹が尊重しただけである。
『巨人の星【特別編】猛虎 花形満』最終回で描かれた花形との結婚式では、飛雄馬が花形と明子の前に現れているが、結婚後、原作とアニメの『新・巨人の星』の初めの場面で飛雄馬と再会した明子は、弟に向かって「結婚式でも祝電よこしたきりで、どこに行ってたの?」と愚痴を言っている。
明子と花形が初めて出逢った場所は明子のアルバイト先のガソリンスタンドであった。(ここで明子がガソリン代を受け取る場面は描かれていない。) 時期は大リーグボール1号がオズマに打たれた後。花形は飛雄馬と出逢ったブラック・シャドーズ時代から高校を経てプロ入り後約1年までは明子と面識がなかった。ところが、明子は後に花形に対し、「飛雄馬の前に現れたブラック・シャドーズ時代の花形さんを覚えている」と語っている。星一家が全員、長屋に住んでいた頃から、飛雄馬と一徹は特訓をしながらライバル・花形の名を度々口にしており、明子自身もテレビで飛雄馬と対戦する花形を何度も見ているので、昔から知っているような気になったのだろう。
また、アニメ版、特に『巨人の星【特別編】猛虎 花形満』になると、飛雄馬が青雲高校を中退した当時、早くも明子はガソリンスタンドでアルバイトをしていて花形とも顔見知りになっている。更に花形がプロ入り後、鉄球・鉄バット特訓で大リーグボール1号を打倒し、自ら傷ついて入院した時は、明子が一人で東京(墨田区?)の長屋から夜行列車で神戸港北大学附属病院に見舞いに駆けつけ、手術室の前で待ち、花形の乗る車椅子を押してあげるようなロマンスまで描かれている。花形への他の見舞い客は描かれていない。当時、明子は一徹の保護下に置かれていたのに、これほど自由な交際ができたらしい。しかし、後に飛雄馬が明子をクリスマスパーティーに誘った時は、一徹は出席を許さず、明子も行けなかった。
ただし、すでに記したとおり、『新・巨人の星』で花形満の誕生日パーティーが開かれた時は、満・明子夫妻の家に飛雄馬、一徹、左門たちも訪れ、珍しく全員集合で和気藹々となり、飛雄馬がかつて目指した「人間らしい文化生活」がやっと実現した形となった。しかし、野球以外での出逢いが飛雄馬のスランプを呼ぶ結果になるのは、以前と同じ。
原作『巨人の星』では、明子は家が貧乏のせいか初登場から最終回まで着ている洋服のデザインがほとんど変わっていない。これは『サルでも描けるまんが教室』で指摘されている。1968年新春、飛雄馬が巨人軍宿舎から一日だけ長屋に帰った時、初詣から帰ってきた一徹・明子と再会するが、その時の明子の衣装もいつもと少しデザインが違うだけでやはり似たような洋服姿である。明子の育った時代と家計から見て七五三でも和服を着られなかった可能性がある。ただし、アニメ版で花形の家に招かれた時、真新しい服を注文しているシーンがある。明子失踪後に飛雄馬の元にその真新しい黄色のワンピースが届けられ、「姉ちゃんはこれほどまでに花形の家に行くのを楽しみにしていたのに俺のせいで」と飛雄馬のショックに追い討ちをかけることになる、
『巨人の星【特別編】猛虎 花形満』で描かれた教会での結婚式では、明子は洋風のウェディングドレス姿。『新・巨人の星』冒頭に出てきた披露宴らしい回想場面では、新婦・明子は和風の花嫁衣装。花形モータース(『新・〜』では「花形コンツェルン」)の財力なら両方あって当然であろう。
なお、余談ではあるが、伴が飛雄馬に借りを返せと言った話がある。もう一度立ち上がる事により花形が飛雄馬に没頭し、明子から花形を忘れさせるとの事。伴は花形が明子と結婚したら、自分はおかしくなってしまうと言いながら、勝手に花形と明子のウェディングシーンを想像している。この時の明子のウェディングドレスは洋風だが、やはりワンピースである。ちなみに花形は黒のモーニング姿。
結婚後の明子は独身時代の反動のためか和風の着物が普段着になるが、服のデザインが偏るのは相変わらずで、夫と弟の激闘を夢に見てうなされた時の寝間着姿以外は、家の中でも外でも余り変わらない和服を着ていた。 しかし、その寝間着姿はフリフリのレースのネグリジェでかなり色っぽく、意外に豊満な明子のボディを際立たせていた。

[ 105] 星明子 - Wikipedia
[引用サイト]  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%9F%E6%98%8E%E5%AD%90



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