免れるとは?

ドイツ、フェルデン発──全世界で数億ドルもの被害をもたらしたインターネットワーム『サッサー』(Sasser)を作った10代の少年に8日(現地時間)、判決が下された。少年はコンピューター破壊の罪などで有罪になったが、刑務所行きは免れることになった。
この件を担当した裁判所によると、スベン・ヤシャン被告(19歳)には禁固1年9ヵ月の判決が下されたが、執行猶予がつき、その期間中に奉仕活動を命じられたとのことだ。同被告は米マイクロソフト社からの懸賞金の後押しによって寄せられた情報をもとに、身元を特定されていた(日本語版記事)。
ヤシャン被告には最大で禁固5年の判決が出る可能性があった。しかし逮捕時に未成年だったため、検察の求刑も執行猶予つきの禁固2年というものだった。
「ヤシャン被告は18歳の誕生日の数日前に逮捕されたため、ぎりぎりのところで刑務所行きを免れた。そのタイミングで警察に逮捕されたことは、同被告にとっていろいろな意味で幸運だった」とセキュリティー企業英ソフォス社の上級技術コンサルタント、グレアム・クルーリー氏は述べている。
この裁判以前にも、ウイルス作者が年齢によって減刑された例は複数あるが、2003年に『ブラスター』ワームの亜種を作成した米国在住の10代の少年は、禁固1年6ヵ月の実刑判決を受けている(日本語版記事)。この少年はミネソタ州ホプキンズに住んでいたジェフリー・リー・パーソン(判決時19歳)で、最高で禁固10年、25万ドルの罰金という厳刑を受ける可能性もあった。
8日の判決を受けて、マイクロソフト社はヤシャン被告の特定に寄与した2人の情報提供者に合わせて25万ドルの懸賞金を与えると発表した。同社は総額500万ドルの懸賞金制度を導入しているが、実際に報酬が支払われるのはこれが初めてとなる。
マイクロソフト社の副社長で次席顧問弁護士でもあるナンシー・アンダーソン氏は、ヤシャン被告が実刑を免れたことに関して、同社は落胆していないと述べた。
罪を犯した時点の年齢により、ドイツで行なわれたヤシャン被告の裁判は非公開となった。裁判所は判決の中で、被告が「罪を犯した動機は、評価を得たいという気持ちから」であり、金目当てではなかったとしている。
ドイツ北西部の街、フェルデンで行なわれた4日間の公判の結果、裁判所は被告に病院または老人ホームでの奉仕活動30時間を命じたが、訴訟費用の支払いは命じなかった。
被告を弁護したイェンス・メーベ弁護士によると、ヤシャン被告は、昨年ドイツの雑誌からインタビュー料を受け取ったが、犯罪行為そのものからは利益は得ていないという。メーべ弁護士は、ヤシャン被告に対して4件の民事訴訟(それぞれ6000ドル未満の賠償請求)が結審したほか、他にも数件の訴訟が現在行なわれていると述べた。
2004年5月に逮捕された際、ヤシャン被告はワームを作成したことを認め、自供もしていた。同被告はワームを放った約1週間後に逮捕されたが、このワームの目的について、いくつかの悪意のあるインターネットワームを全滅させようとしたのだと捜査当局に供述している。
サッサーはマイクロソフト社のOS『ウィンドウズ2000』と『ウィンドウズXP』の脆弱性を悪用したものだ。永続的な被害はもたらさないものの、どうやらプログラムミスにより、一部のコンピューターではクラッシュと再起動を繰り返す結果となった。
サッサーの影響で、何十万台ものコンピューターが混乱に陥った。台湾では3分の1の郵便局が打撃を受けたほか、英ブリティッシュ・エアウェイズ社では20便に遅れが生じ、英国の沿岸警備隊では通常はコンピューターが出力する海図を紙とペンで作成するはめになった。ドイツの検察当局によると被害総額は数億ドルに上るという。
マイクロソフト社の懸賞金目当ての情報提供者からの情報を受け、ヤシャン被告は自宅で逮捕されたが、検察当局が後日明かしたところによると、この情報提供者は、共犯者の疑いがあるため捜査対象とされていた5人のうちの1人だったという。
マイクロソフト社は懸賞金を獲得した人物の身元を明かさなかったが、どんな形であれウイルスの作成には関与していないと確信していると述べた。同社ではほかにも、『ソービッグ』(SoBig)、ブラスターのオリジナル版、『マイドゥーム』(MyDoom)のバージョンBという3種類のワーム攻撃について、同様の懸賞金をかけている。
同社のアンダーソン氏によると、複数の情報提供者から「相当量の情報」が集まっているが、今のところ逮捕までには至っていないという。
ヤシャン被告を尋問した捜査当局の印象では、被告の動機はプログラマーとしての名声を得る点にあったようだという。逮捕されたとき、被告は母親の家で自分のコンピューターに向かっていた。被告の母親はドイツ北部にあるバッフェンセンという小さな町でコンピューターショップを営んでいる。

[ 189] 『サッサー』ウイルス作者、「未成年」で実刑免れる | WIRED VISION
[引用サイト]  http://wiredvision.jp/archives/200507/2005071306.html

名古屋市発注の地下鉄工事をめぐる談合事件で,公正取引委員会が大林組など5社を独占禁止法違反の容疑で刑事告発したのは2月28日。日経コンストラクション編集部ではちょうど,3月9日号の特集「談合リスクが変える土木の実務」の原稿を印刷会社に入れる間際のことでした。
公取委が刑事告発するという情報は数日前から流れていたので,実際の告発を待って短時間で原稿を修正し,入稿しました。告発自体はある意味で想定内の出来事でしたが,意外だったのは,告発された会社の中にハザマの名前がなかったことです。元名古屋支店顧問が談合の仕切り役とされる大林組のほか,談合が疑われている5工区のJVの幹事会社はハザマを除いて4社(鹿島,清水建設,奥村組,前田建設工業)が告発されました。
公取委やハザマが認めているわけではないのであくまでも状況から推し測るしかないのですが,ハザマは公取委が調査に入る前に“自首”したとみられています。2006年1月に施行された改正独禁法で談合対策が強化され,自主申告した会社に対する課徴金の減免制度が導入されました。実は,同制度を有効に機能させる観点から,調査開始前に最初に課徴金の免除にかかわる報告や資料の提出を行った会社は告発しないとする方針を公取委は打ち出していたのです。2005年10月に公表した「独占禁止法違反に対する刑事告発及び犯則事件の調査に関する公正取引委員会の方針」に明記しています。
談合の自主申告を促す制度は,主に企業の法令順守の意欲を向上させ,談合の発見や解明を容易にするために設けられたものですが,日経コンストラクションの取材では談合の抑止力をも持ち始めていることが明らかになってきました。
2006年3月に100社を超える建設会社が排除措置命令と課徴金納付命令を受けた沖縄県で取材したところ,同県の建設会社の営業マンは「たぶん,談合をしていた時代に後戻りするのは無理だと思う」と述べました。「仮に談合しても,誰かが不満を持つだろうし,いつかまた公取委に自首するに違いない」と。改正独禁法の施行を機に談合との決別を宣言した大手建設会社の営業マンは,「自首する制度がある限り,従来のようにきっちり落札者を決める談合は,あまりにも危険すぎてもう無理だろう」と告白しています。
課徴金だけでなく刑事告発まで免れるとなれば,自首することへのインセンティブは大きくなるはずです。これまでも,公取委の専用ファクスには談合を自首する文書が毎月4,5件ほど届いているそうです。自主申告制度をはじめとするいくつかの談合対策の強化は企業の談合リスクを高め,土木の実務に大きな影響を及ぼしています。詳しくは今号の特集記事をお読み下さい。
もっとも,刑事告発まで免れる現在の自主申告制度が法制面からみて妥当かどうかは,議論の余地があると思います。もしも,談合の仕切り役とされる容疑者の在籍した大林組が自首して,課徴金や刑事告発を免れるとしたら,その制度自体がおかしいと誰もが考えるのではないかと,編集部内でも議論になりました。
その一方で,独禁法の三罰規定の適用も取りざたされています。会社の代表者が違反行為を知りながら是正に必要な措置を講じなかった場合に罰金を科す規定です。法を犯した個人と法人を罰する両罰規定に加えて会社の代表者を罰する三罰規定が適用されれば,建設業界に対してさらに大きなインパクトを与えることになります。
いずれにしても法令順守の体制を一日も早く構築し,技術や品質,生産性などで競争力を持つ存在として脱皮することが,一技術者にも一企業にも求められています。過当競争下で簡単には前進できないいばらの道ですが,そこを突き進むしかないでしょう。日経コンストラクションでも,本格的な技術競争の時代を生き抜くために必要な情報を重点的に提供していきたいと考えています。
「技術士」取得を目指す受験者のために、各論文の書き方と予想問題、解答例を徹底解説。
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[ 190] 課徴金と刑事告発を免れる“自首”の破壊力|ケンプラッツ
[引用サイト]  http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/books/ncr/20070308/505153/



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