入れよとは?

東京都の臨海副都心開発で、都が過半を出資する半官半民企業の第三セクター三社が三千八百億円にのぼる巨額の負債をかかえ、東京地裁に民事再生法の適用を申請しました。
昨年三月に民事再生法適用を申請した二社に加え、臨海副都心などでビル経営に乗り出し、破たん状態にあった三セク五社がようやく処理に向かいます。都政に巣くう大きな癌(がん)である「臨海」開発に抜本的なメスを入れる契機とすべきです。
「東京のオフィス需要にこたえる」という名目で臨海部に霞が関ビル四十五棟分のとてつもない巨大都市をつくろうとした「臨海」開発計画。バブルの絶頂期に、財界と自民党政府の肝いりでつくられた計画は、いまや完全に行き詰まっています。
破たんした三セクは「臨海」の中核事業であるビル経営を担うため、八〇年代末に次々設立されました。保有ビルのテナントは埋まらず、赤字に次ぐ赤字を重ねました。過大なオフィス需要予測にもとづく開発の無謀ぶりが直撃した形です。
都の天下り役員が採算度外視の事業をすすめ、銀行・ゼネコンいいなりの過大な借入金・過剰投資をかかえるという三セク特有の無責任経営が招いた破たんです。直接の財政負担だけでも三百八十一億円が都民に負わされます。
石原慎太郎都知事は三社の破たん処理を発表した会見(十二日)で、都民への謝罪の言葉一つ口にしませんでした。「私の前の前の代(の知事)の話だ」と責任回避しましたが、これは通りません。
石原氏が知事に初当選した一九九九年の選挙では、すでに破たんを深めていた「臨海」をどうするかが争点となりました。当選後の石原知事は、三セク三社にたいして九八年度から二百七十億円の財政支援をおこなう計画を追認しました。ビルを都が借り上げる支援や地代の減免、収益事業の丸投げなど、さまざまな支援策を継続しました。ばく大な公的資金が無駄になりました。
石原知事は、「臨海」開発そのものについて「首都東京の活力と創造力を生み出す新しい重要な事業」とのべ、浪費の大型開発計画にしがみつきました。この七年間に現金投入や土地の提供など二兆五千億円もつぎこんできました。抜本見直しの機会はあったのに、石原知事がそれをしなかったことが、傷を大きくしたのです。過去の知事に責任を押し付けることはできません。
知事は会見で「議会も行政も判断が甘かったかもしれない」とものべました。たしかに無駄遣いの「臨海」推進役となってきた自民、公明、民主の各党にとっては、耳の痛い言葉でしょう。しかし、日本共産党にはあたりません。「臨海」開発に最初から反対し、抜本見直しを一貫して要求してきたからです。
日本共産党は、「臨海」の行き詰まりを都民参加で打開するために(1)問題の所在と反省を都民に示す(2)計画に深くかかわった国の責任を求める(3)出資者として経営責任をもち、事業から巨額の利息収入をあげてきた大銀行の負担で都民の財産を保全する―ことを提言してきました。
石原都政は三セクの破たん処理後、新しい枠組みで「臨海」を継続することをねらっています。オリンピック誘致をテコにした大型開発拡大の姿勢も鮮明です。「臨海」破たんの根源にある巨大開発優先、都民施策切り捨ての「逆立ち」都政そのものの転換が、いま強く迫られています。

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[ 87] 主張/「臨海」三セク破たん/都政のがんにメスを入れよ
[引用サイト]  http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-05-21/2006052102_01_0.html

八月末まで防衛省の次官をつとめた守屋武昌氏が、軍事・航空関係の専門商社の「山田洋行」の元専務とゴルフや会食を通じて親密な交際を続けていた疑惑が、大きな問題になっています。ことは前次官の行動が自衛隊の倫理規程に違反するかどうかだけでなく、防衛省・自衛隊幹部と軍需産業との、根の深い癒着の存在を浮かび上がらせています。
「防衛」関係費として毎年巨額の税金をつかい、新型兵器の購入を続けてきた防衛省と軍需産業の癒着は、「防衛」政策そのものをゆがめるものとして絶対に容認できません。癒着の根本にメスを入れるべきです。
守屋氏は防衛官僚の生え抜きで、中央官庁としては異例な四年以上の長期にわたって官僚トップの次官に君臨、“天皇”とまで呼ばれました。次官を辞めるさい、退任を迫った当時の小池百合子防衛相と対立、首相官邸に働きかけたことなどは、まだ記憶に新しいところです。
一方、「山田洋行」は軍事・航空関係の専門商社で、防衛省のA級入札業者とされ、元専務は一九六九年の同社発足以来、軍需部門を一手に握ってきました。昨年オーナーと対立、部下を引き連れて新会社を設立しましたが、その際航空自衛隊に新型輸送機(CX)のエンジンを納入する米メーカーとの代理店契約を奪い、防衛省との関係を続けています。
明らかになった前次官と元専務の関係は、百回を超すゴルフやマージャンでの接待、ひんぱんな会食、家族への便宜提供など、それ自体公務員の行動としてあってはならないものです。自衛隊の倫理規程などに照らして、前次官がきびしくその責任が問われるのは当然です。
重大なのは、前次官がそうした接待と引き換えに、元専務に自衛隊への兵器納入などで利益を提供したのではないかとの疑惑です。一部の報道によれば、元専務が新会社を設立したあとも、前次官は何の実績もない新会社への発注を防衛省に強く働きかけたといわれます。これが事実とすれば、明らかな贈収賄の事件としても、前次官と元専務との関係は断罪されなければなりません。
しかも元専務の防衛庁・自衛隊幹部への働きかけは、文字通り、防衛省・自衛隊ぐるみで広く行われていたとも指摘されています。防衛行政に影響力のある政治家にも政治献金などがおこなわれていました。前次官と元専務の癒着は文字通り「氷山の一角」であり、軍需産業をめぐる政官財の癒着事件として徹底的にメスが入れられなければなりません。
防衛省・自衛隊の発注をめぐっては、かつてのダグラス・グラマン事件をはじめ、つい数年前の装備品発注疑惑や防衛施設庁の官製談合事件など、繰り返し問題になってきました。その背景には「防衛」予算が聖域とされ、軍需産業への発注実態などが「防衛上の秘密」を建前に十分公表されてこなかったことがあります。この機会に政官財の癒着構造そのものにメスを入れ、根本からただしていくことが不可欠です。
守屋氏の次官在任中、自衛隊はアフガニスタンやイラクでアメリカの戦争を支援し、沖縄での新基地建設など、米軍再編でも守屋氏は陣頭指揮しました。テロ特措法に絡んで問題になっている、給油実績のねつ造なども守屋氏の任期中です。
新テロ特措法の審議にあたって、証人喚問などあらゆる手段で守屋氏にかかわる疑惑を解明し尽くすことも、国会としての重大な責任です。

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[ 88] 主張/防衛前次官疑惑/軍需めぐる癒着にメス入れよ
[引用サイト]  http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-10-23/2007102302_01_0.html



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