朝日とは?
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お使いのブラウザはJavaScriptに対応していないか、または無効になっています。詳しくはサイトポリシーのページをご覧ください。 福田首相はきょう、就任後初の外国訪問に出発する。ワシントンでブッシュ大統領と会い、来週にはシンガポールで東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス日中韓などの首脳会議に臨む。 福田外交には、前任者にはない強みがある。靖国神社参拝や慰安婦問題といった、歴史認識にまつわる難問を抱えていないことだ。歴史問題は日本に対する不信をアジア諸国に呼び起こし、米国でも下院が非難決議を採択した。 今回は、そうしたくびきから解き放たれた旅である。日本外交が自由な対応力を取り戻したのは久々のことだ。 首相が最初の訪問先に米国を選んだのは理解できる。安倍氏のタカ派的な路線とは一線を画すにせよ、日米同盟を外交の基軸と位置づけ、協力していく。新首相としてこの基本を米側に印象づけるのは意味があるだろう。 米国はこのところ、核問題の解決に向けて積極的に北朝鮮との交渉を進めている。核の脅威が取り除かれるとすれば、日本には大きな利益だ。首相は米国の努力を支持することを明確に語るべきだ。 日本国内には、拉致問題が置いてけぼりにならないかと心配する向きがある。米国は年内にもテロ支援国家の指定を外す方針と言われる。首相は米大統領に待ったをかけるべきだという声もある。 だが、米朝関係が進展し、核放棄が実現に近づくのなら、日朝関係にも好影響を及ぼす。それを忘れるべきではない。 核放棄の見返りに、北朝鮮は日本との国交正常化と経済支援を期待している。だが、それには拉致問題を避けては通れない。その道筋に変わりはないのだ。 米国との間で大事なのは、この認識を確認し共有することだ。同時に、北朝鮮との合意を急ぐあまり、核の無能力化や廃棄の対象に漏れがあってはならない。今後の交渉の進め方について、両首脳には腹を割って話してもらいたい。 インド洋での海上自衛隊の給油活動の停止や、在日米軍の駐留経費負担の削減といった懸案もある。首相にとっては悩みの種だろうが、それで日米同盟の土台が揺らぐものでもあるまい。 むしろ今必要なのは、不透明な東アジア情勢をどう安定させていくか、両国の外交戦略をすり合わせることだ。優先順位は何であり、互いにどのような役割を期待するのか、首脳レベルでの意思疎通をはかっておかねばならない。中国への認識は欠かせないテーマである。 首相はその果実を持って、第2幕のアジア外交へと転進してほしい。中国の温家宝首相や韓国の盧武鉉大統領との初会談、さらにはこの3カ国の首脳会談も予定されている。 安定した日米関係がアジア外交の幅を広げ、それが米国に向き合うときの強みとなる。そんな骨太の外交戦略を描く旅にしてもらいたい。 国土交通省が発表した道路整備計画の素案によると、08年度から10年間に道路に投じる事業費は国費だけで35兆円余り、地方自治体の負担も含めると68兆円にのぼる。今後も、ほぼこれまで通りのペースで道路建設を進めようというのだ。なかには、現在計画されている高速道路など高規格道路の未着工区間2900キロ分の建設もすべて含まれている。 国交省がこれほど大盤振る舞いの計画を打ち出したのは、道路整備に使い道が限られるガソリン税や自動車重量税などの道路特定財源を是が非でも守ろうという思惑からだ。 小泉政権も安倍政権も、道路特定財源を使途が限定されない一般財源に組み入れることを構造改革の目玉の一つにあげていた。制度ができた半世紀前は道路造りの安定した財源を確保することが国の課題だった。だが、その役割はすでに終わり、最近はむしろバラマキ財政のような弊害が目立っているからだ。 ところが昨年12月、安倍政権は「真に必要な道路」を整備して余った財源だけを一般財源に回す、という玉虫色の決着をした。国の道路特定財源は今後10年間で31兆〜34兆円にのぼる見通しだ。国交省は、これをすべて使い切るので一般財源に回す分はない、と宣言したわけだ。 多くの地方自治体や、与党の道路族議員も道路整備計画の推進を支持している。交通の便がよくなるだけでなく、公共事業を通じて地方経済を活性化することを期待しているのだ。 日本の財政はいまや先進国で最悪の状態にある。自治体も事情は同じだ。まずは歳出削減につとめ、さらに増税をしてでも財政健全化に取り組む必要がある。少子高齢化のスピードが上がり、年金や医療、介護の社会保障費用が急速に膨らむからだ。 ガソリン税など道路特定財源の税率はいま本来の約2倍に上乗せされている。1リットルあたり150円ほどのレギュラーガソリンの価格のうち、54円ほどを道路特定財源として負担している。上乗せ税率は来春、期限切れを迎えるが、計画はこれを10年間延長する案だ。 国交省は、開かずの踏切対策や安全な通学路の確保、市街地道路のバリアフリー化など「住民ニーズにも合致する事業を積み上げた」という。 ただし、それを吟味するには道路特定財源を一般財源化することが欠かせない。福祉に回す費用や教育費とも比べたうえで、必要性や緊急性を判断したい。限られた財源をどう有効に活用するかの知恵が問われているのだから。 asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。 |
[ 34] asahi.com:朝日新聞社説
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