言おとは?

耳袋は霊言お初シリーズに登場する、お初の後見人、南町奉行・根岸肥前守鎮衛(ねぎし/ひぜんのかみ/やすもり)(実在の人物)が、公務に於いて様々な土地に赴任し、そこで見聞きした珍しい話、不思議な話をまとめた随筆集です。多分皆さんも本屋さんなどで見かけることがあると思います。ひとつの巻に100項目が納められており、それが10巻有って異事奇聞の類が1000項目まとめられています。わたしも手にとって見たことがありますが、まとめ方が「遠野物語」に似ているように思います。
「霊言お初・震える岩」では巻の六の二に納められた「奇石鳴動の事」がモチーフに使われています。文庫版の扉のページにその原文が載せられていますので確認してみてください。「奇石鳴動」事件が起こったのが享和2年・1802年ですから、根岸鎮衛が65歳の時ですね。
根岸肥前守鎮衛は先にふれましたとおり、実在の人物です。霊言お初では実に渋く枯れた魅力いっぱいのお奉行様ですが、実際にはどうだったのか、そのへんを少しまとめてみます。
霊言お初・震える岩、天狗風の前に実はお初が活躍する作品があります。「迷い鳩」「騒ぐ刀」(共に『かまいたち』に収録)です。この両作品の原型は、それぞれ昭和61年62年に書かれています。宮部さんのデビュー前です。この2作品は宮部さんにとっては、非常に初期の作品になり、また、設定はほとんど同様でも、違った形で取り組みたいという考えのもとに、「震える岩」「天狗風」が生み出されていきます。
霊言お初の2シリーズと上の2作品では、登場人物に少し違いがあります。六蔵の弟、直次がシリーズには存在しません。そのかわり文吉やその他魅力的なメンバーが数多く登場してきます。
・お初>六蔵の両親に生後一月位の捨て子だったのを拾われる/六蔵とは血の繋がった妹ということになっている/初潮を迎えると同時に特殊な能力が顕現/「震える岩」の頃16歳/
・六蔵>お初の兄/「震える岩」の頃数えで36歳/通町の岡っ引き/馬喰町生まれ/紙屋の三男/15歳の時店の客を相手に、大立ち回りをしでかし、危うく縄付きになるところを当時の神六親分に助けられこの道に入る/神六親分の跡目を継ぐ際、その一字を貰って、本名の参蔵から六蔵に改名/20歳の時およしと結婚/この頃馬喰町の両親が生後一月位の捨子(お初)を拾う/大火で亡くなった両親の代わりにお初を引き取る
・およし>六蔵の妻/お初の兄嫁/浜町で大きな料理屋を営んでいる男が妾に産ませた娘/日本橋通町の一膳飯屋「姉妹屋」をお初ときりまわす/17歳の時六蔵と結婚
・お初達の両親>生後一月位の捨子(お初)を拾い、当初自分たちの子供として育てる/お初が3歳の頃大火で死亡
「毎日夢に出てくる交差点を突きとめて欲しい」と、探偵事務所におかしな依頼が来る。ラストは原作とやや改変されてはいたものの原作のテイストをうまくドラマに持ち込んでいるという。
キャスト三田村邦彦、財前直見、沢向要士、船越栄一郎(船越英一郎)、山口果林、角野卓造、森口瑤子(森口瑶子)、山下規介、大畑 俊、吉野真弓 山本周五郎賞受賞作品のドラマ化。「火車」は罪を犯した人が、地獄へ落ちるときに乗る車のこと。カード破産をした女が、別の女性になりすましたが、その女性もカード破産していたという「現代の皮肉」を描いたサスペンス。挙式を直前に控えた彰子が失踪。本間刑事の調べで、彼女は自己破産者のリストに登録されていたとわかった。しかしその彰子は、失踪した人物とは別人。何者かが彰子になりすましていたのだ。
キャスト相楽晴子、前田耕陽、石野陽子、下条アトム、上野正希子、宗方奈美、有賀泰三 「スター名鑑'94」では金谷祐子脚本とあるが誤りと思われる。ホテルに勤めるみちる(相楽晴子)は深夜、ポケベルの音で目覚めた。早速、職場へ連絡するが、当直中の同僚・亮(前田耕陽)らは呼び出していないという。気になったみちるはポケベルに表示された番号に電話をしてみた。電話に出た若い女は泥酔状態。アキラという恋人にふられたらしく「死んでやる」の一点張りだ。頭にきたみちるは「さっさと死ねば」と言い放つ。翌日、その女・由佳(石野陽子)の転落死を知ったみちるは愕然となる。
キャスト浅野ゆう子、風間トオル、平 幹二朗、永作博美、水木 薫、小林勝彦、定岡テツ、島村晶子、前田夏菜子
それは嵐の夜の超常現象から始まった…不思議な能力は本当に存在するのか?推理作家協会賞受賞作品ついにドラマ化!
石黒 賢、東 幹久、鶴田真由、森本 レオ、長谷川初範、岡田秀樹、秋本奈緒美、勝部演之、矢沢美樹、でんでん、田島令子、山本耕史、山下容莉枝、須間一弥、渡辺哲
大雨の夜。雑誌記者の高坂(石黒賢)は、高校生の慎司(岡田秀樹)と知り合った。慎司は、その当日に発生した幼児失踪事件の真相を言い当てたり、高坂の過去を見通したり、不思議な力を持っている。中盤以降に起こる事件の展開は定石的といえるかもしれない。しかし人間が普遍的にもつ生への悩みや苦しみが画面から浮かび上がり、奥行きのあるドラマに仕上がっている。(読売新聞 94/04/22)
満票での受賞となった。現代日本の光とやみに触れ、広く社会と人間像を描いたバルザック的な仕事」と評した。

[ 133] 宮部みゆきの部屋
[引用サイト]  http://www.safins.ne.jp/~soumon/miyabe2.htm



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