ジャンクーとは?

1970年5月29日、中国山西省の小さな田舎町、汾陽〔フェンヤン〕に生まれる。山西省の省都・太原(タイユェン)の芸術大学に入学し、油絵を専攻。同時に小説執筆を始める。この頃、チェン・カイコー(陳凱歌)監督の『黄色い大地』を見て映画に関心を持ち、93年に北京電影学院に入学。95年、仲間とともにインディペンデント映画製作グループを組織し、55分のビデオ作品「小山の帰郷」を監督。河南省から北京にきた出稼ぎ労働者の青年が失意のうちに田舎に戻ることを決意する姿を描き、香港インディペンデント短編映画賞の金賞を受賞。
97年、北京電影学院を卒業。その卒業製作として16mm長編劇映画『一瞬の夢』を監督。自らの故郷・汾陽を舞台にスリを生業とする青年の孤独な日常と恋、そして残酷な結末を描いたこの映画は、“卒業製作”であるにも関わらず、98年ベルリン国際映画祭<フォーラム部門>でプレミア上映され、ヴォルフガング・シュタウテ賞(最優秀新人監督賞)を受賞。さらにプサン国際映画祭、バンクーバー国際映画祭、ナント三大陸映画祭で連続してグランプリを獲得し、一気に世界の注目を集めた。
2000年、35mmで撮影した長編第2作『プラットホーム』を発表。消費経済の登場で中国社会が大きく変化した時代、79年から91年までを舞台に、文化劇団(文工団)の若者たちの青春群像をスケールあるロードムービーとして完成させた。この第2作は前作以上に高い評価を受け、ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に招待され、ナント、ブエノスアイレスの両映画祭ではグランプリに輝いた。2001年、山西省の地方都市、大同(ダートン)で初めてデジタルビデオで撮影した短編ドキュメンタリー『In Public』を製作。2002年、同じく大同を舞台にデジタルビデオ撮影の長編第3作『青の稲妻』を発表する。経済発展に沸く中国にあって、ただ無気力に出口なしの青春をやりすごす若者の姿を捉えたこの映画で、カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。つづく2004年の第4作『世界』では、北京郊外に実在するテーマパーク「世界公園」で働く若者たちを中心に、世界中の建造物のレプリカを集めた公園とは裏腹に、自分たちはまるで世界から切り離されているかのような地方出身者たちの孤独を描いて、ふたたびベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。受賞こそ逃したものの熱狂的に迎えられ、若くして世界的名匠の地位を確立した。
ベルリン国際映画祭 ヴォルフガング・シュタウテ賞(新人監督賞)、NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)

[ 57] PROFILE<ジャ・ジャンクー
[引用サイト]  http://www.bitters.co.jp/jia/index.html

「ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記」特別試写会にご招待!
「プラットホーム」「青の稲妻」の中国人映画作家ジャ・ジャンクー監督が、中国の国家プロジェクト、三峡ダム建設により水没する運命を余儀なくされた古都・奉節(フォンジェ)を舞台に、名もない市井の人々の人生を詩情豊かに謳った「長江哀歌(エレジー)」(現在公開中)。06年のベネチア国際映画祭金獅子賞、07年の第1回アジア映画賞監督賞に輝く同作品について、ジャンクー監督自ら語ってもらった。(聞き手:佐藤睦雄)
──オープニングで主人公は船に乗って三峡ダムにやって来ます。大河に浮かぶ船は何かのメタファーなのですか?
「川を意識して使っているのは確かです。今度は長江でしたが、僕も黄河のそばで育っている。中国の文明って川のほとりから拓けてきたじゃないですか! ところが、皮肉なことに、文明の発祥地は今悲惨な運命にあって……人間も、つらい目に遭っている。三峡ダム周辺に住んでいた人々は、川とともに生きている。上海あたりに出稼ぎに出る人も多かった。主体的に自分から出て行ったんだけど、今度は国家的プロジェクトの三峡ダム建設により、客体的に出て行かざるを得なくなった。唐の李白の時代から、人々が漂白するような内容の詩が残っているように、移動する手段として川を使ってきましたから、川は重要な要素だと思いました」
「ロケ地を探して三峡から重慶まで移動した時、ある地点では“山水画の世界”が広がっていた。いにしえの人々がそれを見ていたと思うと、感慨深かったですね。ところが船が岸に着くと現実が待っていて、取り壊しをやっている。だから僕の映画にも、川のゆったりとした流れを映す静かな画面と、取り壊しの工事をしてガタガタとうるさい画面が、同居していますね」
「特に、三峡ダムのあの辺は貧しい地区で、あそこの人間は出稼ぎに出ないと生きていけないので、政府もあまりケアしなかった。彼らは雑草みたいに生きていたんですよ。そうした経済格差が、移民が生まれた最大の理由ですね。あの地域が長江に沈むとなると、100万人の方々が生まれ育った地域を離れて、新しい生活を始めなければならない。それに適応できるかが大きな問題になります。
2600年の歴史がある建造物が取り壊されることにみんな感傷的なんだけど、人間の営みのほうにもっと不具合が出てくると思うんです。上海郊外に崇明島(ソンミンダオ)という島があるんです。そこは三峡ダム建設によって移民する人々の移住地に選ばれた場所で、劇中でもそこへ引っ越す家族が苗木を持って行く場面があります。あれは、三峡特産のオレンジの木なんですね。たまたま撮れたシーンなんですけどね。上海で本作の上映会をした時、すでに崇明島へ移転した農民たちを招きました。上映後、映画を見て目をはらした三峡出身の方がこう言ってくれました。『私もオレンジの苗木を持って来たんだが、2年で枯れてしまった。住む場所をもらってある程度は生活を保障されても、故郷の気候は持って来られない』と。彼らが“失ったもの”は数多くあると思います」
06年のベネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いた、中国の若き名匠ジャ・ジャンクー監督による人間ドラマ。ダム建設によって水没することが決まっている三峡の街。16年前に別れた妻子を探しにこの街を訪れた炭鉱夫サンミンは、かつて妻が住んでいた場所がすでに水没してしまったことを知る。一方、音信不通の夫を探しにやって来たシェン・ホンは、夫が働いていた工場を訪れるが、そこに彼の姿はなく……。
出演:チャオ・タオ、ハン・サンミン、ワン・ホンウェイ、リー・チュウビン、マー・リーチェン、チョウ・リン、ホァン・ヨン
メガヒット確実の話題作、編集部がおすすめするカルト作などを、eiga.com的な切り口で解説。今、もっとも観るべき映画を多角的にご紹介します。毎月1日、15日更新。

[ 58] 長江哀歌 : ジャ・ジャンクー監督インタビュー - 映画のことならeiga.com
[引用サイト]  http://eiga.com/special/show/1290_0



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