部門とは?

錯体化学・有機金属化学の観点から、新しい光機能・電子材料として注目される各種化合物の開発とその学術的基礎の確立を目的として種々の金属、有機及び高分子化合物の合成、構造、物性ならびに反応について広範な研究を展開しています。それらの研究から得られた芳香族π共役高分子は、主鎖に沿って一次元的に広がったπ電子系を有するため、特異な電子・光機能を発現し、半導体や電池の電極材料、あるいはエレクトロルミネッセンス(EL)素子や非線形光学素子等への応用研究が展開されています。
各種合成反応の重要な中間体である有機遷移金属錯体とその反応を対象とし、反応機構の本質的理解、新触媒反応の開発、機能性分子合成などに取り組んでいます。新構造有機金属錯体の合成、炭素-炭素結合形成反応の新反応機構の提案、選択的共重合反応の開発、分子素子化合物の創製などを行っています。また,有機合成を効率的かつ選択的におこなうための鍵元素としてケイ素に注目し,その特性を活かした新規な有機合成・高分子合成反応の開発をめざしています。
ナノメートルオーダーで空間構造を制御した「規則性ナノ空間物質」は触媒材料あるいは機能材料として無限の可能性を秘めています。私たちはこのナノ空間物質を用いると、メゾ構造体による超高効率ヒ素イオン除去、半導体バンドギャップの任意制御、Ti担持ナノ空間物質による不斉接触酸化、シリカ系ナノ空間物質特有の酸触媒特性の発現等が可能になることを世界で初めて発見し報告してきました。規則性ナノ空間物質は、これまでの触媒/機能材料では達成できなかった反応や機能を可能にするばかりでなく、未知の触媒能や機能をもたらすものと期待しています。
タンパク質は、生体の中で起こるいろいろな化学反応、物質や組織の動きなど、ほとんどの作業をこなしている万能選手です。アミノ酸のポリマーであるタンパク質は、その配列のバリエーションによってさまざまな立体構造をとることが出来ます。また、その立体構造が可動的であり、電子の伝達、光の受容、機械的な運動、情報の伝達、特異的な反応の触媒など、いろいろな機能を果たすことが出来ます。私たちは、生体内で特に重要な役割を担っている三つのタンパク質、ATP合成酵素、分子シャペロン、チオレドキシンの研究を中心に、タンパク質の作用機構を分子レベルで明らかにすることを目指して研究を進めています。
現在我々が直面しているエネルギー問題・環境問題の解決に、新規な触媒および触媒反応の開発は本質的な重要性をもっています。当研究室では、ゼオライト・メソポーラス物質などの新しいナノ材料の設計とこれらの材料を中心とした触媒反応プロセスの開発を行っています。
新しい高機能・高性能な高分子光機能材料の創出を目指して、分子設計・合成・物性評価からデバイスの作製・評価まで,基礎と応用の両面にわたり幅広く研究を行っています。材料の高機能高性能化においては、機能性分子の三次元的な配列および配向を精密に制御することが極めて重要になります。そこで、外場応答によって協同的な分子配向変化を効率良く誘起できる液晶に着目し、さまざまな液晶高分子材料の開発を行っています。
ヘテロ原子化合物を主たる対象として、環境調和プロセス型新規反応手法および新規形式の反応によって原子効率の高い合成反応の開発を行っています。さらに機能物質・材料としての利用、グリーンケミストリーへと展開しています。また次世代の機能性材料として注目されるシグマ電子共役系高分子のナノメーターサイズでの構造の精密制御や典型金属分子を主鎖に有する高分子の合成および物性評価を行っています。
2台以上のレーザーを同時に用いる様々なレーザー分光法を開発し、分子や分子集合体(クラスター)の構造と反応素過程を解明しています。このような測定や方法論の開拓を主体とする化学は、化学に新分野を拓く可能性がある上、化学関連分野に対しても大きな発展性を有しています。一つはこの方法が極めて高感度であることを利用した新たなリアルタイム環境分析法の開発です。もう一つはこの2波長分光法と顕微鏡光学を融合して可能となる、物理限界を突破した高分解能光学顕微鏡・ナノ顕微分光への発展です。このような新たな方法論の開発は我々物理化学の重要な役割で、物理と化学の境界領域のフロンティアを目指してます。
地球環境と持続的発展可能社会のための高機能化学システムの構築
環境問題、エネルギー・資源枯渇問題など地球規模の問題の解決、豊かな生活持続のための医療・医薬技術の進展、リサイクル技術など、どの分野でも新しい機能材料・プロセスの開発が必要不可欠です。これらの分野では、単純でなく精緻で複雑な機能を示す材料デバイス及びプロセスが要求されています。こ れら高機能な化学システムは、最先端の要素技術とこれらを統合する画期的なアイデアにより生まれます。分子レベルから材料を合成し、デバイス化、プロセス化を俯瞰的に考慮し、社会および地球のために真に必要な科学技術のブレークスルーを目指します。材料自身をシステムとしてとらえ、複数の素材を有機的に結びつけ、新機能を発現する「機能材料システム」および、そのプロセス化までを対象とします。具体的には、燃料電池、バイオマテリアルの創製から、持続発展可能な地球環境保全技術へと展開します。
最近まで日本は世界の中でも安全な国とされてきました。しかし、近年、安全だと思われた工場やシステムなどで事故が増加傾向にあります。この問題に取り組むために、異なる技術分野や異なる産業セクターが情報を共有しながら、安全管理を行うライフサイクルエンジニアリングを可能とするための技術情報基盤の研究を行っています。この拡張として社会技術システムの計画や運用を支援する技術情報基盤も構築しています。
環境に優しくしかも高機能な化学物質の開発は社会的に益々切望されています。本研究室では環境中ではありふれた存在の金属酸化物が現代工業社会の基盤(超伝導体、半導体、絶縁体)を成していることに着目し、ナノからマクロメーターサイズにまで細かく切り刻んだ分子である金属酸化物クラスター(ポリ酸)を環境にやさしい高機能な分子素子として捉え、その合成と物理化学を求めています。ポリ酸は金属原子(おもに
Mo、W、V、Nb)と酸素原子が規則正しい配列をした 10〜1000 A 分子サイズの物質群であって、その特異構造に基づいた多種多様の機能を(光)触媒、電気、磁気光学材料、医薬へ応用することを行っています。
―分子・ナノ材料を自由に配置する材料化学と新物性の探索インターフェースを重視して−
21世紀を迎えて、情報、環境、医療、エネルギーなど人類のあらゆる活動分野で、材料科学の革新的なブレークスルーが待たれています。そのためには、個別に発展してきた物質・材料を分子素子や分子マシンのような超高機能システムに有機的に組み上げるプロセスの開拓が必要です。本部門では、分子を究極のユニットとして組織化する分子システムと構造微細化によって新たな機能・物性が期待されるメゾスコピック材料を自在に配置・集積・組織化する新しい拡張型の分子材料化学を目標にしています。具体的には、高分子、金属錯体、分子結晶、金属、半導体に至るさまざまな物質の機能と物性が統合された「分子回路工学」と「ナノ複合材料工学」を展開しています。
平成14年度に発足した部門です。スマートマテリアルとは、材料自身の中に知的機能の一部を有し、材料自身が劣化を診断して自己修復・劣化抑制などの機能を発揮する材料であり、そのような材料の開発をめざして錯体化学・有機化学を基盤にした研究を行っています。
地球上の有限な資源を有効に利用し、かつ効率良く循環させるためには新しい技術開発が必要です。この目標のために生物の機能を活用する技術は極めて有望で地球にやさしい方法です。当研究室ではこの目標のために新しいバイオプロセスの開発のための基礎研究を行っています。水、大気ばかりでなく、生物、エネルギーを含めた広義の環境保全、管理に関する研究を遺伝子レベルからバイオリアクターにいたる広範な領域で行っています。

[ 83] 部門紹介 | 東京工業大学 資源化学研究所
[引用サイト]  http://www.res.titech.ac.jp/~documents/j_section/index.html



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