かけるとは?
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1965年、小説家・筒井康隆によって書かれた短編「時をかける少女」は、発表されるや、多くの少年少女の心を捉え、至高のジュブナイルとして広まっていった。以来、40年にわたって『時をかける少女』は、テレビドラマ、映画など、幾度となく映像化されることになる。その折々の時代を反映した、文字どおりの「時をかける」物語として。そして2006年、アニメーションの鮮烈な映像と、新たな物語とともに17才の新たなヒロインが時をかけ抜ける。今回は映画化を熱望した細田守監督と、声優に初挑戦した、愛知県出身の関戸優希に映画にかける想いを訊いてみた。 細田:マッドハウスという伝統のあるアニメーションスタジオがありまして、そこの丸山正雄さんという日本アニメーションの半分くらいを手中におさめている(笑)巨大プロデューサーがいるんです。その方と、『筒井康隆先生の作品をアニメーション映画化したら面白いんじゃない』って話をしたのがキッカケですね。僕は、もともと筒井先生の大ファンなんですが、よくよく考えてみたら筒井作品ってアニメーションになってないんですね。丸山さんから『じゃあ、どの作品をアニメーション化したいんだ?』って聞かれて、迷わず「時をかける少女」って答えました。そしたら、丸山さんも『それのった、それやろう!』ってことになったんです。「時をかける少女」って、今までに7回とか、数多く映像化されてる作品で、こんなにリメイクされている原作って、本当に珍しいんですよ。今回はアニメーションの企画を筒井先生に持ち込みました。結構むずかしいと思っていましたが、筒井先生に快諾していただけたんです。今までにもたくさんのアニメ化の話が来ていて、きっと断り続けて来たんだろうなという思い込みもあったので、カジュアルに『いいよ』って返事がもらえた時は大変うれしかったですね(笑)。最初に許諾をいただいた時は、シノプシスもまだなくて、これから考えていくという段階だったので、そこでOKを出した筒井先生の度量の大きさにも感服しました。その後、シナリオをゆっくりと時間をかけて作っていきました。いろいろ考えていくうちに、主人公が現代を生きる17歳の女の子になったり、原作からの変更点が多数出てきました。試行錯誤を繰り返し、やっとまとまったシナリオを筒井先生の所に持っていったんです。そして、後日『いかがでしたか?』と聞きに行ったんです。原作からの大きな変更もあるので、ひょっとして不愉快に思われるんじゃないかという心配もありました。筒井先生は一言、『原作と全然違う…』って黙り込んでしまったんです。『これはやり直しかも?』って、冷や汗タラタラで様子を伺っていると、しばらくしてから『原作と全然違うところがよいね』って言ってもらえたんです。『さすが、筒井康隆先生』って思いました。もともと人を驚かせるのが好きで、茶目っ気たっぷりな方。主人公を変えたところが、『いい』って言えるなんて寛容な方だと思いました。また、『本当の意味での2代目』というお墨付きをいただけたのは、うれしかったですね。 細田:『時をかける少女』っていうのは、常にその時代、時代の空気というか、世の中の変化を反映させてきたんです。今回の映画化にあたっても同じで、今現在の状況を分析し、『時をかける少女』の現代版ヒロインを想定してみました。今までの『時をかける少女』のヒロイン像は、大人しくて優等生で、なおかつ古典的な美少女。現代版は、明るく活発で、優等生タイプではなくちょっと馬鹿っぽいタイプ。考えるよりも先に走っていってしまう女の子の方が、現代では時をかけ抜けるんじゃないかなということになりました。 細田:キャッチボールのシーンの意味は、女の子1人と、脇に男が2人っていう構図だと、どうしても三角関係の話に見えるんですよ。この話はそうではないので、むしろ3人でキャッチボールをやることによって仲良くみえるようにしました。公園で取材というか、人間ウォッチングしている時に思うんですけど、キャッチボールしてる人たちって凄く仲良く見えるんですよ。男の子とか女の子とか関係なく楽しんでいる感じを出すのと、ヒロイン・紺野真琴の男勝りで恋が苦手というキャラクター作りにも役に立ったと思います。 細田:オーディションは、声優はじめ、舞台の方や、児童劇団の方など広い範囲に声をかけていたんです。たくさんの方と会ううちに、今回の『時をかける少女』に関しては、アフレコの上手さではなく、フレッシュな初々しさを求めるようになっていきました。主演の仲さん、関戸さんはお芝居の経験はないに等しいんですが、可能性とか、この映画らしさをすごく感じました。そうやって選んでいったのが今回の声優陣です。10代の役者が持つフレッシュな感じが出せたと思います。 関戸優希:わたしが担当したのは、ヒロイン・紺野真琴の妹の美雪役。いきなり冒頭のシーンから登場するんです。アフレコは順番に録っていくので、誰かのアフレコの現場を見ることもできないまま、いきなり初挑戦! どうしていいかわからないまま始まったので、本当に『どうしようどうしよう』って感じでした。監督からセリフの一言一言、ワンシーンワンシーン細かく指示していただけたので助かりました。 細田:関戸さんは、オーディションの時からそうだったのですが、テイクを重ねる毎によくなっていくんですね。『お芝居を頑張ってやっていきたい』という意気込みをすごく感じました。 関戸優希:仲さんとの掛け合いのシーンとかは、タイミングをとるのが難しかったので何度も何度もやりました。 細田:最近、中高生の方が観る映画が少ないと聞きますので、この作品を中高生の方に是非、観て欲しいです。 関戸優希:地元(愛知)出身なのですが、実は家の近くの映画館ではやっていないので、友達もまだ観てないんです。共感できるところがたくさんあると思うし、笑える部分、ちょっぴり切ない部分もある映画なので、同じ世代の方に観てもらいたいです。 1967年9月19日生、富山県出身。1991年東映動画(現・東映アニメーション)に入社。テレビシリーズ演出に参加後、『デジモンアドベンチャー』ほか、『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』など劇場版アニメーションを監督。2005年、東映アニメーションを離れ、本作がフリー第1作目。 1991年7月24日生、愛知県出身。スーパーヒロインオーディション《ミス・フェニックス》準グランプリ受賞。NHK 名古屋放送局「中学生日記」のほか、『着信アリ Final』にも出演。 1965年の原作発表以来、幾度となく実写映像化されてきた「時をかける少女」(著:筒井康隆 角川文庫刊)が、2006年、初めてアニメーション映画になった。新たなヒロインは、あるきっかけから「今」から過去に遡ってやり直せる力、タイムリープ能力を持ってしまった17才の紺野真琴。他人の恋には前向きで、自分の恋には後ろ向き。そんな少女が「タイムリープ」(時間跳躍)を覚えたら…? これまでになく、アクティヴで前向きなヒロインが、アニメーションの鮮烈な映像と、新たな物語とともに、文字通り駆け抜けていく爽快な青春映画。 今回、話題を呼んでいるのが、ヒロイン紺野真琴の叔母であり、ちょっと謎めいた30代の独身女性として登場する芳山和子。原作の主人公であった芳山和子が、未来から来た初恋の人と別れの後、どんな人生を歩んできたのか? 彼女が新ヒロインの紺野真琴に授けたアドバイスとは? 原作ファンにはうれしい登場だ。芳山和子の声を、映画『蝉しぐれ』やTVドラマ「女王の教室」、「7人の女弁護士」などで活躍し、今もっとも注目されている女優、原沙知絵が声優初挑戦。 ヒロインの紺野真琴には、仲のいい男のクラスメートが2人いる。ひとりは幼なじみの津田功介。もうひとりは間宮千昭。真琴は同級の女子とつるむより、タイプの異なる2人の男子と野球の真似事をやるのが放課後の日課。男勝りな性格の真琴にとって、仲のいい遊び友達の功介と千昭。しかし、そんな3人の関係にある変化が訪れる。友だちから恋愛対象への変化。異性を気にする年頃の甘酸っぱい男女関係を描く。 監督は、2005年春の劇場版『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』を手がけた細田守。芸術家の村上隆とのコラボレートにより、フランスの高級ブランド、ルイ・ヴィトンの店舗で上映された短編『SUPERFLAT MONOGRAM』や、六本木ヒルズのコマーシャルなどで世界に認められるアニメーション監督だ。この監督の考えで、選ばれたキャストは声優未経験の役者がほとんど。紺野真琴役の仲里依紗をはじめ、果穂役の谷村美月、友梨役の垣内彩未、美雪役の関戸優希ら現役の学生たちが等身大に演じている。 高校2年生の紺野真琴は、故障した自転車で遭遇した踏切事故をきっかけに、時間を跳躍する能力を得る。叔母の芳山和子にその能力のことを相談すると、それは「タイムリープ」といい、年頃の女の子にはよくあることだという。記憶の確かな過去に飛べる能力を日常の些細な不満や欲望の解消に費やすようになる真琴。「タイムリープ」でバラ色の日々を送れると思われたが、クラスメートの男子生徒、間宮千昭や津田功介との関係に変化が。千昭から思わぬ告白を受けた真琴は狼狽のあまり、その告白をタイムリープで、強引に無かったことにしてしまう。やりなおされた「過去」。告白が無かったことになった「現在」。ところがその千昭に、同級生の友梨が告白。まんざらでもなさそうな千昭。さっきまで真琴に告白していたのに! 面白くない真琴。その上、功介にあこがれる下級生、果歩の相談まで受けてしまう。いつまでも3人の友達関係が続けばいいと考えていた真琴の望みは、タイムリープでかえってややこしく、厄介な状況に。真琴は果歩の恋を成就させるために、タイムリープで東奔西走するのだが…。 |
[ 75] 大須王/『時をかける少女』
[引用サイト] http://www.osuo.com/random/035.html
