手形とは?
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手形(てがた)とは、手を物に押し付けるなどしてついた手の形や、掌に墨などを塗って、紙などに捺した手の形のことをいう。また、一定の内容の証明となる証文には手形を押したことから、一定の資格や権利を証明する書面そのものも手形という。通行手形(関所手形)、切符手形(切手)、約束手形、為替手形といった使われ方をする。 さらに、単に「手形」といった場合には、有価証券としての一種である約束手形と為替手形の事(広義には小切手も含む)を指すのが一般的である。 手形の振出人(発行者)が、第三者(支払人)に委託し、受取人またはその指図人に対して一定の期日に一定の金額を支払ってもらう形式の有価証券のことである。略称は為手(ためて)。遠隔地との取引をする際(特に輸出入)、現金を直接送ることの危険を避けるために用いられることが多い。 日本の商慣行では、江戸時代の遠距離取引においては為替の手段として今日の為替手形と同様の物が用いられていた。水戸黄門漫遊記でも,黄門一行が路銀を受け取る手段として度々登場する。現在では,国内取引の決済手段としては、ほとんど用いられない。債権者が債務者に引き受けさせ、期日に支払いをさせるといった、融資の手段として用いられる。 手形の振出人(発行者)が、受取人またはその指図人に対して、一定の期日に一定の金額を支払うことを約束する形式の有価証券のことである。略称は約手(やくて)。 手形は、2〜3ヶ月程度の中期信用を担う手段として広く利用されていることもあり、日本国内で流通する手形のほぼすべてが約束手形である。 手元に現金がない場合に、約束手形を振り出して代金に充てる方法である。企業取引は通常信用売買によってなされるが、通常の売掛債権よりも手形債権とした方が回収が確実視される。また、満期日まで実際の支払い期限が延長されるため、実質的に代金延べ払いの機能も有する。簿記用語(勘定科目)においては、受取手形あるいは支払手形と呼ばれている。 金銭を貸し付けるにあたって、借用書の代わりに、借主から貸主を受取人とする約束手形を振り出させることをいう。借主が支払期日に手形を決済出来ない場合は不渡となり、半年に2回不渡を出すと銀行取引停止処分となり倒産に追い込まれるため、最優先で決済することとなる。印紙代の節約にもなり、しばしば利用される。 まず、経済的信用のある者が約束手形を振り出したり、手形の裏書人になる。この手形をすぐさま金融機関において手形割引を受けて現金を確保させるために資金繰りに窮した者へ渡すという使い方をいう。手形振出の元になる経済的関係(原因関係)がなく、手形の支払いが拒絶されるなど、しばしば紛争を生じる。 日本においては、手形を利用しようとする者は、まず銀行との間で当座勘定取引契約を結び、全国銀行協会連合会が制定する統一手形用紙を受け取る。本来、手形要件(手形として機能させるために必要な法定された記載事項)さえ満たしていればよく、手形用紙に制限はない。しかし、統一手形用紙を用いなければ銀行は割引などの取引に応じてくれないため、実務上は統一手形用紙による手形しか存在しないと言ってよい。 手形(為替手形も含む)は後述のように完全有価証券とされることから、有価証券法の基本法理を示すものとして手形法学の研究は各国で盛んである。以下は日本における手形法学に基づいて説明を加える。 ジュネーブ統一手形法条約への加盟によって制定された手形法によって規定されており、加盟国の間では基本的に同様の法規が適用される(しかし、他の加盟国においては、手形そのものは日本ほど盛んに用いられてはいない)。また、実務上は全国銀行協会連合会が制定する当座勘定規則と銀行取引約定書の規制も重要である。 手形は、証券と権利が強固に結合されており、その権利の発生、移転、行使というすべての段階において手形という証券を必要とするため、完全有価証券といわれる。 手形は、高度の流通性が予定されているため、取引の安全(手形債権者を不測の損害から守る)が法律ないしその解釈によって特に図られる。手形に対する信頼が損なわれれば手形制度は存立できないため、通常の商取引より手厚く保護される。また、後述の不渡りを起こした者に厳しい処分がとられるのもこのためである。 手形をめぐる法律関係を手形関係という。手形の発生原因となる法律関係である原因関係と区別される。 手形関係には振出、裏書、引受(為替手形の場合)などがある。 手形は理論上は貨幣に匹敵する流通性をもつため、受取人(手形の振出を受けた者)から裏書譲渡によって転々と流通し、その所持人を変えてゆくことが想定されている(ただし、現実の手形取引においては所持人が頻繁に変わるような手形は敬遠されるため、転々と流通することは稀であるとされる)。 満期が到来したら、そのときの手形の所持人は振出人(手形を振り出した者)に支払いを求めるため、手形を呈示する。すると、振出人から手形に記載された金額が、呈示された手形と引き換えに支払われる。 手形債務者が請求者に手形金の支払を拒むことができる事由を手形抗弁といい、手形抗弁がある場合は支払義務を負っていても支払を拒むことができる。詳しくは、手形抗弁、後者の抗弁を参照。 満期に支払がなされなかった場合は、2次的な手形債務者に対する遡求が問題となる。また、1次的な手形債務者については、経済的には後述の不渡りの問題が生じる。なお、白地手形も参照。 手形は振出されることによって権利が生じる(設権証券性)。しかし、何を持って「振出」と考えるか、その法的構成に関する学説には、交付契約説(契約説)、発行説、修正発行説、創造説がある。このうち、判決例・通説たる交付契約説と、有力説である創造説の一種の二段階創造説が大きく対立している。 この対立は、振出人が手形に署名したが、受取人に交付する前に盗難などに遭い、その後その手形が振出人の意思に反して流通に乗せられてしまった場合において先鋭化する。このように手形は作成されたが交付がなされずに流通した場合を、交付欠缺(こうふけんけつ)と言う(「欠缺」とは「不存在」の意)。この場合、作成者の意思に反して流通してしまった手形も有効な手形であるとして手形に署名した者を振出人として手形上の債務を負わせることができるのかどうかが問題となる。 交付契約説は、手形が作成されただけでは足りず、交付されなければ手形上の権利が発生したとはいえないと考える。このため、交付欠缺の場合は、手形署名者は振出人としての責任は負わないことになる。 そうであるとすれば、理論上は善意の手形所持人(交付欠缺を知らずに手形を取得した者)が予期せず不利益を被る可能性が生じる。そこで、交付契約説を前提としながらも、交付欠缺があったことについて手形所持人が善意・無重過失であれば、交付欠缺がある場合の署名者も振出人としての責任を負うという権利外観理論が提唱された。この交付契約説+権利外観理論が通説であり、判決例も認めるところである(最高裁判所第三小法廷昭和46年11月16日判決 民集25巻8号1173頁)。 二段階創造説は、手形は作成された時点で手形上の権利が発生し、交付により手形上の権利が移転すると考える。このため、交付欠缺の場合は、手形署名者は振出人として手形上の債務を負うことになる。 二段階創造説によると、取引の安全が正面から確保される一方で論理的矛盾や過度の擬制(手形の作成時においては署名者が署名者自身に対して手形債務を負担することになる)を伴うという批判や、交付欠缺という例外的事例に対処するために原則論をゆがめるものであるとの批判がある。 手形は前述のようにさまざまな使用目的をもつが、満期(支払期日)に手形金を支払えない状態(「不渡り」)に陥ることもある。6か月以内に2回手形が不渡りになった場合には以後2年間、銀行取引が停止される。これによって約束手形の振出人は、手形を利用した金融手段の途が閉ざされ事実上の倒産に追い込まれるため、必死の金策に走るなど不渡りの回避策に悩まされることとなる。 約束手形の支払期日までに資金が調達できない場合、振出人が、受取人またはその指図人もしくは手形所持人に対し、支払期日の延長を依頼することがある。このことを商取引においては「手形のジャンプを依頼する」と表現する。 方法としては、振出人がその約束手形を回収すると同時に、新たな支払期日を設定した約束手形を振り出す(講学上の書替手形)、又は、約束手形の支払期日を訂正するものがある。 約束手形のジャンプの要請は、振出人にとっては自己の決済資金不足(予測)を露呈するという信用低下のおそれを犯してまで、緊急、想定外の行為として行うのであり、その後の決済不能(不渡り)、倒産・破産という事態に進行する前兆であるとも言える。従って受取人等はこれに応じるかどうかは慎重に行うべきものであるが、応じないことにより一気に資金繰り悪化に至るケースや、逆に、応じたことにより他の債権者に後れ、自己の債権を回収できないケースもあり、まさにケースバイケースである。 手形を振り出した企業の経営状態が厳しくなり、手形の決済資金が底を尽き、決済が出来なくなったことを、手形の不渡りという。これは銀行などが資金的な援助をしなくなったということで、実質的な倒産状態に陥っていることを意味する。不渡り2回目で銀行取引が停止され、いわゆる「倒産」となり、手形は価値の消滅した紙くず同然のものとなる。 |
[ 105] 手形 - Wikipedia
[引用サイト] http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%8B%E5%BD%A2
