解きとは?

先月からバイオガソリンの試験販売も始まり、地球温暖化防止の切り札とも言われているんですが、その一方で、食品から燃料を作るために食料品の価格高騰を招くなどの問題も起きています。
大阪・堺では、世界初となる建設現場の廃材からバイオ燃料を取り出す施設が作られ、京都では、てんぷら油を再利用した燃料で市バスが走るなど、熱い視線が注がれています。
とまあ皆さん、バイオ燃料に期待を寄せているようですが、一方で私たちの身近なところに、ある影響を及ぼしています。
いまや世界中に拡大したバイオ燃料需要のあおりを受け、穀物生産を増やすため、果樹園やマヨネーズの原料となる大豆畑などがつぶされたため、価格が高騰しているのです。
「3%という数字は、どんな車に入れても問題ないレベルとして設定。なんとか10%に向けて高めていければ」
いまの車のエンジンをそのまま使うには、3%が限度だということですが、それにしても「環境にやさしい」というには少なすぎませんか。
そもそも、京都議定書を期に石油の代替燃料として注目を集めるようになったバイオ燃料が、温暖化防止に効果があるといわれるのにはわけがあります。
ですが、植物が育つときに二酸化炭素を吸収するため、バイオ燃料のガス排出量は計算上ゼロになるという理論です。
「アメリカの畑や日本の森林では、育てるために、1のエネルギーをとるために1のエネルギーを入れるので、そこでカーボンニュートラルが成立しちゃう」
つまり、植物を育てるためにトラクターを使い、搬送するためにもタンカーを使うなど、バイオ燃料の生産にもエネルギーを消費し、CO2を排出するという視点をもたなければならないのです。
実際にバイオ燃料を日本に輸入した場合、トウモロコシでガソリンの1.3倍、廃材で2倍以上のCO2が出てしまうといったデータもあります。
「サトウキビのような特殊な食物で、ブラジルのような特殊な立地でバイオ燃料は成立する。バイオ燃料が環境に良いという条件が非常に限定的」
東南アジアにあるボルネオ島では、バイオディーゼルのもととなるパームやしから油をとるために、300万ヘクタールもの熱帯雨林が切り開かれようとしています。
「(パームやしの)価格が1.5倍に跳ね上がった。“ゴールドラッシュ”ならぬ“油やしラッシュ”になっている」
「地球に優しいと思って、バイオ燃料を買えば買うほど、環境にやさしくないことが世界のあちこちで起こる」
京都議定書を批准していないにもかかわらず、バイオ燃料に力を入れるアメリカからは、ある思惑が透けて見えます。
「アメリカの世界支配を環境の名のもとでさらに進める。アメリカが3億3,000万トンの食料供給力を使って、今後のエネルギー市場、食物市場を牛耳ることは十分できる」
日本の環境省は、建築廃材に加え、サトウキビの搾りかすなど、食料とは競合しない原料でのバイオ燃料の製造に力を入れているといいますが―。
「温暖化対策というのは、私たちの暮らしや社会のあり方とか、全体を変えなければならない。エコドライブ=やわらかなアクセルワークを身につけるだけで、1割以上の燃料節約になるので、3%バイオ燃料を入れるより、そっちの方が対策効果は大きい」

[ 72] [2007/05/25]いま解き「検証!バイオ燃料は本当にエコ?」
[引用サイト]  http://www.mbs.jp/voice/special/200705/25_8180.shtml

日本でも食品や雑貨など、今や身近な生活用品から安い中国製のものが欠かせなくなっていますが、死者まで出ているとあって不安感は極度に高まっています。
先月、アメリカで有害物質が含まれた歯磨き粉が見つかり、中国産の原料を使ったペットフードで、犬や猫200匹が死にました。
先月、北海道で大手量販店が販売した中国製の土鍋、銀色に光っているものは溶け出した鉛とカドミウムです。
「指で触ったらピカピカ反射していたからアクではない。何かわからないからヤバイ物は食べないでおこうと…」
いま解き取材班が、ここ1年間に世界中から輸入された食品のうち「農薬などが違法な基準で含まれていた」とされる、およそ1,500件を国別にまとめてみました。
ピーナッツにはダイオキシンの10倍の発がん性があるといわれる物質が、ウーロン茶には基準値を超える殺虫剤が含まれていました。
うなぎからは、発ガンの可能性があるとして日本で水産物への使用が禁止されているマラカイトグリーンという抗菌剤が見つかりました。
「水際の監視員のキャパは決まっているので、全てが検査できるわけではない。違反の蓋然性に応じて検査の強さを変えているので、可能性が高いものは100%検査しているが、それ以外では低いものもある」
さらに国は去年、輸入食品の農薬の検査基準を厳しくする制度を導入、検疫官の数も増やすなど取締りを強化しています。
検査に万一もれて市場に出回る輸入食品を独自に検査し、危険があれば消費者に注意喚起している市民団体は、生ものよりも加工食品に気をつけるべきと指摘します。
石黒所長によると、生鮮の状態で食べられるのは全体の8%程度で、ほとんどが加工品として市場に出回っています。
果たして本当に中国の人々は中国食品を食べているのか実情を探るべく、いま解き取材団は魔都・上海に飛びました。
「世界的に高まる“メイド・イン・チャイナ”への不審感を、当の中国の人たちはどう見ているのでしょうか」
「レストランやごみ収集所から紙ナプキンやつま楊枝を回収する業者がいる。紙ナプキンは漂白して再利用し、つま楊枝はサラっと洗って包装し低価格でレストランに売っている」
中国でも食の安全に対する機運は高まっていて、都市部の富裕層は高級スーパーで安心な外国産を購入するなど、国産品を避けるようになっているといいます。
こうした国内外からのプレッシャーに、上海市も危機感を募らせ、食品Gメンを組織するなど取り締まりの強化に乗り出しました。

[ 73] [2007/06/15]いま解き「死者続出!“中国製品のコレは危ない”」
[引用サイト]  http://www.mbs.jp/voice/special/200706/15_8513.shtml

生命の最小単位である細胞では、ありとあらゆる生命活動が行なわれていて、小さな「社会」が形づくられています。細胞の中では生命を司る分子であるタンパク質が絶えず作られていますが、それらのタンパク質が機能するために働いているのもまたタンパク質たちです。現実の社会ではいろいろな役割の人が働いているのと同じく、細胞の中でもいろいろなタンパク質が役割分担をして整然と仕事をこなしています。細胞の中には、脂質二重膜により囲まれたさまざまな細胞小器官(オルガネラ)が存在し、タンパク質はそれぞれのオルガネラでそれぞれの仕事をしています。正しく仕事をするためには、それぞれのタンパク質は正しいオルガネラに確実に輸送されなければなりません。この、タンパク質を正しい場所に送り届ける役割をしているのが、これまでも何度かこのニュースで取りあげている「運び屋タンパク質」の仲間たちです。KEKフォトンファクトリーでは、これまでにも多くの運び屋タンパク質の立体構造を明らかにしてきましたが、最近また新しい運び屋タンパク質の構造が明らかになりました。
タンパク質は、細胞の中でむき出しで運ばれているのではありません。それでは、どうやって運ばれているのか、今わかっていることを見てみましょう。図1は、タンパク質(ピンクの丸)があるオルガネラ(供与オルガネラ)から別のオルガネラ(標的オルガネラ)に運ばれる過程の模式図です。積荷となるタンパク質は、脂質二重膜により囲まれたオルガネラの一部が出芽し、輸送小胞と呼ばれる小さな小包みの中に入って別のオルガネラに運ばれます。標的オルガネラに送り届けられた輸送小胞は、標的オルガネラの脂質二重膜と融合し、積荷がオルガネラの中に入る、という仕組みです。
今日の主役は、この輸送小胞の出芽と融合の両方の過程で働く運び屋タンパク質、FIP3です。この運び屋は、出芽のときはARF、そして融合の過程ではRabというそれぞれ別の仲介役タンパク質の助けを借りて、積荷を小包みにしたり、その小包みの荷解きをしたりしているのです。
ひとつのタンパク質が、小胞の出芽と融合という別な仕事を正しくやりとげるためには、仲介役ARFと一緒に仕事をするときには小包みを作り(出芽)、そして仲介役Rabと一緒に仕事をするときには荷解き(融合)を行なわなければなりません。そこでまず、運び屋FIP3が、どの部分でARFとRabという仲介役を見分けているのかを調べることにしました。
途中で切れたいろいろな長さの運び屋FIP3を大腸菌に大量に作らせ、ARFとRab、それぞれに結合する能力を持っているかどうか詳しく調べ、結合できる最小領域をつきとめることができました(図2)。この2つの仲介役と結合する領域は重なりがなく、運び屋FIP3は別の領域を利用して2つの仲介役を認識していることが明らかになりました。
運び屋FIP3が仲介役Rabをどのように認識しているかを調べるために、FIP3とRab11の複合体の結晶を作ろうとしました。まず、FIPのうち、ARFとRabの両方を認識する領域の部分を使って複合体を作り、結晶化を行なってみました。結晶化に用いたサンプルは、非常に分解されやすく純度も良くないものでしたが、針のような結晶を得ることが出来ました(図3a)。
この針のような結晶は、このままでは構造解析ができませんが、この結晶をよく分析してみると、結晶に含まれているのは、たまたま分解された短いFIP3がRabと複合体を作ったものばかりでした。つまり、最初に使ったFIP3は、ARFとRabの両方を認識する最小単位を含んだ領域で、完全なFIP3に比べ短いものではあるのですが、それでもよい結晶を作るには長すぎたのです。もう一度、今度はRabの認識部位だけを含んだ短いFIP3を作り、結晶化に再挑戦して、ようやく図3bのような大きな結晶をつくることができたのです。
フォトンファクトリーの放射光で明らかになった運び屋FIP3と仲介役Rab11の複合体は、図4のように、運び屋FIP3が二量体を作り、その両側に仲介役Rab11を1分子ずつ結合しているという構造をとっていました。Rab11とFIP3の結合している部分を詳しく見てみると、疎水的な相互作用(水になじみにくい領域を内側にして結合)と静電的な相互作用(電気的にプラスの部分とマイナスの部分が引きつけ合う)の両方を用いて、厳密に認識していることが明らかになりました(図5)。
仲介役Rabは、ヒトの細胞内に60種類以上存在する小さなタンパク質で、それぞれが他のタンパク質と結合して仕事をしています。これまでに、Rabと他のタンパク質との複合体で、構造解析に成功している例はたったの5例しかありません(図6のb-f)。今回得られた運び屋FIP3-仲介役Rab11との複合体の構造(図6a)は、これまでに解析されたどの複合体とも全く似ていませんでした。
この研究は、KEKの構造生物学研究センターの若槻壮市(わかつき・そういち)教授、志波智生(しば・ともお)博士(現東京大学大学院総合文化研究科助手)のグループと、京都大学大学院薬学研究科の中山和久(なかやま・かずひさ)教授のグループの共同研究で、2006年10月17日発行の(オンライン版は10月9日に公開)のProceedings of National Academic Sciences(米国科学アカデミー紀要)に掲載されました。運び屋FIPと仲介役Rab11の複合体は、仲介役Rab11が関与する複合体として最初の構造であり、その生物学的な重要性から競争も激しく、立体構造は世界の3つのグループからほぼ同時に報告されました。アイルランド・トリニティー大学のグループはFIP2とRab11の複合体をStructure誌に報告し、米国・マサチューセッツ大学医学部のグループは、KEKのものと同じFIP3とRab11複合体の構造をJournal of Molecular Biology誌に報告しています。
小胞輸送の模式図。小胞の出芽過程では、仲介役タンパク質ARF(オレンジ)が機能し、積荷タンパク質(ピンクの丸)を集めて、オルガネラの脂質二重膜から小胞が形成される。小胞が目的地の標的オルガネラ膜に近づくと、別の仲介役タンパク質Rab(緑)が働き、小胞を目的の膜へと結合する。FIP(水色)は、ARFとRabの両方の仲介役と一緒に働き、出芽と融合、2つの働きを行なう運び屋タンパク質である。
運び屋FIPが、どの領域を利用して仲介役Rab11、ARF5と相互作用をしているかを調べるために、様々な長さのFIPを作成し、Rab11, ARF5との結合を調べた。結合したものは○、結合しなかったものは×で示してある。その結果、Rab11と結合する最小領域(RBD)は、FIP3で733〜756残基で、ARF5と結合する最小領域(ABD)は、FIP3で607〜712残基ということがわかった。
a.結晶化サンプル (1) から生じた結晶。細長い針状結晶であり、構造解析には不向きである。b.結晶化サンプル (2) から生じた結晶。ピラミッドを2つ合わせたような形の結晶であり、この結晶を用いて構造解析に成功した。
仲介役Rab11と運び屋FIP3の複合体の結晶構造。真ん中に運び屋FIP3が二量体を形成し、その両脇に仲介役Rab11を結合している。下の図は、上の図を90度矢印の方向に回転させた図である。
仲介役Rab11と運び屋FIP3の結合様式。相互作用している面を見開きの図で示した。上の図は、電気的な引力で(青い部分がプラス、赤い部分がマイナス)、下の図は、水になじみにくい領域(緑色)同士でお互いを引き付けあって認識していることを示している。
今回得られたRab11/FIP3の複合体 (a) と、他のRabとタンパク質の複合体 (b-f) の立体構造の比較。仲介役Rabを同じ角度から見て図を作成した。仲介役Rabに結合するタンパク質は、オレンジ色と紫色で示してある。運び屋FIP3は、他のRabに結合するタンパク質と比較して、大きく異なった位置に結合している。

[ 74] 小包みを作る・荷解きをする運び屋
[引用サイト]  http://www.kek.jp/newskek/2006/novdec/FIP.html



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