発生とは?

胚発生(はいはっせい)または生物学における発生(はっせい)とは、多細胞生物が受精卵(単為発生の場合もある)から成体になるまでの過程を指す。広義には老化や再生も含まれる。発生生物学において研究がなされる。
オランダの科学者ハルトゼーカー (Nicolas Hartsoeker) が唱えた精子の姿。中にホムンクルスが入っている
古くは精子には小さな人の形をしたもの(ホムンクルス)(つまり、卵の中に、子孫の雛形がある)があらかじめ存在し、発生はホムンクルスが大きくなる過程であるという前成説があったが、後の研究で、そのようなものが存在しないことが明らかになった。他方、卵の中には何もなく、次第に形ができて来るという考え方を後成説という。
実際には顕微鏡を使用して、細胞レベルの観察が行われるようになって、具体的な発生の過程が観察できるようになった(もっとも、研究の初期には「顕微鏡を通してホムンクルスが観察された」といったような報告がされたこともあった)。動物の発生については多くの研究がなされているが、植物についてはかなり遅れて研究がなされた。
様々な無脊椎動物の発生過程の研究から、動物の発生には、一定の共通する型があると考えられるようになった。
多細胞動物の発生は、受精卵の細胞分裂、いわゆる卵割から始まる。卵割は同調的な分裂により、細胞数を2の級数で増やす。通常は2細胞期に左右に、4細胞期に前後に、8細胞期に腹背に分かれる。卵黄の多い卵では、このとき動物極側(卵黄が少ない)の方が細胞が小さくなる。
ある程度細胞数が増えると、多くの場合、内部に空洞ができる。その外側は一層の細胞に覆われた形になる。この時期を胞胚(ほうはい)期と呼ぶ。胞胚の内部の空洞は卵割腔(らんかつこう)または、胞胚腔(ほうはいこう)と呼ばれる。ウニ卵は胞胚期に孵化し、表面に繊毛を持って泳ぐ。
胞胚の表面の細胞層が内部に入り込む。これは陥入(かんにゅう)と呼ばれる。そして、一つの口を持った袋を内部に形成する。これが消化管の始まりである。この袋は原腸と呼ばれ、その出入り口は原口と呼ばれる。この時期の胚を嚢胚(のうはい)または原腸胚(げんちょうはい)とよぶ。
刺胞動物や扁形動物では消化管には一つしか出入り口がない。その他の動物では消化管は管状である。そのような動物では、原口の反対側に新たにもう一つ出入り口ができる。このとき、どちらが口になるかは動物門によって異なる。軟体動物、節足動物、環形動物など、多くの無脊椎動物など原口動物(先口動物ともいう)では原口が口になるが、棘皮動物や脊椎動物など新口動物(後口動物ともいう)では原口は肛門になる。
原腸が陥入したことで、それまで平等に並んでいた細胞が、内側と外側に分かれたことになる。そこで、外に残った細胞群を外胚葉(がいはいよう)、内側に入った細胞群を内胚葉(ないはいよう)と呼ぶ。外胚葉からは主に表皮と神経が、内胚葉からは消化管が形成される。刺胞動物は、このような構造をほとんどそのままに成体になるので、二胚葉性動物と言われる。
それ以外の動物では、外胚葉と内胚葉の隙間に細胞群が入り込み、そこで発達を始める。この細胞群を中胚葉(ちゅうはいよう)とよぶ。中胚葉からは筋肉、血管系などが作られる。また、中胚葉からは体腔が作られる。
ドイツのハンス・シュペーマンはイモリ胚での移植実験(1924年)から、原口背唇部(げんこうはいしんぶ)に分化を引き起こす作用を発見し、原口背唇部を形成体(オーガナイザー)と名付け、未分化の細胞群に分化を促す形成体の作用を誘導と呼んだ。
また、ドイツのフォークトが、イモリの胚を部分的に染色する「局所生体染色法」を開発した。フォークトはこれにより染色された胚がどのように分化するかの追跡調査を行い、胚が将来形成する原基の位置を示した原基分布図(予定運命図)を作成した(1929年)。
シュペーマンの実験において、原口背唇部の誘導の後に次々と組織・器官が形成されたことから、誘導の連鎖が推測された。
† 原口背唇とは原口の上下にある細胞群のうち、背側(動物極側)にあるものをいう。原口を口とすると、この部位は唇の位置に当たるため、このような名前がつく。動物極とは、卵ができる過程で極体が放出される側を指す(動物極の反対側は植物極と呼ばれる)。極体とは、細胞核を持つが細胞質を持たない細胞で、減数分裂の途中で放出されるが、後々に退化して消えてしまう細胞。
誘導は分泌性因子を介した細胞間相互作用により行われると考えられるが、しばしば多数の因子が複雑な制御系を形成しており、分子メカニズムが解明されていないことも多い。例えば、上記の形成体の誘導にはWntシグナル系と呼ばれるシグナル伝達系路が重要であることが知られているが、その際にWntシグナル系がどのようにして活性化されるのかについては不明な点も多い。また、眼胞/眼杯による誘導には神経成長因子および骨形成因子が関与していると考えられているが、その詳細は明らかではない。
『編・太田次郎 本川達雄 高等学校新編:生物I 新興出版啓林館 平成17年12月10日発行 平成14年3月10日検定済・高等学校理科用』
この項目「胚発生」は、生物学に関連した書きかけの項目です。加筆・訂正などをして下さる協力者を求めています。(P:生物学/PJ生命科学)

[ 83] 胚発生 - Wikipedia
[引用サイト]  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%9A%E7%99%BA%E7%94%9F

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本年4月から5月にかけて、ほぼ同時期に茨城県及び千葉県にて麻しんの集団発生が確認された。5月8日現在の茨城県公表資料によると、茨城県竜ヶ崎保健所管内の2カ所の学校で同時 期に麻しんの集団発生が発生している。牛久市の小学校では麻しん症例14名全員が麻しんワクチン接種歴を有していた。ワクチン接種歴のあるこれらの症例は比較的軽症であった。取手 市の中・高等学校の33症例に加えて、成人麻しん症例、乳幼児麻しん症例、他の小中高校症例 の17名を併せ合計64症例が確認されている。そのうち13名が医療機関に入院した。症例数は、 5月2日の公表資料から増加している。同保健所管内を中心に麻しん患者報告の強化、ワクチン 未接種者に対する接種勧奨等を行っている。また、5月10日の千葉県公表資料によると、鎌ヶ谷 市内の高校で麻しん患者6名の集団発生が確認されている。ほぼ同時期に近隣の複数の地域 で麻しん集団発生があり、報告症例数が増加していることから、今後、東関東を中心とした麻し ん発生地域の拡大、患者数の増加が懸念される。小児科定点医療機関及び基幹定点医療機 関からの報告では、明らかな集団発生は確認されていない(本号「注目すべき感染症」参照)。
麻しんは非常に感染力が強く、患者との直接対面接触がなくても、同じ空間を共有することで感染する「空気感染」を起こしうる。麻しんに対する免疫の無い者が発病すると重症度が高く、約40%が入院し、患者1000人に対し1人の割合で死亡することがある。乳児、妊婦、免疫能低下者などでは特に重症化しやすい。発病した後の特異的な治療法は無く、ワクチンによって予防することが対策上最も重要である。ワクチン接種歴があるため軽症であった場合など、症状が典型的でない時には、他の熱性疾患との鑑別が困難なことがあり、診断には注意を要する。その場合も、麻しん感染源とはなり得るので、やはり警戒が必要である。
麻しんに対する免疫を持たない集団で麻しんが発生した場合は急速に感染拡大するため、一旦発生した場合は、その集団はもちろんの事、周辺の地域においてもワクチン接種などの対策強化が重要となる。定期予防接種対象年齢にあるワクチン未接種者は速やかに接種を行うことが重要である。また、定点医療機関からの報告による麻しん発生動向調査では、流行時の症例を迅速にもれなく把握することはできない。流行が懸念される地域における麻しん報告の強化による発生監視を行い、一例でも症例が発生した場合には速やかに対策を実施することが望まれる。今回、ワクチン接種者での患者も発生しており、検査室診断の重要性は高い。血清IgM抗体が陽性の場合は麻しん感染が強く疑われる。同検査は、保険適応であり一般検査として実施可能であるが、患者からのウイルス分離を含め、公衆衛生上の必要性が高い場合には、地域の衛生研究所や国立感染症研究所で実施されることもある。詳細は、最寄りの保健所に問い合わせされたい。
保育園、幼稚園、学校、医療機関等は、しばしば集団発生が起こる。その他の職場等における集団発生の報告もあり、麻しん発生時には迅速な対応が必要である。麻しんに対する免疫を持たない者が麻しん患者と接触した場合、接触から3日以内ならワクチン接種で、6日以内なら血液製剤の一種であるガンマグロブリン投与によって発病を予防することができる事がある。また、発病初期は発疹がなく麻しんと診断がつきにくいため、流行が疑われるときには、発熱が見られたものは速やかに登園、登校、勤務等を控えるようにすることも重要である。たかが麻しん、と侮ることなく、保健所等や医療機関、学校・職場等が連携し、注意深くかつ速やかに対応することが重要である。

[ 84] 関東における麻しんの集団発生
[引用サイト]  http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/idwr0616.html



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