今回とは?

今回のゲストは佐藤 類さんです。佐藤さんは、サイバーステップ株式会社の創業者であり、「ゲットアンプド」や「卓球ピンポン」など<現在は> Java 言語によるゲームの開発をメインに活躍していらっしゃいます。ご存知の方も多いかとは思いますが「ゲットアンプド」は JavaOne2001 JavaNight コンテスト2位入賞、「卓球ピンポン」は JavaOne2002 JavaNight コンテスト Apple 賞受賞作品です。今回は、Java とゲーム、短期間開発の裏側、今後のビジネス展開等について語っていただきました。
サイバーステップは、今現在、自社モノのゲームやソフト、製品を売って食ってます。食ってると言えるほど大きい売り上げじゃないんですが。創業した時は、オンライン・ゲームとかオンライン・アプリケーションとかをもっとつくりやすくするためのミドルウェア、、というよりは仮想プラットフォームみたいなものをつくりたいな、ということで、創業から今でちょうど 2年半ですか。1年目は半分受託やりながら半分自社開発をやって、2年目は完全に受託を止めて自社開発をやって、今年の 4月ごろにそのへんを完了させて、まぁ 3年目になるわけです。
2000年の 4月 1日に創業なんですが、あのころはネットバブルの余韻もあって、いろんな案件があって、そういうのでも稼いでましたね。
-- ゲーム系の会社を創業されている方は、もともとゲーム好きから来た方と、ぜんぜんそうじゃなくて、Java とかそういうのが良くて、その表現のひとつの分野としてゲーム、って来てる方がいらっしゃると思いますが、佐藤さんはどちらになりますか?
僕を含めて開発者はですね、ゲーム会社に居たとかゲームの開発経験があるのというのは、ひとりもいないんですよ。まぁ、どちらかというと SI とか技術からみんな入ってるので。そういう意味ではもともとあんまりゲームに縁があったわけじゃないですね。
ただ、僕らの世代は、みんな小学校ぐらいからファミコンやってて、それでいて、僕がつくりたかったのがオンライン・アプリケーションだったので。まぁ、やっぱ目で見て楽しいし。企業系とかエンタープライズなんて言葉は創業のときはよくわからなかったですね。
ゲームありきではない。会社のコンセプトは、ネットワーク・アプリケーションのインフラになること。ただ、今、目に見えている市場というかやりやすそうなのがゲームだったので。
僕と僕を含めた創業者がみんな高専卒なんですね、東京高専。けっこう前にさかのぼるんですけど、1997年ぐらいに僕を含めて、今会社にいる 3人がプログラミングコンテストに出て、Java で 3D チャットソフトをつくったんですよ。Mosaic が出て、Netscape が出て、JDK1.0.2 とか、っていう時代にネットワークを使ってたんで、縁としては、そこから続いているということになりますね。
-- ある言語が好きでその言語でやってるって方もいらっしゃいますが、Java 言語そのものをやりたいからってことはありませんか?
うちらはあまり、それはないですね。もっとも、Java が好きだってのはみんなあるんですけど。創業した時はですね、クライアント側に C++ 使って、サーバ側に Java 使って、サーバサイドが HORB で、プロトコルが CORBA でやったんですよ。そしたら開発者が発狂しまして(笑)。半年くらいはやったんだけど「やってらんねぇ」って。
-- やっぱりいろんな要素技術を使って、結局、やりたいのはネットワーク・アプリケーションというのが根底にあるわけですね。
そうですね。その時、サーバサイドは OS のからみもあって Java で、クライアントサイドはコンシューマなので C か C++ にしようってやったんだけど、そうすると、同じコードでも二つの言語で書かなきゃいけないとか、異なる言語でやろうとすると煩雑になった。それから、CORBA が使いづらい、、まぁ、CORBA 使わなきゃいいんですけど。まぁ、ちょうどその時 HotSpot も出てて、GL4Java とか、OpenGL Java Binding 関係もすっかり出来てたんで、Java でやってみようよって。
デスクトップの Java 自体少ないですよね。僕らが、、「僕が」なのかもしれないですけど、いわゆる Web アプリケーションがあまり好きじゃないんですよ。http 使って、クライアントに下手に JavaScript 使ってですね、RDB 走らせて、なんか暗号化だのなんだの、っていう、そういうアプリケーションが好きじゃないんですね。今はぜんぜんそういう風潮じゃないんですけど。
-- なるほど。ところで、ゲームの開発の中で、オブジェクト指向の必要性とか、オブジェクト指向との相性っていうところについてはいかがですか?
正直、僕はメインのプログラマーって言うほどレベルは高くないんですけど、今までいくつもつくった中で思うのは、やっぱりゲームってのはオブジェクトのかたまりになるんですね。プレイヤーがいてアイテムがあって、アクションがメソッドになって、っていう。オブジェクト指向が極めてにゲームマッチしているっていうのは、間違いないと思う。ですから、そういう意味で、アセンブラでゴリゴリ書くよりは、Java じゃなくてもいいですけど、オブジェクト指向言語で書くっていうのはすごくゲームとマッチしてる。
-- 「卓球ピンポン」って、ファミリーレストランのテーブルに設置されているタッチパネル端末(プラスe*1)用のゲームですよね。私も、子供たちとケンカしながらガシャガシャやって、面白かったです。ただ、逆に料理を待ってる時間の方が楽しいので、子供が、料理が来ても食べ始めなくて(笑)
*1ファミリーレストラン「ガスト」を中心に、テーブル等に設置されているタッチパネル端末。ゲームや占い、ニュース等、様々なコンテンツを楽しむことができます。
卓球ピンポンのコンセプトが「誰でも知ってるゲームで、アクション性のある」もの。やっぱ、うちはオンライン・ゲームであれオフライン・ゲームであれ、インタラクティブで、アクション性があってという、そういうのにしたいんですよ。今回は、ちゃんとそういうコンセプトが実現できたんですけど。ただ、やってみたら、やっぱメシが来ちゃうんで。
第二弾はですね、また違うコンセプトで、メシが来ても大丈夫で、それでいて、インタラクティブで、アクション性があるようなものを考えていますけど。けっこう、面白いです。2ヶ月で 1作つくれれば、いろいろやれますよね。
-- プレイに時間がかかるようなゲームだと、店としては、それで回転率を下げる訳にはいかないから、アイデアを出すのは大変そうですよね。
タッチパネルは出来ることが制限されているのとですね、場はファミレスがメインなんで、企画考えるのは結構、大変ですよ。ただ面白けりゃいいとか、面白さ重視じゃなかったり、っていう。
それに、ゲームセンターみたいに画面がプレイヤーの真正面にない*2ですから、横から操作しなくちゃいけない。しかも、二人同時にクリックはできないですから、そういう制限のもとでマッチするゲームを考えるんです。
-- あ、二人対戦の、こっちやってる時はあっちだめ、あっちやってる時はこっちだめってのは、そういうことなんですね。
二人対戦はですね、交互に「DON'T TOUCH」って出るんですけど、自分がこっそり押し続けてると、相手は押せないんです(笑)
-- 今、「2ヶ月で 1作」というお話がありましたが、開発期間が、「卓球ピンポン」で 2ヶ月、「ゲットアンプド」で半年と伺ったんですが。
そうですね。卓球ピンポンは、1ヶ月でつくって、課金系とかのデバッグでもう 1ヶ月くらい。ゲットアンプドは、ベータレベルでは、一般に公開するまで半年ぐらいかかりました。
-- その生産性は、われわれの、いわゆるビジネス・アプリケーションの開発と比べると、信じられないですね。
-- それほど短い開発期間でソフトウェアが生産できるというのは、Java によるネットワークやグラフィックス機能等の実装をサポートする、
Keel というプラットフォームがあるっていうことに因る部分も大きいと思うのですが、あれは、会社設立の時から、もともとああいうものをつくろうというのがあったんでしょうか?それとも、やりたいことを実現するためにあれが必要だったのでしょうか?
前者ですね。創業の時からそれだったんですよ。できんの?っていうとこから始まってですね、まず、Java で 3D ができるかと、分散したネットワークでリアルタイムでインタラクティブな、言ってみればスーパーマリオみたいなゲームがオンラインで、インターネットで出来るかとか、わかんないことだらけで。他には、ちゃんとマルチプラットフォームに、ピュアなマルチプラットフォームに出来るかとかですね。ゲットアンプドをつくる時からミドルウェア、、まぁフレームワークは考えていたんですけど、まずゲームが出来上がって、そこから問題点とか必要なものとかを抽出してつくったってことなんで、もともと目標はプラットフォームです。
-- いままで、C++ 等で開発をされていた時代もあったわけですよね。それに比べて生産性っていうのは?
うーん。ネットワーク・ゲームっていう観点であればぜんぜん違うと思います。スタンドアロンのゲームだったら、
JSparrow とか、いろいろありますけど、マルチスレッドに対応しないとか、AWT 使ってるから不安定だとか、そういう問題点がいくつかあるんですよ。初めは
GL4Java を使ってもいいと思ったんですけど、結局、やっぱり安定したものを自社でつくって、っていうのがあったんで。
基本のインタフェースは OpenGL なんですけど、その上にやっぱ AWT みたいなですね、Window Toolkit をつくってるんですよ、Java で。 描画のバックエンドが OpenGL であって、ゲーム的な Window Toolkit。それで完結しますね。
そうですね。例えば、テキストフィールドとかチェックボックスとかですね、あとパネルとか、全部あるんですよ。ただ、業務アプリじゃないんで、Window Toolkit にフレームとかが、ひとつの OpenGL のスクリーン・キャンバスの中にゲームとして出来ている。
Java3D は、 VRML みたいに、どちらかというと、まずデータありきでそれを表現する。ゲームの場合は、当たり判定とか、高速描画とか、効率の良い方法をもとに書き方を選ぶ、みたいな感じです。まぁ、Sun は Java3D を使わないのかと聞いてくるんですけど、「あまりむいてないんです」という状態ですね。
例えば、遠隔のロボット操作。あんまり遠隔医療とかやると危険だから止めとけとか言われますが。ロンドンの買い物通りにあるロボットを動かして買い物をする、そういうのが出来たら楽しいですし。なんか、もっと日常的な、例えば、最近よく出てるハードディスク・レコーダー。ソニーの CoCoon は、OS が Linux じゃないですか。CPU が MIPS 350MHz とかなんですけど。じゃぁ、それに Java載せて、それのネットワーク・アプリケーションとしてのソフトを
-- 佐藤さんには、経営者としての顔と、エンジニアの顔という二つの側面があると思うんですけど、ご自分では、どっちがお好きなんでしょうか?
モノは、良けりゃ売れるんですよ。モノが良ければみんな興味を持つわけですよ。だから、経営と営業と開発というふうに区別すると、あまり僕は営業的なものはやっていない。むしろ、営業は実際は外に出てない開発者がやるんです。で、じゃぁ開発は?って言うとですね、うちは野放しですね。ある時こう「こんなのやりたいよ」となるんです。
ゲットアンプドをつくる時は「オンラインで、リアルタイムで、3D の中を自由に動けるアクションゲームがつくりたい」っていうすごく抽象的なことを伝えたらですね、半年ぐらいしたら出来上がったわけなんですね。別に僕の発言が全てじゃないですが、卓球ピンポンも「タッチパネルで卓球をやりたいんだ。当然フル
まぁ、知り合いですね。全くまっさらな外部から雇った人もいましたけど、1年くらい勤めて、みんな辞めてますね。今残ってるのは、みんな高専の時の知り合い、かな。
-- やっぱり、そういうところでコミュニケーション・ギャップのなさ、っていうのがあるのかもしれないですね。なんかこう、開発のための方法論とか手順とかっていうのは何かあるんですか?
まぁ、結果としてそうなっているんですけど、ポリシーとしては、関係の数を少なくすればするほどシンプルになる。早い話がひとりひとりに任せちゃう。あまり、チームを組まない。
-- でも、ひとりひとり個々にやるということは、それ全体を統率するっていう必要がありますよね、それはある種、佐藤さんの役割なんですか?
完全にうちはオブジェクト指向的で、「これやって」ってメッセージを投げたら、勝手にやられちゃいますから(笑)
--(笑)-- ゲームっていうのは、ソフトウェア的なエンジニアリングだけじゃなくて、ゲームのコンセプトづくりとかアイデアづくりとかっていうところが、ずいぶん大きいわけですよね。そういう意味での役割分担はどうでしょう?
まぁ、コンセプトに関しては、考えられる者が一応、基本的にイニシアチブを取るような形ですね。卓球ピンポンは僕がつくりたいって言ったんで、プログラマーとかデザイナーに僕の好みを伝えて出来上がりましたし、ゲットアンプドはまた違うのが主導でやってますし。ただ、機能を実装する場合はサーバであれクライアントであれ、ネットワークや DB でもつくり手が主導になります。
まぁ「後は任せた」みたいな感じですね。ゲームのクオリティも、あんまりみんながぎゃあぎゃあ言って、誰が決定権を持つかをわかんないと話になんないですから。
-- 今後、こういうところを狙っていきたい、とかですね、それは経営者としての立場もエンジニアとしての立場も両方あると思うんですけど、そういったところをお聞かせ下さい。
今考えているのは、二つステップがありまして、ひとつが既存のハードウェアやプラットフォームを使って、そういうインフラを広げていく。例えば、今、開発キットとしてライセンスしてる Keel の対応 OS は Windows と Mac OS X しかないですけど、社内では Linux で動いてたりするんですね。で、ファミレス端末のプラスe っていうのは、OS は一般のやつかもしれないですけど、その環境がまた違って、操作方法も違って、ユーザ層が違う、っていう意味では新しいプラットフォーム。そういう意味ではやっとひとつ増やせたなと思っています。
その他でいくと、最近、PDA が結構いいスペックになってきてますから、今からうちの方で、Zaurus の
Linux OS バージョンでちょっとやりたいな、、個人的にシャープが好きだってのもあるんですけど。PocketPC 版の Keel つくってもマイクロソフトは喜んでくれないでしょうけど。シャープだったら、売り込みに行けば、喜んでくれそうだなって感じもあるんで。ああいう、液晶関係の機器は興味あります、モバイル関係は、やりやすい情報も公開されましたし。
まぁ、方針としては、あんまりうち程度の規模でやるべきじゃないんですけど。プラットフォームを広げるってのは、横幅を広げながら、しかも機能を重ねていく。その両方ともやるんですね。ですから、家庭用ゲーム機だって面白いですね。Xbox は PC アーキテクチャに近いですから、それで動けばそれはそれで楽しいですし。
例えば PC の基盤に Keel 載せて。OS なんて別に Windows でも Linux でも何でもいいですから、、iTRON でも何でもいいです。そういう基盤もありますし、もっとゲームボーイアドバンスみたいな大きさでそれが動いて、コンテンツをダウンロード出来るような端末も。だから、うちは、、2年後ぐらいにはハードメーカー屋さんになりたいんですよ。
今、なんかハードメーカー屋さんはソフトウェアとかサービス業になりたいっていうんですけど、うちは逆でですね、メーカーになりたいんです。
-- というと、ソフトウェアを提供する、ゲームを提供する、フレームワークをそれぞれ個別に提供するっていうんじゃなくって、全体のプラットフォームをハードも含めて提供するわけですよね。
いきなり任天堂みたいなお金があるわけじゃないんで、全ての消費者の手元にマシンを一個ずつ供給できるってわけじゃないですけど、そのハードウェアの設計図と企画つくって、売り込むのは可能じゃないですか。そういう意味で、今、うちがオンラインゲームつくって、そのゲームソフトを韓国とか中国とかの大手に売り込めるわけなんで、ハードを売り込むのも不可能ではないと思うんですよ。
-- いいなぁ。そういう夢のある話があって。なんか今日はちょっと、オブジェクトの話から外れていっちゃいましたね。
-- ところで、経営者の佐藤さんに、お聞きしたいのですが、会社を大きくするっていうのは経営者として魅力的なことなのでしょうか?
会社を大きくするっていうところなんですけど、単位があると思うんですよ。例えば自社ビルの大きさとか、従業員の多さとか、売上高とかですね。僕の場合は、お金が払われるだけ価値があるって意味で売り上げは重要なんですけど、それよりもユーザの数を多くしたい。そういう意味では、マイクロソフトはすごくユーザ抱えてたりするじゃないですか。世界的に使われてるし。ユーザが多ければ多いほど偉いと思うんで。
思うのは、一回は転職した方がいいな、って。なんかこう、技術的なところが本質じゃないんですけど。転職経験があるかないかで、会社に対して強く見られるかどうかってのはあるんです。逆に、転職したことのない人って、弱くてかわいそうなところもあると思うんです。
エンジニアってすごい恵まれた位置にいると思うんですよ。別に辞めても転職出来ますし、給料は辞めて上がる可能性の方が高いわけですよね。他で、こんな業種はコンサルタントを除けばないんじゃないかなって思うような、、それでいて、別に弁護士みたいに免許は必要ない業界ですね。高専卒業すればエンジニアになれるわけですから。
あと、僕の話になるんですけど、学校を卒業して無職になった後、独りで 1ヶ月間マレーシアとタイに行ったんですよ。そしたら、いろんな人とコミュニケーションがとれる。女の子は女の子でかわいいものが好きですし、男は男で飲んだり食ったりして、、っていうのは、タイ人でもマレー人でもインド人でも中国人でも、まぁ、途中で出会ったイギリス人でもドイツ人でも、誰でも同じなんですね。一回、転職を機に、海外に独りで行く。日本人は裕福だから、そういうことの出来る立場にいるんで。だから、僕は人に会う度に「一回無職になれ」って。
-- 最近は、会社に対する帰属意識が、また強くなってる気もしますね。景気が悪くなってから、若手がだんだん礼儀正しくなってきてるっていうか。
自分の価格がわからないんですよね。一人月 100万円、200万円で扱われてるのに、20万円、30万円で働いてたり。会社を経営すれば一番よくわかるんですけど、辞めてもまぁ、わかるんですよね。そうすれば、転職の面接でも「今までの給料がいくらでしたか?」って聞かれたら、ハッタリで「700万円です」って言えば、そこから交渉できるわけですから。10社くらい行けば、1社くらい出してくれる外資系とかはあると思いますよ。
辞めて転職するのと、海外に独りで行くのは、やったほうがいいんじゃないかなぁ、、。偉そうなんですけど。

[ 205] OOエンジニアの輪! 〜 第 18 回 佐藤 類 さんの巻 〜
[引用サイト]  http://www.ogis-ri.co.jp/otc/hiroba/others/OORing/interview18.html

同様にスライドさせたときの背面。撮影に関連したボタンが現れている。液晶パネルの画素配列はカメラではまれなストライプ型。ちらつきや色にじみを抑えられるという。
筆者の私見だが,前回(2006年)の「PMA」のヒーローは,富士フイルムの「F30」だった。ISO3200を画素数を減らさずに実用感度にした機種である(関連記事)。では,2007年の展示品の中でヒーローはどれか。ソニーが2007年4月に発売する「DSC-G1」ではないだろうか。
DSC-G1は,ユーザーに新しい体験をもたらそうという点が図抜けている。先進の気風に富む大変ソニーらしい製品といえる。デジタル・カメラの汎用品化に対抗する意欲的な取り組みとして特筆できる。
DSC-G1における最大の特徴は,カメラ本体さえ手元にあれば,いつでもどこでも写真を見て楽しめること。ユーザーが手持ちの写真データをほぼすべて格納できるからだ。いわば,個人の音楽ライブラリを丸ごと持ち歩けるようにした「iPod」の写真版である。
DSC-G1は想定実売価格が7万円ほどと高い。このため今回は爆発的なヒットにならないかもしれない。しかし原価を大幅に押し上げたVGAの液晶パネルを取り外したり,同様な機能を多機種に搭載したりすれば,デジタル・カメラのトレンドをつくる可能性がありそうだ。
DSC-G1の開発に携わったソニー デジタルイメージングカンパニー FR事業部 3グループ プロジェクトリーダーの富永浩之氏に,長時間のインタビューに答えてもらった。
――DSC-G1は,これまで撮ったすべての写真をいつでもどこでも見ることができるカメラの第一歩という点で画期的ではないかと思っています。2006年10月9日号の特集「カメラ王国は永遠か」で,そうしたカメラを提案したため,ひいき目に見すぎているかもしれませんが…
DSC-G1はまさしく,いつでもどこでも写真を見ることを狙ったカメラです。撮る機能は,まだ追い込むべきところもありますが,かなり成熟しました。そこでDSC-G1は,撮る機能を好評な薄型機「DSC-T9」と同等としながら,見る機能を大幅に拡充しました。
拡充するからには,デジタルらしい面白いことを追求したつもりですし,開発には時間も費用も相当掛けています。将来「プロジェクトX」のような番組に取り上げてもらえる商品にしよう,という意気込みで生み出しました。私たちがユーザーに提案しないと,カメラ産業が停滞してしまうという危機感もありました。
――ただ一点,気になることがあります。価格が高すぎませんか。消費者に理想的な姿を見せて「見る機能」の価値を訴求する必要があることは分かります。しかし,例えば3.5型でVGAの液晶パネルはややオーバー・スペックではないでしょうか。
社内で新規開発した液晶パネルなので,公平な視点ではないかもしれませんが,高価な分の価値があると思っています。例えば,屋外で見ても十分美しいと感じてもらえるはずです。ただ今後,安価な液晶パネルを搭載することを否定するつもりはありません。今回の機種は,まず世に出して顧客に体験してもらうことこそが重要だと考えています。そのフィードバックが次の開発に生きます。
――ぽっと出の一機種が独り勝ちを生み出すことは,ごくごくまれですものね。後継機種の投入にも期待しています。今から後継の話をするのは変ですが…
えぇ。私たちとしては,「G」という新しいシリーズを設けたわけです。期待に添えるようにして参ります。
スピーシーズ,小型2足歩行ロボット「MI・RAI-RT」向けソフト開発環境を発売 《動画あり》(2007/02/16)
「YouTubeに投稿する映像を高画質化できる」,米ベンチャーのMotionDSPが高解像化システムを開発(2006/11/01)
【CES続報】ノバテックがDTCP-IP対応の低価格な小型メディア・サーバを出展(2006/01/13)
■この商品のポイントは,無線LANを使用してカメラ同士を直接接続せずに同期が取れたりお互いのデータを共有できる点であるような気がします。
そう考えると,HDDフォトストレージとはまったくコンセプトが違うのではないでしょうか? また,DLNAを使用しているので「囲い込み」とも思えないのですが…
この場合重要なことの一つに,PCを介さずに他機から写真を受け入れられるかどうかということがあると思います
PCという通訳を介してだけでは・・・・どうも同社の製品には「囲い込みする」意図が強く感じられてダメですね。
【Inter BEE 2007】フジテレビ,世界で初めて液晶ディスプレイのバックライトを使った可視光通信をデモ
Tech-On! 全体ニュースコラム用語辞典編集部ブログ雑誌記事紹介イベント書店特設サイト英語ニュース
Annex会員の方はAnnexにログインしていただくと,クリッピングした記事をここに表示します。(ログイン/Annexへの新規登録 | Annexとは?)';
米Vizio社は北米の液晶テレビ出荷台数シェアで首位を維持,米iSuppli社が発表(18:20)
【Inter BEE 2007】テクノハウス,中に商品を展示できる360度表示の透明ディスプレイを発売(16:52)
【Inter BEE 2007】フジテレビ,世界で初めて液晶ディスプレイのバックライトを使った可視光通信をデモ(14:13)
日本記録メディア工業会は,光ディスクやメモリ・カードなどの記録メディアの世界需要/生産の実績と予測を発表した。記録用CD媒体(CD-R/-RE)の世界需要は2005年をピークに減少が続いており,2009年にはDVDがCDを上回る見込みである。
京都マイクロコンピュータは「Embedded Technology 2007」で,米Google Inc.が公開したばかりの「Google Android」のデバッグ環境を急きょ用意し,実際にカーネルなどをデバッグする様子を実演した。
米DivX, Inc.は,ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「プレイステーション3(PS3)」がDivX社の動画データ圧縮方式「DivX」に対応すると発表した。
セイコーエプソンは「Embedded Technology 2007」において,電子ペーパーを利用したビューワ端末の試作品を参考出展した。端末の大きさは,手帳サイズ(B6判大)に近い180×120mm。厚さは3mmと薄く,重さは57gと軽い。
米Google Inc.および携帯電話機向けプラットフォームの推進団体である米Open Handset Allianceは日,OSAが普及を進めるソフトウエア・プラットフォーム「Android」のソフトウエア開発キット(SDK)の早期版を公開した。
篠田プラズマは,142型ディスプレイの量産出荷を2008年下期に始めると発表した。この発表会の場で,同社 代表取締役会長の篠田傳氏は,2016年ころをメドに,一般消費者向けの家庭用ディスプレイ(テレビ)の市場も狙うとの考えを示した。
各種システムの障害は,ソフトウエアの不具合によるもののほか,システムを構成する電子機器,もっと言えば,電子機器に搭載されているさまざまなデバイスの故障・劣化によることが少なくない。
今回はイノベーションについて考えてみたいと思います。製造業はグローバルに競争が激化しています。そんな中で競争力を高めるためには,イノベーションが必要不可欠となってくるわけです。
日なたもあれば,日陰もある。多くの技術者は日陰者のようである。もっと日なたに出てもらいたい。私自身も技術者が表に出てくる活動に汗をかいている。今回は,その一端を紹介しよう。
東京大学ものづくり経営研究センターが主催している「ものづくり寄席」を覗いてきた。先生方が祭りのはっぴを着て,経営学を落語風に語る,という趣向である。…
妻が、バスタオルが欲しいので探せという。そういうの得意でしょ、と。今使っているものがどれも随分くたびれてきたので、一気に入れ替えたいらしい。
BPnetTRENDYnetビジネスパソコンITテクノロジー医療建設・不動産安全・安心経営とIT動画転職

[ 206] 【PMA】まさにソニー,「G1」に今回No.1のインパクトを感じた - デジタル家電 - Tech-On!
[引用サイト]  http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070314/128914/



お気に入り



  • track feed
    • seo