再発とは?
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“本当のがんの話をしよう”そして安心して長生きしよう。転移はいつ起きる?検査は?再発後は?乳がんを素材に医師と患者が本音で語る『患者と語るガンの再発・転移』の増補新版。他のがんの再発・転移も解説。 1センチのがんは「早期発見!」と喜ばれるのがふつう。でも、がんの一生から見るとすでに熟年。がんが若くて元気なうちに、もう人の運命は決まっているのか? 「早期がんの治癒率は100%近い」というが、がんは「悪性」の代名詞なのだから、どこか変だ。本物のがんとは何か? 早期発見されているがんとは何かを考える。 「手術したら転移が予防できる」? それなら、乳がんで、乳房を全部取ったのに、患者さんの3割が転移で死亡するのはなぜか? 転移のメカニズムに関する最新の理論では「転移はすでに初回治療の時に存在している」という。 抗がん剤は大多数の患者さんにとっては単なる『毒』。抗がん剤が効かないがんが圧倒的に多い。抗がん剤が有効とされるがんでも、効かなかった人には、やっぱり『毒』。しかし医者は抗がん剤を勧める。患者さんの側から拒否しないとだめ。 放射線治療は、臓器をごっそり取る手術に代わってがんの初回治療としてもだいぶ使われるようになったが、使い方によって毒にも薬にもなる。医者が語りたがらない危険とは? 「生検してメスが入るとがんが飛ぶ」そう言って医者は手術を急がせる。それなら「手術が一番危険」になるのでは? リンパ節を取っても転移は防げないのに、医者にリンパ節をごっそり取られて患者さんは後遺症に苦しむ。 治療後も、再発・転移が心配で、何か民間療法をやっている患者さんが多い。民間療法にも『作用』があれば『副作用』がある。本当にそれが自分の体に必要なのか? 検査は、見つけて治療して、それで治ってこそ意味がある。でも、治る再発・転移は少ない。役に立たない検査を頻繁にする意味があるのか? 人は検査のために生きているわけではない。 再発・転移は治せないのが原則。例外は少ない。しかし治せないまでも、苦痛を取り除く治療法は多々あるし、在宅で過ごせる。それがわかれば安心できるのでは? 再発・転移しても、すぐ死ぬわけじゃない。今日元気なら、明日には死なない。体力を保って、1日1日を積み重ねて長生きすることが大切。そのためには、患者さんの側に、知識と努力が要求される。 人は悲惨な終末期を迎えるために生きてきたのではないはずだ。それなのに、なぜ、病院に入ったがために、苦しい死を迎えなければならないのか? 患者さんにも家族の方にも、これだけはやってはいけませんよと注意しておきたい。 がんは老化現象。世代交代を図るために、自然界が用意した自爆装置。言いかえれば「運命」。運命とは、とことん闘ってはいけないのでは? 人間の体は、治療を受けることを予定して進化してきてはいない。だから治療に対して非常にもろい。寿命を縮めないベターな選択とは何か? その患者さんは、再発・転移なく数年を過ごしていましたが、ある時、背中が痛くなりました。それまで好調だったので、『大丈夫、なんでもない。乳がんとは関係ない』と自分で判断し、私の外来には受診せず、近くの開業医のところへ通いました。ところが、それは脊椎への転移であり、数ヶ月たつうちに進行して脊椎のなかを通っている神経を圧迫し、とうとう下半身マヒになってしまったのです。 私は、再発・転移について、もっと詳しく患者さんに説明しておくべきだった、と反省しました。私は医者の中では、患者さんによく説明するほうだと思っていましたが、再発・転移については説明が不足していたと認めざるをえませんでした。それで、自分の知っていることや考えていることを、洗いざらい書いてしまおうと決心したわけです。 また、もうひとつの発端は、私が乳がん治療について最初の問題提起をした本『乳ガン治療・あなたの選択』(90年刊行)の編集を担当した編集者との会話でした。私は医療における数々のタブーをなくしてきたつもりですが、自分自身のうちにタブーを抱えていては、患者をひどい医療から解放できないし、患者を尊重したことにもならない、私自身も解放されない、と気づかされたのです。 しかし、ありのままに話すといっても、医者が一方的に話す形では、伝えたいことも伝わりません。そこで、乳がんを経験したイデアフォーのメンバーと一緒に、実際に何回か『再発・転移の勉強会』をしました。すでに治療を終えた経験者や、治療中の患者さんに質問や言い分をぶつけてもらい、医者も患者も本音で語り合って得た声を土台にして構成したのが本書です。 この間、いろいろな臓器がんで手術の縮小化が進み、手術しないで放射線治療を受ける患者さんも増えてきました。全国の乳がん治療の中で乳房温存療法が占める割合は、2000年に4割だったので、今では5割を突破しているでしょう。 しかし、再発・転移の治療法には、大きな変化はみられません。患者さんが抱いている、再発・転移に対する誤解や不安も昔のままのようです。私の、再発・転移に対する考え方も大筋においては変わっていませんが、乳がん初回治療時の抗がん剤治療に対する評価は、「微小な転移が治ることがある」から、「延命効果だけかもしれない」に変わりました。その点を加味して全体を書き改めました。 また、本書第1部は、患者さんとの会話の形式をとっていますが、この10年間に生じた変化や新たに発表された医学データと整合するように、手直ししました。第2部の「他のがんの再発・転移のポイント」は全面的に書き直しました。 また、新版にあたり、共著者としてイデアフォーの名前を入れました。イデアフォー会員たちとの対話がなければ本書が生まれなかったことを明確にするためです。新版にあたっては、イデアフォーの世話人での1人である中澤幾子さんに協力してもらいました。 なお、再発したあとの患者さんの実際の生き方としては、21人の再発乳がん患者さんの手記を集めた本『再発後を生きる』(イデアフォー編、三省堂、2003年刊行)が参考になるでしょう。 最後になりましたが、「先生、お先に」と言って旅立っていかれた人たちに、あらためて、お礼を言いたいと思います。本書で話した私の日常診療上の考え方は、患者さんの生き方や考え方から教えられたものがたくさんあります。 本書に記した事実の中から、読者が、自分に合ったがんとのつきあい方を見つけられ、よりよい人生を過ごして頂けることを願っています。 当社サイトでは、SSL (Secure Socket Layer) による暗号化と、ベリサインによるサーバー認証により、高い安全性を確保しています。 |
[ 180] 三省堂|再発・転移の話をしよう
[引用サイト] http://www.sanseido-publ.co.jp/publ/saihatuteni_hanasi.html
