勘所とは?
|
IDSは、導入したからといってセキュリティが向上するわけではないし、日々の運用を怠ればまったく無意味だ。では、どのように運用すればよいのか? 前回導入したTripwireの運用方法を解説する。 前回は、Tripwireの導入からレポートの出力までを解説しました。今回は、導入後の運用について説明します。 レポートファイルは、整合性チェックを行うことで作成されます。まず、このファイルの内容を見ていきましょう。ここでは、テスト用のポリシーファイルで整合性チェックを行って生成されたレポートファイルを例に説明します。 まずは、前回の復習を兼ねて簡単なポリシーファイルを作成してみましょう。内容は簡単な方がいいと思いますので、次のようなものにします。 ファイルの作成が終わったら、暗号署名してデータベースを作成後、整合性のチェックを行います(編注)。 編注:暗号署名、データベースの作成、整合性チェックの方法については、前回のTripwireによるホスト型IDSの構築参照。 Modifiedの「1」は、変更されたファイルが1つあることを表す。Addedが「1」の場合は、ファイルなどが1つ追加されたことを意味する 変更されたファイル名。その下に詳細が記載されている。サイズやHASH値から、ファイルが明らかに変更されていることが分かる レポートの内容を確認しても、それからどのようなことが想定されるのか、どのような対応をすべきなのかは分かりにくいでしょう。通常、意図しない変更が行われてもよいと考えられるファイルなど存在しないものです。設定変更など、何らかの意図があり、その事実を把握しているのであれば問題はないでしょう。 まず、何らかの変更が報告されたのであれば、それが正当なものなのか不当なものなのかを判断しなければなりません。不当なものであれば対応が必要になります。最善の対応は、そのホストをネットワークから切り離してしまうことです。その後、どのようなことが原因でファイルが変更されたのかを判断します。 すなわち、プログラムの不具合などを突かれ、不正な侵入・変更が行われてしまったのか、それともFTPでのanonymousログインに対してもPUTを許してしまうような設定ミスによるものなのかということになります。前者はある意味致命的であるため、ホストの再構築を考えなければならないでしょう。後者であれば、本当にFTPに関する設定ミスのみであれば、適切に設定変更するだけで済むかもしれません。いずれにしても、現状の正確な把握をしなければなりません。 判断が難しい面もあります。例えば複数の管理者が存在し、意思の疎通ができていなければ、ある管理者にとっては正当な変更であり、別の管理者にとっては不当な変更と判断されてしまうかもしれません。これは絶対に避けたいものです。このような事態を回避するためにも、IDSのポリシーを考えるだけでなく、運用に関するポリシーもきちんと作成することを強く推奨します。 次に、どのようなファイルが狙われやすく、そのファイルの変更からどのような事態が発生し得るかを考えてみましょう。 Tripwireで用意されているポリシーファイルの中には、コマンドも含まれています。このようなコマンドに関する変更も注意が必要です。トロイの木馬が仕掛けられている可能性があるのです。狙われやすいのが、通常のオペレーションで頻繁に使われるコマンドです。ディレクトリの一覧を表示するlsコマンドなどがそれに当たります。何げない操作によって悪意のあるプログラムを実行してしまい、システムを破壊してしまうといったことが十分に考えられます。 また、先にも挙げたアプリケーションなどの設定ファイルにも注意が必要です。FTPのほかに、分かりやすいところではメールの設定ファイルなどが考えられます。不正中継を許可しない設定であったにもかかわらず、設定が変更されて踏み台になってしまう可能性もあります。単純にメールの送受信ができるからといって「被害はない」などと考えてはいけません。 当然、/etc/passwdファイルなどは要注意です。通常、/etc/passwdファイルは一般ユーザー権限での書き込みを許可しません。/etc/passwdが書き換えられたということは、root権限によるコマンド実行を許してしまっていると考えられるからです。もちろん、一般ユーザー権限での任意のコマンド実行を許してはいけませんが、想定される被害の度合いから考えても、事の重要性は変わってきます。また、起動スクリプトなども狙われることがあります。OSの起動時に実行されるスクリプトで、意図しないプログラムが起動されてしまうかもしれません。 Tripwireは不正アクセスに対してのみ利用するというものではなく、ほかの使い方も考えられます。例えば、アプリケーションの設定変更を行うときにも役立つことがあります。複数の設定ファイルを変更した後、正常に動作しなくなったとします。どのファイルを編集したか忘れてしまったときなど、Tripwireのレポートが役立ちます。ただし、残念ながらどの部分が変更されたのかまでは分かりません(注)。 さらに、データベースファイルをテキスト化し、siggenコマンドで変更前のファイルのHASH値と現在のファイルのHASH値とを比較することで、元の状態へ戻すことへの手助けとなるでしょう。 ほかにも、アプリケーションを新たにインストールしたりバージョンアップしたときなどに、どのファイルが追加・変更されたのかを把握できます。 初心者にとって、iptablesは難しい。そこで、学習の第1歩としてテンプレートを自分の環境に適応させることから始めよう 奥が深いセキュリティ対策の世界をゼロから解説。ホストレベルのセキュリティからファイアウォール、IDSの構築、ログ管理方法まで、システム管理者必見 WebDAVのメソッドは便利な反面、セキュリティホールとなり得る。しかし、適切な対策を講じることでメソッドの危険性は取り除くことができる LinuxでIPSecを利用するには、「FreeS/WAN」というIPSecスタックを用いることになる。まず、これをインストールすることから始めよう 別のOSや異なるIPSecスタックとの相互接続が可能なら、その用途は大幅に広がる。前編では、FreeBSDのKAMEと相互接続を試みる サーバにリモートログインする場合は、暗号化して転送するsshを使おう。sshをサーバとクライアントにインストールすれば、インターネット上でも安全な通信が可能になる 組み込みLinux業界動向 携帯電話や情報家電市場の活況で、組み込み分野が面白くなっている。その中でLinuxはどのような存在なのだろうか? 組み込みソフトウェアの開発は、PC用とは異なる要素や手順が必要となる。今回は開発を始める前に、組み込み開発の全体像を説明する 組み込み分野では、リアルタイム性の保証が重要なテーマの1つとなる。Linuxでも、それを実現するための取り組みが行われている Heartbeatの特徴とユニークな機能 (2007/11/13) オープンソースソフトウェアの「Heartbeat」をご存じでしょうか? これを使い、Linux上でHAクラスタを構成する方法を紹介します 日米大手銀行がLinuxを採用したそれぞれのワケ (2007/11/6) 日米を代表する大手銀行は、なぜ、どのように、Linuxとその上で動作するオープンソースソフトウェアを導入したのか あんなコアいいな、吐けたらいいな (2007/10/31) エラー原因究明の手がかりとなるコアダンプ。肝心の領域だけを指定できたら便利だな……という人のための仕組みが提案された ホワイトペーパー利用者に「Amazonギフト券」を抽選で100名様にプレゼント!――TechTargetジャパン リニューアル・キャンペーン @ITトップ|Linux Squareフォーラム トップ|会議室|利用規約|プライバシーポリシー|サイトマップ |
[ 56] Tripwire運用の勘所(1/2)
[引用サイト] http://www.atmarkit.co.jp/flinux/rensai/security09/security09a.html
|
サーバのボトルネックを見極めるには、適切な性能評価が必要。ApacheBenchとJMeterによる、効果的な性能評価のポイントを紹介する。(編集部) Apacheはそのままでも十分なパフォーマンスを発揮しますが、設定値や構成の見直しを行うことで、さらに高い性能を得ることができます。しかし、適切な値を設定しなければ、サーバの潜在能力や許容量をオーバーし、かえってパフォーマンス低下を招く可能性もあります。経験やノウハウの蓄積が少ない状態では、チェック&トライの繰り返しが必要です。 サーバやネットワーク構成など、評価対象となるWebシステムの構造を理解したうえで、ボトルネックの当たりを付けて試験を行う の2つに大別できます。ブラックボックステストからホワイトボックステストへと進めるのがセオリーです。しかし、短納期などの理由で性能評価に使える時間が短かったり、十分な試験項目を準備できなかったり、要求仕様があいまいで満たすべきパフォーマンスが不明などの理由で、満足に実施されないこともしばしばです。 これらの値を定めずにベンチマークを実施しても、単なる数字に一喜一憂して自己満足を得るだけのことです。 ベンチマークの実施に当たっては、意図的に劣悪なネットワークやマシンを使う場合もありますが、一般的には高性能のクライアントとネットワーク環境を用意し、Webシステム以外の部分でボトルネックが発生しないようにします。また、運用中のシステムに対して性能評価を行う際は、実施する日時を十分検討し、サービスに支障が発生しても問題ない時間帯を選択します。 ベンチマークソフトは、無償のものから商用製品までさまざまなものがあります。ここでは、2つのオープンソース系ベンチマークソフトを取り上げます。1つは定番のApacheBench、もう1つはより高機能なJMeterです。 最新安定版Apache 2.2は、何が変わったのか? 最新のApacheを新機能の使い方とともに解説する 本連載では、Apache 2.0の運用や管理方法を解説する。まず必須設定と基本的なセキュリティ対策を行い今後の運用に備える 本連載では、BIND 9の構築/運用方法を解説していく。実際に役立つことを目的に、セキュリティや大規模運用などのテーマを取り上げていく 本連載を通して、qmailによるメールサーバの高度な構築・運用・管理術を紹介。SPAM対策やML管理からサーバでのウイルスチェックなどまで Samba 3.0リリースから8カ月。ここであらためて、Samba 3.0系列の新機能、インストール方法、国際化の現状を解説する 組み込みLinux業界動向 携帯電話や情報家電市場の活況で、組み込み分野が面白くなっている。その中でLinuxはどのような存在なのだろうか? 組み込みソフトウェアの開発は、PC用とは異なる要素や手順が必要となる。今回は開発を始める前に、組み込み開発の全体像を説明する 組み込み分野では、リアルタイム性の保証が重要なテーマの1つとなる。Linuxでも、それを実現するための取り組みが行われている Heartbeatの特徴とユニークな機能 (2007/11/13) オープンソースソフトウェアの「Heartbeat」をご存じでしょうか? これを使い、Linux上でHAクラスタを構成する方法を紹介します 日米大手銀行がLinuxを採用したそれぞれのワケ (2007/11/6) 日米を代表する大手銀行は、なぜ、どのように、Linuxとその上で動作するオープンソースソフトウェアを導入したのか あんなコアいいな、吐けたらいいな (2007/10/31) エラー原因究明の手がかりとなるコアダンプ。肝心の領域だけを指定できたら便利だな……という人のための仕組みが提案された ホワイトペーパー利用者に「Amazonギフト券」を抽選で100名様にプレゼント!――TechTargetジャパン リニューアル・キャンペーン @ITトップ|Linux Squareフォーラム トップ|会議室|利用規約|プライバシーポリシー|サイトマップ |
[ 57] @IT:JMeterによるWebサーバ性能評価の勘所(1/3)
[引用サイト] http://www.atmarkit.co.jp/flinux/rensai/apache2_02/apache02a.html
|
消費が進化・多様化するなかで、どうすればマスマーケットを攻略できるのか。日本の全女性への訴求力を持つ国民的スターSMAP。SMAPのビジネスモデルからその糸口を探ってみよう。 すとう・みわ●東京大学理学系大学院修士課程修了。公認会計士。博報堂マーケティング局、アーサーアンダーセン、シュローダー・ベンチャーズを経てベイン・アンド・カンパニーに参画。現在は、大前・アンド・アソシエーツで、国内大手企業の経営支援、人材開発支援活動を主軸にベンチャー企業の育成支援や教育活動に従事。M&A戦略、新事業創造、ブランドマネジメント等の分野で豊富なコンサルティング経験を有する。著書に『実況LIVEマーケティング実践講座』などがある。 コスト削減やオペレーションの効率化が一段落し、財務健全性の大幅改善にもメドが立った今、多くの日本企業が“自社の成長の源泉をどこに求めるか”という命題に最優先で取り組んでいる。 成長を志向するにあたっては、いかにしてユーザーに選ばれる商品・サービスを提供していくか、ということがきわめて重要な視点だ(図1参照)。しかし、現実には消費者に選ばれるビジネスモデルを構築するためには何が必要か、の本質的議論が十分には行われず、新規性やユニークさを追求した企画やアイデア頼みで事業展開に邁進してしまっているケースが意外に多い。 消費者に選ばれるビジネスモデルを構築することそのものが近年、ますます難しくなってきていると考えられる。 消費者を感動させるような新規性の高い商品・サービスを世に送り出すこと自体、冷静客観的に見てきわめて難しいのが現状だ。一つ一つの技術開発に必要な投資コストや要する時間が上昇傾向にあり、消費者に提案する新しい付加価値の源泉として最も有望な技術開発投資の閾値{いきち}が以前に比してかなり上がってきていることが大きな原因と考えられる。 一方、消費者サイドでは生活面における大きな不足感、不満感が減少しており、複数の業種で見られる商品ライフサイクルの早期化も手伝って、消費者が内心、慌てて買わなくてもそのうちもっと安く買えるかもしれない、改良されたバージョンが出るかもしれない、と買い時を迷う傾向が蔓延してきている。結果的に消費者の期待レベルを超えるような驚きや感動は容易には提供できなくなってきている。 さらに、今や消費者集団も高度経済成長期のように同じ消費性向を示すわけではない。したがってマスマーケットに選ばれることを目指した場合はますます困難さを極めることになる。 しかし、相応の事業規模を目指す企業にとっては特定顧客セグメントを取り込んだ事業展開では十分でなく、広く一般に選ばれるような事業展開を目指す宿命を負っており、この難題に取り組まざるをえない。 一つは、「バブル期をいつ経験したか」である。バブル景気経験世代は、最近のような景気回復局面においては今よりもっと豊かな世の中がくるのではないかという期待感を再燃しがちだ。この世代は景気の上昇を体感しているため消費に対しては依然、積極的だ。新商品が次々と登場した歴史とともに育っていることもあり情報感度が高く、先進的購買行動をとることに誇りを感じて高価格であっても新商品を買う。 一方、中高生の多感な時期にバブル崩壊を目の当たりにした後続世代にはもっと堅実な購買パターンが見られる。百均(100円ショップ)で身の回りのものは済ませるが、クルマを買う、といった、ここぞという消費の場面ではきっちりお金をかける。投資回収の帳尻を合わせる、という感覚が自然と身についているのだろう。学生時代、あるいは20代の前半で、自分の市場価値を高めるために、と資格取得などの勉強に意欲的だったのもこの世代の購買パターンの表れといえる。 もう一つの多様化のドライバーは「IT化、ブロードバンド化への大きな転換をいつ経験したか」であると考えられる。 ある時期(1990年代)を境に急速に世の中に浸透したIT技術進展の波及効果に、かなり“大人”になってから遭遇した世代と、IT化がすっかり浸透した状態で育った世代では、購買行動パターンに大きな相違が見られる。 一番わかりやすいのは消費に際しての情報収集スタイルの違いだろう。「オトナIT化体験者世代」は、ウェブで調べられないわけではないが、自分の肌感覚を大事にしようとする。レストランに行きたいと思えば、そういうことに詳しい知り合いに聞いてレストランの候補が挙がった段階で初めてウェブで確認してみる。 しかし「バリバリのネット世代」は、網羅性の高い、あるいは評価コメントに定評のある情報検索サイトを見るなど、情報収集の基本プロトコルを踏襲して世間的な風評を手堅く理解しようとする。 何を便利に感じ、何を面倒に思うか、何にお金をかけることを割安と感じ、何を節約しようとするか、といった受け止め方の相違が世代間で生じているのは携帯電話の使い方などを見れば明らかだ。 このようにマスマーケットに選ばれることが難しくなってきている環境下でも幅広い顧客基盤を持ち、長い間支持され続けている“商品”がある。CM総合研究所発表の、2005年度CM好感度ランキングで男性部門のベストファイブをメンバー全員で独占しているSMAPだ。今年CDデビュー15周年を迎えるが、常に国民的スターの座を維持してきた。 SMAPのコンサートをのぞけば、そのファン層の幅広さが一見してわかる。メンバー5人がそれぞれ異なる役割を分担し、広い守備範囲をカバーできているために日本のすべての女性に対する訴求に成功しているのだろう。 ドラマに主演すれば必ず高視聴率を上げ、常に時代の先端を行く「カッコよさ」を表現する木村拓哉は、SMAPブランドの鮮度を牽引する存在。木村拓哉同様、SMAPの持つ“エッジ”(個性)を支えるのは、演技派俳優顔負けの演技力やファッション・趣味へのこだわりで職人的キャラクターを際立たせる草なぎ剛。一方、英会話や時代劇、ニュース番組への出演などにおいておおらかなチャレンジ精神を披露して広い層からの共感を獲得する香取慎吾や、NHK紅白歌合戦や「27時間テレビ」(フジTV系)といった大型生番組の総合司会やバラエティ番組のアンカーとして安定感、親しみ感を醸し出す中居正広がブランドとしての幅を担保している。 そして、顧客のカバレッジを包括的なものにするうえで重要な役割を果たしているのが稲垣吾郎だ。稲垣吾郎ファンは、ハリウッド系ロードショー映画ではなく、単館上映系の主張やテイストにこだわりのある映画を選ぶ女性セグメントに譬えることができる。実際に、彼が長く出演してきた番組には、休日の早朝に放映される「忘文」という、手紙を朗読する15分番組や、平日の深夜番組「Goro's Bar」があり、いずれもこだわりを持った固定ファンに根強く支持されている。 異なる顧客セグメントへの強い訴求力を持った5人がグループとしての強い一体感を持って活動していることがSMAPの幅広い顧客基盤形成を可能にしていると考えられる(図2参照)。 資生堂の新ヘアケアブランドTSUBAKIのCMソングとしても採用されている、「Dear WOMAN」は“日本の全ての女性に贈る応援歌”をテーマとしている。その歌詞からも排他性はいっさい感じられず、全女性へのホスピタリティ(=サービス精神)がストレートに表現されている。 ベッカム、ヨン様など近年、多くの日本女性を魅了したことで話題になったスターを見ても女性が求める理想の男性像が少しずつ変化していることがわかる。そんななか、SMAPは、その時どきに女性が求める理想の男性像を感度よくキャッチし、その期待に応えるべく柔軟に自らの魅力に磨きをかけてきており、その進化の姿勢そのものが女性からの高い評価を受けている。 つまりSMAPの最大の強みは、究極の顧客志向モデルの構築、すなわち、多様化し変化する顧客の潜在ニーズに応える体制をしっかり持っているところにあるといえる。 一般的に、アーティストというのは「自ら発信する」ことにこだわる。あくまで自分の個性を発信し、それに呼応する常顧客から構成されるコミュニティを大事にする、これがファンクラブの存在だ。この常顧客のロイヤルティをどのようにして維持していけるか、がアーティストの人気を持続させるうえで重要な戦略ということができる。 企業に置き換えると、自社技術をもとに開発した商品で勝負するシーズ型ビジネスモデルが実践されているケースが圧倒的に多い。一方、SMAPは、徹底した顧客志向を貫くプロフェッショナルとして、顧客の期待に応えて進化し続けることのできる潜在ニーズ対応型ビジネスモデルを確立している。しかも“微妙”な顧客のニーズにきめ細かく対応することができるようにバリューチェーンにおける“サービス”機能の強化に力を注いでいる点が見事だ。興味深いことに、SMAPの実践している上記の活動は、明らかに現代の消費者環境のもとに誕生したビジネスコンセプトである、といえる。 同レベルの圧倒的人気を誇った石原裕次郎は、それまでにはなかった全く新しい機能的価値を持ったスターだった。日本人離れした足の長さに、外国人俳優のような艶を醸し出す端正な容姿。しかも、演技もできて歌も歌える、こうしたスペックを持つ人はそれまでいなかったといわれる。高度経済成長期には、冷蔵庫、カラーテレビといった新しい機能的価値を有する商品が続々と登場し、消費市場を拡大していったが、言い換えるならば、石原裕次郎タイプの“機能的価値”訴求型の商品がよく売れた、という見方ができる。 その後、一時代を築いたサザンオールスターズの場合は、機能的価値訴求を行ったというよりは、“湘南”というライフスタイル提案を行ったと見ることができる。これはちょうどソニーのウォークマンが、歩きながら音楽を楽しむ生活提案を行って一気に浸透したのになぞらえることができる。当時は、マスマーケットが新しい生活提案に即反応し、一気にそれがトレンドとして普及したものだ。 そして、消費者の嗜好が多様化する現代においては、SMAPのようにマスマーケットの潜在ニーズにきめ細かく応えていける力量と柔軟性を持ち合わせた商品が売れていく。 企業活動に置き換えるならば、キリンビバレッジが「午後の紅茶」シリーズの発売20周年を機に行ったいくつかの取り組みが好例だ。「午後の紅茶」はマスマーケットから長年にわたって安定的な人気を博してきたトップブランドであり、20年間の販売累計本数は100億本を超える。 その取り組みの一つは、消費者における健康志向に応えるべく、「20年目の新発見」と銘打ち、ストレートティー、レモンティー、ミルクティーの3品それぞれのどこがヘルシーか、をメッセージ訴求するというものだ。例えば、ストレートティーは「実は低カロリー(15kcal/100ml)」、レモンティーは「実は無着色」といった具合に、事実に裏づけされた価値訴求を行い、消費者の納得感を醸成している。また、発売20年を記念したスペシャルシリーズとして、レモンの27倍のビタミンCが含まれているカムカムを使った「カムカムレモンティー」、茶葉を2倍使用した「茶葉2倍ミルクティー〈ウバ100%〉」などを次々と発売している。顧客目線で「午後の紅茶」ブランドの付加価値を見直し、進化させている同社の取り組みは、店頭で商品を選ぶ消費者に「あ〜っ、ちょうどこんなものが欲しかった」というワクワク感と共鳴をもたらし、購買を着実に誘引している。結果、同社の売り上げは極めて順調な成果をあげているという。 もちろん、多様化する顧客セグメントに向けて個別の商品・サービスを提供していく戦い方もありうる。しかし、SMAPの成功事例をビジネスに応用し、複数の機能あるいは付加価値のコンビネーションによりマスマーケットを取り込み、徹底した顧客志向を土台に、変化し多様化する顧客の潜在ニーズに対応できる進化の仕組みを構築することでマスマーケットに選ばれ続けるような事業を組み立てることができないものか。いま一度、検討してみる価値があるのではないだろうか。 |
[ 58] 「SMAP式」マスマーケット攻略の勘所
[引用サイト] http://www.president.co.jp/pre/20061002/003.html
|
データ・ウエアハウスやデータ・マートは,すでにブームの時期を脱し,本格的な普及期に突入した。しかし,普及が進むにつれ,データの品質不良や “保守地獄”といった深刻な理由で,せっかくのデータ・ウエアハウスやデータ・マートが重荷になっている企業も少なくない。問題を未然に防ぐ七つの勘所を紹介する。 本記事は日経コンピュータの連載をほぼそのまま再掲したものです。初出から数年が経過しており現在とは状況が異なりますが、この記事で焦点を当てたITマネジメントの本質は今でも変わりません。 最近,データ・ウエアハウスやデータ・マート(目的別に作る中小規模の情報系データベース・システム)を構築した企業の間で,二つの問題が緊急課題として浮上している。いずれも,開発・保守コストを急激に増大させている深刻な問題だ。 一つは,開発プロジェクトのオーバーラン(納期遅れ・予算超過)である。データの品質対策に,予想を超える作業工数がかかっている。生成したデータ・ウエアハウスの中でデータ間の帳尻がなかなか合わず,開発期間が大幅に延びてしまうのだ。オーバーランしたプロジェクトについて稼働後に開発工数の内訳を調べてみると,「全体の6割から8割がデータの品質対策に費やされていた」という事例が非常に多い。 もう一つは,データ・マートが増えすぎたために引き起こされる保守コストの激増である。あるサービス企業では,エンドユーザーの旺盛なデータ分析ニーズにこたえて30数個のデータ・マートを作った。しかし,必要なデータを抽出するために,その場しのぎで基幹系システムや他のデータ・マートとインタフェースを張り巡らせた結果,ついにだれも全体を理解できない状態にまで複雑化してしまった。 こうなると運用・保守作業はアリ地獄だ。修正や障害の連鎖波及も止められない。データ・ウエアハウスやデータ・マートに積極投資した米国の企業は,「インタフェース・プログラムの維持コストに情報システム予算の実に50%近くを費やしている」と米国のコンサルティング会社Information Impact International社は報告している(図1)。 図1●情報システム予算に占めるデータ品質対策コスト(インタフェース・プログラムの保守コストなど)。データ出所:米Information Impact International社 だが,情報システム部門の費用の約50%にまで膨らんだインタフェース・プログラムの維持コストは,適切な対策を講じることで,およそ10分の1にまで圧縮できる。そのためには,データの品質やデータ・マートの乱開発に関する問題などをクリアしなければならない。 筆者の経験から言うと,これら二つの問題を回避している先進企業は国内にも確かに存在する。そして,そこには風説に惑わされない明快な開発指針が息づいている。こうした先進企業に対する分析を基に,データ・ウエアハウス/データ・マート構築の「勘所」を7点に整理してみた。 開発プロジェクトの初期段階で重要なのは,「集計軸を徹底分析し,明確に定義すること」。多様なシステムからデータを収集する場合の鉄則である。にもかかわらず,意外に強調される機会が少ない。集計軸のできの良しあしは,後になってプロジェクトの明暗を分ける。 例えば売上高の分析なら,営業組織コード,顧客コード,商品コード,年月などの集計軸を定義するだろう。だが,これらのコードの定義内容が,業務,事業,地域などによって微妙に異なる,という問題が多発している。コード体系が同一でも,運用上の意味合いが異なるケースも少なくない。 あるユーザー企業は,販売・物流分析のためにデータ・マートの開発に着手した。だが大詰めの段階になって,出荷金額と売上高のそれぞれの合計値がどうしても食い違うという問題が露呈した。膨大な工数を割いて原因を調べたところ,次のようなことが判明した。 物流システムと販売システムで営業組織の定義が微妙に異なっていた,特定の顧客について年月の解釈が食い違っていた,特定の商品に付与されていた商品分類コードの解釈がシステム間で微妙に異なっていた,などである。このプロジェクトは結局,データ・ウエアハウスの構築をすべて最初からやり直すことになった。 こうした事態を避けるためには,データの抽出元となるすべてのシステムについて,あらかじめ現状のコード体系を棚卸ししておくことが不可欠だ。社内組織関係のコ−ド,取引先関係のコード,物品サービスに類するコード,時間や勘定に関するコード,それらを分類するコードなどが,自社には一体何種類あるのか。さらに,どのように運用されているのか。集中的な棚卸し調査によって,明確にすべきである。集中的な調査が難しい場合でも,部分的に実施した調査の結果を1カ所に集めて管理する仕組みづくりは必須(ひっす)だ。 既存システムから抽出すべきデータを決定する段階では,「ソース・データの粒度で妥協しないこと」が重要である。安易に粒度の大きなデータを選んでしまうと,データ・ウエアハウス/データ・マートの寿命を短くしかねない。 例えば「売上高」のデータは,既存システムの中のあちこちに,さまざまな粒度のものが散在する。典型的なあやまちは,「とりあえず,現在の分析ニーズは満たされる」という理由から,ある程度要約された(粒度の大きい/件数の少ない)売上高データに対してインタフェース・プログラムを作ってしまうことだ。ソース・データの件数が非常に多い場合は,この傾向がいっそう強くなる。 しかしながら,要約されたデータは当面の分析ニーズに対応できても,将来の潜在的なニーズにはこたえられない危険性が極めて高い。より詳細な分析ニーズや別の切り口の分析ニーズが顕在化したときに対応できなくなる。 ソース・データの粒度で妥協することは,「最後の手段」と位置付けるべきである。実際,データ・ウエアハウス/データ・マートで成果を上げている企業は,最後の最後までソース・データの粒度の細かさにこだわっている。彼らは,拡張性を犠牲にするリスクの大きさをよく理解しているからだ。 拡張性の乏しいインタフェースを作ると,いずれまた同じソース・データに対して類似のインタフェースを追加する,という悪循環に陥ることになる。こうなると,保守対象が増えてしまうし,整合性の管理も難しくなる。 データ・ウエアハウス/データ・マートは,ユーザー要件の高度化とともに成長すべきもの。「見えないニーズもニーズのうち」と心得ることがなにより大切である。 |
[ 59] 第18回 データ・ウエアハウス構築の七つの勘所:ITpro
[引用サイト] http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070718/277675/?ST=biz_honshitsu
|
HOME > 雑誌サイト > 日経エレクトロニクス > 日経エレクトロニクス2006年12月4日号 目次 > 【Guest Paper】Cellの性能をとことん引き出す 並列処理プログラミングの勘所 汎用CPUコア「PPE」と複数の信号処理プロセサ「SPE」を備える,非対称のマルチコア・アーキテクチャを採用した「Cell」。ソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション 3」だけではなく,今後ワークステーションやホーム・サーバー,デジタル・テレビなどへ広がる可能性がある。こうした機器にCellを搭載したときに欠かせないのが,マルチコア型マイクロプロセサの潜在的な性能を十分に引き出すプログラミング技術である。いかにして複数のSPEでうまく並列処理するかが性能を引き出す焦点となる。今回は,Cellを用いたシステムの開発に携わる東芝とフィックスターズの技術者たちに,3次元グラフィックスの描画を例に取り上げながら,Cellに最適化したソフトウエアを実装するためのプログラミング手法について解説してもらう。(根津 禎=本誌) ウインドリバーが家電向けLinuxや遠隔診断ツールなど新製品を披露【訂正あり】(2005/12/02) 「映画並みの動画とCD並みの音楽を手のひらに」,Agere社が携帯電話機向け新チップセット(2005/10/17) Annex会員の方はAnnexにログインしていただくと,クリッピングした記事をここに表示します。(ログイン/Annexへの新規登録 | Annexとは?)'; ソフトウエアにとって最も大切なものは何でしょうか。その答えが、しっかりとした設計・検証の方法論であることは論を待ちません。本書は、専門記者が最前線で取材・執筆した記事と、専門の技術者による講演内容をまとめ、組み込みソフトの開発方法論を中心に構成しました。 各種システムの障害は,ソフトウエアの不具合によるもののほか,システムを構成する電子機器,もっと言えば,電子機器に搭載されているさまざまなデバイスの故障・劣化によることが少なくない。 今回はイノベーションについて考えてみたいと思います。製造業はグローバルに競争が激化しています。そんな中で競争力を高めるためには,イノベーションが必要不可欠となってくるわけです。 日なたもあれば,日陰もある。多くの技術者は日陰者のようである。もっと日なたに出てもらいたい。私自身も技術者が表に出てくる活動に汗をかいている。今回は,その一端を紹介しよう。 東京大学ものづくり経営研究センターが主催している「ものづくり寄席」を覗いてきた。先生方が祭りのはっぴを着て,経営学を落語風に語る,という趣向である。… 比内地鶏とか名古屋コーチンとかコシヒカリとか、産地偽装に関する事件がやたらと目に付く。食品に限ったことではない。某百貨店がイタリア展で販売した家具は、実は中国製だったという。 BPnetTRENDYnetビジネスパソコンITテクノロジー医療建設・不動産安全・安心経営とIT動画転職 |
[ 60] Cellの性能をとことん引き出す 並列処理プログラミングの勘所 - 日経エレクトロニクス - Tech-On!
[引用サイト] http://techon.nikkeibp.co.jp/article/HONSHI/20061129/124676/
